20代税理士は転職市場価値が高い!キャリアアップ方法やおすすめの転職先を解説

           

編集者
佐藤達也
【キャリアアドバイザー】国弁護士・公認会計士・税理士等の士業や、管理部門特化の転職サポートを行う人材紹介会社に在籍。士業・バックオフィスに特化した転職ノウハウ・企業調査を担当しています。分野特化だからこその、勘所を押さえたリアルな情報を発信できるよう心がけています。
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税理士は業界全体で人手不足の傾向が強く、とくに20代の税理士は非常に少ないため転職市場では引く手あまたです。

税理士の年齢層

引用元:データで見る税理士のリアル。|日本税理士会連合会

転職先を選べる立場だからこそ、20代の税理士は今後のキャリアを見据えて転職先を選ぶべきとも考えられます。理想のキャリアゴールを実現するためにも、目先の条件にとらわれない選択をしましょう。

本記事では、20代税理士の転職市場価値を希少性・活躍の場・評価基準・年収の観点で調査し、さらにキャリアアップするための方法を紹介します。

20代税理士におすすめの転職先や、転職先を選ぶときのポイントや注意点についても解説します。

いま自分の市場価値がどれくらいなのか、価値を上げるためにはどうすべきなのか、進路に迷っている20代税理士の方はぜひ参考にしてください。

目次

20代税理士の転職市場における価値

20代の税理士の市場価値を、希少性・活躍の幅・年収をもとに解説します。

税理士業界で20代は希少価値が高い

20代の税理士は、税理士全体のわずか0.6%と非常に少ないのが現状です。税理士法人や会計事務所であれば20代の税理士はどこでも転職が可能と言っても過言ではありません。

また中小規模の事務所や地方事務所では、後継者不足が深刻です。事務所を継いでくれる人材を確保したい、という意味でも20代税理士は需要があります。

若手税理士があまりにも不足しているため、20代であれば税理士試験に合格していない科目合格者でも十分に需要があります。

これから税理士を目指す人や税務のプロになりたい人は、まずは科目合格を目指すと良いでしょう。

参考:データで見る税理士のリアル。|日本税理士会連合会

税務スキルは活躍の幅が広い

税務は再現性が高いスキルです。活躍の場は会計事務所や税理士法人に限りません。

例えば税務の経験と知識を活かして、大手企業の連結納税やグローバル企業の国際税務、移転価格コンサルタントなど、高度な税務を担うスペシャリストとして活躍できます。また税務から派生して、会計全般のスキルを伸ばすとキャリアの幅が広がるでしょう。

また会計事務所や税理士法人自体が活躍の幅を広げており、事務所に所属しながら税務以外のキャリアを切り開くことができるようになり始めました。

20代は将来性・ポテンシャルで評価される

20代は社会人経験自体が浅いため、実務経験よりも将来性やポテンシャルが評価されます。

20代ですでに税理士資格を保有しているだけで、将来性があると期待されるでしょう。科目合格や試験勉強中でも、税務会計の知識を保有しているとして評価されます。

ただし30歳前後から徐々に経験してきた業務内容が重要視され始めるため、20代のうちから将来を見据えて経験を積むことが大切です。

20代の税理士はキャリアパスの選択肢が広い分、転職に迷いが生じます。方向性が定まらないまま目の前の条件に釣られて転職してしまい、中長期的にみて後悔するケースも少なくありません。

ポテンシャルで評価してもらえる今、その後に活かせる選択ができるように自己分析や情報収集を綿密におこなったうえで転職するように心がけましょう。

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20代税理士の平均年収は〇〇万円

賃金構造基本統計調査によると、税理士の平均年収は20代前半で約450万円、20代後半で約590万円です。

民間給与実態統計調査によると、20代前半の平均年収は約273万円、20代後半は約389万円のため、20代の税理士は一般的な平均年収よりも高い水準にあることが分かります。

税理士は、高難度の国家試験に合格しなければならないことや、税理士だけの独占業務があるという専門性から、年収水準が高くなっています。

若手税理士が不足している現在の状況下で転職しようとすると、現年収より高い金額を提示してもらえる可能性があるでしょう。

20代税理士にとって、売り手市場であるいまが転職によってキャリアアップするチャンスと言えます。

参考:賃金構造基本統計調査 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 5 職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|政府統計の総合窓口

