- 「企業内弁護士の平均年収はどのくらい?」
- 「企業内弁護士に転職する方法は?」
上記のような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか?
結論、企業内弁護士の平均年収は高く、日本国内の中でも高水準の年収となっています。年収が高ければ、生活する分には何不自由なく過ごしやすくなりますが、実際の業務内容も気になるところです。
年収が高くても業務内容に魅力を感じなければ、働いていても楽しいと思えずに転職して後悔しかねません。
そこで本記事では、企業内弁護士の平均年収をご紹介し、業務内容やメリットなども解説します。
「企業内弁護士に興味がある」「企業内弁護士に転職したい」などの方は、ぜひご一読ください。
目次
企業内弁護士(インハウスローヤー)とは?
企業内弁護士(インハウスローヤー)とは、企業の社員として雇用される弁護士のことです。一般的に、企業の法務部署に配属されて企業法務やコンプライアンスチェックなどの業務を行います。
これまで企業は、弁護士と顧問契約を結ぶことが当たり前でしたが、企業のコンプライアンス経営強化が強く求められる現代では、企業内に弁護士を設ける傾向にあります。
法務リスクを「素早く」「内密」に対応するため、企業内弁護士を採用するのです。さらに、司法制度改革に伴い、弁護士人口が増えたことも企業内弁護士が増加している要因の1つともなっています。
次章では、企業内弁護士の特徴について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
企業内弁護士(インハウスローヤー)の特徴は?
本項では、企業内弁護士の特徴を以下2つの観点からお伝えします。
- 働き方
- 業務内容
あらかじめ企業内弁護士の特徴を把握していれば、仕事に対するイメージが湧きやすくなり、より関心が持てるようになるでしょう。
以下2つの内容をぜひ参考にしてみてください。
企業内弁護士の働き方|勤務形態、WLBなど
法律事務所の働き方は、比較的自由な傾向があります。若手の場合は「出社」や「定時」などの一定の制約がある傾向ですが、キャリアを積んで中堅クラスになれば、出勤時間や出勤日も融通が効くようになります。
企業内弁護士の場合は、企業と雇用契約を結んでいるため、働き方は安定的です。
残業が少なく、休日も取得しやすいため、社内のスケジュール調整をしっかりと行っていることができれば、ワークライフバランスも保てるでしょう。
「安定的な仕事をしたい」「ワークライフバランスを保ちたい」などといった方は、企業内弁護士がおすすめです。
企業内弁護士の業務内容
企業内弁護士の業務内容は、多岐にわたります。法律知識を活用した社内トラブルの対応や契約書関連の処理、労務管理、コンプライアンスチェックなど、対応する範囲が広いことが特徴です。
企業内弁護士は、企業内では法律のスペシャリストという立場にあるため、契約締結や訴訟対応といった外部企業との交渉も行うケースがあります。
そのため、さまざまな人と関わり、業務連携を行うことから、コミュニケーション能力の高さも必要となるでしょう。
「法律知識を活用した働き方をしたい」という方には、企業内弁護士は向いています。
企業内弁護士(インハウスローヤー)の年収はどのくらい?法律事務所と比較
企業内弁護士の年収は、750万円~1,000万円が中央値となっています。一般企業の会社員と比べると、高収入と言えますが、事務所規模など条件次第では法律事務所の勤務弁護士のほうが年収が高くなります。
区分 | 平均年収 |
---|---|
企業内弁護士 | 750万円~1,000万円 |
大手法律事務所の弁護士 | 約2,000万円 |
中小法律事務所の弁護士 | 約900万円 |
独立開業弁護士 | 約1,500万円 |
企業内弁護士に就けたからといって、初めから1,000万円になれるほど甘くはありません。
経験年数や業界、個々のスキルなどによって、年収は変わってきます。実際に、以下に年代別と業界別で企業内弁護士の平均年数についてまとめてみました。
年代別の平均年収
企業内弁護士の年収を年代別で見ると、30代になると年収1,000万円以上の方が増えてくることがわかります。
20代でも年収750万円~1,000万円未満をもらえるケースもあり、一般的な20代会社員の年収よりも高収入を実現しやすいです。
