適応障害で退職すると失業保険が300日もらえる可能性あり!見分け方や手続きの流れを解説

           
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「適応障害でも失業保険が300日もらえるの?」
「適応障害だと就職困難者になる?」

適応障害が原因で退職した場合でも、就職困難者と認定されれば、失業保険の給付日数が300日に延びる可能性があります。

しかし、必要な条件や手順を満たす必要があり、正しい知識を身に着けておくことが重要です。

本記事では、適応障害で退職する際に失業保険を300日もらう方法を解説します。300日もらえるかの見分け方や、手続きの流れも紹介しているため、参考にしてください。

事前に読みたい⇒失業手当(失業保険)はどんな制度?計算方法や条件・期間・もらい方までくわしく解説

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目次

適応障害で退職すると失業保険を300日もらえる可能性がある

適応障害で退職すると、条件を満たせば就職困難者に認定される場合があります。

就職困難者とは就職が難しく、一般離職者よりも条件が優遇される人のことです。

もし、適応障害の症状が重く半年以上の休養が必要だと判断されると、精神障害者保健福祉手帳が発行される場合があります。

精神障害者保健福祉手帳を提出することで、失業保険における就職困難者となり、受給日数が300日に延びる可能性があるでしょう。

また、手帳がなくても、医師の診断書や意見書があれば認めてくれる自治体も存在するため、ハローワークで相談してみてください。

失業保険とは

そもそも失業保険とは、再就職の支援を目的に支給される雇用保険からの給付金です。

受給条件や日数は退職理由によって変わるため、自分がどこに当てはまるか確認しておきましょう。

失業保険の受給条件や日数は退職理由によって変わる

失業保険の受給条件や日数は、退職理由によって異なります。順番に見ていきましょう。

関連記事:退職理由によって失業保険の支給期間が異なる!すぐにもらえる条件とは

一般離職者の場合

自己都合で退職した場合は、一般離職者と呼ばれます。失業保険の受給条件は以下のとおりです。

失業保険の受給条件
  • 離職前の2年間で通算12ヵ月以上雇用保険の被保険者だった
  • 働く意志と能力があり求職活動をおこなっている

一般離職者は7日間の待機期間にくわえ、2〜3ヵ月の給付制限があります。

被保険者期間が1〜10年未満の場合、給付日数は90日間です。

特定受給資格者の場合

会社の倒産や解雇など、会社都合で退職した場合は特定受給資格者と呼ばれます。

離職前の1年間に、通算6ヵ月以上の雇用保険被保険者期間があることが条件です。

給付日数については、年齢と被保険者期間によって細かく規定されているため、ハローワークで確認してみてください。

特定理由離職者の場合

自己都合退職の中でも、退職理由が下記に当てはまる場合は、特定理由離職者に分類されます。

特定理由離職者に該当する退職理由
  • 有期雇用期間が満了し更新がなかった
  • 怪我や病気で働けなくなった
  • 出産・育児で退職し受給期間を延長した
  • 家族の死亡や介護など家庭事情が急変した
  • 通勤が困難になった
  • 配偶者や扶養親族と別居生活を続けられなくなった
  • 希望退職者の募集に応じた

特定理由離職者は、離職前の1年間に通算6ヵ月以上雇用保険の被保険者期間があれば、失業手当の支給対象です。

給付日数は一般離職者と同じですが、被保険者期間が1年未満でも受給対象になる点が違いです。

参考:ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要

就職困難者の場合

次に該当する場合は、就職困難者に分類されます。

就職困難者に分類する方
  • 身体障害者
  • 知的障害者
  • 精神障害者
  • 刑法等の規定により保護観察に付された方
  • 社会的事情により就職が著しく阻害されている方

参考:厚生労働省「よくあるご質問(雇用保険について)