参考:令和4年分 民間給与実態統計調査 調査結果報告|国税庁

20代税理士のキャリアアップ方法7つ

ただ若いというだけではキャリアアップはできません。油断していると、スキルが伴わないまま時間だけが過ぎてしまいます。

税理士としてキャリアアップするために、20代の今できることを解説します。

王道は大手税理士法人を目指すこと

一般的に大手企業や上場企業をファーストキャリアに望むことが多いように、若手の税理士にとっても大手の税理士法人は優良な就職先です。

なかでも、以下のBIG4税理士法人は安定した経営と実績を誇る大手事務所です。

BIG4税理士法人
  • KPMG税理士法人
  • PwC税理士法人
  • EY税理士法人
  • デロイトトーマツ税理士法人

    20代税理士に大手税理士法人をおすすめする理由は、ほか事務所と比較して以下の点で大手が優れているためです。

    • クライアントの規模
    • 業務内容の幅
    • 組織構造
    • 教育体制
    • 年収

    大手税理士法人は、大手企業や上場企業がメインクライアントです。そのためダイナミックで高度なスキルが必要とされる案件が多くなっています。

    かつ大手税理士法人は提供サービスの幅が広く、企業経営をトータルでサポートしています。経営戦略や事業計画から関われるほか、国際税務や資産税など中小事務所では取り扱っていない税務に携わることができます。

    人数が多い分、組織構造や教育体制が整備されている点も特徴です。新卒や未経験でも業務に順応しやすい環境です。

    また年収が高いことは大きなメリットでしょう。案件規模が大きい分報酬が高く成果を出した分だけ昇給するため、中小事務所より年収水準が高くなっています。

    最短でスキルアップと年収アップを実現するなら、大手税理士法人を目指すことをおすすめします。身についたスキルと現年収、および大手税理士法人のネームバリューにより、次のキャリアパスが選択しやすくなる点もメリットです。

    パートナーを目指す

    担当案件で実績・売上をつくることは当たり前に求められますが、マネジメントや事務所経営に関与することでワンランク上の評価を受けることができます。

    パートナーまで昇格すると、スキルも年収も大きく上昇します。ただしパートナーになるまでに3~4段階昇格しなければなりません。

    スタッフからマネージャーになるまでに、実績・売上をつくるほか、新人教育やメンバーマネジメントの経験を積む必要があります。

    マネージャーからパートナーになるためには、業務効率化や事業計画を企画・実行するなど経営推進に関わる経験を積まなければなりません。

    共同経営者であるパートナーは、いわゆる事務所の顔です。パートナーになることで知名度アップや人脈構築にもつながるため、将来独立を目指す場合に役立つでしょう。

    所内階層 役職名
    経営者 所長
    役員・共同経営者 パートナー
    管理職 マネージャー・シニアマネージャー・ディレクター・サラリーパートナー
    一般職 スタッフ・シニアスタッフ/アソシエイト・シニアアソシエイト

    税務申告以外に業務範囲を広げる

    税務申告書類の作成や記帳代行など定型業務しかできない税理士は、あまり需要がありません。

    アドバイザリー業務やコンサルティング業務などクライアントのニーズに柔軟に応えて経営に関与した顧問業務の経験は、高く評価されます。経営に関与する業務は高い報酬を得られるため、売上を作れる人材として評価されます。

    また柔軟な顧問業務をおこなうには、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力など複合的なスキルが必要なため、20代ながら複数スキルを併せ持つポテンシャルが高い人材として期待されます。

    逆に言うと、アドバイザリー業務やコンサルティング業務を担うには上記のようなスキルを身につけなければなりません。そもそも所属先のサービス範囲が狭い場合には、希望してもその業務を扱えない可能性があります。

    アドバイザリー業務やコンサルティング業務に必要なスキルの習得と、その業務に従事できる環境の用意が必要でしょう。

    専門分野をつくる

    専門分野をつくることは、ほかの税理士と差別化して市場価値を上げることにつながります。ただし専門性をもつ分野によって、需要および報酬の高さが異なります。

    税理士の取り扱う分野として、まずメインクライアントが個人か法人かによって必要な知識が変わってきます。場合によっては法人か個人にクライアントを限定している事務所もあるため、20代の所属先選びも重要です。