年代 | 平均年収 |
---|---|
30〜34歳 | 500万円〜750万円未満 |
35~39歳 | 750万円〜1,000万円未満 |
40〜44歳 | 1,000万円〜1,250万円 |
業界別の平均年収
企業内弁護士の年収を業界別で見ると、金融業界やIT業界に勤める弁護士は平均年収が1,000万円を超える傾向にあるようです。
日本組織内弁護士協会が実施しているアンケート結果で、各業界の平均年収調査結果をまとめているため、ぜひ希望する業界の平均年収をチェックしてみてください。
業界 | 平均年収 |
---|---|
金融業界 | 1,000万円〜1,250万円未満 |
IT業界 | 1,000万円〜1,250万円未満 |
メーカー | 750万円〜1,000万円未満 |
企業内弁護士に興味がある方は、条件別の平均年収も把握しておくと良いでしょう。
法律事務所に所属する弁護士の年収
法律事務所に所属する弁護士の年収は、以下3つで異なります。
- 五大法律事務所の弁護士
- 中小の法律事務所の弁護士
- 独立・改行している弁護士
順番に解説します。
五大法律事務所と比較
五大法律事務所の平均年収は1,500万円程度と予測されます。詳細な平均年収は明かされていませんが、クチコミサイトなどからの情報では、1,500万円〜2,000万円の間であることがわかります。
企業内弁護士と比較すると、500万円~1,000万円程度多い平均年収ですが、主な理由は業務内容にあります。
会社内での法務関連が中心となる企業内弁護士と比べて、大手五大法律事務所は仕事のジャンルや種類も多く、事業規模の大きいクライアントから案件を引き受けるケースが多いです。
責任が大きい仕事をこなすこともあり、その分収入に反映されていることがわかります。中には、年収が2,000万円以上を超える人もいるため、企業内弁護士と比較するとかなり高年収が期待できるでしょう。
中小の法律事務所と比較
中小の法律事務所の平均年収は、約900万円です。
企業内弁護士とそこまで収入差はないことがわかります。中小の法律事務所では、専門化した分野を担当するため、仕事を通して専門性を深められることがメリットです。
また、個人向けの法律業務も多く、将来独立しやすいとも言われています。このように、仕事の規模感は、企業内弁護士とあまり差はないと言えるでしょう。
独立している弁護士と比較
独立している弁護士の平均年収は、約1,000万円程度と言われています。2018年版の弁護士白書の約2,500人の弁護士を対象とした調査でも、独立した弁護士のみに絞った年収データはありませんでした。
しかし、弁護士としての実績やスキルなどを十分に身につけた方が独立弁護士として活躍する傾向にあり、人によって収入も高く見込めます。収入の高さは自分自身の頑張りが大きく関わってきますが、年収1,000万円に留まらず、さらなる高所得帯を目指せる可能性もあります。
企業内弁護士(インハウスローヤー)のメリット2つ
企業内弁護士になるメリットは、主に以下2つです。
- 収入が安定する
- ワークライフバランスを改善できる
事前に企業内弁護士のメリットを理解しておくことで、より仕事内容に興味を持ちやすくなるでしょう。詳しく解説していきます。
収入が安定する
企業内弁護士のメリットは、収入が安定することです。法律事務所に所属する弁護士の場合、歩合制であることが多く、毎月給料が変動する傾向にあります。
企業内弁護士の場合は会社に雇用されるため、一般的に雇用における給与制が適用されます。
給与制が適用されることで、毎月決まった給料をもらえることができ、生活が安定しやすいです。
平均年収は法律事務所と比較するとやや低いかもしれませんが、高水準であることは間違いなく、収入も安定するため、おすすめできる職種と言えるでしょう。
ワークライフバランスを改善できる
ワークライフバランスを改善できる点も、企業内弁護士のメリットです。
一般的に、法律事務所では勤務時間が長くなったり休日も出勤したりするなど、案件規模や数によって激務になることもあるでしょう。
企業内弁護士の場合は、会社が決めている労働時間内での業務となるため、残業時間が少なく、休日出勤がない場合がほとんどです。
そのため、仕事終わりや休日などに自由時間を確保できるため、ワークライフバランスは保ちやすいでしょう。
