「中卒でニートだけど就職したい…」
「中卒ニートって就職難しいのかな」
「おすすめの仕事ってあったりするのかな」

こういった疑問が解消される記事です。

中卒で長いことニートをしていると、今から就職できるか不安になりますよね？

結論、現在中卒でも準備を十分にして行動し続ければ就職ができます。

現実として高卒や大卒と比べると就職の風当たりは強くなりますが、諦めずに努力し続ければ就職は可能です。

中卒ニートから脱するために就職したいけど、どうしたらいいかわからない方はぜひ最後までご覧ください。

関連記事：中卒におすすめの転職エージェント8選｜選び方や利用するメリットを解説

中卒ニートの実態

中学校卒業後、進学も就職もしていない、あるいは高校や専門学校を中退してそのまま働かずに過ごしている、いわゆる「中卒ニート」は、今の日本社会においても一定数存在しています。

「働きたいけれど自信がない」「中卒の学歴が就職の壁になるのでは」と不安を抱える人も多い一方で、中卒ニートになった背景にはさまざまな事情があります。

まず、「なぜ中卒ニートになるのか」「どのような就職状況にあるのか」などの現実について解説します。

中卒ニートの割合

厚生労働省が平成19年に公表した「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究報告書」の中では、中学以降の進路について以下のように結果を報告しています。

中学卒業後の進路選択
高校に入学した人	93.5%
高校に入学しなかった人	4.3%
高校入学した人(93.5%)のうち卒業をしなかった人	12.0%

以上の調査から高校に進学できず中卒ニートになってしまった方より、高校を中退した中卒ニートの方が多いのです。

中卒ニートになる理由

文部科学省の調査によると、2023年度の高校進学率は98.7％です。しかし就職率は0.2％なので、残りの1.1％のなかにニートになった人が一定数含まれていると考えられるでしょう。しかし残りの人の中には、家業手伝いなどの人も含まれるので、全員がニートであるとは言い切れません。

中卒ニートに至る背景には、大きく分けて3つのパターンがあります。まず1つ目は、中学校卒業後に進学も就職もせず、そのまま家庭にとどまってしまうケースです。

2つ目は、中学卒業後に一度は就職したものの、職場になじめず早期離職し、そのまま働く意欲を失ってしまうパターンです。

3つ目は、高校に進学したものの、人間関係の不安や学業不振、家庭の経済的事情などによって中退し、そのまま無職になってしまったケースです。実際、高校中退者のうち約4割が「進路の変更」を理由にしているものの、具体的には「学校に合わなかった」「将来に迷いがあった」など不安が背景にあることも多いものです。

【参考】－人口統計資料集(2024)－表１２－６０ 都道府県別中学校・高等学校卒業者の進学率および就職率：2023年｜国立社会保障・人口問題研究所

令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要｜文部科学省

中卒ニートの就職状況

中卒ニートにとって、最大のハードルは「正社員として就職することの難しさ」です。令和5年の厚生労働省の調査では、中卒者が正社員として就職できている割合は約34％と、大学卒の約87％に比べて大きな差があります。特にニート期間が長くなるほど、企業側も「なぜ進学もせず働いてもいなかったのか？」という視点で求職者を厳しく見ざるを得なくなります。

また、中卒者を対象とした求人数は少ないのが実態です。令和6年度7月末時点で、ハローワークに登録された中卒者向けの求人件数は618件であるのに対し、高卒者向け求人の求人は約46万5,000件もあることに差が表れています。

そのため、中卒ニートが就職を目指すには、単に求人に応募するだけでなく、「学歴以外のアピールポイントをどう作るか」「段階的に社会復帰をどう進めるか」といった戦略を立てる必要があります。

中卒ニートに関するデータには厳しい内容のものが多いですが、希望を捨てる必要はありません。近年は人手不足の影響で、学歴よりも意欲や人柄を重視する企業も増えています。このため「中卒＝不利」とは一概に言い切れない時代になっていることも事実です。

