【医師からの転職】臨床医以外のおすすめ他職種7選と転職成功のポイント

大石龍之介
編集者
本記事は転職エージェント公式サービス(ビズリーチ・マイナビ・リクルート等)のプロモーションを含みます。
ただし、当サイト内のランキングや商品(商材)の評価は、当社の調査やユーザーの口コミ収集等を考慮して作成しており、提携企業の商品(商材)を根拠なくPRするものではありません。
有料職業紹介許可番号:13-ユ-313782)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社アシロが作成しています。

さまざまな苦労を乗り越えて医師になったものの、

  • 「自分には向いてないかもしれない」
  • 「激務すぎて続けるのがつらい」
  • 「挑戦してみたいなと思う仕事が見つかった」

などの理由で、他職種に転職したいと考えている方も少なくないでしょう。一度きりの人生、後悔せずに生きたいですよね。ですが、医師として特殊なフィールドで働いてきた自分が、

  • 今更普通の働き方ができるのか
  • そもそも雇ってくれる会社があるのかどうか

不安に思う方も多いでしょう。この記事では、「医師から他職種への転職が可能なのか」「どのような選択肢があるのか」など、転職を成功させるうえで大事なポイントなどについて解説します。

 

この記事の監修者
大石龍之介
大石 龍之介 氏医師/産業医
医師として働きながら、株式会社ブルーストレージを創業。静岡専門の医師人材紹介サービス「静岡医師バイトラボ」を運営。また静岡市初の産業医事務所である「コンフィスト産業医事務所」を設立。産業医としても複数の顧問先を抱えている。

関連記事:医師向けの転職エージェント4選|選び方や成功するポイントも解説

目次

医師が他職種に転職することは可能?

医師から他職種に転職することは、決して不可能ではありません。ただ、わざわざ医師を辞めてまで他職種に転職する方は、それほど多くはないのが実情です。

というのも、医師という職業は他職種に比べると高収入であり人の役に立っている実感も得やすいため、やりがいがある仕事と言えます。また、苦労して取得した医師免許を活用しないことが、なんとなくもったいないなと感じる方も多いでしょう。

転職できる・できないよりも、働いている職場環境などにより、実際に行動を起こしづらいことが、一番の問題と言えるかもしれません。

以下の図は、2020219日~31日までに民間医局がおこなったアンケートの結果です。

引用元:民間医局

転職を断念した理由として「自分が抜けると、現職が回らなくなる」との回答が24.1と最も多く、具体的には以下のような声がありました。

・「現職は医師数が少なく、辞めづらい」(40代)

・「自分以外に医師がいない」(50代)

・「血管内治療(IVR)の高いスキルを持つ医師が少ないため」(50代)

・「一人で任されている科なので、辞めると職場が回らなくなる」(50代)

・「勤務時間が長すぎて転職活動もできない。誰かが辞めると残った同僚にしわ寄せが来る。完全に悪循環」(30代)

引用元:民間医局

ただ、裏を返せば、環境の問題さえなければ転職することは可能と言えます。本気で転職を考えているのであれば、上司に相談してみるのも一つの手ではないでしょうか。

医師(臨床医)が他職種に転職する場合の7つの選択肢

医師(臨床医)以外で働くといっても、具体的にはどのような選択肢があるのかわからない、という方も多いかと思います。

この項目では、医師が他職種に転職する際の選択肢について解説します。

産業医

産業医とは、労働者が快適な環境で仕事ができるように、事業場に対して専門的立場から指導・助言を行う医師を言います。産業医の選任が必要な事業場は全国に16万ヵ所以上といわれていますが、実働している産業医数は3万人程度です。

企業側の産業医へのニーズは高いといえます。ただ、医師であれば誰でも産業医となれるわけではなく、認定産業医資格の取得が必要です。

健診医

夜勤や時間外での勤務を避けたい場合、健診医が選択肢のひとつとなります。

健診医とは、健康診断において受診者を問診したり、健康診断結果の説明をしたりする医師です。健診センターや企業、学校、出張先の会場で受診者に対応します。

健診医の特徴は、受診者の人数が決まっているため残業が発生しにくいことと、健康な人を相手にするため精神的な負担が少ないことです。

アルバイトやスポットでの求人が多く、出産を経て医療現場に復帰したい女性にもおすすめできます。

研究医

臨床医の働き方が向いてないと感じる場合には、研究医として働くことを検討しても良いでしょう。

臨床医としての限界に直面した際に、より多くの人を救うために研究医のキャリアに進む方も少なくないようです。ただ、臨床医と研究医を比べると、給料にはかなりの差があります。そのため、臨床医を掛け持ちしないと収入的に厳しく、研究に打ち込みづらいという問題があるでしょう。