「仕事と私生活のメリハリをつけたい」と思っている方には、企業内弁護士はおすすめできる職種です。
企業内弁護士(インハウスローヤー)のデメリット2つ
企業内弁護士になるデメリットは、主に以下2つです。
- 収入が下がる可能性がある
- 弁護士として専門性が高い経験が積めない可能性がある
メリットだけでなく、デメリットについても把握しておけば、企業内弁護士に就いた後に「こんなはずではなかった」と後悔することを防げるでしょう。
収入が下がる可能性がある
1つ目のデメリットは、収入が下がる可能性があることです。
先述した通り、法律事務所に比べると年収が低いため、法律事務所から企業に転職するとなれば年収が下がる場合がほとんどです。
企業内弁護士の平均年収は1,000万円程度と、特段低いわけではありませんが、法律事務所ではそれ以上の年収を実現できる可能性が高いため、年収アップをさせたい方からすれば物足りなさを感じやすいかもしれません。
年収を下げたくない、むしろ年収アップを叶えたい場合は、法律事務所に所属する弁護士がおすすめです。
弁護士として専門性が高い経験が積めない可能性がある
2つ目のデメリットは、弁護士として専門性が高い経験が積めない可能性があることです。
一般的に、企業内弁護士は一般民事事件や刑事事件の訴訟に関わることがないため、代表的な弁護士業務を行うことがありません。
法律相談を受けてから案件を処理していく過程を体で覚えることができず、事件処理のフローが身につくことがない状態になります。
企業内の法務やサービスに関する知見は蓄積していきますが、訴訟関係の知識が薄れていくでしょう。
企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職にはエージェントの活用が近道
企業内弁護士への転職方法は、転職エージェントの活用がおすすめです。転職エージェントのキャリアアドバイザーは、求職者のキャリアプランやスキルなどを踏まえた上でアドバイスをしてくれます。
弁護士特化の転職エージェントの場合、法律事務所のほか企業内弁護士の転職事情や動向などに詳しいもアドバイザーが在籍しているため、転職を成功させるアドバイスを的確にもらえます。
内情を知っているアドバイザーから転職支援を受けることで、自分の強みや志望動機などを効果的にアピールすることができるでしょう。
「企業内弁護士に転職したい」と思っている方は、効率よく転職活動ができる転職エージェントを活用してみましょう。
企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職におすすめの転職エージェント5選
最後に、企業内弁護士への転職におすすめの転職エージェント5つをご紹介します。
転職エージェント | 主な特徴 |
NO-LIMIT(ノーリミット) |
・ワークライフバランスを重視した事務所・企業選定が可能 ・転職支援が丁寧 |
MS-Japan |
・30年以上の運営実績 ・キャリアアドバイザーがワンフェイス型 |
弁護士ドットコムキャリア |
・転職セミナーや相談会を定期的に開催 ・非公開求人の取り扱いあり |
弁護士転職.jp |
・弁護士専門の実績15年 ・キャリアコンサルタントのヒアリング力が高い |
リーガルジョブボード |
・弁護士専門の実績15年 ・キャリアコンサルタントのヒアリング力が高い |
NO-LIMIT(ノーリミット)|インハウスローヤーに特化した転職支援
求人数 | 非公開求人600件以上 |
対応エリア | 全国 |
主な特徴 |
・転職市場に精通した専門スタッフが多数在籍 ・サイト内で企業情報などを確認できる |
NO-LIMIT(ノーリミット)は、法律事務所や企業内弁護士などに特化した転職エージェントです。
弁護士業界での提案営業や独立・開業・集客支援など、長年培ってきた弁護士業界特化のノウハウを持っているキャリアコンサルタントが、丁寧に転職サポートしてくれると評判です。
事務所・企業の内情をよく知るキャリアコンサルタントに転職相談をすることで、ミスマッチを防ぐことにつながるため、「転職先で後悔したくない」といった方にはおすすめできる転職エージェントです。
とても親身に話を聞いてくださり、またキャリアマッチする事務所に絞ってご紹介いただいたこと、面接対策や推薦状作成なども熱心に行っていただいたこと、レスポンスが非常に速いことなどが素晴らしかったです。
