裁判官から弁護士への転職は可能?アピールできる強みとおすすめの転職支援サービスまで
司法試験に合格した後の主なキャリアといえば、裁判官・検察官・弁護士の法曹三者になることです。このうちもっとも多いのは弁護士になる人ですが、一度は裁判官としてキャリアを築いたものの、改めて弁護士になりたいと考える方もいることでしょう。
裁判官から弁護士への転職は一般的とはいえませんが、元裁判官が弁護士として働くケースは実在します。ただし裁判官という職業の特殊性を考慮し、転職活動では工夫も求められます。
この記事では裁判官から弁護士への転職をテーマに、弁護士業界における元裁判官のニーズやアピールできる強み、転職活動のポイントなどを解説します。
目次
裁判官から弁護士への転職事情
裁判官から弁護士への転職を検討する際、気になるのは同じように弁護士への転職を目指す裁判官の動向ではないでしょうか。裁判官から弁護士へ転職する人の数や転職先、転職理由などを確認します。
裁判官から弁護士に転職する人はどれくらいいるのか?
まずは、裁判官から弁護士に転職する人の人数を確認してみましょう。弁護士白書2023年版によると、弁護士登録者のうち登録前の職業が「裁判官」の人数は以下の通り推移しています。
年 度 | 修習生 | 裁判官 | 検察官 | 公証人 | 大学教授等 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|
1980 | 337 | 35 | 16 | 21 | 1 | 9 |
1981 | 383 | 41 | 29 | 21 | 7 | 11 |
1982 | 384 | 38 | 25 | 17 | 5 | 11 |
1983 | 371 | 31 | 25 | 10 | 5 | 10 |
1984 | 325 | 37 | 24 | 17 | 4 | 12 |
1985 | 343 | 25 | 31 | 16 | 4 | 8 |
1986 | 344 | 34 | 35 | 20 | 6 | 9 |
1987 | 349 | 35 | 27 | 20 | 5 | 9 |
1988 | 368 | 59 | 29 | 14 | 6 | 5 |
1989 | 361 | 54 | 33 | 24 | 6 | 8 |
1990 | 376 | 46 | 31 | 31 | 9 | 8 |
1991 | 359 | 44 | 21 | 21 | 11 | 9 |
1992 | 382 | 36 | 31 | 25 | 11 | 8 |
1993 | 357 | 33 | 25 | 28 | 9 | 9 |
1994 | 407 | 38 | 19 | 25 | 10 | 7 |
1995 | 439 | 48 | 25 | 40 | 13 | 12 |
1996 | 525 | 36 | 8 | 46 | 17 | 21 |
1997 | 543 | 40 | 21 | 18 | 16 | 14 |
1998 | 552 | 46 | 15 | 29 | 16 | 10 |
1999 | 552 | 31 | 15 | 25 | 19 | 18 |
2000 | 1,198 | 32 | 16 | 38 | 35 | 31 |
2001 | 778 | 27 | 19 | 34 | 19 | 10 |
2002 | 805 | 50 | 13 | 29 | 25 | 15 |
2003 | 829 | 43 | 19 | 29 | 54 | 19 |
2004 | 990 | 50 | 23 | 55 | 91 | 34 |
2005 | 962 | 57 | 25 | 34 | 27 | 26 |
2006 | 1,268 | 52 | 35 | 34 | 23 | 39 |
2007 | 2,127 | 39 | 38 | 18 | 21 | 42 |
2008 | 2,125 | 50 | 19 | 16 | 21 | 42 |
2009 | 2,121 | 41 | 26 | 21 | 19 | 34 |
2010 | 1,936 | 49 | 39 | 27 | 7 | 43 |
2011 | 1,907 | 42 | 26 | 20 | 17 | 59 |
2012 | 1,866 | 53 | 27 | 30 | 10 | 69 |
2013 | 1,802 | 49 | 29 | 19 | 7 | 81 |