介護老人保健施設

病院以外で働きたい方には、介護老人保健施設もおすすめです。

介護老人保健施設では、入所者のリハビリについて指示を出したり、健康を管理したりします。入所者が快適に過ごせるように全体に気を配ることが、介護老人保健施設における医師の大きな役割です。

介護老人保健施設の入所者の人数は限定されており、当直はない施設が多いことから、体力的な負担を減らしたい医師に最適な働き方といえます。残業や土日勤務は少なく、プライベートの充実も図りやすいでしょう。

公務員

医師としての経験が活かせる公務員の業務には、以下の2つがあります。

  • 医系技官
  • 矯正医官

年収は医師として働いていた時よりも下がる可能性は高いですが、臨床医とはまた違ったやりがいがあるでしょう。それぞれの特徴について、解説します。

  • 医系技官

医系技官とは医師としての専門知識を活かして、保険医療関係の制度作りにかかわる技術系行政職です。現在の医療を取り巻く環境には、個人の力ではどうしようできない問題も多々あるでしょう。

そうした現状を根本から解決する役割を担うのが医系技官の仕事と言えます。国ないし世界を舞台に活躍できるチャンスがあるため、経験の幅を広げたいという方におすすめです。

  • 矯正医官

矯正医官とは、刑務所や少年院などに設置された診療所にて,被収容者の健康診断や冶療を行う医師を言います。平均年収は1,300万円と臨床医に劣るかもしれませんが、兼業やフレックス勤務が認められているため、待遇は公務員の中ではかなり良い部類です。

【参考記事】矯正医官特例法の施行について(法務省矯正局長:H28.2.23)

ただ、被収容者の健康管理をするだけでなく社会復帰の一助を担えるのは、矯正医官ならではのやりがいであるといえます。

保険会社

保険会社の医師も、ワークライフバランスを重視する医師に向いている働き方です。

保険会社の医師は、保険加入希望者の審査や生命保険を支払う際の支払い査定を担当します。医学的な知見を活かして保険加入を判断したり、意見を述べたりするのがおもな仕事内容です。

残業や土日出勤がなく、年収は1,000万円を超えるケースがほとんどであるため、体力的な負担を減らしつつも高年収を維持したい医師にとって魅力的な仕事といえます。

医療系ベンチャー

医師としての経験は活かしつつも、全く異なるカルチャーで働きたいのであれば、医療系ベンチャーがおすすめです。現在の医療現場においては、人手不足による過重労働や救急患者のたらい回しなど、さまざまな課題が山積みとなっています。

そうした課題に対して、医師としての経験と最新のIT技術を掛け合わせて、解決を図ろうとするベンチャー企業が増えているのです。オンライン診断や人材紹介、ゲノムや腸内細菌の検査サービスなど、各ベンチャーが手掛ける事業はかなり細分化されています。

まずは、自分が興味を持てそうなサービスを探してみると良いかもしれません。

製薬会社

医師には製薬会社で、いわゆるMD(メディカルドクター)として働く選択肢もあります。

新薬開発においては医師の関与が必要不可欠です。臨床試験の実施・データの取りまとめ・検証・承認を得るための資料作成など、新薬開発に幅広く携わることになります。

また、製薬会社では比較的柔軟な働き方が認められており、在宅勤務フレックスタイム制度が導入されている場合が多いでしょう。ワークライフバランスを重視している方におすすめです。

コンサル

医師の中には、将来的な開業・起業を見据えてコンサルに転職する方もいます。臨床医として働いていれば医師のスキルに磨きをかけることはできますが、それ以外の経営感覚や開業知識は身につきません。

コンサルに転職すれば、働きながら経営感覚や知識を身につけられる可能性もあるでしょう。コンサルタントファーム側からしても、以下のようなメリットがあります。

  • 医療機関のクライアントに対しては業界に精通している人材の方が信頼を得やすい
  • 医師は地頭が良く戦力になりやすい

そのため、積極的に採用しているところも少なくありません。

その他の業種

基本的には医師としての経験を活かせる職種に転職する場合が多いですが、医療とは全くかけ離れた分野に転職することも不可能ではありません。例えば、医師からエンジニアに転職された方もいますし、弁護士と医師のダブルライセンスを持つ方もいます。