    個人に特化する場合、個人事業主や不動産所有者、富裕層がメインクライアントになります。確定申告や相続、贈与に関する税制に詳しい必要があります。

    法人に特化する場合、会計全般に関与したり経営戦略や事業計画に携わったりと、企業の経営に影響を与える税務会計に携わることになります。

    また取り扱う税務分野を限定し、専門性を高めている税理士が多くいます。とくに税制の変化が激しかったり、多面的なスキルを要する高難度の税務分野に特化することで、自身の市場価値を高めることができます。

    国際基準のスキルを身に着ける

    ビジネス全体のグローバル化が進んでおり、それに伴って国際規模の税務を担う人材のニーズが高まっています。

    国際税務に特化するためには、海外の税法や国家間の取り決めを把握し、移転価格などクロスボーダー案件の知見を深める必要があります。

    加えて、海外のクライアントや関連組織を相手に税務をおこなうため、英語力が必要です。

    よくTOEICなど資格の点数で評価される英語力ですが、より市場価値を高めるためには英語をビジネスで使用した経験が必要です。要するに、「ビジネスレベルの英語力」と呼ばれるものです。

    国際税務の知見やビジネスレベルの英語力は、実務によって身につくものです。自主学習も重要ですが、国際税務をおこなっている大手税理士法人や国際的なコンサルティングファームに所属して、実務経験を積みましょう。

    ビジネスを学ぶ

    税理士のキャリアゴールとして考えられるのが、税理士業務を極めた「パートナー」や「独立開業」、ゼネラリストの道に進んだ「財務・経営戦略コンサルタント」です。

    いずれにしても、ビジネスに関する知識やセンスが重要になってきます。

    パートナーや独立開業して所長になるためには、実務ができるだけでなく自身の事務所を運営していくスキルが必要になります。事務所の経営を持ち上げるためには、適切な経営方針や事業計画が必要になります。

    また、税務を軸として経営戦略コンサルティングをおこなう税理士は多くいます。税務を極めるというよりは、経営全体を支援したいという考えの人に向いています。

    ビジネスを学ぶためには、所属先の経営をサポートしたり、税務領域を超えてクライアントの経営に関与する方法が考えられます。事務所経営希望の人は前者、コンサルタントを目指す人は後者の方法がおすすめです。

    ゴールを見据えたキャリアプランを立てる

    20代でキャリアのゴールを考えるのは、まだ早いと考える人が多いでしょう。

    しかし、税理士はキャリアチェンジによって進路が狭まりすぎてしまう可能性がある職種です。そのため、20代のうちにある程度将来を見据えてキャリアパスを選択する必要があります。

    まだキャリアゴールに迷いがある場合には、事務所の先輩や所長、キャリアアドバイザーに相談することがおすすめです。

    自分ひとりの思い込みや目の前の条件でキャリアパスを選択してしまうと、思い描いていたキャリアから逸れてしまう可能性があります。決定を下す前に、しっかりと情報収集をおこないましょう。

    20代税理士のキャリア志向

    近年、税理士のキャリアが多様化しており、20代のうちからキャリアについてさまざまな考えをもつ人がいます。

    税理士は独立志向が強い

    「手に職をつけたい」との思いから税理士資格を取得する人が多く、キャリアゴールとして独立開業を目指す人が多めです。

    税理士には独占業務があり、かつ定年がなく60歳以降も働き続けられることから、開業は安定したキャリアのひとつとして考えられています。

    税理士試験に合格後、税理士登録するためには実務経験が2年間必要です。さらに独立に必要なビジネススキルを身につけたり開業資金を蓄えたりする期間を加えると、最短でも独立まで5年程度はかかります。

    税理士資格を学生のうちに取得できたら、20代半ばには独立できる見通しになります。ただしこれは理想論であって、実際は経験が浅い20代で独立すると廃業のリスクが高いでしょう。

    そのため20代から将来的な独立を検討していても、実際は30代以降でパートナーを経験してから独立する人が多い傾向にあります。周囲に独立する先輩税理士や同期が増えていくのを見て、自分の独立した姿をイメージする若手税理士は少なくありません。

    また自分で開業することまでは考えていなくても、事業継承であれば引き受けたいと考える若手も以前と比べて増えています。これは税理士業界の高齢化により、後継者のいない事務所が増えたことで一般化したキャリア志向です。

    将来的な独立を見越して転職する税理士が多い

    将来的な独立を見据えてキャリアパスを選択する若手税理士が増えています。

    独立するために必要な税務知識やビジネススキルを身に着けるため、20代のうちから最適な環境を選ぼうとしています。たとえば、大手税理士法人に転職してスキルアップの速度を速めたり、特化型事務所に転職して専門性を高めたりしています。