【参考】表９－２ 最終学歴、雇用・就業形態別在学していない若年労働者割合｜厚生労働省

令和6年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ（7月末現在）｜厚生労働省

中卒ニートの就職が難しいといわれている理由

ここでは中卒ニートの就職が難しいといわれている理由を3つ紹介していきます。

一つずつ紹介していきます。

学歴に対して評価がしにくい

中卒だと学歴に対して評価がしにくいため就職が難しいといわれています。

なぜなら、現代では中卒の割合が少ないためネガティブな印象を持たれることも少なくないからです。

面接官によっては中卒というだけで「学習意欲がないかも」「素行に問題があるかもしれない」と考えてしまう場合があります。

人によっては高卒が学歴として最低のラインだと偏見を持っている方もいるため、中卒だと評価されづらくなります。

しかし、中卒だからといって諦めてはいけません。

たとえば、高卒認定を取ることで前向きに就職活動していると理解してもらいやすくなるため、ネガティブな印象を払拭できます。

世間では学歴に対してマイナスな印象を持っている方が多くいるため、払拭できるようにアピール材料を積み上げていきましょう。

ビジネススキルを持っていない

中卒の場合、ビジネススキルがないと考えられてしまい就職が難しくなります。

なぜなら中卒から就職も進学もしておらずニートのみをしていた場合、基本的なビジネススキルが身についていないため「入社した後で1から教育するのが大変だ」などと感じられてしまうからです。

もちろん、求人の中には未経験歓迎の企業が多くあります。

しかし、そういった企業でも、基本的なビジネススキルや今後のポテンシャルを求められている場合が多いのです。

一度も就職したことがないと、採用担当者の偏見により、戦力としても数えてもらえない可能性があります。

過去にアルバイトを経験している場合でも退職してから長期間経ってしまった場合は、あまり評価してもらえないため注意が必要です。

働く意欲があまりないと思われてしまう

中卒から長い間ニートを続けている場合は、働く意欲があまりないのかと考えられてしまいます。

なかには働けない理由があって仕方ない方もいますが、世間の印象として「怠けているから働いていないんだ」と偏見を持たれてしまいます。

採用担当者の先入観で「怠けていたから、入社しても続かないかもしれない」と思われてしまう可能性は高くなります。

採用担当者も中卒ニートに対して悪く思いたいわけではなく、今後一緒に仕事をしていくなかで不安を感じることが多いのです。

不安を払拭させるために空白期間は仕方ないと認めて、前向きにアピールしましょう。

中卒ニートでも就職できる！中卒からでも始めやすい業界・職種

ここでは中卒からでも始めやすい業界を5つ紹介していきます。

介護業界

中卒からでも始めやすい業界の一つ目は介護業界です。

なぜなら、介護業界では採用条件に学歴不問や未経験者歓迎と記載されている場合が多く、始めやすい環境が揃っているからです。

たとえば、資格がなくても仕事ができる環境が整っていたり、働くための研修に力を入れていたりする場合も多くあります。

また、介護業界では少子高齢化の影響などの理由で長らく人手不足です。

厚生労働省が2021年に発表した「第８期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」では、2040年には約69万人の人手不足が発生するといわれています。

