中卒から正社員になれる！就職しやすい職種や正社員になる方法を解説

正社員は契約社員のように途中で契約を切られることなどなく、給料が安定してもらえるほか、社会的信用度も非正規雇用と比べると高くなっています。

高卒以上の人が多い現代では、中卒で正社員になれないのではないかと不安に感じている方は多いですよね。

結論、中卒でも正社員になる方法は複数あり、入念な準備をすれば就職できる可能性は高いです。

本記事では、中卒が正社員になる方法や中卒におすすめの職種などを詳しく解説します。

中卒では正社員になれないの？

結論からいうと、中卒からでも正社員になることは可能です。

厚生労働省の「平成30年若年者雇用実態調査の概況」によると、中卒は労働者全体の35.4%でした。割合は決して高くないものの、中卒から正社員になった人は少なくありません。就活対策すれば、正社員になれる証拠といえるでしょう。

とはいえ、中卒から正社員になるのはハードルが高いと考えなければなりません。求人の多くは高卒以上を対象としていたり、中卒では取得しにくい有資格者のみを条件としていたりします。

数は多くありませんが「高校に行けなったのには何か理由があるのではないか？」とネガティブなイメージを持たれてしまうかもしれません。

そのような環境の中、ビジネスマナーが身に付いていなかったり、学習意欲・就職活動に意欲が低かったりすると正社員になれる可能性が低くなってしまう恐れがあります。

これは最低限のビジネスマナーがなければ企業のイメージダウンにつながり、意欲が低いとすぐに辞めるのではないかと思うからです。

そのため、中卒から正社員に就職したいのであれば、採用されるハードルは他の人よりも高いと考え、しっかりと就活の準備・対策をしてから臨むことが大切です。

関連記事：中卒だと就職できないは嘘！就職への具体的なステップを紹介

中卒から正社員になりやすいおすすめの職種

中卒から正社員になりたい方は、次のおすすめ職種について確認してみてください。

以下の職種は、頑張り次第でキャリアアップをすることができ、年収を上げやすいので、チェックしましょう。

それぞれ詳しく解説します。

おすすめの職種を参考に、自身の適性のある職種を確認しましょう。

介護職

少子高齢化の進む日本では、今後、介護職の需要が高まると考えられています。

しかし、需要に対して介護人材が不足しており、多くの現場で介護人材を確保したいと悩んでいる企業が多い傾向にあります。

人材確保のために経験や学歴を不問としている会社も多く、中卒でも正社員になりやすい職種といえるでしょう。

高齢者や障害者の方が安定した生活を送れるようにサポートすることが、介護職の主な仕事です。

介護福祉士は国家資格であるほか、需要の高まる業界であるため、今後安定して働きたい方におすすめです。

営業職

中卒から正社員を目指す場合は、営業職もおすすめです。

営業職は、売上を上げるためにもどのような業界でも必要な職種であり、経験や学歴を不問とする企業も数多く存在します。

「ノルマがきつそう」「飛び込み営業が怖い」とのイメージがある方も多いですが、企業選びの際にルート営業を主にしている企業を選ぶなど工夫しましょう。

また、営業職は企業によって売上のインセンティブ報酬が得られる可能性があり、高年収を実現したい方にもおすすめです。

販売職