障害者と認定されるためには、障害者手帳の保有が条件です。

就職困難者と認められれば300日給付される

適応障害によって就職困難者と認められると、失業保険の受給日数が増えます。

その場合の給付日数は以下のとおりです。

 被保険者期間
1年未満1年以上
離職時の年齢45歳未満150日300日
45〜65歳未満360日

45歳未満なら300日、45〜65歳未満なら360日と、一般離職者に比べて受給日数大幅に延びることになります。

また、1年未満(6ヵ月以上)でも150日の給付が受けられるため、条件は大きく優遇されるといっていいでしょう。

適応障害で退職する際に失業保険を300日もらえるかの見分け方

ここでは、適応障害で辞めた際に失業保険を300日もらえるかどうか、ケース別にチェックしてみましょう。

失業保険を300日もらえるかの見分け方

300日もらえるケース

適応障害で退職しても、働く意志があり働ける状態であれば失業保険の受給は可能です。

ただし、退職理由によって給付金額や給付日数は異なります。

一般離職者として退職すると、被保険者期間が1〜10年未満の場合、最大90日までしか給付が受けられません。

しかし、精神障害者保健福祉手帳を保有していたり、医師の意見書があったりすると就職困難者に分類され、300日もらえる可能性があります。

ポイントは、在職中から適応障害の症状があったことを証明するため、退職前に病院を受診しているかどうかです。

退職日以降の受診では、適応障害による退職と認めてもらえない恐れがあるため、注意してください。

300日もらえないケース

就職困難者と認められず、失業保険を受け取れないのは次のようなケースです。

失業保険を受け取れないケース
  • すぐに働ける状態ではない
  • 雇用保険の被保険者期間が足りていない
  • 傷病手当金を受給している

適応障害の症状が重く、すぐに働ける状態ではないと判断されると、失業保険はもらえません。

また、雇用保険の被保険者期間が、直近1年間で6ヵ月に満たない場合も支給対象外です。

さらに、失業保険と傷病手当金は同時に受給できないため、傷病手当金を受け取っている場合も失業保険はもらえません。

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実際にもらえる給付金の額については以下の表の通りです。

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平均月収月間でもらえる金額
月収30万円約20万円
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適応障害で退職する際の失業保険はいくらもらえる?

まずは基本手当日額を計算し、給付日数を掛けることで受給金額が計算できます。

受給金額計算

基本手当日額 = 賃金日額(退職前6ヵ月の給与の合計 ÷ 180)× 給付率(50~80%)

それでは、実際にシミュレーションしてみましょう。

ここでは、就職困難者と認定された場合を例にします。

【例】20代会社員・月給20万円・1年間勤務・就職困難者の場合
  • 賃金日額 = 20万円 × 6ヵ月 ÷ 180 = 約6,666円
  • 基本手当日額 = 6,666円 × 給付率(50~80%)= 約4,000円
  • 失業手当受給額 = 4,000円 × 給付日数(300日)= 1200,000円

