このように悩んでいる方は少なくありません。

総務省の統計によると、20歳から24歳のニートの数は15万人といわれています。

結論から申し上げますと、21歳であれば、ニートからの就職は可能です。

この記事では、ニートから就職を成功させるためのコツについて解説します。おすすめの職種やおすすめの手段についても紹介するので参考にしてください。

関連記事：フリーターにおすすめの転職エージェント15社比較ランキング｜選び方と転職/就職成功のポイント

結論：21歳ニートからの就職は可能

結論から申し上げますと、21歳ニートからの就職は可能です。

その理由を3つ紹介します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

理由①企業の21歳に対する期待値が低いから

21歳は、高卒であれば社会に出て3年目です。仕事に慣れ、後輩の指導も任される時期でもあります。

しかし、世間一般では、21歳という年齢だとスキルや経験がないのが当たり前と思われています。大卒新卒者と同じ年齢のため、「まだ若いから」が効く年齢でもあるのです。

ゼロからのスタートでも許されるのが21歳という年齢のため、気後れせず挑戦することをおすすめします。

理由②若さを武器にできるから

21歳であれば、フレッシュさ自体に価値があります。ポテンシャルを評価されているため、最初は受け答えの良さや元気さでアピールするだけでも十分でしょう。

もちろん、仕事がまったくできないのはマイナスです。必要最低限の社会人としてのマナーを身につけ、何ごとも前向きに取り組むといった態度を見せましょう。

理由③人手不足だから

2023年厚生労働省の発表によれば、高校卒業後に就職せずフリーターやニートになる未就職卒業者は、意外に少なく0.8万人です。これは、高校生の求人倍率が過去最高の3.52倍というのもひとつの理由でしょう。

どの業界でも人手が不足しており、よい人材を採用したいと思っています。

2024年1月に2万7,308社を対象とした調査（帝国データバンク）によると、正社員の人手不足割合52.6％となっており、過去最高値を記録した2018年に迫っています。

画像引用：TDB Economic Online｜人手不足に対する企業の動向調査（2024年1月）

このデータからも分かるように、過半数の企業が人手不足を実感しているため、正社員採用を狙うチャンスは十分にありますので、ぜひ正社員での就職を検討してみてください。

参照：厚生労働省｜令和５年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ

21歳ニートが就職を成功させるコツ6選

21歳ニートが就職を成功させるコツを6つ紹介します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

自己分析する

自分に合った職に応募するためには、自分について知る必要があります。求人に応募する前に、必ず自分のスキルや性格の棚卸しをしてみましょう。

自己分析のメリットには次のようなものがあります。

まずは自分の強みや弱みを知り、どのような職が合っているかを分析してみましょう。そのうえで興味関心があり、かつスキルを活かせそうな職を検討しましょう。

情報収集する

次に積極的に情報収集していきましょう。

情報収集の方法としては次の2つがあります。

• オンラインで情報収集
• 役所やハローワークで情報収集

オンラインの場合は、企業のクチコミや就活生の体験レポートなどがわかるサイトに登録してみましょう。

代表的なサイトとしては、マイナビ・リクナビなどがあります。企業の口コミに特化したサイトは、エンゲージ 会社の評判、Open Work、はたらくホンネなどです。オンラインで効率よく情報収集しましょう。