他社のように当てはまり得る求人を数多く紹介するのではなく、真にニーズに合致し得る求人を的確にご紹介頂けたことが本当に有難かったです。
公式サイト:https://no-limit.careers/
MS-Japan
求人数 | 非公開 |
対応エリア | 東京・神奈川・愛知・大阪 |
主な特徴 |
・30年以上の運営実績 ・ワンフェイス型 |
MS-Japanは、管理部門・士業特化型30年以上の実績とノウハウを活かした転職支援サービスです。
キャリアアドバイザーがワンフェイス型が運営していることが強みです。ワンフェイス型とは、求職者の対応と求人の企業をどちらも同じ人が行う仕組みです。
同じキャリアアドバイザーが対応するため、求職者に関する情報や企業情報の理解が深まっており、求人のより詳しい内情を教えてもらうことができます。
私は転職エージェント、マイナビ、リクルート、MSjapanの3つ使ってました。時間が許すのであれば、登録して話聞きに行くだけでもアリかなーと思います!
— 運子 (@waraukadoniunko) September 15, 2019
数ヶ月前に転職しましたが、売手市場でしたよ!
最新の動向はエージェントに聞くのが確かな情報が得られると思います!
自分が使っていたのはリクルート、MS-Japan、doda、type転職エージェント等色んなエージェント使ってましたよ!— フジヤマ@上場経理マン (@accout_taks) January 15, 2019
公式サイト:https://www.jmsc.co.jp/
弁護士ドットコムキャリア
求人数 | 非公開 |
対応エリア | 全国 |
主な特徴 |
・転職セミナーや相談会を定期的に開催 ・非公開求人の取り扱いあり |
弁護士ドットコムキャリアは、弁護士・法務部ネットワークを活かした弁護士・法務人材のためのキャリア支援サービスです。
弁護士ドットコムキャリアの魅力は、転職セミナーや相談会が定期的に開催されていることです。
弁護士の転職活動に関する疑問点や不安点などを気軽に相談できるため、効率よく転職活動を進められるようになるでしょう。
「修習からそのまま地方に移住したため,東京の法律事務所情報も分からない状況での転職活動で最初は大変不安だったが,最新の転職市場の情報提供から,希望をヒアリングした上での求人提案,スケジュール調整などとても丁寧に進めてもらえたので,安心して転職活動をすることができた」
公式サイト:https://career.bengo4.com/
弁護士転職.jp
求人数 | 約800件以上 |
対応エリア | 東京、神奈川、関西、東海 |
主な特徴 |
・弁護士専門の実績15年 ・キャリアコンサルタントのヒアリング力が高い |
弁護士転職.jpは、弁護士専門の実績15年を誇る弁護士専門の転職支援サービスです。
弁護士求人数は800件以上あり、自分に最適な転職先を見つけやすく、担当のキャリアコンサルタントの支援のもと、スムーズな転職活動ができます。
特に法曹業界に関する知識や経験が豊富なキャリアコンサルタントが多数在籍しており、弁護士が転職する理由や希望などについて詳しく、ヒアリング力に定評があります。
私は、今回、C&RLA社を利用しましたが、弁護士の転職支援の経験が豊富で、弁護士業界の実情や弁護士のキャリアパスについても詳しいので、転職活動をするうえで大変参考になりました。
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リーガルジョブボード
求人数 | 非公開 |
対応エリア | 全国、海外 |
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リーガルジョブボードは、士業・法律系専門職の支援を中心的に行っている転職エージェントです。
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まとめ
企業内弁護士の平均年収は約1,000万円と一般の会社員より高く、ワークライフバランスも保ちやすい職種です。
法律事務所の働き方に疲れた人や安定した生活を望む人には、企業内弁護士はおすすめです。
もし、企業内弁護士になりたいという方がいましたら、ぜひ本記事を参考にしてみてください。