LGBTの人が転職する際は、転職エージェントを活用しましょう。

しかし、どの転職エージェントを使えばLGBTの人が安心して本音を打ち明けられたり、理想通りの転職ができたりするのか、不安がある人も多いのではないでしょうか。

LGBTに特化している転職エージェントなら、担当者が深い専門知識を持っているため、安心して自分のセクシュアリティーを共有できるでしょう。

本記事では、LGBTの人におすすめの転職エージェントや利用するメリット、サービスの選び方のポイントなどを解説します。

関連記事：転職エージェントおすすめ比較ランキング！人気エージェントの選び方を年代・職種別に一覧で解説

LGBTにおすすめの転職エージェント4選！

LGBTの人におすすめの転職エージェントは、以下の4つです。

総合型の大手転職エージェントから、LGBTに特化した転職エージェントまで幅広く紹介します。

リクルートエージェント

マイナビエージェント

doda

All Visionは、セクシュアルマイノリティー専門の転職エージェントです。コンサルタントがLGBTの専門知識を持っているため、自分のセクシュアリティを遠慮せず共有できます。LGBT研修を受講した求人のみを紹介しているため、「セクシュアリティをきちんと理解している企業へ入りたい」人におすすめです。

転職活動中だけでなく、入社後のアフターフォローもおこなってくれます。フォロー面談やストレスケアを通じ、「入社後のギャップ」「人間関係の悩み」などを相談可能です。

転職活動中に「本当に自分のセクシュアリティを受け入れてもらえるか不安」と悩んだら、カウンセラーに相談できます。もちろんLGBTの専門知識を持っているため、安心して素直な気持ちを吐き出しましょう。

サービス概要
サービス概要
サービス名	All Vision
運営会社	オールビジョン株式会社
公開求人数	非公開
非公開求人数	非公開
公式サイト	https://all-vision.co.jp/

JobRainbow

JobRainbowは、独自の「ダイバーシティ指標」をもとに選出した求人を保有する転職エージェントです。LGBTやジェンダーギャップといった独自の100項目で、企業の理解度を評価しています。企業訪問しないとわからない情報も参考に厳選しているため、自分のセクシュアリティを理解してくれる企業を、高い確率で見つけられるでしょう。

JobRainbowが主催するダイバーシティ就活EXPOでは、LGBTや障がいなど、ダイバーシティに理解ある多くの企業と1日で出会えます。大手企業から中小企業までさまざまな企業がブースを出しており、優良企業を見つけられるかもしれません。

サービス概要
サービス名	JobRainbow
運営会社	株式会社JobRainbow
公開求人数	597件
非公開求人数	非公開
公式サイト	https://jobrainbow.jp/

