ITエンジニアの3年目になると仕事にも慣れはじめ、少しずつ視野が広がってくるころかと思います。

中には働き方や身につけたいスキルなどから、転職を考え始める方もいるのではなでしょうか。

本記事では、ITエンジニア3年目の転職事情や、転職活動をするにあたっておさえるべきポイントなどを解説します。

ITエンジニアは転職ありきでキャリアを形成する人が多いです。今転職しないとしても、将来に備えるべく参考にしてください。

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ITエンジニア3年目はキャリアの分岐点

ITエンジニア3年目はキャリアにおいて分岐点ともいえます。

ITエンジニア3年目が、どのような時期か、簡単に解説します。

身につけたスキル・経験が評価されるようになる

1、2年目はある程度努力していればある程度評価してもらえるものです。

しかし、3年目ともなると会社の利益になるスキルや経験、実績で評価されるようになります。

これまでの総決算としてスキルの棚卸しをするとするとともに、自分に不足しているものが見えてきたり、得意不得意がわかるようになります。

第二新卒扱いが終わる

もし新卒でITエンジニアになった場合、3年経つと第二新卒扱いもされなくなるタイミングです。

スキルがあまりなくても問題のない時期が終わるため、「このままこの道に進んで良いか」と考える人も少なくありません。

第二新卒として転職できる最後の機会として、転職にのぞむ場合もあります。

キャリアプランも分かれ始める

これまでの経験や得意不得意から、今後のキャリアプランが少しずつ見えてくる時期です。

キャリアプランは人によってさまざまなので、当然キャリアの分岐点として分かれていきます。

今の会社で自分のキャリアプランを実現させられるのか、他にやりたいことがないかを考え、転職を視野に入れる人は少なくありません。

ITエンジニア3年目の市場価値

キャリアプランを考えるにあたり、3年目の市場価値は気になるところでしょう。

ここでは、ITエンジニア3年目の市場価値について考えるうえで有用な資料を紹介します。

3年目の年収はどれくらい？

明確にITエンジニア3年目の年収を示した資料は見受けられませんが、厚生労働省の令和５年賃金構造基本統計調査に年齢別・勤続年数別の賃金に関する情報があります。

こちらの情報をもとに年収を算出すると、以下のとおりになります。

エンジニア3年目の男性の年収

年齢	所定内給与額（千円）	年間賞与その他特別給与額（千円）	合計年収（千円）
20〜24歳	241.9	499.9	3402.7
25〜29歳	285.8	830.1	4259.7

エンジニア3年目の女性の年収

年齢	所定内給与額（千円）	年間賞与その他特別給与額（千円）	合計年収（千円）
20〜24歳	249.9	564.7	3563.5
25〜29歳	259.7	715.8	3832.2

当該データは勤続年数が1~4年と幅が広く、3年目に限ったものではありませんが、自分の今の年収と比較してどうか考えてみてください。

IT人材は不足している

IT人材は長らく不足していると言われています。

IT人材需給に関する調査における試算では、想定されるシナリオによっては2030年時点で78.7 万人もの人材が不足すると出ているほどです。

また、2020年発表のIT人材白書では社員数1,001名以上の大企業で36.6%がIT人材が「大幅に不足している」と回答しています。

「やや不足している」という回答も58.0%となっているので、当時のデータでは全体の94.6%もの企業がIT人材を不足していると感じています。

2024年時点での需要がわかる統計データは見受けられませんが、現在においてもIT人材は不足しており、一定の経験を積んだ3年目のITエンジニアは需要が高いと言えるのではないでしょうか。