現状人が少ない業界のため学歴や経験は不問で採用されることが多く、中卒ニートからでも始めやすい業界といえます。

建設業界

建設業界も中卒ニートから始めやすい業界のひとつです。

厚生労働省が公表している職業情報提供サイトjobtagでは「建設・土木作業員」に従事する中卒の方は16.7%もいることがわかっています。

10人に1人以上は中卒の方が働いているので、働きやすい環境といえます。

建設業界は学歴を問わない求人がとくに多く、どの学歴からでも始めやすいのが特徴です。

さらに建設業界は学歴や知識より技術を重要視されているため、学歴に自信がなくても長く続けることで職人になれます。

職人になると、独立なども考えられるため大きく稼ぐことも可能です。

業界的にも中卒に対して寛容なため建設業界はおすすめの業界といえます。

製造業界

製造業も中卒から始めやすい業界といえます。

なぜなら、製造業は学歴不問の求人が多く、どなたでも始めやすい特徴があるからです。

工場の中でライン作業を担当する場合は、作業手順を元に進める必要があります。

作業手順は「標準化」という誰がやっても同じ質になるように手順を細かく定めたものが用意されている場合がほとんどです。

手順を覚えれば誰でもできるため、学歴や経験を問われず始めやすいといえます。

また、工場では期間工従業員や派遣社員として働けるので自分に合っているかの確認も可能です。

正社員登用に積極的な会社もあるため、試験に合格すると正社員として契約できる可能性があります。

初めてでも仕事がしやすいため、中卒ニートにおすすめの業界です。

ドライバー

トラックのドライバーも学歴や年齢を重視していない傾向が強いため中卒でも始めやすい業界といえます。

なぜなら、運転手の場合は必要な免許の取得と技術があれば問題がないからです。

もし中卒でも、免許と技術があれば即戦力なるため業界としては欲しい人材です。

また運送業界は若者の人材不足に悩まされています。

国土交通省が発表した「トラック運送業の現況について」では、以下のようにいわれています。

トラック業界で働く人のうち、約４５．２％は４０～５４歳。

一方、２９歳以下の若年層は全体の１０％以下。

引用元：トラック運送業の現況について｜国土交通省

少子高齢化の影響で若者の人数が少ないため、未経験でも入りやすい業界といえるでしょう。

コールセンター

中卒でも始めやすい職業としてコールセンターもおすすめです。

コールセンターは、お客様の問い合わせや質問に電話を通して案内する仕事です。

経験や知識を問われない業務内容のため、未経験歓迎や学歴不問になっている場合が多くなります。

また、新人のために研修を手厚くしている場合もあるため「中卒でも大丈夫かな」と不安になってしまう方でもおすすめです。

基本的に相手からかかってきた電話に対応するため、臨機応変な対応が求められる仕事です。

コミュニケーションが苦手な人は、慣れるまで苦痛に感じてしまう可能性があるため注意しましょう。

事務職

事務職というと「高学歴じゃないと難しそう」と感じる方もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。特に中小企業や地域密着型の会社では、学歴や職歴よりも、素直さや誠実さを重視して採用をおこなうケースもあります。

データ入力や電話応対、書類の整理など、基礎的な業務からスタートできるため、事務職は社会人経験がない人にも向いている仕事です。

なお、パソコンの基本操作（WordやExcelなど）ができれば、選べる求人の幅も広がるでしょう。さらにMOS（マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト）などの民間資格を取得すれば、自信を持って就職活動に臨めるかもしれません。

第一次産業

農業・漁業・林業などの第一次産業は、自然の中で働く仕事であり、都市部の企業とは異なる環境が特徴です。この分野は学歴や経験を問われることが少なく、特に若手人材の不足が大きな課題になっているため、中卒ニートの方でも歓迎されやすい職種といえます。

また、自治体や農業法人が新人向けの研修制度や職業体験の場を設けている場合もあり、就職前に実際の仕事内容を知れるのも魅力です。体力が必要な仕事ではありますが、外で体を動かすことが好きな方や、自然の中で働きたい方にはおすすめです。

加えて、地域によっては住居や移住支援をセットにした就業支援を行っているところもあります。「都会の生活に疲れた」「生活の環境も一緒に変えたい」と感じている方にとっては、新たなスタートを切る良いきっかけになるかもしれません。

中卒ニートから正社員を目指す方法

中卒ニートから正社員を目指すことを決めた方に、正社員を目指す方法について解説していきます。

就活エージェントに相談する

「自分一人では何から始めればいいかわからない…」という方にこそ、就活エージェントの利用をおすすめします。

就活エージェントとは、求職者一人ひとりに専任の担当者がつき、求人紹介や履歴書の添削、面接対策などを手厚くサポートしてくれるサービスです。

中卒やニートの方を専門に支援しているエージェントもあり、「学歴に自信がない」「職歴がない」といった悩みを共有しやすいのもメリットです。自分に合った求人を提案してくれるだけでなく、就職後のフォローをしてくれるところも多く、安心して就職活動を進められるでしょう。

業界を絞らず幅広く求人を探す

「やりたい仕事が見つからない」「自分に向いている職種がわからない」という方は、業界や職種を限定せずに求人を探してみましょう。業界や職種について最初から希望を狭めすぎると、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性があります。