また、宇宙飛行士として活躍されている向井千秋さん、古川聡さん、金井宣茂さんのような方々もいらっしゃいます。結局のところ、医師から他職種への転職が成功するかどうかは、本人の努力次第といえる部分が大きいといえるでしょう。

【参考記事】
医療の枠には収まらない「スーパー医師」が社会を変える
【転職エントリ】Googleに入社します

医師が他職種に転職する際におすすめ転職エージェント

医師が他職種への転職を成功させたいのであれば、転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントは、転職のプロであるキャリアアドバイザーが、あなたの経歴・希望に合わせた求人を紹介してくれるサービスとなっています。

その他、転職活動で役立つさまざまなサポートが受けられるため、多忙な医師にはうってつけのサービスといえるでしょう。そんな転職エージェントの中でも、医師が他職種に転職する際におすすめのサービスを紹介します。

転職エージェントについて詳しく知りたい方は「転職エージェントを利用するメリットとデメリットの全知識」をご覧ください。

医師向け転職エージェント

産業医やメディカルドクターの求人を探す場合は、医師向け転職エージェントを利用すると良いでしょう。医師向け転職エージェントの中でも、おすすめは以下の4社です。

エージェント名 特徴

医師転職ドットコム

転職された医師の満足度93.4%を誇り、業界最大級の求人数を扱っています。好条件の医師求人が見つけやすいです。

マイナビDOCTOR

人材紹介サービス大手のマイナビグループが運営。独自のコネクションを持っており、産業医求人などを豊富に持つ

エムスリーキャリアエージェント

転職希望医師の登録実績NO.1。産業医を探している企業向けサービスも手掛けていることから、産業医求人が見つけやすいです。

民間医局

20年以上の運営実績を持つ転職エージェント。医療機関だけでなく企業からの信頼も厚く、産業医・製薬企業の求人を多く持つ

所属コンサルタントは医療業界の内情にも詳しいので、医師としてのキャリア形成に悩まれている方は、まずは相談だけでもしてみると良いかもしれません。

コンサルタントの転職に強い転職エージェント

一般向けの転職エージェントにも得意としている分野に違いがあり、中でも、以下の2社はコンサルタントへの転職支援・求人紹介に長けています。

エージェント名 特徴

type転職エージェント

1都3県の求人を中心に扱っている転職エージェント。年収交渉を得意としており、利用者の71%が年収UPを実現している。

リクルートダイレクトスカウト

リクルートグループが運営するハイクラス層向け転職エージェント。年収2,000万円以上の求人を多数保有している

カウンセリングに定評のある転職エージェント

大手総合型の転職エージェントは利用者が多いことから、利用者一人ひとりに対するサポートがおざなりになりがちと言えます。そのため、丁寧なサポートの下で転職活動を進めていきたい方には、中規模転職エージェントの利用がおすすめです。

中でも特に対応に高い定評をもつのが、以下の2社となります。

エージェント名 特徴

LHH転職エージェント

1人の担当者が求職者と企業双方の担当をするため、よりニーズに即した求人紹介が可能

パソナキャリア

2019年のオリコン顧客満足度調査第一位の転職エージェント。これまでに25万人近くの転職支援を手掛けており、豊富なノウハウを保有しています。

求人数は大手に比べると少ないため、すぐには良い求人が見つからないかもしれませんが、焦らずに転職活動を進めましょう。

https://asiro.co.jp/media-career/3536/

医師が医師以外への転職を考えるきっかけは?

医学部入学から始まり、大変な苦労を経て医師になったにもかかわらず、なぜ医師以外への転職を考える方がいるのでしょうか?