販売職も中卒から正社員を目指す場合に、おすすめの職種です。

電化製品やアパレルなど販売するものは企業によってさまざまですが、いずれもコミュニケーション能力や商品・サービスの知識が求められます。

現場経験によって身に付くスキルが多いため、学歴や経験を不問とする求人が複数ある点が大きな特徴です。

営業職と同様に、売上目標の達成でインセンティブ報酬をもらえる可能性があるため、高いモチベーションを維持したまま働きやすいでしょう。

また、販売職は多くの業界の求人があるため、興味のある分野で働くことも1つの方法です。

ITエンジニア

ITエンジニアは、日々IT技術が進歩する中で便利なシステムを開発したり、企業が働きやすいネットワーク環境を構築したりと、不可欠な存在です。

しかし、経済産業省の調査によると2030年には約40〜80万人の人材不足が起こると報告されており、需要に対してIT人材が足りていない状況です。

多くの企業がIT人材を採用したいと考えており、ITに関する知識やスキルがある方は市場価値の高い存在として扱ってもらえます。

研修が充実している企業が多いほか、実力主義の企業も少なくないため、学歴や経験を不問とする企業も複数あります。

ITエンジニアには、システム開発系やネットワーク系、情報セキュリティ系など職種が複数あるため、興味のある分野での就職を検討してみてください。

公務員

公務員にも種類がありますが、公務員試験では年齢制限を設けている代わりに学歴不問の職種が多いです。

学歴や経験年数に条件を出している民間企業への転職よりも、学歴によって悩まされることは少なく、正社員になれる可能性が高いでしょう。

また、公務員は税金から給料が支払われるため、景気に左右されずに安定して働きたい方に向いています。

ただし、学歴は不問とはいえ試験難易度は低くないため、入念に学習に取り組む必要があるので、その点は注意しましょう。

工場作業員

工場作業員は、工場現場で機械を操作し、製品の製造をおこなう職種です。

材料の加工自体は機械に任せるため、工場作業員は機械の設定やメンテナンスなどが主な仕事になります。

マニュアルを採用している企業が多く、専門知識なしでも働けるため、学歴に自信のない中卒でも安心して働けるでしょう。

また、住み込みで働ける案件もあるため、家賃などの生活費を節約して生活したいと考えている方にもおすすめです。

中卒から正社員になる際のおすすめの資格

中卒から正社員になる際のおすすめの資格は、以下のとおりです。

資格名	おすすめの業種・職種	おすすめの理由
高等学校卒業程度認定試験	全般	中卒でも高卒と同じ扱いをうけられる
普通自動車免許	運転が必要な仕事	車を運転する仕事は多い 取得が容易
秘書検定	全般	ビジネスマナーが身に付くため秘書以外の仕事でも活用できる 3級なら比較的合格しやすい
MOS （Microsoft Office Specialist）	パソコンを扱う仕事	パソコンの基礎知識があると証明できる
調理師	飲食業	職場によっては配置が義務付けられている
宅地建物取引士	不動産業	不動産の事務所には一定数以上の有資格者が必要 難しい試験であるため合格した事実が評価される

各資格は就職先によって有利となるもの、どの業種・職種でも活用できるものがあります。目指す就職先によって取得すべき資格は異なるため、自分にとって必要なものを選択してから勉強し始めましょう。

