「入ったばかりだけど会社を辞めたい」
「入社してすぐに退職しても大丈夫？」

このような悩みをお持ちではないでしょうか。

入社して間もないけれど、仕事や人間関係が合わず退職を考える方もいるでしょう。

入社してすぐの退職は、法律上問題ありません。しかし、メリット・デメリットの両方が存在するため、注意点を知っておくことが大切です。

この記事では入ったばかりの会社を辞めたくなる理由や、メリット・デメリットを解説します。

辞める前のチェックポイントや上手な辞め方についても紹介しているため、参考にしてください。

あわせて読みたい⇒仕事を辞めたいあなたに！原因と対処法・辞める際の判断基準

入ったばかりの会社を辞めるのはOK？

入ったばかりの会社でも、辞めることに問題はありません。

その理由について、以下でくわしく見ていきましょう。

法律的に問題はない

そもそも、働いた期間にかかわらず、労働者には自由に退職する権利があります。

法律上は、無期雇用なら2週間前までに退職の意志を伝えれば、会社の同意がなくても退職が可能です。

第六百二十七条　当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

（引用：民法第627条）

たとえ、就業規則で「1ヵ月前や3ヵ月前までに伝える」と定められていたとしても、実際には民法のほうが優先されます。

入社3年以内に3割の人が辞めている

厚生労働省の令和3年「新規学卒者の離職状況」によると、3年以内離職率は高卒者で約37%、大卒者で約32%でした。

また、リクルートワークス研究所の「企業調査による人材定着率の新卒・中途比較」によると、中途社員の3年目離職率が10％以上の企業は約28%にのぼりました。

引用：企業調査による人材定着率の新卒・中途比較│リクルートワークス研究所

つまり、新卒・中途にかかわらず、入社後3年以内に辞める人は約3割おり、決して珍しいことではないのです。

早い決断はお互いにメリットがある

実のところ、早い決断は自分と会社、お互いにメリットがある行為です。

確かに、就職・転職活動にかけた時間や労力を思うと、早い時期での退職は「もったいない」と感じるのも無理はありません。

しかし、入社して間もなければまだ研修段階であり、会社において自分が「1人前の戦力」としてカウントされているとは考えにくいでしょう。

教育したところでどうせ辞めてしまう人材なら、早い段階のほうが、会社にとっても少ない損失で済みます。

もちろん、自分にとっても、早く決断すればそれだけ早く新しい道へ進めることになります。

在職期間が短ければ、人間関係もそこまで面倒なく辞められるでしょう。

入ってすぐに辞めていいのか悩んでいるなら、早い時点で辞めることのメリットにも目を向けてみてください。

関連記事：退職時期や切り出すベストタイミングは結局いつ？円満退職を実現させるポイントとは

入ったばかりの会社を辞めたくなる理由

入ったばかりの会社を辞めたくなる理由として、次のものが考えられます。

それぞれくわしく見ていきましょう。

業務内容が合わない

そもそもやりたい仕事ではなかった、希望と違う部署に配属されたなど、業務内容が自分に合わないことも理由のひとつです。

もともと知識や興味がない分野ではモチベーションも上がりにくく、成長も見込めない可能性が高いでしょう。

「自分に合った仕事をしたい」という希望が強い場合は、業務内容の不一致に不満を感じやすいといえます。

人間関係が合わない

職場の人間関係が合わないことも、退職を考える理由になります。

会社にはさまざまな人がいるため、なかにはどうしても合わない人がいたり、パワハラやいじめにあったりすることもあるでしょう。

エン転職がおこなった「職場の人間関係意識調査」によると、転職経験者の半数以上が「人間関係が転職のきっかけになったことがある」と回答しています。

引用：職場の人間関係意識調査│エン転職

それだけ、仕事において人間関係は重要であり、大きな悩みになりやすいといえるでしょう。

関連記事：職場の人間関係が合わない・疲れたから会社を辞めたい時にすべき行動とは？

キャリアアップできない

現在の職場でこれ以上のキャリアアップが見込めないことも、退職を考える理由のひとつです。

上司が部下の育成に積極的ではなかったり、会社の研修制度やキャリアアップを支援する体制が整っていなかったりする場合もあります。

「新しいことを日々学び成長したい」「どんどん出世して偉くなりたい、稼ぎたい」という意欲が強い方にとっては、キャリアアップできない会社は物足りないと感じる可能性があるでしょう。