この章では、医師が「医師を辞めたい」と考えるきっかけを解説します。

激務から抜け出したい

激務に疲れ切ってしまい、医師の仕事から退く道を考える方が多いようです。

医師の仕事はやりがいを感じられる一方で、激務であるという側面も持ち合わせています。日勤のあとに当直を担当し、翌日も日勤というように、休む間もなく働くことを求められるのが通常です。また、オンコールがある診療科目だと、病院の外にいてもリラックスできない日が続くでしょう。

実際、厚生労働省の資料によると、医師の約4割は時間外労働が年960時間以上と、長時間の労働を余儀なくされていることがわかります。

引用元:病院勤務医の週勤務時間の区分別割合|医師の長時間労働の実態について(2019年)|厚生労働省

医師の働き方改革により、2024年4月以降は時間外労働時間の上限は原則年960時間とされます。しかし、現状を鑑みると、その実現性に懐疑的になる人もいるでしょう。一刻も早く激務から抜け出すために、勤務医以外の働き方を選択する人が多いのかもしれません。

【関連記事】医者の休みはない?休みがとりやすい8つの職種や転職の注意点を解説

精神的な疲れ

人の命を扱う医師は、精神的な疲れと隣り合わせの仕事です。

心身の疲れは前述の激務のほかにも、患者を診るプレッシャーや看取りのストレスによっても引き起こされます。患者を思って意欲的に仕事に取り組む医師ほどバーンアウトに陥りやすく、心と体のバランスがとれずに体調を崩す医師も少なくないでしょう。

全国保険医団体連合会が2007年におこなった調査によると、82.4%の医師が「現在、身体は疲れている」と回答しており、医師の4人に1人がうつ状態にあることがわかっています。精神的な疲れが引き金となって、医師の仕事から離れたいと願う方がいるのも自然なことです。

【参考記事】開業医の4人に1人がうつ状態 疲弊が顕著に…保団連調査(2007年)|全国保険医団体連合会

医療訴訟のリスク

医師の仕事には、患者から医療訴訟を起こされるリスクがあります。

いくら細心の注意を払っていても、人間である以上、ミスは誰にでも起こり得ることです。また、医師が治療に手を尽くしても、患者にとって期待していた結果が得られなかった場合、患者の非難の矛先が医師に向くこともあるのです。

株式会社メディウェルが2021年に実施した調査によると、勤務中に訴訟リスクを感じることがある医師は、約半数にも上っています。

引用元:医師の訴訟リスクの現状とは?医師1,632名へのアンケート結果(2021年)|医師転職研究所

医療訴訟になると、医師にかかる精神的・体力的・経済的な負担は重くなってしまいます。同調査によると、実際に訴訟を起こされた経験がある医師はわずか5%ですが、医師にとって軽視できないリスクのひとつといえるでしょう。

医師であり続けるメリット

医師からの転職を考えるには医師ならではのメリットを再確認し、それでも転職すべきかを検討するべきです。医師であり続けるメリットは以下のとおりです。

  • 医師にしかできないやりがいを感じられる
  • 高収入が期待できる

医師になるためには資格を取得する必要があるため、学生時代から勉強を重ねて医師免許を獲得しなければいけません。苦労した学生時代を過ごし、やっとの思いで医師に就職したのであれば、すぐに転職するのではなく、医師であり続けるメリットを把握してから検討してみてはいかがでしょうか。

医師にしかできないやりがいを感じられる

医師にしかできないやりがいは主に以下が挙げられます。

  • 患者さんの病状回復に直接触れられる
  • 命を救える
  • 命の誕生に立ち合える
  • 責任と充実感がある

ITや不動産、美容などの仕事をしている人は、直接命に関わる機会が少ないため、上記は医師だけのやりがいだと言えるでしょう。仕事における責任感はそれぞれ捉え方によって異なります。

患者さんの手術や治療が終わり、安心した表情を見たときの喜びは医師でしか味わえない充実感です。ほかにも、医師は急患がでた場合、夜勤やオンコールで働かなくてはいけないため、医師の生活習慣は不規則で激務になりがちでしょう。

しかし、多くの患者さんを救えたときのやりがいは、他業種では体験できるものではありません。一人でも多くの命を救いたいという強い思いがあるからこそ、医師として続けたいと思う人も多いです。

高収入が期待できる

医師は、世の中の仕事の中でも高収入になるため、続けたいと思えるメリットのひとつでしょう。令和3年度における日本の平均年収は443万円(令和3年度1231日時点)です。

【参考記事】国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査

一方、令和3年度における勤務医の平均年収は1,378万円(令和3年度時点)となっています。日本の平均年収と、勤務医の平均年収を計算すると935万円もの差額があるのです。

【参考記事】厚生労働省 令和3年度 賃金構造基本統計調査

給与が低いと「家を購入したい」「子どもの教育に投資したい」「趣味を楽しみたい」といった望みを叶えるのは難しいかもしれません。しかし、年収が高いとこうした希望を叶えられる可能性が高くなり、仕事も私生活も充実させることができるでしょう。