    20代のうちからキャリア計画を立てている人は、独立時期が早い傾向にあります。独立タイミングを決めている人は意識的に転職先を選ぶべきでしょう。

    独立以外のキャリア選択が増えている

    独立志向の人が多い税理士業界ですが、近年は税理士の経験と知識を活かした独立以外のキャリアを選択する人が増えています。税理士の活躍の場自体が多様化しているため、選択肢が増えていることがその傾向を増長しています。

    ひと昔前は、税理士の転職先といえば税理士法人と会計事務所が主流でした。近年は事業会社やコンサルティングファームを選択する税理士が増えています。

    世間的に働き方の多様化が進んだことにより、税理士も独占業務に限定せず所属先や業務の幅を広げています。

    独立開業はハイリスクと考える人も多くいます。必ずしも税理士の経験や知識を直接活かす転職にこだわっていないようです。

    収入や働き方の安定を重視する20代は中堅事務所や事業会社へ

    独立すると良くも悪くも自分自身の手腕にゆだねられ、かつ個人事務所はクライアントや世論などの外的影響を受けやすいため、経営が不安定になりがちです。

    また大手税理士法人や会計事務所、コンサルティングファームについては、クライアントの数も規模も膨大なため、激務にならざるをえない傾向にあります。

    最近は収入や働き方の安定を重視する20代が増えており、税理士に関しても例外ではありません。

    そのため、安定感がありつつ働き方を調整しやすい中堅事務所や、労働環境が整備されている大手企業の経理が人気を集めています。

    目的別20代税理士におすすめの転職先を転職の目的別に紹介

    20代税理士におすすめの転職先を、転職の目的別にご紹介します。また転職先のネガティブな部分や転職難易度も解説するので、多面的に判断して転職を検討しましょう。

    最短でスキルアップするなら大手税理士法人

    BIG4をはじめとした大手税理士法人は、クライアントの規模や業務が多様なことに加えて、教育環境が整っていることにより、成長スピードが速いことが特徴です。

    次のキャリアを考えたときには、大手税理士法人出身というだけで有利にはたらく可能性もあります。

    スキルアップ・キャリアアップの速度を上げるなら、20代のうちに大手税理士法人に転職することをおすすめします。

    一方で、大手では分業制が基本なので業務範囲が限定されてしまい全体像を俯瞰できなかったり、配属先によってはクライアントとの距離が遠いといったデメリットがあります。また大手税理士法人には大規模な案件が集中するため、ハードワークになりがちです。

    多少のデメリットがあっても、大手税理士法人は税理士に1番人気の転職先です。優秀な人材と選考で競争しなければならず、かつ海外の税制に関する知見や英語力など高度なスキルを求められるため、転職難易度は高めです。

    また、20代後半になると競争相手に経験者が増えるため、経験値の差が合否に明確に表れます。早い段階で転職するか、現職で必要なスキルを身に着けたうえで転職を試みましょう。

    安定や段階的なキャリアアップを望むなら中堅事務所

    着実なキャリアアップを望むなら、中堅事務所がおすすめです。経営や組織体制が安定しているため、収入や働き方、キャリアパスのすべてにおいて安心感があります。

    中堅事務所は大手に比べて所属税理士の数が少ないため、1人当たりの裁量が大きい傾向にあります。案件を自分一人で回すケースが多く、幅広い業務を経験できます。

    業務範囲は広くなりますが、個人のスキルレベルに合わせて案件を割り振る余裕があり、かつサポート体制が整っているため、段階的に順応しながら確実に成長することができます。ワークライフバランスも安定しやすいでしょう。

    未経験で転職する場合はもちろん、将来的に独立開業を考えている税理士にもおすすめの転職先です。

    一方で大型案件は大手が独占しているため、中堅事務所ではほとんど経験することができません。大手税理士法人のような専門性が高い業務は経験できない可能性があります。

    また、安定はしていますがスキルアップや年収アップのスピードが緩やかです。

    中堅事務所は事業拡大に積極的なところが多いため、通年人材を募集している傾向にあります。また大手税理士法人との採用競争に勝つため、応募条件を少しゆるく設定しています。

