大学病院で勤務されている看護師の中には、一度は民間の病院やクリニックへの転職を考えたことがある方もいるのではないでしょうか。

この記事では、看護師が大学病院を辞めたいと思う理由から、民間病院・クリニックとのギャップ、メリット・デメリットについて紹介していきます。

転職時の注意点に関しても解説するので、民間で転職先を探すときの参考にしてみてください。

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大学病院の看護師が辞めたいと思う5つの理由

まずは大学病院の看護師が辞めたいと思う理由について紹介していきます。

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看護技術が身につかない

大学病院の看護師ならではの辞めたい理由のひとつとして、「看護技術が身につかない」というのがあります。

看護技術取得までに時間がかかる理由について、経験も踏まえて説明します。

筆者が勤めていた大学病院でも、ルート確保（点滴静脈内注射）の技術を取得するのは3年目からと言われていました。

技術を取得するまでに、筆記試験や実務試験をクリアして初めて実施することができるのです。

通常、看護師資格を取得していれば実施してもよい技術であり、他の病院では入職して約半年ほどで取得できる看護技術になっています。

また大学病院では、専門的な医療機関であり一つひとつの病棟の専門性がとても高いです。

そのため、様々な看護技術を網羅するというより、特化した看護技術のみ日常的に使用する場合が多いです。

大学病院にて看護技術を取得するメリットとは、「確実な看護技術を身に付ける」であるため、一概には言えませんが、不安になって辞めていく看護師もいるのが現状です。

仕事量が多すぎる

大学病院の看護師を辞めたい理由2つ目は、「仕事量が多すぎる」です。

特に、緊急入院や急変の患者対応をすると通常の看護業務が後回しになってしまうことが多く、定時で帰れないという場合も。

また、大学病院は教育機関であるため、勉強会などが多く開催されます。

勉強会の準備に時間がかかるため、家に帰っても仕事をしていることもよくある話です。

もちろん、どこの病院でも看護師不足であるため、必然的に看護師の仕事量は多くなりがちですが、大学病院では特に多いと考えられます。

生活リズムの不順による体調不良

大学病院の看護師を辞めたい理由3つ目は、「生活リズムの不順による体調不良」です。

大学病院の病床数はとても多く、基本的に病棟配属の看護師ばかりです。

病棟配属ということは、夜勤勤務をすることになるため生活リズムが不順になります。

その結果、体調を崩してしまうという看護師も多数います。

頑張って体調を整える努力をしても、シフト制の仕事であるため生活リズムを掴むことは難しいですよね。

さらに、大学病院の看護師は多忙というのもあり生活を疎かにしてしまう場合もあります。

自分自身の健康を守れないことも辞めたくなる理由の1つになります。

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人間関係がうまくいかない

大学病院の看護師を辞めたい理由4つ目は、「人間関係がうまくいかない」です。

看護師の人間関係がうまくいかないということをよく聞きますよね。

看護師という仕事は、基本的には女性社会で成り立っています。加えて命に関わる仕事であり、常に緊張感があります。

ストレスがたまりやすい環境であることも多く、人間関係に難が出てしまうのかもしれません。

大学病院から民間病院・クリニックに転職する時に感じやすいギャップとは

次に大学病院から民間病院・クリニックに転職する時に感じやすいギャップについて解説していきます。

先端医療や設備の充実度

大学病院から民間病院・クリニックに転職すると、医療や設備の充実度のギャップを大きく感じるでしょう。

大学病院では先端医療や最新設備の導入が進められており、常に最新の状態に保たれています。

一方で、民間病院やクリニックではコストの問題もあり、高レベルの医療の提供は難しいケースが多いです。

教育制度・研修制度の充実度

また、大学病院と民間病院・クリニックでは教育制度・研修制度の充実度にも差があります。

大学病院は教育機関としての面が大きく、看護師の教育や研修に力が入れられています。

新卒看護師の受け入れも多く、新人の教育体制もしっかり整えられている病院が多いです。

また勉強会に参加する機会が多く、全国レベルの学会に参加することもあります。

対して民間病院・クリニックになると、勉強の機会は少なくなり教育制度が十分に構築されていない病院が多くなるでしょう。

中には実務を通して学んでいくOJTが中心になるところもありますので、転職前に教育・研修制度の内容を確認しておくと安心です。

福利厚生の充実度

福利厚生の充実度も大学病院と民間病院・クリニックでは大きなギャップがあります。

大学病院は一般的に民間病院より給与が高く、福利厚生が充実しています。

育児休暇制度や産休制度が整えられ、中には院内に保育園が併設されている病院もあり、子育て中の看護師の方も安心して働ける環境が整備されています。

民間の病院でも福利厚生が充実しているところはありますが、民間の病院・クリニックに転職すると大学病院にいた頃と同じ水準の待遇を受けることは難しくなります。

ロールモデルの有無

最後にロールモデルの有無もギャップの一つとして挙げられます。

多くの大学病院ではクリニカルラダーが取り入れられ、目標が明確にしやすくなっており、若手看護師のロールモデルになるような先輩看護師も多数います。

しかし、民間の病院やクリニックではキャリアアップに対する考え方が薄く、ロールモデルとなる看護師がいないことが多いです。

その分プライベートと両立しやすいという利点もあるので、自分の将来望むキャリアを考えて選択しましょう。

大学病院から転職するメリット

大学病院から民間病院・クリニックに転職するメリットを3つ紹介します。

患者さんと深く関われる

大学病院から転職するメリットの一つに、患者さんと深く関われることが挙げられます。

大学病院では様々な地域、遠方からも患者さんが来院し、丁寧な接客態度が求められるのに比べて、民間の病院・クリニックは地域に密着しており、よりアットホームな雰囲気になります。