LGBTの人が転職エージェントを利用するメリット

LGBTの人が転職エージェントを利用する主なメリットは、以下のとおりです。

自分のセクシュアリティを隠す必要がない

企業と直接やり取りする場合、自分のセクシュアリティを明かすべきか迷う人も多いでしょう。

「セクシュアリティが原因で不採用になったらどうしよう」「面接で上手に説明する自信がない」と不安を抱えたまま、転職活動を進めるのは辛いでしょう。

転職エージェントであれば、希望すれば担当者が代わりに自分のセクシュアリティを求人企業へ伝えてくれるため、伝え方に迷う必要がありません。

また、自分のセクシュアリティについてまだ伝える準備ができていない人や伝えたくない人は、無理に言わなくても大丈夫です。

求職者の魅力を交えつつ、上手に求人企業へ共有してくれます。

とくにLGBT向けに特化した転職エージェントなら、担当者の理解も深いため、抵抗なく伝えられるでしょう。

LGBTフレンドリーな企業を紹介してもらえる

自力で転職活動を進める場合、公式サイトなどをチェックしてLGBTフレンドリーな企業かを確認する必要があります。

しかし、LGBTフレンドリーな企業の特徴を把握して逐一チェックするというのは、大変な作業です。

とくに現職が忙しいと、なかなか企業探しの時間を取れないでしょう。

転職エージェントであれば、LGBTフレンドリーを掲げる企業を含め、幅広い求人を紹介してもらえます。

時間を節約しつつ、自分のセクシュアリティとマッチする企業を手軽に見つけられるのは、転職エージェントならではの魅力です。

非公開求人を紹介してもらえる

転職エージェントには、世間に出回っていない好条件の非公開求人が豊富に揃っています。

そのため、「LGBTに理解を持ってもらいながら高待遇で働きたい」「自分のセクシュアリティを気にせずキャリアアップできる企業を探したい」人もおすすめです。

企業の実情を教えてもらえる

求人企業がLGBTフレンドリーを掲げていても、「本当に理解しているの？」「現場レベルではまだ浸透していないのでは？」と不安に感じる求職者もいるでしょう。

確かに、具体的なLGBTへの理解の深さや対応の手厚さなどは、実際に入社しないとわからない部分もあります。

そうした実情を把握せず、上辺の情報だけをチェックしてしまうと、内定後のミスマッチにつながりかねません。

転職エージェントを利用すれば、担当者から企業のLGBTに対する取り組みや、実際の職場の状況などを正直に共有してもらえます。

とくにLGBTに特化した転職エージェントなら、LGBTフレンドリーな求人豊富なため、より正確な意見がもらえるでしょう。

LGBT向け転職エージェントを選ぶポイント

LGBT向けの転職エージェントを選ぶポイントは、以下のとおりです。

LGBTに理解のあるキャリアアドバイザーが在籍していたり、LGBTフレンドリーな企業が登録している転職エージェントを選びましょう。

求人にLGBTフレンドリーな企業が多数掲載されている

LGBTフレンドリーな求人の掲載数が多ければ、自分の志向にマッチする企業を見つけやすいでしょう。

企業を探す際は、LGBTフレンドリーかどうかの軸だけでなく、年収や勤務体系・就業場所など、複数の軸を持って選ぶことが大切です。

企業の詳細を知りたいときは、キャリアアドバイザーに質問しましょう。

担当者がLGBTに理解を持っている

担当者がLGBTに理解を持っていれば、「LGBT特有の働く際の悩み」「転職活動で気になってしまう部分」などに対し、適切な解決策やアドバイスを提示してくれるでしょう。

自分のセクシュアリティが気になり、転職活動を躊躇してしまう人にとっては心強い味方となってくれるでしょう。

他にも以下のような求職者の希望を実現できるよう、LGBTフレンドリーな転職エージェントは手厚くサポートしてくれます。

サービスがLGBT向けに特化している

LGBTに特化した転職エージェントなら、担当者がLGBTに対して深い理解があるため、LGBTが転職を成功させるコツや、転職活動を進める際の不安点などを含め、適切なアドバイスをしてくれます。

紹介してくれる求人もLGBTフレンドリーな企業が多く、安心して応募に進むことができるでしょう。

転職エージェントによっては、専門知識を持ったカウンセラーのサポートを受けられるなど、特化型だからこそのサポートを受けられることもあります。

安心して転職活動を進めたい人におすすめです。

LGBT当事者の転職支援実績が豊富である

LGBT向けの転職エージェントを選ぶときは、LGBT当事者の転職支援実績も確認しましょう。

支援実績が豊富であれば、LGBTの転職で必要なノウハウやサポート体制が確立していると考えられるため、手厚いサポートを受けながら転職活動を進められるでしょう。

LGBT当事者の気持ちに配慮しつつ、理想の企業探しをサポートしてくれる企業を探しましょう。

インターネットやSNSでの評判がよい

インターネットやSNSの評判をチェックすることも大切です。

インターネットやSNSなら、利用者の正直な感想をチェックできるため、本当によいサービスであるか情報収集できます。

ネガティブな評判もチェックすると、より公平な立場でサービスを評価できるでしょう。

ただし、すべての意見を鵜呑みにしないよう注意してください。

SNSでは誇張した表現や、みた人に特定の行為をあおるような投稿もあります。

情報を正しく取捨選択し、エージェントの良し悪しを判断してください。

LGBTの転職活動の実情

日本でも、年々LGBTに対する認知度が高まっています。

以下のような取り組みを推進する企業もあり、徐々にですがLGBTにとって働きやすい環境が整っていると感じるかもしれません。

しかし実際の数値で見ると、LGBTに理解ある企業はまだまだ少数派です。

虹色ダイバーシティの調査によると、2022年に「LGBT施策をおこなっている」と回答した企業は、わずか10.9％でした。

規模が大きい企業ほどLGBTの施策がある企業の割合が高くなっていますが、どの企業規模を見ても、施策をしている企業は半数以下であるのが事実です。

【参考】多様な人材が活躍できる職場環境づくりに向けて～性的マイノリティに関する企業の取り組み事例のご案内 ～｜厚生労働省
職場におけるLGBT（性的マイノリティ）に関する取り組みについて｜認定NPO法人虹色ダイバーシティ