参考：みずほ情報総研株式会社 - IT人材需給に関する調査 調査報告書

参考：独立行政法人 情報処理推進機構 - IT人材白書 2020

エンジニア3年目以降のキャリアプラン

3年目以降のキャリアプランを目指すといっても、どのような方向性があるのでしょうか。

ここでは、大雑把に2種類の方向性を紹介します。

管理職を目指してマネジメントや上流工程を身につける

まず、経験を積んでいったエンジニアが目指す方向性の一つとして、マネジメントや上流工程をしていくものです。

開発そのものも担当する場合もありますが、クライアントや現場の開発者といった、人同士のやりとりが主な仕事になっていきます。

自分の仕事をこなすというよりも、開発者としての経験をもって、プロジェクトそのものを成功に導く立場へ転向する形です。

関連記事：プロジェクトマネージャーはしんどい？しんどいポイントと向いている人を解説

専門性のある技術職を目指す

人によっては、より専門的な技術者を目指す人もいます。

最近はデータサイエンティストやMLなど、より深い知識が必要な分野が増えています。

常に技術の最先端を学び、最前線で開発に取り組みたいという方が目指す方向性です。

エンジニア3年目での転職がおすすめな人

3年目ともなれば、「転職するべきか悩んでいる」という方も多くいるでしょう。

ここでは、転職がおすすめな人がどのような人か、簡単に解説します。

新しいスキルを身につけたい

身につけたいスキルが明確で、かつ今の仕事内容では身につけられなさそうな方には、転職をおすすめします。

ITエンジニアの仕事はプロジェクト単位で動いているものが多く、「このスキルを身につけたい」と言っても、すぐに異動や業務変更させてくれる会社はほとんどありません。

待っていても難しいようなら、転職という選択肢を考えましょう。業務経験やそれにともなうスキルは簡単には身につきません。

自分のやりたいことが明確にあるのであれば、主体的に動いてスキルを身につけられる環境を作りましょう。

新しい職種につきたい

今の職種から希望職種に就きたい場合は、社内で希望がとおらない限り転職が必要です。

テスターやプログラマーからシステムエンジニアを目指す場合など、職種を変えるのは新しいスキルを身につけられる現場へ移動することよりも難しくなります。

もしなりたい職種がある場合は、転職活動をして情報収集を始めてみてはいかがでしょうか。

労働環境を改善したい

たまたま厳しいプロジェクトに入っている等であれば別ですが、労働環境はよほどのことがない限り、転職以外で改善することはありません。

もし今の労働環境で働き続けるのが難しいと思っているようでしたら、転職を考えましょう。

ただ、「会社がブラックなので転職したいです」と面接で言うと印象が悪いので、極力前向きな理由も自分の中で持てるようにしてください。

労働環境については転職エージェントに相談してみると、専門家の意見が得られるのでおすすめです。

エンジニア3年目が転職を成功させるポイント

エンジニア3年目が転職を成功させるのに大切なことは、下記の4点が挙げられます。

そのために必要なことを、それぞれ簡単に説明します。

転職の目的を明確にする

まず、転職の目的を明確にすることは、必要不可欠です。

これができていないと、転職のミスマッチが起きてしまい、「転職しなければよかった」と思ってしまう可能性が高くなります。

スキルの向上や給与の改善、労働環境の改善など、一番の目的を明確にしましょう。

また、転職のミスマッチを防ぐためには、二番目以降に大切にしたいことの優先順位をつけておくことも大切です。

年収アップを目標にしていても、「残業を増やさないでできるだけ上げたい」 「難しくてやりがいのある仕事をして、年収も大きく上げたい」など、それぞれ価値観によって違いはあります。

自分の価値観をできるだけ細かく把握して、広い視野で転職活動にのぞめるようにしましょう。

現時点で持っているスキルを明確にする

エンジニアにとっての価値は、スキルや経験です。

これらを明確にして企業に伝えられるかどうかで、転職の結果は雲泥の差となります。

そのためにも、自分のスキルや経験の棚卸しはしっかりとおこないましょう。

資格を明記するのはもちろんですが、それ以外にも、以下のような整理が必要です。

など、できるだけ細かく整理しておきましょう。

とくに、自分が苦労したポイントやこだわった点、貢献できた点などは大切です。実際のエピソードを交えて説明できるようになると、より評価されるでしょう。

これらの整理ができたら、自分に不足しているスキルも見えてきます。

それをもとに今後身につけたいスキルを明確にしておくと、転職活動だけでなく将来に大いに役立つのでおすすめです。

興味のある業種・職種の知識を身につける

ひとえにエンジニアと言っても、業種や職種はさまざまです。

目指している業種や職種についての知識は、少しでも身につけるようにしておきましょう。

企業側は自社の課題を解決できるスキルがある人材を求めていますが、自社の業種や理念に合っている人の方が採用しやすいです。

自分の目指す職種はもちろんのこと、業種まで意識しておくと、エンジニアとしての引き出しも増やせるでしょう。

転職エージェントを活用する

自分のスキルや経験を整理したり、業種や職種の理解を深めることは、簡単ではありません

一人では難しいと感じているようでしたら、転職の専門家である転職エージェントの活用がおすすめです。

スキルや経験の整理の支援から業界に関して教えてもらったり、自分の市場価値を客観的に評価してもらったりと、得られるものは少なくないでしょう。

とくに初めての転職活動であれば、要領を得るためにも活用することをおすすめします。

エンジニア3年目におすすめの転職エージェント

最後に、エンジニア3年目におすすめの転職エージェントを紹介します。

もし転職エージェントの活用を考えているようでしたら、参考にしてください。

レバテックキャリア

レバテックキャリアは、エンジニア経験者向けの転職エージェントです。

転職者の80%が収入アップしているというデータもあるため、転職に成功すれば年収においては期待ができるでしょう。

また、レバテックキャリアの公式サイトによると、支援を受けたエンジニアのうち、90％の方が「アドバイザーの知識が豊富」と回答しており、94％の方が紹介された求人に満足したと回答しています。

的確なアドバイスはもちろん、年収だけでなくミスマッチが起きにくいような求人を紹介してもらえます。

ハイクラス転職に特化しているので、自分のスキルに自信がある方におすすめです。

自分の市場価値を試したい思うようでしたら、レバテックキャリアでハイクラス転職を狙ってみてはいかがでしょうか。

マイナビITエージェント

マイナビITエージェントは、転職業界大手マイナビのITに特化したエージェントです。

大手エージェントなだけあり、保有している求人が多く、条件に合った求人を幅広く紹介してもらえるでしょう。

また、エンジニア経験のあるアドバイザーも在籍しているため、自分の市場価値や足りないスキルなどを客観的に評価してもらえることも期待できます。

転職活動に不安がある方にとって、安心して相談できる転職エージェントです。

Geekly

GeeklyもITに特化した転職エージェントです。

業界別だけでなく、それぞれの職種に合わせた専門のコンサルタントが在籍している点がGeeklyの強みです。

まだ自分の強みがあまりよくわからない方や、「スキルに強い自信はないけれど、自分の市場価値や課題を知ったうえで転職したい」といった方は、Geeklyで専門コンサルタントの力を借りてみましょう。

「今はスキルを伸ばす方向に専念したい」という方にもおすすめの転職エージェントです。

まとめ

エンジニア3年目は新卒に近い扱いが終わり、キャリアの分岐点となる時期です。

ここでどれくらい将来を考え、スキルを磨いていけるかによって、エンジニアとしてのキャリアは大きく変わっていくでしょう。

また、転職活動をしたからといって、必ずしも転職しなくてはいけない訳ではありません。

転職活動で視野を広げた結果、今の会社で続けるという選択肢も、立派な決断です。

自分の思い描くエンジニア像や働き方に近づけるよう、積極的に行動していってください。