また役所やハローワークなど窓口まで出向き、担当者と直接話すのも有効です。オンラインに掲載されていない情報をもらえる可能性もあります。

未経験歓迎の正社員求人を探す

21歳ニートだと、職歴がほとんどないことが弱みといえます。

しかし「未経験歓迎」の求人は意外に多く、やる気や向上心の強さをアピールすれば、採用される確率は高まるでしょう。

未経験でも採用されやすい職種には次のようなものがあります。

自分の適性と照らし合わせて、未経験歓迎の仕事をリストアップしてみましょう。

自分に期限を設ける

4年制大学を卒業予定の就活生も同じく21歳です。

大卒者と同じ土俵で戦うことはありませんが、スタートは早い方が良いでしょう。

だらだらしていると、すぐに日々は過ぎ去ってしまいます。それを避けるためにも、自分の中で明確に期限を設けましょう。

就職エージェントに相談する

独力で就職活動するよりも、専門知識を持ち、的確なアドバイスをくれる専門家に相談しましょう。

ハローワークや就労支援の相談口以外に、転職エージェントを利用するといった方法があります。

専任のキャリアアドバイザーが求職者の性格や強みをヒアリングし、適正に合った企業を紹介してくれるのです。

さらに、履歴書添削、面接対策など手厚くサポートしてもらえるのでおすすめです。

面接対策してもらう

採用面接では、自分の強みや志望動機をしっかりアピールしなければなりません。魅力的に自己アピールするためには、何度も練習して慣れておく必要があります。

ひとりで練習するよりも、誰かに面接官役をしてもらい模擬面接するのが効果的です。

相談機関や就職エージェントにて、模擬面接してもらい、繰り返し練習しましょう。

人に会うことに慣れ、あいさつや返事の練習をするだけでも、自信の度合いが違ってくるはずです。

21歳ニートが即正社員就職すべき理由

21歳でニートの方は、アルバイトや契約社員ではなく、すぐに正社員就職するべきです。

その理由を次の4つにまとめました。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

年齢が上がるほどハードルも上がるから

20代後半になると職歴や経験値を問われる可能性が高くなります。

それに対して21歳は若手とみなされ、就職市場での競争相手は少ないといえるでしょう。未経験でも採用されやすく、新卒採用や若手向けの求人に応募できます。

年齢が上がるとともに、正社員へのハードルも上がってくるため、できるだけ早く就職しましょう。

大学新卒がライバルになるから

現役合格し、浪人等せずに卒業した人が就職市場に進出してくるのが21歳から22歳です。その人たちに21歳ニートが勝てるとしたら年齢の若さのみになってしまいます。

早めの就活が成功のカギといえます。21歳という若さをウリにできるうちに就職活動を進めていきましょう。

自己肯定感が上がるから

一度でも採用されれば、職に就いたという実績を作れます。

今後、転職するようなことがあれば立派な職歴としてアピールできるでしょう。

定職についたという事実は、自分の自信となり、自己肯定感アップにつながります。

社会的信用が得られるから

アルバイトと正社員では社会的信用度合いが違ってしまいます。

ほかにも正社員であるからこそ得られる特権には、次のようなものがあります。

ほかにもローンを組みやすい、部屋を借りられるなど、正社員の社会的信用度による効果は少なくありません。

21歳ニートが抱える悩みと対策

すぐに就職すればよいとわかっていても、不安から行動を躊躇する方も少なくないでしょう。その悩みと対策について紹介します。

行動するのは本人の意思ですが、紹介する対策方法をぜひ参考にしてください。

長続きできるか心配

ニートにいたるまでの間、何かを成し遂げた経験があれば十分です。

継続した経験がなく自信がない方は、最初の3か月間、頑張って継続してみましょう。

3か月続いたら半年頑張る、半年続いたら1年頑張るなど目標を短く設定し、少しずつ伸ばしていきます。小さな目標でも、達成できたら自分をほめてあげましょう。

中卒でも就職できるのか心配

中卒でも就職できる職種はたくさんあります。

中卒でも就ける公務員は、地方公務員の事務・技術職・自衛官・警察官・消防員などです。

公務員試験では、「高卒程度」などの試験を受験します。高校認定試験に合格しておくと合格の可能性は高まるでしょう。

また、中卒でも取れる以下のような国家資格もおすすめです。

調理師	中学校卒業以上の学歴と2年以上の調理の実務経験を証明
宅地建物取引士	とくになし
旅行業務取扱管理者	とくになし
ファイナンシャルプランナー	とくになし
中小企業診断士	とくになし
製菓衛生士	製菓・製パンの現場で2年以上の実務経験
保育士	中卒で保育士国家試験を受験するには、児童福祉施設で5年以上かつ7,200時間以上の実務経験を積む必要