関連記事：転職でキャリアアップできる人の特徴や成功させるための秘訣を解説

労働条件や待遇が悪い

想定していたより労働条件や待遇が悪いことも、会社を辞めたくなる原因になります。

たとえば、入社してから次のようなことがあると「聞いていた条件と違う」と感じるかもしれません。

給与や休日は、働くうえで大きなモチベーションになります。

これらの待遇が不十分だと、働き続ける意欲を失ってしまうのも当然といえるでしょう。

関連記事：【令和最新版】仕事辞めたい理由ランキングトップ10

入ったばかりの会社を辞めるメリット・デメリット

入ったばかりの会社を辞める際には、メリットとデメリットの両方を把握しておく必要があります。

それぞれくわしく見ていきましょう。

メリット

入ったばかりの会社を辞めるメリットは次のとおりです。

まず、無駄な時間を過ごすことなく、早い段階でやり直しがきくことが大きなメリットです。

それにより、自分に合った会社や仕事に出会える可能性が広がり、キャリアアップできる確率も高まります。

また、入社して間もなければ引き継ぎはもちろん、新たに仕事を覚えたり人間関係を作ったりといった手間もかかりません。

嫌な仕事や人間関係を我慢せずによくなるため、ストレスもなくなり、改めて自分のやりたいことを見つめ直す時間も作れます。

デメリット

一方で入ったばかりの会社を辞めるデメリットは次のとおりです。

働いた期間が短いと、転職時に「すぐに辞める人」というマイナスイメージを持たれやすいでしょう。

また、一度辞めると転職グセがつき、就職しては辞めるを繰り返す方もなかにはいるため、注意が必要です。

そのほか、働いた期間によっては失業手当や賞与がもらえない可能性もあり、経済的に不安定になる恐れがあります。

さらに、会社や仕事が自分に合っているか見極められないまま辞めてしまう可能性も否定できません。

くわえて、あまりにも早く辞めると同僚や上司にいい印象を持たれず、退職日まで気まずい思いをする可能性も知っておきましょう。

入ったばかりの会社を辞める前のチェックポイント

入ったばかりの会社を辞める前には、次のポイントをチェックしてみてください。

まだ慣れていないだけの可能性がないか

まずは、まだ新しい環境や業務に慣れていないだけの可能性も考えてみましょう。

数ヶ月続けてみると、意外に向いている業務だとわかったり、気の合う人に出会えたりするかもしれません。

一時的な感情で辞めるのではなく、あくまで冷静に判断することが大切です。

今の会社で得られるものがないか

今の会社で得られるものがないかどうかも、改めて確認してみましょう。

働き続けることで、知らない分野の知識を得られたり、普段は出会えないような人と出会えたりする可能性もあります。

「絶対に辞めるしかない」と決めつけるのではなく、別の側面から俯瞰して見てみることが大切です。

家族や友人に相談したか

退職する前に、家族や友人に相談するのも方法のひとつです。

自分だけでは、ついつい都合のいいように考えてしまいがちになります。

自分では「辞めるしかない」と思っていても、第三者の視点から異なる意見をくれるかもしれません。

まわりの意見も参考にしながら、総合して判断するといいでしょう。

ほかにやりたい仕事や希望条件があるか

ほかにやりたい仕事や条件があるかも重要です。

ただ「今の職場が嫌だから」や「とりあえず」で辞めてしまうと、どの職場にいっても同じことの繰り返しになるかもしれません。

むやみに転職を繰り返すと、職歴としてもマイナスになってしまいます。

退職する場合は、目標や今後のキャリアプランをしっかり定めたうえで判断しましょう。

転職先が内定しているか

可能であれば、転職先が内定した状態で退職するようにしましょう。

すぐに転職しない場合は失業保険制度がありますが、自己都合退職の場合は給付制限があるため、お金が手元に入るまで2〜3ヵ月の期間があります。

また、職歴に空白期間ができると、転職活動時に「なぜすぐに働かなかったのか」と聞かれるなど、マイナスイメージを持たれる可能性があります。

経済的に不安定な状態では、転職活動にも焦りが生まれ、判断を誤ってしまうかもしれません。

在職中から転職活動を始めておき、次の仕事のめどが立ってから退職を伝えるようにしましょう。

入ったばかりの会社を辞めるときの流れ

入ったばかりの会社を辞めるときの流れは次のとおりです。

正しい手順を押さえておき、漏れのないように進めてください。

1.転職活動を始めておく