2014 | 1,781 | 42 | 32 | 21 | 9 | 88 |
2015 | 1,611 | 35 | 26 | 25 | 11 | 123 |
2016 | 1,623 | 50 | 26 | 21 | 11 | 149 |
2017 | 1,449 | 37 | 33 | 23 | 6 | 125 |
2018 | 1,368 | 49 | 36 | 15 | 6 | 180 |
2019 | 1,362 | 46 | 37 | 19 | 5 | 160 |
2020 | 1,319 | 49 | 49 | 16 | 11 | 132 |
2021 | 47 | 48 | 49 | 17 | 5 | 129 |
2022 | 2,430 | 58 | 40 | 19 | 2 | 130 |
年間でおおむね45人~55人が、裁判官から弁護士にキャリアチェンジした人の人数だと考えられます。弁護士登録者に占める割合で見ると、2~3%くらいの人が元裁判官です。
別の職業を見てみると、「検察官」だった人の人数はおおむね30人~40人、登録者の1~2%です。圧倒的に多いのは「修習生」で、登録者の85%前後を占めています。元裁判官の人数について1980年度から毎年度大きな変化はありません。登録者数が増えているため割合は下がっていますが、裁判官から弁護士へのキャリアチェンジは今も昔もあくまで「少数派」であることは変わっていないようです。
元裁判官が弁護士として活躍している職場の種類
元裁判官がどんな職場で働いているのかを示すデータはありませんが、法律事務所のホームページなどを見ると五大法律事務所や準大手法律事務所など規模が大きい法律事務所で働いているケースが多いようです。
ただし弁護士が数人の小規模事務所で活躍している人もいるため、必ずしも規模が大きい法律事務所でニーズがあるわけではありません。また、自分で法律事務所を開設する人もいます。
企業で働く元裁判官の情報はほとんどありません。そもそも弁護士の中でもインハウスになる人は限られていること、企業には裁判官という特殊な経歴を持つ人の受け入れ体制が整っていない可能性が高いことなどが考えられます。
裁判官から弁護士に転職する方法
裁判官から弁護士に転職する場合、以下の流れで活動を進めます。
裁判官を退官する
まずは裁判官を退官します。依願退官するか、再任願いを出さないで退官します。再任については下級裁判所の任期が10年なので、10年経ったときに再任願いを出さなければそのまま退官となります。
弁護士会に登録する
次に、弁護士会への新規登録を行います。元裁判官といえども、日弁連に備えられている弁護士名簿に登録されなければ、弁護士として活動することはできません。入会しようとする弁護士会を経て日弁連に登録請求します。
申請してすぐに登録できるわけではないので、転職活動を始める前にスケジュールを確認しておくことが大切です。たとえば東京弁護士会の2022年度登録スケジュールによると、書類提出期限から登録予定日までは最短でも1ヶ月半くらいかかります。
法律事務所や企業へ就職する
登録後は法律事務所や企業など弁護士を採用している場所に就職します。法律事務所を立ち上げることも可能ですが、法律事務所を立ち上げるノウハウがない場合は、まずは法律事務所で働いてから立ち上げるのが安全です。
裁判官から弁護士に転職する理由
裁判官を辞めて弁護士になりたい理由はさまざまですが、よくあるのは転勤に対応できず転職を決意するケースです。裁判官は定期的に異動があるため、生活の拠点が頻繁に変わります。
そのたびに親しい人との別れがあり、新しい土地にも慣れないといけないため、転勤をきっかけに転職を考える人が少なくありません。また再任のタイミングで自身のキャリアを見つめ直した結果、裁判官ではなく弁護士として働きたいと感じる人もいます。
同じ法曹界でも異なる裁判官と弁護士
裁判官と弁護士は司法試験に合格した法律家という点で共通していますが、仕事内容や立場などさまざまな違いがあります。
仕事内容
裁判官の仕事は、事件や紛争の当事者から提出された証拠と主張を受けて、公正中立な立場から妥当な判断をくだすことです。訴訟外での和解を促したり話し合いの機会を設けたりすることもありますが、基本的には訴訟に関する業務を中心に行います。
