保健師として働く人の中には、次のように感じている人も多いのではないでしょうか。

「自分は保健師に向いていないのではないか」
「保健師としてどのようにモチベーションを上げれば良いのかわからない」
「このまま保健師を続けるべきか、転職すべきか迷っている」

保健師は地域の健康を維持し、病気を未然に防ぐための取り組みを行う専門家です。しかし、中には保健師として働くことに悩む人も多くいるでしょう。

この記事では、保健師に向いていない人の特徴や、仕事が辛いと感じてしまう理由を紹介します。

さらに、仕事を続けられないと感じた際の対処法も解説しているので、保健師としてのキャリアに不安を持っている人は、最後まで読んで参考にしてください。

保健師に向いてない人の特徴5選

保健師に向いていないと悩んでいる人は、次の特徴を持っているかもしれません。

ここでは、保健師に向いてない人の特徴を詳しく解説します。

相手の考えを理解することが難しい

相手の考えを理解することが難しい人は、保健師に向いていない可能性があります。保健師は相手の状況や価値観を尊重しながら、適切なサポートをする必要があるためです。

たとえば、保健師の中には健康的な食事や運動を提案する際に、相手の考えを理解しようとせずに上から目線で話してしまう人もいます。すると利用者は反発心を持ち、改善を試みようという意欲がなくなってしまうかもしれません。

このように、相手の意見や状況を理解しようとせず、適切なサポートが難しいと感じる人は、保健師に向いていない可能性が高いと言えます。

コミュニケーションが得意ではない

保健師の仕事は、地域住民や関係者との密なコミュニケーションが求められます。そのため、コミュニケーションが得意でない人は、保健師の仕事が辛いと感じることが多いでしょう。

たとえば、コミュニケーション能力が低い人は、利用者の悩みや症状をうまく聞き出せないことが多いため、適切なアドバイスが送れない可能性があるのです。

さらに、保健師は利用者だけでなく他のスタッフとの連携も重要なため、高いコミュニケーション能力が求められます。

デスクワークなどの事務作業が得意ではない

デスクワークや事務作業が苦手な人は、保健師の仕事にストレスを感じることが多いでしょう。保健師は臨床現場での業務だけでなく、資料作成や電話対応、データ入力などの事務作業も多いです。

事務作業は地味に見えますが、保健師としての業務をスムーズに進めるための重要な仕事です。

黙々と事務処理をすることが苦痛に感じる人は、保健師の仕事は不向きかもしれません。

指示を待ってしまう

指示を受けなければ仕事ができない人も、保健師としての役割を十分に果たせない可能性があります。保健師は利用者の健康をサポートするために自発的に行動し、必要なアドバイスを送ることが求められるためです。

さらに、保健師として活躍するためには、常に新しい知識や情報にアンテナを張り、自分から積極的に動くことが重要です。

指示を待ってしまう人は、保健師の職務を十分に果たすことが難しいと感じるかもしれません。

周囲の意見に流されやすい

周囲の意見に流されやすいことも、保健師の仕事に向いていない人の特徴です。保健師の仕事は利用者に対して自分の専門知識を活かす必要があるため、信念を持って仕事に臨まなければいけません。

周囲の意見に流されやすい人は、根拠のない噂でアドバイスの方針がブレてしまうことがあります。

周りの意見や雰囲気に影響されやすい人は信念を持って仕事ができず、利用者からの信頼が得られにくくなってしまいます。

一方で、多様な意見に耳を傾ける姿勢にはメリットもあります。チームや多職種との連携が必要な保健師の現場では、同僚や他の専門職からの視点を取り入れることで、より包括的なケアの提供が可能になります。また、最新の研究や事例から学ぶ姿勢は、専門性の向上に不可欠です。