    応募ポジションや時期を選べば、かなり狙い目の転職先と言えます。

    スペシャリストを目指すなら特化型事務所

    会計事務所の中でも特定の領域に特化した事務所で働き、専門性を磨くこともキャリアアップにつながります。

    特定分野のスペシャリストになることで、ほかの税理士との差別化を図れます。将来の独立開業を視野に入れている場合にも有利です。

    特化型の会計事務所の中で、近年とくに人気なのが資産税や国際税務を扱う事務所です。

    相続や土地の売却などにかかる資産税は、高齢化の影響で年々ニーズが高まっており、将来性が期待できます。また課税対象額が大きいことから報酬額も大きいため、税理士が稼ぎやすい分野でもあります。

    国際税務は、経済のグローバル化が進んだ影響によりニーズが高まっています。海外の税制と語学力を身につけなければならないため、適応できる税理士は多くありません。そのため国際税務に特化した税理士は重宝され、報酬が高くなります。

    スペシャリストになることで市場価値を高めたい人や、高収入を得たい人におすすめの転職先です。

    一方で、特化型事務所は専門分野が限定されるため専門外の経験を積めなくなってしまい、その後のキャリアの選択肢が狭まります。20代のうちに進路がはっきりと決まっている税理士におすすめの転職先です。

    特化型事務所は、基礎スキルができている税理士やすでに実務経験を積んでいる税理士を採用する傾向にあるため、まったくの未経験では転職は難しいでしょう。ただし20代であればポテンシャル採用の可能性はあるため、一定のスキルを身に着け、選考対策が万全の状態で臨むようにしましょう。

    分野特化でアドバイザリー業務を極めるなら金融機関

    税理士が銀行や証券会社、信託銀行などの金融機関へ転職する道もあります。

    銀行や証券会社では中小企業のM&Aや事業承継などに関する税務アドバイザリーを、信託銀行では相続・贈与分野でのアドバイスなどをおこないます。

    金融機関には特定の分野に特化した人材が集まるため、ノウハウの共有や同僚との競争を経て、確実にキャリアアップを果たすことができます。

    ただし金融業界の税務業務は特殊なので、その後のキャリアの選択肢が狭まります。金融業界に進んだ税理士は、その後も金融関係の道に進む人が多くなっています。金融業界にキャリアチェンジする理由を明確にしてから、転職するようにしましょう。

    金融業界のキャリア採用では職歴やスキルの求めるレベルが高く、転職難易度が高い傾向にあります。とくにメガバンクや大手証券会社はかなり転職ハードルが高いです。

    転職を決める前に、応募条件のレベルに達しているかどうかを確認するようにしましょう。

    外部から企業経営に携わるならコンサルティングファーム

    コンサルティングファームへ転職すると、税務や会計の代行だけでなく、経営の根本から関与することができます。

    さまざまなコンサル領域がありますが、税理士が転職する場合は主に会計系・財務系・経営戦略系のコンサルティングファームが主流です。税務の経験と知識を活かしたコンサルティングによって、ビジネスの推進に貢献できます。

    コンサルタントは、スペシャリストであり、ゼネラリストでもあります。事業責任者や経営層にアドバイスをおこなう立場であることから、税務以外にも経営に関する知見や営業力など、多方面において高度なスキルレベルに達していなければなりません。その分、その後の活躍の幅は大きく広がるでしょう。

    ただし、ファームによって提供できるサービスの幅は異なります。税務や会計フローについてのアドバイザリー業務だったり、税務目線での事業計画に対するアドバイザリー業務だったりと、多種多様です。

    所属先によって身につくスキルやそのレベルに大きな差が生まれるため、キャリアゴールを見据えたうえで、必要なスキルが身につくコンサルティングファームに転職しましょう。

    税理士として税務アドバイザリーやコンサルティング業務をおこなった経験があれば、会計系や税務系のコンサルティングファームへの転職は難しくないでしょう。

    税務申告や経理代行など定型業務の経験しかない場合は、転職難易度が上がります。20代のポテンシャルや意欲を評価してもらえるように、選考書類や面接の対策を徹底する必要があります。

    働き方・収入を安定させるなら事業会社の経理

    事業会社の経理や経営戦略で、税理士を採用するケースが増えています。様々なクライアントの税務ニーズに応えてきた税理士なら、高いレベルの税務を遂行してくれると期待されるからです。