以下の記事で詳しく解説しているので、もっと知りたい方は参考にしてください。

関連記事：中卒者におすすめの人気資格とは？就職・転職に活かせる民間資格・国家資格を厳選して紹介

中卒から正社員になれる人の特徴

中卒から正社員になれる人の特徴は、次のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

就職・転職準備を入念におこなっている

就職や転職の準備を入念におこなっている方は、中卒から正社員になりやすいでしょう。

自己分析で自身の強みや弱みを分析したり、企業研究で企業理念や社風、仕事内容などを確認したりしておくと、正社員になれる確率を上げることが可能です。

自己分析の強みや弱みは自己PRの際に役立つほか、企業研究を入念におこなうと、面接の際に相手を納得させられる志望動機の作成につながります。

中卒から正社員になるためには、高卒や大卒の人よりも入念な準備が必要となるため、書類や面接対策、自己分析などの準備を徹底しておこないましょう。

基本的なビジネスマナーを身につけている

基本的なビジネスマナーが身についていると、中卒から正社員として採用してもらえる可能性は高くなります。

挨拶や敬語の使い方など、相手に無礼のない言葉遣いや身だしなみなど、社会人の常識が身についているかどうか振り返りましょう。

ビジネスマナーが原因で不採用となった場合は、落ち込むのではなく、どのような部分で身についていないと判断されたのかをよく確認してください。

再度面接に臨む際は、同じ過ちを犯さないようにビジネスマナーの復習をしたうえで、選考に取り組みましょう。

キャリアのプロからサポートを受けている

就活エージェントや転職エージェントなどのキャリアのプロからサポートを受けている方は、中卒でも正社員になれる可能性が高いです。

自身のみでの就職・転職活動では、わからない部分も多く、自己分析や企業研究などの準備が不足しているケースが目立ちます。

また、正社員になれたとしても準備不足によるミスマッチが起こる可能性も高くなります。

就活エージェントや転職エージェントでは、自己分析や企業研究のサポートに加えて、書類添削や面接対策などのサポートが受けられるためおすすめです。

希望条件に適した求人紹介や求人にはない情報を共有してもらえるなど、入社後のミスマッチ防止にもつながりやすいでしょう。

中卒から正社員になる際に失敗したくない場合は、キャリアのプロからサポートを受けることも検討してみてください。

中卒から正社員になる方法

中卒から正社員になるための方法は、次のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

正社員になる方法がわからないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

高校卒業認定資格を取得する

中卒から正社員を目指す場合は、高校卒業認定資格の取得がおすすめです。

高校卒業認定資格とは、高卒者と同等の学力があることを証明できる資格になります。文部科学省主催の高卒認定試験に合格すると取得可能です。

高卒以上を対象とした求人が多いため、高校卒業認定資格の取得によって、就職・転職先の選択肢を広げられるでしょう。

より正社員になれる確率を高めたいと考えている方は、高校卒業認定資格の取得を視野に入れてみてください。

正社員登用制度を活用する

正社員登用制度の活用も、中卒が正社員になるおすすめの方法です。

正社員登用制度とは、アルバイトやパートとして一定期間働き、成果や実力に応じて選考を受け、正社員に移行できる制度です。

厚生労働省の「労働経済動向調査（令和６年２月）の概況」によると、正社員以外の労働者から正社員への登用制度がある会社は調査産業計76％で、比較的多くの会社で正社員登用制度は存在します。

中卒から正社員の場合はハードルが高く感じるかもしれませんが、アルバイトやパートであれば誰でもなりやすくおすすめです。

しかし、登用制度があっても登用実績がない会社は34％と、制度があまり活用されていないのが現実です

友人・知人に紹介してもらう

中卒から正社員になる方法として、友人や知人に紹介してもらう方法が挙げられます。

友人や知人の場合は自身の性格やスキルなどを把握している場合が多く、企業の適性がわかりやすいため、入社後のミスマッチ防止が可能です。

また、友人や知人の紹介で入社した方は勤続年数も長い傾向にあるため、多くの企業が紹介制度に力を入れています。

転職エージェントや転職サイトに登録せずに人材を採用できる点も、企業から好まれるポイントになります。

資格取得で就職活動を有利に進める

資格取得して、就職活動を有利に進めるのもおすすめです。

資格は知識・スキルを客観的に証明できるため、選考に有利に働きます。

中卒者が取得するのにおすすめの資格は、次のとおりです。

上記以外にも複数ありますが、資格を保有しておくとキャリアの幅も広がりやすいでしょう。

高年収を実現できる可能性もあるため、少しでも収入を上げたいと考えている方にもおすすめです。

学歴不問の求人に応募する

中卒が正社員になるためには、学歴不問の求人に応募すると良いです。

「高卒以上」「大卒以上」と指定がある場合、中卒は応募できませんが、学歴不問の場合は中卒者でも採用してもらえる可能性があります。

学歴に関してとくに指定がなくても「学歴不問」の記載がない場合は、中卒者が採用される可能性は低くなるため、可能な限り学歴不問の求人に応募するようにしてください。

職業訓練校に通う

職業訓練校は、失業中または求職中の人が再就職に必要な知識を学ぶための学校です。事務、パソコン、IT系、医療事務、簿記などさまざまな訓練コースにチャレンジできます。