国家資格のなかには、実務経験が必要なものもあります。

職歴なしでも就職できるのか心配

職歴なしでも就職するには、人手不足の業界を狙うのが効果的です。

帝国データバンクの調査によれば、人手不足だと考えている業界は次のとおりです。

画像引用：TDB Economic Online｜人手不足に対する企業の動向調査（2024年1月）

最も人手不足なのは情報サービス分野です。

エンジニアは学歴も必要なく、場合によっては在宅で仕事が可能です。時代が求めるスキルを身につけておけば、高収入の可能性もあります。

ほかにも宿泊サービス業や介護、トラック運転手、飲食サービスなど、人手不足の業界は未経験からでも就ける仕事が多く存在します。

進学したほうがいいか

21歳という年齢は、若手採用を狙え、未経験でも就職しやすいといえます。

しかし、高卒認定試験や大学検定試験を受け、進学したほうが良いのではないかと不安になるかもしれません。

結論からいえば、絶対にかなえたい夢があり、進学しなければ実現できないケース以外は、すぐに働いたほうがよいでしょう。

必要があれば、お金を貯めながら大検を取り、働きながらでも大学に通えます。もし、目の前の問題を回避するために進学したいのであれば、先に就職したほうがよいでしょう。

21歳ニートにおすすめの正社員職種6選

職歴がない20代前半の若者が正社員就職を狙えるおすすめ職種を6つピックアップしました。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ITエンジニア

ITエンジニアは、人手不足で若い人材を求めています。

ITエンジニアになるためには、実際に経験を積みながら知識を深めていくため、特別な資格は必要ありません。

職種には以下のようなものがあります。

アプリ作成からネットワークセキュリティまで幅広く活躍できます。パソコンでコツコツ作業ができ、在宅ワークが可能です。

工場・建設スタッフ

工場や建設現場で作業するのが中心の仕事です。

体を動かすのが得意な方に向いているでしょう。また、学歴や資格などは特に必要ありません。

さらに、2024年4月から適用された36協定により、90万人の人手不足が予想されています。36協定とは、原則月45時間、年360時間を超える時間外労働が禁じられる法律です。

工期に間に合わせるために、多くの人材が必要な反面、労働人口の減少から慢性的に現場スタッフが不足するため、採用も積極的に行われています。

参照：労働省｜36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針

旅館・ホテル

歴史的円安により日本に訪れる外国人客は増えています。2023年のインバウンド効果は5兆円を超えました。

それに伴い、宿泊業界では慢性的な人手不足となっています。

学歴や資格は特に必要ありませんが、もし英語や中国語など外国語が使えれば重宝されるでしょう。

画像引用：日経新聞

警備・ビルメンテナンス

警備やビルメンテナンスの仕事は、長期にわたって人手不足が問題となっています。

帝国データバンクがおこなった「人手不足に対する企業の動向調査（2023年10月）によれば、人手不足割合は68.４％でした。

そのため未経験からでも採用されやすい傾向です。

ビルメンテナンスの仕事には以下のようなものがあります。

夜型の人なら夜勤で重宝されるうえ、人と接することなく仕事できるので、マイペースに仕事をしたい方にはおすすめです。

医療・福祉・保健衛生

無資格でもできる医療・福祉分野の仕事は、介護助手（介護補助）です。

おもに、介護士業務のサポートをします。体に触れるような直接当的なサポートではなく、話し相手や清掃、食事の配膳などを担います。働きながら介護士資格を取るとよいでしょう。

また、保育士の場合は、大学や専門学校での指定カリキュラムを履修する、もしくは実務を積んで国家試験に合格すればなれます。

受験資格を得るには、児童福祉施設で5年以上かつ7,200時間以上の実務経験が必要です。進学せずとも保育士になれる道はあるので、すぐに働きたい方にはおすすめです。

配達ドライバー

普通免許があれば、宅配便の配達ドライバーになれます。

配達関係の人員は慢性的に不足しており、2024年問題によりさらに不足するといわれています。

多くの企業が配達量により給与が上下する歩合制を採用していますが、基本給で20万円～25万円を得られるでしょう。大型トラックの免許があれば重宝され、正社員であれば月収35万円～45万円も可能です。

2024年問題とは、2024年4月1日に施行される働き方改革関連法により、トラックドライバーの時間外労働時間を年間960時間に抑えるものです。長時間労働が禁止された結果、企業側は労働力不足・輸送能力不足が懸念されています。

画像引用：全日本トラック協会

トラックドライバーの労働環境は改善されていますが、人材不足が起こるため、採用されやすくなっています。

参照：求人ボックス｜大型トラックの仕事の年収

21歳ニートが職を探すおすすめの手段

21歳のニートが就職活動する際に、利用するとよいサービスを紹介します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

求人サイト

求人サイトは、企業が求人を掲載し、利用者は自由に応募できるオンラインサービスです。多種多様な業種や職種の求人を見つけられます。どのような求人があるのかをリサーチするために、求人サイトに登録してみましょう。