年収が高いと、自分が何か挑戦したり買いたいと思ったりしたときに、実行できる幅が広がります。そのため、医師として働き続けると高収入が期待できるのはメリットだと言えるでしょう。

スキルを高められる

医師として働き続けると、スキルを高められる点がメリットです。専門医の取得を目指して専門分野の知識を深めたり、幅広い事例に対応できる力をつけたりなど、スキルアップのために努力することは仕事のやりがいにもつながるでしょう。

「開業したい」「マネジメントに携わりたい」など、医師としての中長期的な目標を設定することで、自身のキャリアプランが明らかになり、多忙ながらも充実した医師人生を歩めるはずです。

医師から他業種に転職する5つのメリット

続けることにもメリットの多い医師ですが、転職することで得られるメリットも多いのも事実です。医師から他業種に転職するメリットは具体的には以下の5つが挙げられます。

  • 新しいスキルや技術を習得できる可能性がある
  • ライフスタイルを変えられる可能性がある
  • 視野や可能性が広がる可能性がある
  • 多方面からの市場価値を高められる可能性がある
  • 採用される可能性が高くなる可能性がある

このように、医師から他業種に転職するメリットもあります。メリットを理解しておくことで、次のキャリアステップを明確に決められるでしょう。

医師から他業種に転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

新しいスキルや技術が習得できる可能性がある

新しいスキルや技術が習得できるのは、医師から他業種に転職するメリットと言えるでしょう。

また、医師から他業種に転職する際は、医師に関係がある職種を探すのもおすすめです。先述したように、医師のコンサルタントや医療系ベンチャー、公務員など、医師に関わる仕事の場合、前職での経験をアピールできるため転職活動がスムーズになる可能性が高くなるでしょう。

もちろん、医療とは離れた不動産業界や美容業界、IT業界・外資系などの業界に挑戦するのも問題ありません。医師から他業種に転職する際は、自分が習得したいと思うスキルや技術を扱っている企業を検討しましょう。

ライフスタイルを変えられる可能性がある

医師から他業種に転職する際、ライフスタイルが変えられるのはメリットのひとつと言えるでしょう。医師を続けていると、夜勤勤務や休日出勤になる場合があります。

たとえば、翌日が休日の日に「明日買い物に行こう」「大切な人と過ごす時間にしよう」と考えていたとき、急患で夜中に呼ばれて次の日も出勤しなければいけないこともあるでしょう。

こうした状況が続くと、ストレスが溜まり「仕事が辛い」「充実したライフスタイルを送りたい」と感じる医師の方も出てきます。最悪の場合、うつ状態になり医師として活動できなくなる可能性が考えられるので、今の仕事によって生活に影響が出ているのであれば他業種への転職は有効です。

しかし、医師から他業種へ転職すると、職種によっては収入や年収が下がってしまうケースも考えられます。しかし、医師としての活動が辛くなり「充実したライフスタイルを送りたい」と思っている方は、他業種への転職をすることでライフスタイルを変えられるという点はメリットだと言えるでしょう。

視野や可能性が広がる可能性がある

視野や可能性が広がるのは、医師から他業種に転職するメリットとして挙げられます。医師の仕事から他業種に変えると、いままで挑戦できなかった仕事ができるため、新しい目標や目的を決められるでしょう。

たとえば、他業種に転職をすると「美容用品の開発」「イベントのスタッフ」「飲食店のスタッフ」など、さまざまな仕事に視野を広げられるため、挑戦する可能性の幅が大きくなるのです。

医師から他業種に転職すると、視野や可能性が広がることはメリットと言えるでしょう。

多方面からの市場価値を高められる可能性がある

市場価値を高められるのは、医師から他業種に転職するメリットのひとつと言えます。市場価値とは、社会からどれくらい必要とされているかです。

つまり、所属する企業や業界で求めているスキルや技術を持った人材が、その会社において市場価値が高い人材となります。医師を続けた場合、医療業界の中では市場価値が高い人材として成長することができるでしょう。

ただし、医療業界でのみ市場価値が高い人材になります。では、医師からコンサルタントに転職をして、新しくスキルや技術を磨いた場合、どのような市場価値が生まれるでしょうか。