大切なのは「流される」のではなく、様々な意見を「適切に評価し取り入れる力」です。

根拠に基づいた自分の専門的判断を核としながらも、他者の知見を柔軟に活用できる保健師は、より質の高いサービスを提供できるでしょう。

専門性と柔軟性のバランスを取りながら、常に利用者の最善の利益を考えた判断ができる人が、優れた保健師として活躍できると言えます。

保健師に向いている人の特徴

保健師として活躍している人には、次のような特徴があります。

ここからは、保健師に向いている人の特徴を詳しく見ていきましょう。

思いやりの気持ちを持って働ける

保健師として活躍するためには、相手の立場に立って物事を考える思いやりの気持ちが必要です。

保健師は新生児や高齢者、精神疾患を持つ患者など、さまざまな年代・症状の人にアドバイスを送る職業であり、その都度丁寧に接することが求められるのです。

そのため、利用者から健康に関する悩みを受けた場合、相手の話をしっかり聞き、共感しながら適切なアドバイスを送らなければなりません。

このように、思いやりの気持ちがある保健師は相手と良好な信頼関係を築けるため、利用者に寄り添ったサポートができるでしょう。

臨機応変に対応できる

保健師は、予想外の状況や緊急事態に対応する機会が多くあります。そのため、臨機応変な対応が得意な人は保健師に向いていると言えます。

たとえば、利用者の健康状況が突然悪化して、難しい状況と向き合わなければいけないことがあります。そのような場合でも、冷静に対処して適切なアドバイスを送ることで、利用者の健康を守れるのです。

どのような状況でも柔軟な姿勢で対処し、利用者のニーズに合わせてアプローチできれば、保健師として長く活躍できるでしょう。

観察力が高い

観察力が高い人も保健師に向いています。保健師は利用者の生活状況や健康状態を把握し、適切にアドバイスする必要があるためです。

中には、日常的な訪問活動の中で利用者の細かな変化を見逃さず、的確にアドバイスを送らなければいけないケースもあるでしょう。

観察力が高く見逃しやすい点に気付ける人は、保健師として重宝される存在となります。

ポジティブに物事を考えられる

前向きな思考を持っていることも保健師に向いている人の特徴です。

保健師は医師や看護師、福祉関係者などさまざまな職種と一緒に仕事をすることが多く、チームの中で良い関係を築ける人が活躍できます。

医療や福祉の現場では日々様々な課題に直面しますが、前向きな考え方ができる保健師は困難な状況でも建設的な解決策を見出し、チーム全体にポジティブな影響を与えることができます。

また、保健師の大切な仕事の一つは、人々が健康になるための教育や支援です。

明るく前向きな保健師は、住民の健康増進への意欲を高める効果的なコミュニケーションができます。特に生活習慣の改善や心の健康づくりでは、希望を持たせる言葉掛けが大切で、ポジティブな保健師は住民の自己効力感を高め、健康行動の継続を支援することができます。

保健師に向いてない人が辛いと感じる4つの理由

保健師として働く中で仕事が辛いと感じる理由は、主に以下の4つが考えられます。

ここからは、それぞれの理由を詳しく解説します。

仕事の成果が実感しにくい

保健師の仕事は病気の治療ではなく病気の予防が主な役割のため、仕事の成果が実感しにくいという特徴があります。

このような特徴があることで、仕事にやりがいを感じられず、保健師の仕事が辛いと感じてしまうのです。

実際には利用者にとって重要な役割を果たしているものの、成果が分かりづらく「自分は力不足ではないだろうか」とネガティブな気持ちを抱えてしまう保健師もいます。

看護師のように患者の回復をそばで見守れないため、成果を感じる機会が限られて仕事内容に辛さを感じてしまうのです。

長時間労働になりやすい

長時間労働になりやすい点も、保健師が仕事が辛いと感じる理由です。特に、小規模な公的機関や企業で働いている保健師は、1人あたりの業務量が多くなりやすいことがあるため、長時間労働が増えて身体的・精神的な負担が大きくなるのです。