    またM&Aや組織再編、IPOなどを見据えて税理士を採用するケースや、グローバル企業で国際税務のスペシャリストを採用することもあります。

    専門性を発揮できるうえに、ワークライフバランスを確保しやすいというメリットがあります。事務所やコンサルティングファームのようにクライアントワークではないため、業務のスケジュールが立てやすくなるためです。

    ただし事業会社は顧問先の会計事務所を抱えていることが多いため、税理士向けの求人は多くありません。1社あたりの採用人数も1人程度であることが多く、その分採用基準も高くなります。

    20代の税理士が採用されるためには、一通りの税務を一貫して対応できるレベルのスキルが必要でしょう。

    20代税理士が転職先を選ぶときのポイント

    20代の税理士が転職先を選ぶときは、どんな点を意識すればよいのでしょうか。

    まずはキャリアゴールを考える

    20代のうちからキャリアゴールを考えておくことで、その後のキャリア形成が容易になります。

    もちろんゴールを確定させなければならないわけではなく、ある程度見通しを立てることが大切です。それによって20代のうちにどんな経験が必要なのかを整理でき、転職先の候補が絞られます。

    逆にいえば、将来が見えない段階でやみくもに転職するべきではありません。後先考えずに転職すると、キャリア形成に必要なスキルが身につかなかったり、キャリアの選択肢が狭まってしまう可能性があります。また一般的な転職と同様、むやみに転職回数を増やしてしまうと印象が良くありません。

    税理士は一度の転職でその後のキャリアが大きく変化する職種です。20代だから何でも選べるとは考えず、20代だからこそ計画性をもって転職活動をおこなうことをおすすめします。

    20代の税理士は年収よりも業務内容で選ぶ

    転職先を選ぶときに年収は気になる要素でしょう。20代の税理士は転職市場で引き合いが強いため、目先の条件に引っ張られるのは無理もないかもしれません。

    しかし20代は年収よりも経験できる業務で選ぶことが大切です。30代になると経験がものをいうので、20代のうちに必要な経験を積んでおかないと市場価値が低い税理士になってしまいます。

    もちろん生活できないレベルの年収であれば問題ですが、そうでなければ年収にこだわり過ぎるより経験できる業務で選ぶことをおすすめします。経験値を上げれば年収が高いキャリアも選択できるため、将来的な年収アップにつながります。

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    20代税理士の転職活動における注意点

    20代税理士の転職活動は、以下の点に注意して進める必要があります。

    面接でコミュニケーション能力がネックになる可能性

    20代の税理士は希少なため市場価値が高く、さらにポテンシャルに期待できることから、書類選考の段階で不採用になることはそれほど多くありません。

    しかし面接に進んだ際、コミュニケーション能力やビジネスマナーがネックになって不採用になるケースが少なくありません。

    20代の税理士の業務内容は税務申告や経理代行などの事務業務が大半であり、対外的なコミュニケーションに慣れていない税理士が多いためです。

    税理士は専門職であるため税務知識や経験業務の内容が1番に重要視されますがですが、クライアントと対面するサービス業でもあるためコミュニケーション能力やビジネスマナーは不可欠です。

    知識や案件数に満足せず、クライアントワークの経験を増やしたり、事前の面接対策をしておきましょう。

    面接対策には、第三者の目線が重要です。面接は採用担当者との会話になるため、自分自身で話すことを考えるだけでは不十分です。

    転職経験がある知人に相談したり、転職エージェントなど面接対策をしてくれるサービスを利用するなどして、客観的なアドバイスをもらうようにしましょう。

    中小規模の事務所選びは慎重に

    中小規模の会計事務所へ転職する場合、事務所選びを間違えると後悔する可能性があります。

    大手の税理士法人や会計事務所より所長の意向や経営方針が表れやすいため、事務所のカラーに合う・合わないが大きく分かれるからです。

    また働く環境が整備されていないケースも散見されます。給与制度や業務時間などの条件をほかの事務所とよく比較検討しながら、慎重に選択しましょう。

    風土や組織体制は外部からは判断しづらいため、転職口コミサイトや転職エージェントを利用して、内部情報を集めるようにしましょう。

    転職回数3回以上は不利になる可能性がある

    20代で3回以上転職をしていると、その後の転職で不利になる可能性があります。とくに所属年数が2年以下で転職を重ねてしまった場合には、採用側は転職理由に敏感になります。