基本的に職業訓練校は学歴不問のため、中卒だから受けられないということはありません。

下記記事で詳しく解説しているので、興味を持った方はぜひ読んでみてください。

関連記事：中卒者も職業訓練校に通える！受講方法や職業訓練校から目指せる職種を紹介

ハローワークで就職相談をする

中卒から正社員を目指すうえで、ハローワークを活用するという選択肢もあります。
ハローワークでは、地元の求人を中心に、職業相談・履歴書の添削・就職支援セミナーなど、無料で受けられる支援が充実しています。
特に「何から始めればいいかわからない」という方にとっては、最初の一歩を踏み出す場として役立つでしょう。

ただし、サポート内容は基本的なものが中心であり、希望条件に合った求人のマッチングや個別支援はやや限定的です。
そのため、より手厚いサポートを希望する場合は、民間の就職・転職エージェントの併用がおすすめです。

▶ ハローワークの使い方や支援内容については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

関連記事：中卒でもハローワークは使える！使い方やそのほかのおすすめの相談先も合わせて紹介

就職・転職エージェントを利用する

中卒から正社員になるためには、就職・転職エージェントの利用が非常に効果的です。
キャリアアドバイザーから、履歴書の添削や面接対策、希望条件に合った求人の紹介など、個別に対応したサポートが受けられます。

また、ハローワークでは対応が難しいケースもある、電話やLINEでの柔軟なコミュニケーションにも対応しており、より自分に合った働き方を見つけやすくなります。

企業の詳しい内部情報や、入社後の定着率なども事前に知ることができるため、就職後のミスマッチを防ぎやすいのも大きなメリットです。

中卒・未経験からでも正社員を目指したい方は、ぜひ一度エージェントに相談してみてください。

中卒から正社員になるためにおすすめの就職・転職エージェント

中卒から正社員になるためにおすすめの就職・転職エージェントは、次のとおりです。

それぞれの特徴やおすすめできる点を詳しく解説します。自身に適した就職・転職エージェントをうまく活用し、正社員への就職を成功させましょう。

下記記事では、さらに詳しく中卒の方におすすめの転職エージェントを解説しています。興味を持った方はぜひ読んで、希望する企業への就職を実現させてください。

関連記事：【厳選】中卒におすすめの転職エージェント6選！選び方や利用するメリットを解説

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中卒から正社員に関するよくある質問

中卒から正社員に関するよくある質問は、次のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

同様の悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

中卒の平均年収は？

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、中卒者の平均年収は約250.8万円です。

日本人全体の平均年収が約460万円であるため、比較すると低水準といえるでしょう。

中卒でも稼げる仕事につけますか？

可能性はありますが、非常に難しいのが現実です。

平均年収で見た際に、中卒は約280万円、高卒は約300万円、短大卒は約310万円、大卒の場合は約400万円というデータがあります。

中卒で稼ぐ仕事に就くには、より戦略的に行動する必要があります。
下記の記事で、中卒でも稼げる仕事について詳しく解説しているので、ぜひご覧になってください。

関連記事：中卒でも稼げる仕事には何がある？おすすめ高収入職種を10種類紹介！

中卒でも大手企業で働けますか？

結論から申し上げると可能です。

ただし、大手企業は応募者数が多くなる傾向にあるため、学歴で不利な中卒者は高卒や大卒の人よりも入念な準備が求められます。

自己分析・企業研究の徹底や、書類・面接対策を入念にしておくなど、選考に通過するための準備を怠らないようにしましょう。

大手企業への就職・転職を実現したい場合は、就職・転職エージェントの活用もおすすめです。

まとめ | 中卒でも正社員になるための方法は複数ある

中卒でも正社員になるための方法は、正社員登用制度の活用や高校卒業認定資格を取得してから正社員を目指すなど複数あります。

正社員になる方法のなかでもとくにおすすめなのは、就職エージェントの活用です。

書類添削や面接対策などのサポートが受けられるほか、希望条件に適した求人を紹介してもらえるなど、就職成功確率を上げられるでしょう。

気になる業界や企業の情報も共有してもらえるため、入社後のミスマッチを防止したい方にもおすすめです。