大学病院より近い距離で患者さんに接することができるため、コミュニケーションを取ることが好きな方には大きなメリットとなるでしょう。

職種によってはハードワークではなくなる

職種によっては、仕事がハードワークではなくなることも大学病院から転職するメリットです。

大学病院では急性期の患者さんを診ることがほとんどですが、民間の医療機関には急性期のみならず回復期、慢性期と、幅広い患者さんが訪れます。

急性期中心の大学病院と比べると仕事の負担が減る可能性が高く、プライベートを大切にしたい方には魅力的な選択肢となるでしょう。

幅広い看護スキルを学ぶことができる

また大学病院から転職すると、幅広い看護スキルを学ぶことができるメリットもあります。

大学病院のように科や業務が細かく分かれていないため、様々な症状を持つ患者さんに対応することになります。

民間では幅広い仕事を経験できるので、多岐にわたる看護スキルや知識を身につけられるでしょう。

大学病院から転職するデメリット

一方で大学病院から民間病院・クリニックに転職するデメリットもいくつかあります。

年収が下がる可能性がある

大学病院から転職するデメリットの一つとして、年収が下がる可能性があることが挙げられます。

大学病院の方が民間病院・クリニックより年収が高くなっている場合がほとんどです。

看護師全体の平均年収（※1）	508.2万円
大学病院で働く看護師の平均年収（※2）	400万円～600万円

大学病院から民間の医療機関に転職する際には、大学病院ほど充実した待遇が受けられないことは理解しておく必要があります。

最先端の医療を学ぶことができなくなる

最先端の医療を学ぶことができなくなることもデメリットとして挙げられます。

最先端の医療が提供される大学病院とは異なり、民間病院やクリニックでは実施できる医療にも限りがあり、最先端医療を学ぶ機会はなくなります。

医療水準の高い環境から民間の病院に移ると、最新の医療を学んで看護師として成長できる機会がなく、物足りなく思う人もいるでしょう。

採血ができないと思われることがある

大学病院から転職するデメリットとして、採血ができないと思われることもあるようです。

大学病院では業務が細分化され、専門性が高められる利点がありますが、その一方で採血といった基本的な看護スキルを使う機会があまりない場合もあります。

中には医師や研修医が採血や静脈注射、ルート確保を行い、看護師が携わらない大学病院もあるため、大学病院の看護師は採血ができないというイメージがついてしまうこともあるようです。

大学病院から転職する時の注意点

大学病院から民間病院・クリニックに転職する時には注意しなければならないことがあります。以下で3点確認しておきましょう。

キャリアプランを明確にする

大学病院から転職する時にはキャリアプランを明確にするようにしましょう。

キャリアアップを目指すのか、プライベートを大切にしたいのかで選ぶ転職先は変わります。

将来看護師としてのキャリアをどのように築いていきたいかを明確にしておき、自分の望む働き方が実現できる病院を探しましょう。

待遇や福利厚生を確認する

大学病院から転職する時の注意点として、待遇や福利厚生を確認することも大切なポイントです。

大学病院と民間病院・クリニックでは待遇や福利厚生に大きな差があります。病院の規模の大きさによっても変わってくるので、転職前によく確認しておきましょう。

また、民間病院とクリニック間の待遇格差も大きいため、クリニックに転職を検討している方はさらに注意が必要になります。

教育体制についてリサーチする

教育体制についてリサーチすることも大学病院から転職する時の注意点といえます。

教育体制がしっかりと整えられている大学病院に比べて、民間の医療機関では看護師への教育が充実していない病院も多く存在します。

各病院・クリニックによって考え方が違うので、事前に教育方針についてリサーチしておきましょう。

大学病院から転職したい場合はサイトの活用がおすすめ！

大学病院から民間病院・クリニックへの転職を検討されている方におすすめの転職サイトを３つ紹介します。

レバウェル看護（旧：看護のお仕事）

レバウェル看護はレバレジーズメディカルケア株式会社によって運営される転職サービスで、求人は約15万件を超えており、圧倒的な求人数を強みにしています。

職場のリアルな人間関係がわかり、また実際に働く人のインタビューも見ることができるので、入職前から職場の雰囲気や環境を知ることができます。

転職先の病院のミスマッチを避けたい方におすすめです。

ナース専科 転職（旧：ナース人材バンク）

ナース専科 転職は株式会社エス・エム・エスによって運営される転職サイトで、2024年度のオリコン満足度調査で1位を獲得したこともあります。

LINEで気軽にやりとりすることができ、相談だけの利用も可能なのでまだ転職を検討中の方におすすめです。

また、実際に勤務している人の口コミなど、病院ごとの詳しい情報を得ることもできるので病院選びの良い参考になるでしょう。

看護roo!転職

看護roo!転職は株式会社クイックが運営する転職サービスで、看護師転職支援を15年以上続けています。

求人数は18万件超えと豊富にあり、多くの求人から自分に合った職場を比較検討できます。エージェント求人と直接応募求人を選ぶことができるのも特徴です。

LINEで相談できる「あんしん転職サポート」があり、在職中の方も利用しやすくなっています。

まとめ｜大学病院からの転職はギャップを感じることも多い！キャリアプランを考えて検討を

この記事では、大学病院から民間病院・クリニックに転職する際のギャップやメリット、注意点などを解説してきました。

大学病院から民間の医療機関に転職すると、医療や設備、待遇、教育制度といったさまざまな面でギャップを感じることが多いでしょう。

大学病院では当たり前だと思っていたことが転職したら全くなくなったという事態も考えられます。

自身のキャリアプランをよく考えて、自分に合った病院の形態を選ぶことが大切です。

大学病院からの転職を決断された方は、今回紹介した転職サイトを活用して転職を成功させましょう。