医師とコンサルタントとしてのスキルや技術を身につければ、どちらの業界からも市場価値が高い人材として求められます。医師から他業種に転職すると、双方のスキルが掛け合わされ、多方面から市場価値が高い人材として評価されるでしょう。

市場価値が高い人材になるというのは、自分が挑戦したいと思っている仕事に関われる幅が広がるだけでなく、会社に必要な人材だとされるため、理想のキャリアを築くこともできます。

採用される可能性が高くなる可能性がある

医師から他業種に転職するメリットには、転職先の企業から採用される可能性が高いという点もあるでしょう。転職をする際、企業の採用担当者は、スキルや技術、経験をみる傾向にあります。

医師になるためには、膨大な時間の勉強を続け医師免許を取らなければいけません。そのため、医師免許があるという事実は、いままで努力をしてきたことの証明となります。

もちろん、他の資格を取得している事実もアピールポイントとして有効です。しかし、医師免許は大学で6年間学ぶ必要があり、他の資格と比較して取得のために圧倒的に学習時間が必要であるため、努力してきたアピールができます。

医師を辞めるべき人の特徴

「医師を辞めたい」と強く思っていても、実際に行動にうつすのは勇気がいるものです。しかし、激務で体調を崩している方、ほかにやりたいことが明確にある方は、思い切って医師を辞めたほうがよいかもしれません。

この章では、医師を辞めるべき人の特徴について解説します。

激務で体調を崩している

前述したように、医師は心が休まる瞬間を確保するのが難しく、激務に陥りやすい仕事です。それでもうまく順応できている方は問題ないかもしれませんが、心身に不調が表れている方は注意しなければいけません。

日本医師会が2016年に実施した調査結果を参照すると、9.1%の医師が当直日以外の平均睡眠時間が5時間未満と回答しており、20.1%が「自身は健康ではない」と評価しています。

一度深刻な体調不良になると、完全な回復には時間を要してしまうものです。そうなる前に自身の心身の健康を優先し、他職種に転職することも選択肢に入れてみてください。

【参考記事】勤務医の健康の現状と支援のあり方に関する アンケート調査報告書(2016年)|日本医師会 勤務医の健康支援に関する検討委員会

ほかにやりたいことがある

ほかにやりたいことがある方も、目標の実現に向けてキャリアチェンジすべきときかもしれません。

医師は、激務や精神的なプレッシャー、訴訟リスクなど、悩みの種が多い仕事といえます。これらに深く悩むよりも、思い切って新しい道に挑戦したほうが、仕事の充実度が上がるケースもあるのです。

「せっかく医師になったのに」と周囲から引き留められる可能性もありますが、人生は一度きりです。後悔のないよう、自身にとって最適な選択ができるように心がけてください。

医師が他職種への転職を成功させるためにすべきこと

これまで医師として働いたことしかなく、他職種へ転職するためには何からすべきなのか、わからないという方も多いでしょう。

この項目では、医師が他職種への転職を成功させるためにすべきことを解説します。

自己分析をする

何となく自分には医師が向いていない気がするというようなあやふやな理由で、他職種に転職をしてしまうと失敗する可能性が高くなります。そのため、まずは自分自身について見つめ直すことから始めましょう。

なぜ医師という職業が向いていないと思うのか、他の人にも劣らない自分の強みは何か、紙でもスマホでも良いので書き出してみてください。よくよく考えてみると、医師という仕事が嫌なのではなく、今の職場が嫌だったとわかる場合もあります。

他職種に転職するとして、自分の強みはあの仕事に活かせそうとわかるかもしれません。転職活動の方向性を間違えないためにも、きちんと自己分析することが大切です。

企業や業界の情報収集をする

転職を成功させるうえで、働きたいと考えている企業や業界の情報収集は必要不可欠です。なぜ企業・業界の情報を集めるのが大切かというと、理由は3つあります。

  • 企業や業界に対する理解を深め選考を突破するため
  • 今後拡大する市場かどうかを見極めるため
  • 悪い求人に引っかからないため

採用側からすると、数ある企業の中から自分の会社を選んだ理由を気にするケースもあり、同じようなスキルや経験を持つ応募者2人の内、1人を採用するなら自社に理解があるほうが選ばれるでしょう。