SOGIハラスメント

LGBTの人が転職する際にはSOGIハラスメントの問題も意識する必要があります。

SOGIハラスメントとは、相手の性的指向や性自認と関係する精神的・肉体的な嫌がらせをおこなうことです。具体例としてたとえば以下が挙げられます。

日本では、LGBTに関するテーマ自体は浸透しつつあるものの、残念ながら「企業で確実に安心して働ける」とは言い切れないのが現状です。

【参考】職場でのハラスメント防止を学ぶ　多様なハラスメント｜東京都労働局

LGBT向け転職エージェントを活用するコツ

LGBT向けの転職エージェントを活用する際は、以下のコツを押さえましょう。

LGBTフレンドリーな企業の探し方を教えてもらう

具体的な「LGBTフレンドリーな企業の探し方」を転職エージェントのキャリアアドバイザーに教えてもらいましょう。

転職エージェントを利用して転職すれば、基本的には担当者が求人を探してくれます。

しかし、自分でも求人情報を探す主体的な姿勢は重要で、担当者に転職意欲の高さをアピールできるほか、より効率的に転職活動を進められるでしょう。

自分自身のスキルや強みを最大限アピールする

転職では、自分のセクシュアリティだけでなく、スキルや強みのアピールが重要です。

自己分析をおこない、以下のような項目を中心に自分の魅力を整理しましょう。

セクシュアリティのことを気にしすぎて、スキルなどについて洗い出しが甘くなると、自分の魅力を十分に伝えられないおそれがあるため注意しましょう。

また、企業の面接を受けるときも、LGBTの話ばかりするのではなく、自分自身のスキルや経験をアピールしましょう。

希望条件に優先順位を付けておく

希望に合った職場を効率よく見つけるために、希望条件に優先順位をつけましょう。

優先順位を決めておけば、希望条件が多くても、優先すべき項目とそうでない項目がすぐにわかり、企業を客観的に判断できます。

「なんとなく」で転職先を決めることが減るので、内定後のミスマッチを防ぐことができるでしょう。

担当者の連絡には素早く返信する

担当者の連絡にはなるべく早く返信してください。

レスポンスが早いと「転職意欲が高い」と認定されて、求人の紹介優先度を上げてもらいやすくなるかもしれません。

とくに、LGBTフレンドリーな企業は数が少ないため、魅力的な求人を見つけたら積極的に応募することが大切です。

限られたチャンスを無駄にしないためにも、担当者への返信スピードを早めましょう。

複数の転職エージェントを併用する

転職エージェントは、複数のサービスを同時に併用しても問題ありません。

複数のサービスを利用したほうが、以下のようなポイントを比較でき、転職をスムーズに進められるでしょう。

複数の転職エージェントを併用し、自分の転職を親身に支援してくれるサービスを利用しましょう。

LGBTの人が転職する際の注意点

LGBTの人が転職する際は、以下の点に注意しましょう。

LGBT以外のテーマも話せるよう準備しておく

転職後のミスマッチを減らすには、自分のセクシュリティを理解してもらうことが大切です。

とはいえ、LGBTに関するテーマばかり話すことは避けましょう。

LGBTに理解ある企業だとしても、スキルや強みなどの魅力が伝わらなければ、採用される可能性は低くなります。

とくに「入社後に会社に貢献するイメージが想像できない」と思われると、印象を下げしまうでしょう。

そのため、選考までに以下のようなLGBT以外のテーマについても話をまとめることが大切です。

LGBT向け転職イベントを積極的に活用する

LGBTフレンドリーな企業が集まるEXPOや、LGBT向けの合同説明会などのLGBT向け転職イベントも活用しましょう。

転職エージェントが開催していることが多く、JobRainbowは「ダイバーシティ就活EXPO」を開催しています。

LGBT向けの転職イベントでは、多くのLGBTフレンドリーな企業と直接話せます。

実際の働きやすさや職場の雰囲気などをリアルに把握できるため、より自分とマッチした企業を見つけられるでしょう。

【参考】ダイバーシティ就活EXPO｜JobRainbow

LGBTフレンドリーな企業であるか自分でもリサーチしておく

転職エージェントの担当者に頼りきりにならず、自分でもLGBTフレンドリーな企業をリサーチしましょう。