退職を決意したら、早めに転職活動を始めておきましょう。

経済的に余裕があれば、退職後にゆっくりする道もありますが、基本的には職歴に空白期間を作らずに働くのがおすすめです。

関連記事：転職エージェントおすすめ比較ランキング！人気エージェントの選び方を年代・職種別に一覧で解説

2.上司に退職の意志を伝える

次に、直属の上司に退職の意思を伝えましょう。

会議室など2人きりになれる時間・場所を作ってもらったうえで、上司が納得できるような退職理由を伝えてください。

関連記事：仕事をすぐ辞めたい方が知っておきたい退職の伝え方｜例文付きで解説

3.退職届を提出する

その後、退職願を提出します。

法律上は必須ではないものの、提出を求めている会社がほとんどのため、就業規則を確認しておくといいでしょう。

退職の届け出日は退職届の提出日で決まるため、退職希望日の2週間前までに届け出ます。

なお、退職理由は「一身上の都合」で問題ありません。

関連記事：退職届の正しい書き方は？見本や書くときの手順を注意点とともに解説

4.引き継ぎや取引先への挨拶を済ませる

退職日まで、もし引き継ぎがあれば後任の社員に伝えましょう。

また、取引先へも担当が変わる旨を伝え、挨拶しておくとスムーズです。

5.貸与品の返却や有給消化をする

退職日までに事務手続きを済ませ、貸与品を返却します。

有給休暇があれば、退職日までに消化しておいてください。

6.必要な書類手続きを済ませ退職する

退職日はなるべく出社し、お世話になった上司や同僚に最後の挨拶をしましょう。

退職日当日、またはそれ以降に離職票などの必要書類を受け取れば、退職は完了です。

入ったばかりの会社を辞めるときの注意点

入ったばかりの会社を辞めるときは、次の点に注意してください。

バックレて辞めない

「どうせ短期間しか働かなかったから」と、バックレて辞めることは絶対に避けましょう。

バックレは職場の人たちに迷惑や心配をかける、社会人としてのマナーがなっていない行為です。

そのため給料が支払われなかったり、会社側が迷惑をこうむったと判断して損害賠償になったりする可能性もゼロではありません。

辞めることを言い出しづらい場合は、退職代行サービスの利用がおすすめです。

関連記事：仕事を飛ぶ（バックレる）のはNG！デメリットやオススメの辞め方を紹介

納得してもらえる退職理由にする

退職理由はネガティブなものは避け、上司に納得してもらいやすいものにしましょう。

たとえば、次のような退職理由がおすすめです。

上記の理由であれば上司も引き止めにくく、退職を前向きに検討してもらえるでしょう。

関連記事：【具体例付き】理想の退職理由と例文｜円満に退職するためのポイント

できるだけ円満退職を目指す

できるだけ円満退職するため、次のように退職の伝え方も工夫してください。

ただでさえ入社してすぐに辞める立場のため、上司の心象は決してよくはないはずです。

退職する事実は同じでも、伝え方に注意するだけで相手の印象は変わります。

会社や上司の立場になってみて、角が立たない辞め方を考えてみてください。

関連記事：無理なく円満退社するコツは？円満退社できなかったときの対処法も解説

入ったばかりで会社を辞めづらいなら退職代行サービスを利用しよう

「どうしても気まずくて退職を言い出せない」「上司が怖くて辞めづらい」という場合は、退職代行サービスを利用しましょう。

退職代行は、会社への退職の意思伝達を代わりにおこなってくれるサービスです。

会社と直接やりとりせずに済むため、退職の言いづらさや気まずさを感じることもありません。

即日対応しているサービスを選べば、その日のうちに退職することも可能です。

上司や同僚と顔を合わせずに辞めたい方は、ぜひ利用を検討してみてください。

関連記事：退職代行おすすめ23社比較ランキング【最新版】サービス内容や料金・評判を解説

まとめ

会社に入ったばかりだと、誰でも辞めづらさを感じるものです。

しかし、法律上は労働者には自由に仕事を辞める権利があります。

仕事や人間関係が合わなかったり、キャリアアップがのぞめない環境だったりする場合は、早めに辞めるほうが自分と会社のお互いのためになります。

上司に怒られたくない、引き止めや気まずさに耐えられないという方には、退職代行の利用がおすすめです。

退職を決めたらそれ以上出社せずに済むだけでなく、早ければ即日退職もかなうスピーディーさも魅力です。

気になる方はぜひ、利用を検討してみてください。