弁護士の仕事は訴訟に関する業務だけでなく、法的紛争の予防や交渉、契約書の作成・審査など幅広くあります。法廷に立つ機会が多い弁護士もいれば、訴訟活動はほとんどないインハウスとして働く弁護士もいます。
裁判官と弁護士はそれぞれの職責をまっとうするために業務に取り組んでおり、どちらの価値が高いということはいっさいありません。仕事の幅でいえば、自由業である弁護士は裁判官よりも広いといえるでしょう。
立場
裁判官はあくまでも中立な立場で事件を審理します。紛争当事者のどちらかに肩入れすることはなく、直接相談を受けることもありません。身分は国家公務員です。
一方、弁護士は依頼人の立場から事件を解決します。依頼人の権利と利益を守るのが仕事なので、依頼人にとって最善の形で事件が決着するよう力を尽くします。身分は民間人です。
働ける期間
裁判官が働ける期間は定年までです。裁判官の定年は「裁判所法」の第50条で定められており、最高裁判所の裁判官と簡易裁判所の裁判官が70歳、それ以外は65歳です。
※参考:e-Gov|裁判所法
弁護士は個人事業主なので定年という概念はなく、一生働くこともできます。インハウスの場合は所属する企業によって定年がありますが、その後に法律事務所で働けば何年でも働けます。
報酬、福利厚生
裁判官の報酬は「裁判官の報酬等に関する法律」という法律の別表で定められています。いわゆる基本給にあたる「報酬月額」と各種手当が加算される形で、等級や職位が上がると報酬も増える仕組みです。
たとえば判事8号の報酬月額は516,000円、判事2号になると1,035,000円と大台を突破します。裁判官は公務員なので福利厚生も充実しています。勤務地によって異なる地域手当や広域異動手当、扶養手当や住居手当、年次休暇などがあります。国家公務員の給与に従い、ボーナスも支給されます。
別表(第二条関係)
区分 | 報酬月額 | |
最高裁判所長官 | 二、〇一〇、〇〇〇円 | |
最高裁判所判事 | 一、四六六、〇〇〇円 | |
東京高等裁判所長官 | 一、四〇六、〇〇〇円 | |
その他の高等裁判所長官 | 一、三〇二、〇〇〇円 | |
判事 | 一号 | 一、一七五、〇〇〇円 |
二号 | 一、〇三五、〇〇〇円 | |
三号 | 九六五、〇〇〇円 | |
四号 | 八一八、〇〇〇円 | |
五号 | 七〇六、〇〇〇円 | |
六号 | 六三四、〇〇〇円 | |
七号 | 五七四、〇〇〇円 | |
八号 | 五一六、〇〇〇円 | |
判事補 | 一号 | 四二一、五〇〇円 |
二号 | 三八七、八〇〇円 | |
三号 | 三六四、九〇〇円 | |
四号 | 三四一、六〇〇円 | |
五号 | 三一九、八〇〇円 | |
六号 | 三〇四、七〇〇円 | |
七号 | 二八七、五〇〇円 | |
八号 | 二七八、〇〇〇円 | |
九号 | 二五八、〇〇〇円 | |
十号 | 二四九、二〇〇円 | |
十一号 | 二四三、四〇〇円 | |
十二号 | 二三七、七〇〇円 | |
簡易裁判所判事 | 一号 | 八一八、〇〇〇円 |
二号 | 七〇六、〇〇〇円 | |
三号 | 六三四、〇〇〇円 | |
四号 | 五七四、〇〇〇円 | |
五号 | 四三八、九〇〇円 | |
六号 | 四二一、五〇〇円 | |
七号 | 三八七、八〇〇円 | |
八号 | 三六四、九〇〇円 | |
九号 | 三四一、六〇〇円 | |
十号 | 三一九、八〇〇円 | |
十一号 | 三〇四、七〇〇円 | |
十二号 | 二八七、五〇〇円 | |
十三号 | 二七八、〇〇〇円 | |
十四号 | 二五八、〇〇〇円 | |
十五号 | 二四九、二〇〇円 | |
十六号 | 二四三、四〇〇円 | |
十七号 | 二三七、七〇〇円 |
※参考:e-Gov裁判官の報酬等に関する法律|別表(第二条関係)
一方、弁護士は民間の職業なので法律による決まりはありません。一般的には法律事務所に所属して業務委託形態を結び、個人事業主として働くケースが多いため報酬は個人の能力や所属事務所の規模などに左右されます。
裁判官のように同じ職位だから同じ報酬ということはなく、個人差が大きい職業です。年収1,000万円以上の弁護士もいますが、中には300万未満という弁護士もいます。福利厚生については所属先の種類や状況にもよりますが、個人事業主である弁護士の福利厚生は恵まれていないケースが多いです。
弁護士業界における元裁判官のニーズ
弁護士業界への転職において、「元裁判官」はどのように見られるのでしょうか?