自力で求人探しを進めることでより多くの企業と出会い、転職に対する意識が上がったり自分自身を見直すきっかけになったりします。

自分で企業を探していくうちに希望条件が変化しても大丈夫です。

条件が変わったら、その都度担当者に報告しましょう。

担当者のアドバイスを鵜呑みにしすぎない

担当者は転職支援のプロであるため、基本的にはアドバイスを参考にするのがよいでしょう。

しかし転職エージェント中には、希望していない企業を強く勧めてきたり、短期で転職先を決めるようにせかしたりするキャリアアドバイザーもいるのが事実です。

自分自身の転職の軸やペースを乱さないために、自分自身の意見を大切にしましょう。

自分の意見を伝えても、的外れなアドバイスをしたり紹介求人の質が変わらなかったりしたら、担当者の変更を申し出てOKです。

LGBT向けの転職エージェントを利用する流れ

LGBT向けの転職エージェントを利用する流れは、以下のとおりです。

利用登録

まずは利用登録をおこないましょう。サービスにもよりますが、基本的な個人情報や職務経歴書を登録することが一般的です。

登録後はエージェントから初回面談についての連絡があります。

キャリアアドバイザーと面談

登録後にキャリアアドバイザーとの面談をおこないます。面談では、スキルや経歴、今後のキャリア、転職先の希望条件などをヒアリングされるため、整理しておきましょう。伝えたい内容を明確化しておけば、自分にマッチした求人をスムーズに紹介してもらえます。

面談までに準備すべき内容は、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事：転職エージェントとの電話面談に必要な準備とは？聞かれる内容や活用方法を解説

求人紹介・応募

紹介求人が自分の希望とマッチしていたら、積極的に応募しましょう。

とくにLGBTフレンドリーな企業は数が少ないため、迷っていると枠が埋まってしまうかもしれません。

そのため、少しでも魅力的な企業があれば、積極的に応募することが大切です。

選考～内定

実際の選考を受けて内定を獲得しましょう。

サービスごとで異なりますが、以下のような選考対策サポートを受けられることが多いです。

上記のサポートは無料で受けられることがほとんどであるため、満足いくまで利用し、内定獲得を目指しましょう。

LGBT転職エージェントに関するよくある質問

最後に、LGBTの転職に関してよくある質問をまとめました。

LGBTの転職について不安な人は本章を参考にしてください。

LGBT向けの転職エージェントはありますか？

はい、あります。

「All Vision」「JobRainbow」は、LGBTフレンドリーな企業の紹介に特化しています。

「もっと多くの求人をチェックしたい」人、大手総合型の転職エージェントを併用するとよいでしょう。

LGBTに関わる仕事にはどのような職種がありますか？

LGBTに関わる仕事としては、たとえば以下が挙げられます。

職種や業界を問わずLGBTと関われる仕事があるため、ぜひ探してみましょう。

また、LGBTの人が団体やコミュニティを形成していることもあるでしょう。

そのような団体に参加して人脈を作り、LGBTの最前線で活躍できる職業を見つけましょう。

LGBTだと転職は難しいですか？

「LGBTだから不採用になる」ことはありません。

法律でも禁止されています。

とはいえ日本では、LGBT施策に取り組んでいる企業はまだ少数派です。

そのためセクシュアリティを完全に理解してくれる企業を見つけて入社するのは、不可能ではありませんがハードルは高いかもしれません。

最後に｜LGBT向けの転職エージェントを活用して理想の企業へ転職しよう

日本でもLGBTへの理解が少しずつ進んでいるとはいえ、実際に「LGBTフレンドリー」を打ち出している企業は、まだまだ少数派です。

そのため「自分のセクシュアリティーを理解してくれる企業に入りたい」と考えているなら、転職エージェントを利用しましょう。

転職エージェントなら、LGBTに理解ある担当者からサポートを受けられるため、安心して自己開示しつつ転職活動を進められます。

転職エージェントを選ぶ際は、「LGBTフレンドリーな企業が多数掲載されている」「サービスLGBT向けに特化している」などのポイントを押さえることが大切です。

関連記事：転職エージェントおすすめ比較ランキング！人気エージェントの選び方を年代・職種別に一覧で解説