45歳未満で給付日数が300日あるため、1ヵ月あたり12万円を10ヵ月間受け取れることになります。

手取り別の計算シミュレーションは、以下の記事でくわしく解説しているため、参考にしてください。

関連記事:失業保険の計算シミュレーション|手取り別にいくらもらえるか解説

適応障害で退職して失業保険を300日もらう流れ

適応障害で退職して失業保険を300日もらう流れは、次のとおりです。

関連記事:失業保険のもらい方がわからない方必見!失業保険をもらう流れや条件を解説

1.病院で適応障害の診断を受ける

「適応障害かもしれない」と思ったら、病院で診察を受けてください。

ネットにも自己診断チェックなどはありますが、目安でしかないため、医師の診断がないとさまざまな手当が適用されません。

なお、退職後の受診では適応障害が退職理由だと認められない可能性が考えられます。必ず退職前に受診しましょう。

2.傷病手当金や有給休暇を取得する

退職前には、傷病手当金や有給休暇の取得を検討しましょう。

傷病手当金は社会保険に加入していれば使える制度で、給料の約2/3の金額が最大1年6ヵ月もらえます。

在職中に受給を開始していれば、退職後も継続して受け取れます。

有給休暇が残っている場合は、退職前に忘れずに消化しておいてください。

3.退職届を提出する

その後は上司を通じて、会社へ退職届を提出しましょう。

退職理由は「一身上の理由」で大丈夫です。

失業保険の手続きに必要になるため、離職票などの書類はきちんと受け取るようにしましょう。

4.ハローワークで失業手続きをする

退職後、ハローワークで下記の手続きをおこないます。

ハローワークで行う手続き
  • 求職申し込みをする
  • 必要書類を提出し受給資格を決定する
  • 雇用保険受給者説明会の日時を決定する

適応障害が原因で辞めると、特定理由離職者として優遇される場合があるため、窓口で相談してみてください。

5.病院で意見書を書いてもらう

適応障害による就職困難者として300日の給付を受けたい場合は、ハローワークで専用の用紙をもらい、病院で意見書を書いてもらってください。

意見書では、週20時間以上の就業ができる状態であることを記載してもらいましょう。

6.治療と平行して求職活動をする

その後は、治療と平行して求職活動をおこないます。

なお、就職困難者として認定されれば、以下の優遇が受けられます。

就職困難者として認定された場合
  • 給付日数が増える
  • 求職活動実績が月1回で済む
  • 常用就職支度手当を受給できる

一般離職者や特定理由離職者と比べて、給付日数が大幅に増えることが特徴です。

また、通常は求職活動が月2回必要なところ、月1回以上で認められます。活動内容も窓口での相談程度で大丈夫です。

さらに、ハローワーク経由で就職が決まれば、常用就職支度手当を受給できる場合もあります。

適応障害の治療と並行しながら、無理なく求職活動をしましょう。

適応障害で退職する際にもらえる給付金・手当一覧

適応障害で退職する際は、失業保険以外にも次の給付金・手当がもらえる可能性があります。

一つずつチェックしてみてください。

退職する際にもらえる給付金・手当一覧

関連記事:退職後にもらえる給付金まとめ!自己都合退職でももらえる条件とは?給付期間・金額も解説

休業補償給付

休業補償給付は、労災認定された場合に国から支給されるお金です。

業務上のケガや病気で3日以上休むと4日目から支給対象となりますが、その間に給与を受け取っていないことが条件です。

金額は、休んだ日1日につき給付基礎日額の80%がもらえます。給付基礎日額は、直前3ヵ月の給与総額をその期間で割ったものです。

必要書類を揃えて所轄の労働基準監督署長に提出し、審査に通れば受給できます。

傷病手当金

傷病手当金は、ケガや病気で働けなくなった際に、会社の健康保険から支給されるお金です。

会社を連続して3日間以上休むと、4日目以降の休んだ日に対して次の金額が支給されます。

1日あたりの金額:支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3

失業保険と重複して受給はできませんが、退職前からもらっていれば退職後も継続して受け取れます。

参考:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)

障害年金

障害年金は、障害のある人に支給されるお金です。

国民年金や厚生年金保険の被保険者だったときに初診を受けており、保険料を一定以上納付していることが条件です。

障害認定基準は次のようになっており、等級は審査で決まります。

1級常時援助が必要な状態
2級日常生活に著しい制限がある状態
3級労働に制限がある状態

障害年金は失業保険と同時に受け取れるため、治療が長引きそうな場合は受給を検討してみましょう。

参考:日本年金機構

生活保護

失業保険や障害手当金を受け取り終わっても働けず、生活が苦しいときは、生活保護の受給も検討してみてください。

ただし、条件が複雑で制限も多いことから、他の方法を試してもダメだったときの最終手段として考えるのがおすすめです。

障害者手帳を持っている場合は障害者加算があるため、通常よりも受給額が増えます。

生活保護と同時受給が可能ですが、金額は調整されるため、もらえる総額は変わりません。

適応障害で退職する際は失業保険と傷病手当金どっちをもらえばいい?