地頭がよい希少性の高い人材と評価される
裁判官は法律家のなかでもとくに高度な法律知識と論理的思考力が求められる職業なので、司法試験の上位合格者のなかで適性がある人から選ばれます。合格者のなかで裁判官になる人は少なく、数パーセントしかいません。
このことは当然、弁護士業界でもよく知られています。法律事務所からは地頭がよく、希少性の高い人材と評価される可能性が高いでしょう。
法律事務所や企業では元裁判官からの応募を想定していない
前述のとおり、裁判官から弁護士へ転職する人は毎年度いるのですが、弁護士から弁護士への転職に比べて圧倒的に少ないのが現状です。そのため法律事務所側でも元裁判官から応募があることは想定しておらず、応募があってはじめて「元裁判官を採用すること」について考えることになります。
したがって、どのような事務所であれば元裁判官のニーズがあるのかを判断するのは難しく、あくまでも応募先の考え方によります。
裁判官は司法試験を優秀な成績で突破した人材であることは確かですが、弁護士業界で働くには弁護士経験があるほうが圧倒的に有利であることもまた事実です。裁判官から弁護士への転職では、元裁判官であることのメリットを感じてもらえる事務所を選ぶことが必要でしょう。
たとえば元裁判官の採用実績がある法律事務所などであれば元裁判官を採用する意味やメリットを理解しているため、選考がスムーズに進む可能性はあります。
元裁判官が弁護士への転職でアピールできる強み
転職では応募先に対して自身の強みをアピールする必要がありますが、元裁判官の強みはどんな点なのでしょうか。
裁判所の手続きや裁判官の特徴を深く理解している
元裁判官ならではの強みとしては、裁判所と裁判官の特徴を心得ている点です。裁判所の手続きに精通しているため、訴訟活動を的確かつ円滑に進めることができます。
裁判官だった経験から、判決や和解案など裁判官が考える落としどころや訴訟指揮における意図なども理解しています。弁護士の仕事はいかにして裁判官を説得できるのかにかかっているため、裁判官の意図や考え方を心得ているのは大きな強みです。法律事務所にいるほかの弁護士へよい影響を与えることもできるでしょう。
たとえば担当した事件について意見を求められれば、裁判官の立場からはどう見えるのかといったアドバイスをすることができます。
客観的な立場で物事を見ることができる
裁判官は独立性と中立性を保つことが必須の職業であり、これは弁護士になった後も活かせます。弁護士は依頼人の利益のために活動する職業なので、ときには依頼人に肩入れしたり感情移入したりして客観的に事件を見られない場合があります。
これに対して元裁判官は客観的・俯瞰的に紛争や事件を見て判断することに長けているのが強みです。
判例や記録の精査など地道な作業への耐性がある
弁護士は証拠探しや文献の精査などの地道な作業が多くありますが、新人弁護士の中にはこうした作業が辛いと感じる人も少なくありません。
一方、裁判官は公正中立な判断をくだすために大量の訴訟記録や判例、証拠書類と日々向き合う職業なので、弁護士の地道な作業への耐性があります。
また弁護士は激務で知られる職業ですが、裁判官も同様に激務です。とくに都市部の裁判所では1人あたりの業務量が多く、激務であるケースが多いと言われています。弁護士への転職の場合、激務への耐性も判断材料となりますが、元裁判官であればこの点でも有利にはたらく可能性があります。
裁判官から弁護士に転職する場合のポイント
裁判官から弁護士への転職では以下のポイントを意識して活動を進めましょう。
弁護士として何がしたいか・何ができるのかを明確にする
元裁判官であっても、これからするのは弁護士という仕事です。弁護士として何がしたいか、何ができるのかを明確にしたうえで転職活動に臨みましょう。