また、業界全体の勢いを見るのも大切です。更なる拡大が期待できる市場に身を置いたほうが、スキルや経験を積みやすく年収も上がりやすいと言えます。

応募先の企業を判断する際に、口コミサイトの情報も役立ちます。パッと見は良さそうに見える企業も、中ではパワハラやセクハラが蔓延という場合も少なくありません。

大手だから安心・安全というわけでもないので、自身の目で見極めるのが大切です。

働き方を変えてみる

現状、医師を辞めてでも何かやりたい仕事があるわけではないのなら、働き方を変えてみるというのも一つの選択肢です。幸い、医師の場合は非常勤、スポットでのアルバイトだけの収入でも十分生活はしていけます。

逆に勢いで医師を辞めるのは得策ではありません。他の業界に転職したものの、上手くいかずやっぱり戻ろうと思っても、空白期間があることで医師としてのスキルに不安をもたれてしまう可能性があります。

せっかくの医師免許です。有効活用しながら転職活動を進めていきましょう。

知人から求人の紹介を受ける

医師が転職するルートのひとつとして、知人から求人の紹介を受ける方法が考えられます。知人から紹介を受けるメリットは、職場の実態を把握したうえで転職を決められることと、リファラル採用は一般的に採用につながりやすいことです。

ただし、知人からの紹介による転職では、年収や休日などの交渉がしにくい、入職後にミスマッチに気づいても退職を言い出しづらいなどのデメリットもあります。

仕事のハードさや時間外労働時間、当直日数などの具体的な情報を入手してから転職を決めたい方にとって、知人からの紹介は安心材料となるでしょう。

転職エージェントに複数登録する

転職エージェントを利用する際は、複数のサービスに登録するのがおすすめです。各転職エージェントは、それぞれが独占している求人があります。

当然、登録していないとどんな独占求人を持っているかわからないので、幅広く情報を集めたい場合には複数登録は必須です。また、転職エージェントの良し悪しは、担当アドバイザーの能力次第といっても過言ではありません。

しかし、はじめて転職エージェントを利用する場合、良い担当者かどうか判断するのは難しいと言えます。そのため、複数の転職エージェントを利用し比較することで、自分に合った転職エージェントを利用するようにしましょう。

医師が他業種に転職する時に意識すべき2つの注意点

医師から他業種に転職する時に、注意点を理解していないと思い描いていた仕事や労働環境で働くことができない可能性があります。転職した後「医師から他業種に変えて良かった」と思えるように、注意点を理解し転職活動を進めましょう。

医師から他業種に転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

自信の強みを理解して転職活動をおこなう

医師から他業種に転職する上で、自分の強みを理解して転職活動に臨むことは重要です。

医師の場合、医師免許を取得するのに、厳しい過程を乗り越えた証明ができます。
そのため、転職の際、良い評価をしてくれる企業は少なくありません。しかし、医師免許だけに頼った転職活動には注意しなければならないでしょう。

仮に医師免許だけに頼って転職をした場合、企業からの評価は高いぶん、期待値が高くなってしまう可能性があります。しかし、実際に働いてみると、企業が求める成果を出すことができず期待とは違う結果になるケースも考えられるのです。

期待とは異なる結果になると、人事からの評価は下がり、任される仕事の幅が狭くなる可能性があります。もちろん、医師としての活動をアピールするのは問題ありませんが、こうした状況を避けるためにも、医師免許だけに頼った転職活動はおすすめしません。

医師から他業種に転職する際は、自己分析で「強みや自信がある部分」「貢献できる仕事内容」などを深掘りすることで自分の市場価値を明らかにし、転職活動しましょう。

待遇が下がる可能性がある

医師から他業種に転職する場合、給与などの待遇が下がる可能性があります。そのため、いままでと同じ生活ができない可能性もあるので、医師から他業種に転職する際は注意が必要です。

先述したように、日本の平均年収が443万円に対し、医師の平均年収は1,378万円と大きな差があります。医師から異業種へ転職する場合、ある程度の減額は考えなければいけません。

仮に日本の平均年収と医師の平均年収で考えた場合、差額が935万円です。いきなり935万円の収入が減った場合、医師の仕事をしていた頃の暮らしとは別の生活を考える必要があります。

そのため、医師から他業種に転職する場合、待遇が下がりさまざまな面でリスクが発生するので、注意しなければいけないでしょう。

【参考記事】
国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査
厚生労働省 令和3年度 賃金構造基本統計調査

医師の他職種転職でよくある質問

最後に、医師の他職種転職でよくある質問とその回答を紹介します。他職種転職に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

臨床医以外で医師免許を活かせる仕事は?