求職者は、無料で求人情報を検索・閲覧・応募までできるので、市場にどのような求人があるのかリサーチするのに最適です。プロフィール登録しておくことで、応募から採用までの流れがスムーズになるでしょう。

おすすめの求人サイトには以下のようなものがあります。

リクナビNEXTやdodaは、20代・30代に強い転職サイトでキャリアアップを狙う第二新卒向けです。もし、大企業や有名企業への就職を希望しているのであれば、こちらの求人サイトもチェックしてみましょう。

ハローワーク（公共職業安定所）

ハローワークは、厚生労働省が運営する行政機関です。

各都道府県に1か所以上あり、全国56か所に設置されています。利用時間は、平日の8:30～17:15です。

専門的な相談ができる施設もあり、21歳ニートであれば「わかものハローワーク」がおすすめです。全国に21か所あり、正社員就職を目指す若者（おおむね35歳未満）を対象に、専門スタッフがマンツーマンでサポートしてくれます。

サポートしてくれる具体的な内容は以下のとおりです。

地元企業はもちろん、全国の求人も紹介してもらえるため、Uターン・Iターン就職も可能です。また、就職後の支援・フォローも行っているため、安心感があります。

地域若者サポートステーション（サポステ）

地域若者サポートステーションとは、厚生労働省が運営する就労支援機関です。働くことに悩みを抱えている15歳から49歳までを対象としています。

「働きたいけれど一歩踏み出せない」「働きたいけれど人間関係で自信が持てず不安」など、働く悩みを抱えている方はおすすめです。

おもな支援内容には次のようなものがあります。

全国に177か所あり、就活の一歩手前で躊躇している方の背中を教えてくれます。

就職エージェント

就職エージェントは、専任のキャリアアドバイザーが仕事探しから面接対応まで、包括的にサポートしてくれるサービスです。無料で利用でき、求職者の希望や適性に合った職を紹介してくれます。

支援内容は主に以下のとおりです。

年齢や学歴不問でも対応してくれる就職エージェントも数多く存在します。おすすめの就職エージェントを次で紹介しましょう。

21歳ニートの就職におすすめの就職エージェント

21歳ニートが利用するのにおすすめの就職エージェントを3つ紹介します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ノビルキャリア

えーかおキャリア

ハタラクティブ

21歳ニートが就職する際に関するよくある質問

21歳ニートが就職する際に関するよくある質問について解説します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ニートが許されるのは何歳まで？

ニートとは、労働能力があるにもかかわらず働く意思がない方を指します。一般的にニートは34歳までとされており、35歳以上は「無職」と呼ばれています。

許す、許されないの定義は人それぞれですが、もしニート状態から脱したいと考えるのであれば、20代のうちに何らかの行動を起こすとよいかもしれません。

20代のニート率は？

総務省の統計によると、若年層の無業者の割合は約2％～4％です。15歳から24歳のニートの割合が2.2％、25歳から34歳のニートの割合が2.4％となっており、合計でニート率は4.6％といえます。割合は横ばいで、人数は57万人です。

引用元：総務省統計局│労働力調査（基本集計）2022年（令和４年）平均結果の要

4％は全体の中では大きな数字ではありませんが、57万人と聞くと、ニートの若者が多く存在することがわかります。

21歳の平均年収は？

dodaの平均年収ランキング調査（2023年12月）によれば、21歳の平均年収は以下のとおりです。

全体	274万円
男性	293万円
女性	260万円

20代の平均年収が352万円、29歳の平均年収が409万円となっており、毎年上昇しているのが分かります。

21歳は年収の最低ラインであり、今就職すると年々収入は上がっていくことが予想できるでしょう。

ただしアルバイトや契約社員では、収入は上がっていかず、正社員であることが重要です。

まとめ｜21歳ニートは進学ではなく就職がおすすめ

この記事では、21歳ニートが正社員就職するための方法を解説しました。

最後に内容をまとめたものが以下のとおりです。

人手不足の業界も多く、一昔前に比べると学歴を問われなくなってきました。

ニート向けの就職支援サービスも充実してきており、やる気さえあれば正社員就職も可能です。転職エージェントなどを利用しつつ、効率よく就職活動に取り組みましょう。