法律事務所では、弁護士としてのキャリアビジョンがない人材を採用したいとは思いません。また元裁判官というだけで無条件に採用されることはないため、応募先にどんな貢献ができるのかを伝える必要があります。
経験によって転職先の選択肢が異なる
転職では、前職の経験を活かせる応募先を選定するのが成功するためのセオリーです。これは裁判官から弁護士への転職でも同じなのですが、一般的な転職活動がどういうものか分からない裁判官の場合、経験とは異なる分野での転職を目指してしまうことがあります。
たとえば刑事訴訟の経験が豊富なのにインハウスを希望する、家事事件を中心にやってきたのに刑事専門の事務所を希望するといったケースです。
これでは裁判官としての経験が活かしづらいため、経験に応じた転職先を選定することが大切です。たとえば民事部の経験が長く、企業間の紛争などを担当した経験が豊富であれば、企業法務を扱う法律事務所で採用される可能性があります。
裁判官からの転職では年齢もポイントに
弁護士は本来年齢がハンデにならない職業です。弁護士としての経験や依頼者からの信頼度がものをいう職業なので、むしろある程度の年齢が高いほうが有利に働く場合もあります。しかし裁判官からの転職では弁護士経験がないため、年齢がポイントになる場合があります。
20代・30代の若手裁判官なら弁護士経験がなくてもポテンシャルを加味して採用される可能性があります。実務経験がない人の採用にも力を入れている法律事務所もあるため、そういった事務所を狙って転職活動を進めましょう。
一方、定年による退官後に弁護士になる場合は法律事務所での勤務が難しい可能性があります。懸念材料としては、ひとつは年齢的に新しい業務や環境に適応するのが難しいのではないかという点です。
法律事務所の代表よりも年齢が高い場合はコミュニケーションの面で不安もあります。ただし、定年による退官後では弁護士になれないわけではありません。定年を経て弁護士として活躍している人もいます。元裁判官としての経験をぜひ活かしてほしいと考える事務所であれば採用される可能性があるでしょう。
司法修習生時代の内定先に相談するのもひとつの方法
裁判官になるとき、司法修習中に裁判官としての素質が見込まれ、裁判官にならないかと声をかけられて任官を決意するケースがあります。このとき、すでに法律事務所から内定を得ていた場合は、内定を辞退することになります。
裁判官から弁護士への転職は経験や年齢、ニーズなどの面で難しい場合があるため、司法修習時の辞退先も選択肢に入れることも必要です。
内定を辞退した先に相談するのはどうなのかと感じる方もいるかもしれませんが、辞退する際に礼儀を尽くしていれば問題視しない事務所は少なくありません。
法律事務所としても司法修習生が途中で希望を変えることがある点は認識しており、必ずしも不義理だと捉えられるわけではないため、ひとつの選択肢として考えておいてもよいでしょう。
転職活動のノウハウがないから転職エージェントへの相談が必須
社会人経験や弁護士経験を経て裁判官になる人は少数なので、大半は裁判官から弁護士への転職が初めての転職でしょう。転職活動のノウハウがないため、一般の会社員や弁護士からすれば常識的なことについても理解がない人は少なくありません。
このため、自力で転職活動を進めるのではなく、転職エージェントへ相談して進めるのが賢明です。転職エージェントとは求職者と採用を検討中の事務所・企業のあいだに立ち、転職を支援するサービスをいいます。
求職者に対してはキャリアのアドバイスや求人紹介、応募先との日程調整や面接対策など、応募から内定までの一連の活動をサポートします。一部有料のサービスがありますが、ほとんどの転職エージェントはすべてのサポートを無料で利用できます。
裁判官から弁護士への転職におすすめの転職エージェント6社比較
最後に弁護士への転職にあたり利用を検討した転職エージェントを紹介します。