それに加えて残業代が出ないケースもあるため、給与や待遇の悪さからもストレスを感じることがあります。

特に、看護師などのシフト制で働いてきた人にとって、日勤中心の保健師の仕事スタイルは、辛く感じることが多いでしょう。

継続的な学びが必須である

保健師は幅広い年齢の利用者に対して健康指導やサポートを行う立場にあるため、専門知識を常に向上させる必要があります。

知識をアップデートするための勉強や研修への参加が辛いと感じてしまうのです。

保健師は新しい予防医療の知識や国の制度、法律などの情報を常に学習しなければなりません。特に、慢性的な人手不足の影響で保健師の業務量が増えていることもあり、業務に追われる中での継続的な学びが難しいと感じることが多いのです。

人間関係に悩みやすい

保健師の仕事が辛いと感じる理由の1つとして、人間関係の悩みも挙げられます。

特に、小規模な職場ではメンバーが固定化されて人間関係が閉鎖的になりやすくなります。

職場に苦手な人がいると、毎日顔を合わせることが辛くなり、辞めたいと思ってしまうのです。

さらに、保健師同士の連携がうまくいかずトラブルになると、人間関係のもつれにつながります。いじめやパワハラなど、上司との関係に悩む保健師も多く、職場環境がストレスの原因となるケースも多く見受けられます。

保健師に向いてない人が取るべき対処法

保健師として働く中で自分に合わないと感じた際は、次の対処法を試してみましょう。

これらの対処法を詳しく解説します。

休暇を取ってリフレッシュする

保健師の仕事が辛いと感じた場合は、休暇を取ってリフレッシュしてみましょう。

たとえば、仕事でのストレスや過労が原因で「向いていない」と感じているのであれば、趣味に没頭したりリラックスできる環境で過ごしたりしてみてください。そうすることで精神的な負担が軽くなり、新たな気持ちで仕事に取り組めるでしょう。

リフレッシュして気持ちを切り替えた後は、今一度冷静に自分の状況を整理して改善策を考えてみましょう。

仕事のやりがいを改めて考える

保健師の仕事が向いていないと感じたときは、日常的な辛さだけを見るのではなく、仕事にどのようなやりがいがあるのかを洗い出してみてください。

もし仕事のやりがいを考えずに勢いだけで退職してしまうと、「辞めなければよかった」と後悔する可能性があります。冷静になって仕事のやりがいを改めて考えてみることで、保健師として働くモチベーションが上がるかもしれません。

どうしても続けられない場合は転職を考える

どうしても保健師として続けられない場合は、転職を視野に入れてみましょう。

仕事が辛い原因が職場環境である場合、勤務先を変えることで解決できる可能性があります。

転職する際は「なぜ転職するのか」を掘り下げて、現状よりも良い職場を見つけるための条件を整理してください。たとえば、「残業時間の多さ」が転職理由の場合は、残業時間の少ない職場を選ぶことで長く仕事が続けられるでしょう。

保健師の転職を成功させる3つのコツ

保健師が転職を成功させるコツは、主に以下の3点です。

ここからは、これらのコツを詳しく解説します。

退職する前に転職活動を行う

次の職場を探す際は、退職前に転職活動を行いましょう。時期や職種によっては、すぐに転職先が見つからず経済的に苦しくなるおそれがあるためです。さらに、転職活動を進めるうちに「やっぱり保健師の仕事を続けたい」と思い直すことがあるかもしれません。

あらゆる状況を予測して選択肢をできる限り残しておくためにも、退職する前に転職活動を行うことがおすすめです。

「すぐにでも今の職場を辞めたい」という人は、次の職場に求める希望条件に優先順位をつけておくと、自分に合った職場を選びやすくなり、スムーズに転職活動を進められるでしょう。

看護師に戻ることも視野に入れる

もし看護師の仕事が嫌でなければ、看護師として働き直すことも考えてみましょう。

保健師として積んできた臨床経験があれば、多少ブランクがあっても看護師に復帰することは十分に可能です。

転職活動で「夜勤は避けたい」「残業がない職場で働きたい」などの希望を叶えられる職場を選べば、自分に合った職場で看護師として活躍できるでしょう。

転職エージェントを利用する

転職エージェントを活用すれば、効率的に転職活動を進められます。転職エージェントとは、転職活動を行う際の自己分析や求人紹介、選考対策のサポートなどが無料で受けられるサービスです。