    ただし転職回数が多いからといって転職を諦める必要はなく、採用側が納得できるような転職理由を伝えられれば問題ありません。転職理由を聞かれた際に、理路整然と説明ができるように選考対策をしておきましょう。

    20代税理士の転職に強い転職エージェントおすすめ社比較

    20代税理士の転職におすすめの転職エージェントを紹介します。

    税理士は専門性の高い職種なので、どの転職エージェントでも対応できるわけではありません。税理士の転職事情や専門知識に知見があるエージェントを利用すると、不自由なく転職活動を進めることができます。

    ハイスタ税理士

    ハイスタ税理士

    ハイスタ税理士は、今回ご紹介する転職エージェントの中でもとくに税理士・科目合格者の転職に特化した業界特化型の転職エージェントです。

    ハイスタ税理士の特徴は、以下のとおりです。

    ハイスタ税理士の特徴
    • 税理士専門のアドバイザーが在籍
    • 非公開求人数が全体求人の約9割
    • 職務経歴書の作成、添削、面接対策など丁寧に対応
    • 大手税理士法人・特化型事務所・CFO候補・財務マネージャーなどハイクラス求人を紹介可能
    • 一人ひとりのスキルと経験を活かしたキャリア形成に強み

      大量の求人を送ってくるだけのエージェントとは違い、一人ひとりに合った活躍できる環境の提供に重きを置いているため、ミスマッチのない転職を実現することができます。

      ハイスタ税理士は、以下のような人におすすめのエージェントです。

      こんな人におすすめ
      • 転職が初めての人
      • 20代のうちにキャリアアップがしたい人
      • 20代のうちに高収入を得たい人
      • 20代のうちに働き方を安定させたい人
      • 大手の税務に携わりたい人
      • ファーストキャリアで失敗した人

        完全無料で利用できるので、転職活動にお金をかけられない若手でも安心して利用できます。まずは登録して、無料のキャリア相談や求人紹介からはじめてみましょう。

        公式サイト:https://hi-standard.pro/tax/

        マイナビ税理士

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        公式サイト:https://mynavi-agent.jp/tax/

         REXアドバイザーズ

        REXアドバイザーズは、税理士・公認会計士・経理・財務の転職に特化した転職エージェントです。保有求人の多数が会計・税務のスペシャリスト案件と、まさに税理士のためにある転職エージェントといえるでしょう。

        外部のイメージ調査では、税理士や公認会計士がおすすめする転職エージェントとして3年連続No.1を獲得しています。

        特にミドル・シニア層、マネージャーや幹部候補のサポートを得意としています。すでに税理士業務の経験が3年以上あり、さらなるキャリアアップを目指す方は利用を検討しましょう。

        公式サイト:https://www.career-adv.jp/

        まとめ

        20代税理士は希少価値が高いため転職活動を有利に進められますが、将来のキャリアを踏まえた転職先選びが重要です。

        まずは税理士としてどんなキャリアを築きたいのかを整理し、そのキャリアにつながる経験を積める転職先を選ぶようにしましょう。

        転職先の紹介や転職活動のサポートには、税理士に特化した転職エージェントの利用をおすすめします。

        運営者情報

        キャリアアップステージ」は、有料職業紹介事業許可番号13-ユ-313782)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社アシロが運営する転職メディアです。当メディアは「コラムガイドライン」に基づき運営しています。 また、サイト内で紹介している転職支援サービスは「ランキング概要」等を基準に選定・評価しています。
        会社名 株式会社アシロ(ASIRO Inc.)
        2021年7月20日 東証グロース上場(7378)
        URL https://asiro.co.jp/
        本社所在地 160-0023
        東京都新宿区西新宿6丁目3番1号
        新宿アイランドウイング4F
        法人番号 9011101076787
        設立日 2009年11月
        代表者(代表取締役社長) 中山博登
        主な事業内容 HR事業、インターネットメディア事業(リーガルメディア、派生メディア)、少額短期保険事業
        許認可 有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可 許可番号13-ユ-313782)
        グループ会社 株式会社アシロ少額短期保険
        株式会社ヒトタス
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        キャリアアドバイザー

        佐藤 達也

        弁護士・公認会計士・税理士等の士業や、管理部門特化の転職サポートを行う人材紹介会社に在籍。士業・バックオフィスに特化した転職ノウハウ・企業調査を担当しています。分野特化だからこその、勘所を押さえたリアルな情報を発信できるよう心がけています。