臨床医以外でも、以下のような仕事では、医師免許を活かして働けるでしょう。

  • 産業医
  • 健診医
  • 研究医
  • 介護老人保健施設
  • 公務員
  • 保険会社
  • 医療系ベンチャー
  • 製薬会社

医師免許があっても医者にならない人は多い?

医師免許を取得すると、医者の道に進む人がほとんどで、医者にならない人は少ないのが現状です。

医学部卒業生を対象としたメドピア株式会社の調査によると、卒業後の進路を「起業」と回答した人は5.2%、「一般企業で勤務」と回答した人は0.9%に留まっています。

しかし、勤務医のなかには臨床医以外への転職を考える方も多いようです。リクルートドクターズキャリアの調査結果を参照すると、10年後のキャリアを「臨床医以外」と想定している方は意外にも多いことがわかります。

【年齢別 10年後の仕事を「臨床医以外に転身している」と回答した人の割合】

30歳〜38歳

16.3%

39歳〜44歳

4.5%

45歳〜54歳

5.8%

55歳~

2.8%

【参考記事】年代別に考える「医師のキャリア」|リクルートドクターズキャリア

とくに、医師としてのキャリアが10年以内である30歳〜38歳のタイミングで、臨床医以外への転身を意識する方が多くみられます。

【参考記事】医学⽣に「医学部卒業後のキャリア」を調査 卒業後のキャリアで重視する点「やりがい/社会的貢献」73.3%(2023年)|メドピア株式会社

一旦他職種に転職して、将来的に臨床医に戻ることはできる?

一旦他職種に転職して、将来的に臨床医に戻ることは不可能ではありません。しかし、復職後には医療知識のキャッチアップや技術のアップデートが求められます。

臨床医としてのブランクが長くなるほど、相応の努力が要されることには覚悟が必要です。

退職の際に医局から引き留められそうで心配です

医局からの引き留めは、多くの医師が悩まされる問題のようです。

できるだけスムーズに退職するには、早い段階で退職の意思を伝えておくのがポイントです。半年~1年前には退職について相談を開始しましょう。引き留めにあっても揺らがないよう、気持ちを強くもって交渉に臨むことも重要です。

医師向けの転職エージェントを利用して転職すると、円満退職のためのアドバイスも得られるため、退職に不安がある方は登録してみるのがおすすめです。

【関連記事】医局を円満に辞めるための切り出し方とトラブルを回避する方法を解説

転職先が見つかるか不安

医師免許を活かせる仕事を選択すれば、転職先は見つけられるでしょう。ただし、職種によっては求人数が少ない可能性があります。

早い段階で転職エージェントに登録し、焦らずに求人情報を収集すれば、自分に合う仕事を見つけられるはずです。

【関連記事】医師向けの転職エージェント4選|選び方や成功するポイントも解説

まとめ

医師=臨床医というイメージは世間一般だけでなく、働いている医師自身もそのように感じている方が多いかと思います。しかし、医師が活躍する場が臨床医以外にないというわけではありません。

医師としてのスキルや経験は、他職種においても活かすことができます。医師のスキルや経験が活かせる職種の代表例には、主に以下が挙げられるでしょう。

医師のスキルや経験が活かせる職種の代表例
  • 産業医
  • 研究医
  • 公務員
  • 医療系ベンチャー
  • 製薬会社
  • コンサル

    上記はあくまで一例です。結局のところ、あなたがやるか・やらないかであり、努力次第で選択肢は無限に広がります。

    しかし、他職種に転職するといっても、医療業界以外の知識はほとんどないという方も多いのではないでしょうか。そのため、他業界の知識を身につけるためにも、転職エージェントを利用すると良いでしょう。

    転職エージェントは、それぞれ特徴や強み、扱う求人が異なりますので、複数登録しておくことをおすすめします。転職後に後悔するのを避けるためにも、しっかりと準備して転職活動に臨みましょう。

    • URLcopy
    CAREERUPSTAGE編集部のアバター
    株式会社アシロ

    CAREERUPSTAGE編集部

    転職サイトやエージェントは何を選ぶかではなく、『どう使いこなすか』にフォーカスしたWEBメディア。株式会社アシロの転職メディア編集部による、転職エージェントの賢い『使い方』とキャリアアップ実現の方法論を解説。