転職エージェントを利用すれば、求職者にマッチした求人を紹介してくれるだけでなく、選考を有利に進めるための履歴書・職務経歴書の添削、面接対策などが受けられます。

また、一般には公開されていない「非公開求人」を紹介してもらえる可能性もあり、自分だけでは見つけられない好条件の求人に出会える可能性が高まります。

「自分1人で転職活動を行うのは不安だ」という人は、転職エージェントの利用を検討してみましょう。

保健師からの転職をお考えの方におすすめの転職エージェント3選

ここでは、保健師からの転職におすすめの転職エージェントを3つ紹介します。

アポプラス保健師

アポプラス保健師は、保健師に特化した転職エージェントです。特に産業保健師の求人を豊富に取り扱っており、一般には公開されていない非公開求人を多く取り揃えています。

担当するキャリアアドバイザーは保健師の転職市場に詳しく、一人ひとりの希望やキャリアプランを丁寧にヒアリングした上で利用者にマッチした求人を提案します。さらに、書類作成や面接対策のサポートも充実しているため、転職活動に不安な人でも安心して利用できます。

また、アポプラス保健師を利用した人の離職率は1％以下（2020年度アポプラスキャリア調べ）という結果が出ているため、入社後のミスマッチを防ぎたい人におすすめの転職エージェントです。

サービス概要
サービス名	アポプラス保健師
運営会社	アポプラスキャリア株式会社
保健師の公開求人数	約100件
非公開求人数	取り扱いあり
拠点	東京・北海道・宮城・埼玉・神奈川・静岡・愛知・大阪・広島・福岡
公式サイト	https://www.kan54.jp/

レバウェル看護

レバウェル看護は、看護師向けの転職エージェントとして業界最大級の求人数を誇り、15万件以上の求人を取り扱っています。また、質の高いキャリアアドバイザーからのサポートで、求職者一人ひとりに寄り添ったサービスを提供しています。

キャリアアドバイザーとスムーズに連絡を取りたい人は、LINEでのやり取りも可能です。さらに、在籍するキャリアアドバイザーは、年間4,000回以上の職場訪問を通じて、職場のあらゆる情報に精通しています。職場の情報とヒアリング内容を考慮して、利用者に合った求人を紹介してくれるでしょう。

レバウェル看護は、少しでも多くの選択先から転職先を選びたい方におすすめの転職エージェントです。

マイナビ看護師

マイナビ看護師は、人材大手であるマイナビグループが運営する看護師向けの転職エージェントです。独占求人を含めた8万件以上の求人を取り扱っており、利用者にピッタリの職場が見つかります。

キャリアアドバイザーは直接施設や病院を訪問し、内部情報を収集しているため、院内の雰囲気や産休・有給の取得実績、看護体制まで把握しています。看護師業界に精通したキャリアアドバイザーが転職活動をサポートするため、転職に慣れていない人でも安心して利用できるでしょう。

また、マイナビ看護師は全国に拠点を有しています。そのため、地方で転職活動を行う際も、豊富な求人の中から応募先企業を選ぶことが可能です。

まとめ

保健師は、地域の健康を守るという大切な役割を持った専門家ですが「自分は保健師に向いていないのではないか」と悩むことも多い仕事です。

保健師に向いていない人の特徴として、相手の気持ちを理解することが難しい、コミュニケーションが得意ではないことなどが挙げられます。また、保健師の仕事は仕事の成果が実感しにくい点や、人間関係に悩みやすいことで辛いと感じることがあります。

保健師の仕事に向いていないと感じた際は、思い切って休暇を取ってリフレッシュしたり、仕事のやりがいを改めて考えてみたりしてください。

それでも仕事が続けられない場合は、この記事で紹介した内容を参考にして転職活動に臨んでみましょう。