特に中卒ニートの方は、学歴不問・未経験歓迎の求人から探していくのが現実的です。そのためにも、営業・販売・製造・介護・ITサポートなど、幅広いジャンルに目を向けると良いでしょう。

最初は「経験を積むこと」「働くことに慣れること」を目的に仕事を選ぶことで、将来的には希望に近い職種へのステップアップを目指せます。

ニート期間をポジティブに説明できるよう準備する

面接では、必ずと言っていいほど「この空白期間は何をしていたのですか？」と聞かれるでしょう。中卒ニートという経歴に引け目を感じてしまう方もいるかもしれませんが、過去よりも「今どう考えているか」「これからどうしていきたいか」の方が、採用担当者にとっては重要です。

例えば「働く準備として生活習慣を整えていた」「将来に向けて資格の勉強をしていた」「家族の介護をしていた」など、前向きな姿勢が伝わる説明をできれば、マイナス評価にはつながりにくくなります。

なお、誠実に自分の言葉で伝えることが何より大切です。緊張してしまうのであれば、あらかじめ簡単な台本を用意し、練習しておくと良いでしょう。

中卒ニートにおすすめの転職エージェント

ここでは中卒ニートにおすすめの転職エージェントを3つ紹介していきます。

えーかおキャリア

ハタラクティブ

就職カレッジ

正社員として就職する以外の進路

「正社員として働くのがゴール」と考える人もいるかもしれませんが、正社員としての就職だけがゴールではありません。

中卒ニートの方にとっては特に、いきなり正社員を目指すよりも、段階を踏んで自信と経験を積んでいく方が、長く安定して働ける可能性が高まります。ここからは、正社員就職にこだわらない柔軟な進路の選択肢についてご紹介します。

• 高校を卒業する/高卒認定試験を受ける
• アルバイトから始めて正社員登用制度を利用する
• 資格を取得する

高校を卒業する/高卒認定試験を受ける

「中卒という学歴が不安」「将来的に幅広い仕事に挑戦したい」と考えているのであれば、高校卒業資格の取得を検討するのも一つの方法です。すでに中学校を卒業している人が学び直す場合は、「高卒認定試験（高等学校卒業程度認定試験）」を受けると良いでしょう。

この試験に合格すれば、就職活動において「高卒と同等の学力を持っている」とみなされることが多く、応募できる求人の幅が広がります。また、将来的に専門学校や大学に進学したいと考えている方にとっても受験は有効です。

独学で勉強してもよいですし、予備校や通信講座を利用するのも良いでしょう。

アルバイトから始めて正社員登用制度を利用する

いきなり正社員になるのが不安な場合は、まずはアルバイトからスタートするのも賢い方法です。正社員と比べればアルバイトは採用のハードルが低く、働きながら仕事の流れや職場の雰囲気に慣れていけます。

最初は週3〜4日から始めて、徐々に働く日数や時間を増やしていけば、体力的にも無理なくステップアップできるでしょう。

さらに、企業によっては「正社員登用制度」を設けているところもあります。アルバイトとしての働きぶりを企業が評価すればそのまま正社員として採用されるチャンスです。

資格を取得する

「スキルも経験もないけど、本当に就職できるのか不安…」という人は、まず資格の取得を目指してみると良いでしょう。中卒の方にとっては特に、資格は「学歴以外の武器」となります。

例えば介護職を目指すなら「介護職員初任者研修」、事務職なら「MOS（マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト）」、建築現場では「フォークリフト運転技能講習」などがおすすめです。

仕事内容に直結する資格を持っていると、面接時に意欲や努力を評価されるだけでなく、採用後に任される業務の幅も広がるでしょう。

関連記事：中卒者におすすめの人気資格とは？就職・転職に活かせる民間資格・国家資格を厳選して紹介

まとめ

この記事では中卒ニートが就職するまでのステップを解説してきました。

中卒ニートを長く続けていると就職するのが億劫になってしまったり、外に出るのが怖くなってしまったりすることもあるでしょう。

その中で就職することは人生を大きく変える大きな一歩といえます。

不安なことが多くても転職エージェントを利用すれば、プロのアドバイザーと一緒に就活が進められるためおすすめです。

あなたの就職活動の参考になればうれしいです。