適応障害で辞める場合、失業保険と傷病手当金のどちらをもらえばお得なのか、迷う方もいるでしょう。

ここではもらえる期間や金額、もらい方について解説します。

受給期間・受給金額の比較

受給期間・受給金額の比較は以下のとおりです。

失業保険傷病手当金
受給期間3〜10ヵ月最大1年半
受給金額給料の50〜80%給料の約2/3

失業保険は一般離職者の場合で3ヵ月、就職困難者と認定されれば10ヵ月受給できます。一方、傷病手当金は最大で1年6ヵ月の受給が可能です。

また、失業保険の受給金額が前職の50〜80%程度に対し、傷病手当金は給料の約2/3がもらえます。

たとえば手取り15万円の人では、失業保険で毎月約10万円、傷病手当金なら毎月約12万円となります。

傷病手当金の受給後に失業保険をもらうこともできる

失業保険と傷病手当金は、同時に受け取ることはできません。

失業保険が「働ける状態にあるが失業状態の人」が対象なのに対し、傷病手当金は「働けない状態の人」が対象であるためです。

しかし、働けない状態のときに傷病手当金をもらい、回復してから失業保険をもらうことは可能です。

この場合、組み合わせで最大28ヵ月の給付金を受け取れることになります。

くわしくは以下の記事で解説しているため、参考にしてください。

関連記事:社会保険給付金を最大28ヵ月もらう方法!仕組みや条件も解説

不安な場合は「社会保険給付金サポート」を利用しよう

失業保険や傷病手当金を損なく受け取りたいものの、手続きが不安という方は、社会保険給付金サポートの利用がおすすめです。

社会保険給付金は、退職後にもらえる雇用保険や健康保険の給付金のことを指します。

これまで会社の健康保険に加入していた方は、失業保険と傷病手当金を組み合わせて、最大28ヵ月の受給が可能です。

生活費の心配がなくなることで治療に専念でき、より早い回復が見込めます。

また、プロに手続きを任せられるため失敗もありません。

興味のある方は、以下のボタンから公式サイトをチェックしてみてください。

適応障害で退職する際によくある質問

ここからは、適応障害で退職する際によくある質問に回答します。

適応障害で失業保険をもらうには診断書が必要?

特定理由離職者や就職困難者として認定されるためには、診断書が必要です。

失業手続きの際は診断書を提示し、適応障害が退職の理由であることを説明しましょう。

会社にバレたくないなど、一般離職者として退職する場合は、診断書がなくても失業保険の受給が可能です。

適応障害で失業保険をもらうときの待機期間は?

失業保険をもらう際は、すべての人に7日間の待機期間があります。

特定理由離職者や、会社都合で辞めた特定受給資格者以外は、待機期間にくわえて2〜3ヵ月の給付制限があります。

就職困難者として認定されても、自己都合退職の場合は給付制限が発生するため注意してください。

適応障害ですぐに働けないとき失業保険の延長はできる?

可能です。

ケガや病気が理由ですぐに働けない場合、手続きをすることで、受給期間を最長4年間延長できます。

病状が改善し、働けるようになったら受け取れるようにしておきましょう。

関連記事:失業保険の受給期間は延長可能!対象者や手続き・解除方法を解説

適応障害で2回目の失業保険はもらえる?

雇用保険の必要加入期間などの条件を満たしていれば、失業保険の受給に回数制限はありません。

ただし、5年間で3回以上受給すると、3回目以降の給付制限が3ヵ月に延長されるため注意しましょう。

関連記事:失業保険は一度もらうとリセットされる!2回目以降はいつ・いくらもらえるのか解説

受給期間の300日が終わったらどうすればいい?

給付が終わっても、とくに手続きは必要ありません。

失業保険を延長できる制度もあるため、300日が終わっても再就職が決まっていない場合は検討してみましょう。

くわしくは以下の記事を参考にしてください。

関連記事:失業保険の90日が終わったらどうなるのか?延長の方法や活用できる制度を紹介

まとめ

適応障害で退職し、就職困難者に認定されることで、失業保険を300日もらえる可能性があります。

ただし、離職理由や条件によって適用されない場合もあるため、自分のケースはどうなのかあらかじめ確認しておきましょう。

もしすぐに働けない場合は、失業保険以外の手当の受給も可能です。

また、失業保険と傷病手当金のどちらがお得になるのかも、事前に確認が必要です。

手続きに迷う場合は、『社会保険サポート』の利用も検討してみてください。

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2021年7月20日 東証グロース上場(7378)
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