転職エージェントはさまざまな職種を扱う総合型と職種や業界に特化した特化型がありますが、裁判官から弁護士への転職では特化型を利用しましょう。
NO-LIMIT|裁判官からの転職におすすめの転職エージェント
NO-LIMITは、弁護士の転職を専門とした転職エージェントです。弁護士業界に精通したアドバイザーが転職成功まで徹底的にサポートします。
法律事務所の内情や今後の展望など求人情報だけでは確認できない詳しい情報をもっているため、ミスマッチのない転職が実現可能です。丁寧なサポートが強みなので、転職ノウハウがない元裁判官の転職にもおすすめです。
公式サイト:https://no-limit.careers/
弁護士ドットコムキャリア
弁護士・法務人材に特化した転職エージェントです。国内最大級の弁護士ポータルサイト「弁護士ドットコム」が運営しているため、法律事務所との豊富なネットワークを活かした求人紹介を受けられます。
参考:弁護士ドットコムキャリア
弁護士転職.jp
弁護士専門の転職支援サービスです。直接応募できる求人と専任エージェントを経由して応募する求人があるため、ご自身の状況や希望の転職スタイルによって使い分け可能です。転職活動が初めての方は専任エージェントに相談したうえで応募する転職支援サービスを利用するのがよいでしょう。
参考:弁護士転職.jp
MS-Japan
弁護士などの士業と管理部門を専門とする転職エージェントです。専門ファームから一般企業まで幅広い求人を扱っています。創業から30年の歴史がある老舗のエージェントなので転職支援のノウハウが豊富です。
参考:MS-Japan
企業法務革新基盤
企業法務領域に特化した転職エージェントです。企業法務系の法律事務所やインハウスの求人を扱っています。スポットのキャリア支援だけでなく、中長期的なキャリアのアドバイスが受けられるのが魅力です。
キャリア設計に迷っている方は利用を検討しましょう。
リーガルジョブボード
弁護士や司法書士など法律系専門職に特化した転職エージェントです。求職者が採用を検討中の企業と直接やり取りできる「ダイレクトリクルーティング」と転職サポートを受けられるエージェントサービスがあります。
エージェントサービスでは、弁護士専任の担当者から求職者のペースに合わせて対応してもらえるため、転職の希望時期を伝えたうえで相談するとよいでしょう。
参考:https://legal-job-board.com/
まとめ
元裁判官は裁判所の手続きや裁判官の考え方に理解があり、事件を客観的に見られるという強みがあります。弁護士への転職は必ずしも容易ではありませんが、裁判官としての経験やご自身の強みを活かしてアピールすれば採用の可能性を高められます。
転職活動に疑問や不安があれば転職エージェントへの相談も検討しましょう。
運営者情報
会社名 |
株式会社アシロ(ASIRO Inc.) 2021年7月20日 東証グロース上場(7378) |
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URL | https://asiro.co.jp/ |
本社所在地 |
160-0023 東京都新宿区西新宿6丁目3番1号 新宿アイランドウイング4F |
法人番号 | 9011101076787 |
設立日 | 2009年11月 |
代表者(代表取締役社長) | 中山博登 |
主な事業内容 | HR事業、インターネットメディア事業(リーガルメディア、派生メディア)、少額短期保険事業 |
許認可 | 有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可 許可番号13-ユ-313782) |
グループ会社 |
株式会社アシロ少額短期保険 株式会社ヒトタス |