看護師として働く中で、「自分は仕事ができないのではないか」と悩む看護師は少なくありません。

日々の業務に追われて、患者さんへのケアや同僚とのコミュニケーションなどに苦労している看護師さんも多いでしょう。

この記事では、仕事ができない看護師の特徴やそれを乗り越えるための具体的な方法、仕事ができる看護師になるためのコツを詳しく解説していきます。

仕事ができない看護師の特徴・共通点

「仕事ができない」と思われる看護師の特徴や考え方の共通点について、主に以下の6つが挙げられます。

1つずつ詳しく見ていきましょう。

業務管理や時間管理が苦手である

仕事ができないと感じる看護師の多くは、業務の優先順位や時間管理に課題を抱えています。

患者さんへのケアや処置、作業記録など、多岐にわたって業務を効率的に達成できず、常に時間に追われている状態です。

そのため、仕事のことで頭や手がいっぱいになり、業務管理や時間管理を行うことまで手が回らないでしょう。

時間管理スキルの向上は、業務効率の改善だけでなく、ワークライフバランスの向上にもつながる重要な要素といえます。

同じミスを繰り返す

ミスをすることは誰にでもありますが、仕事ができないと感じる看護師は、同じようなミスを繰り返す傾向があります。

これは、ミスの原因を深く分析し、改善策を出す習慣が身についていないことが原因の一つです。

また、忙しさのあまり、ミスを振り返る時間を取れていないことも考えられます。

ミスを失敗としてではなく、学びの機会として活用することが、看護師としての成長につながります。

そのためには、繰り返すミスはすぐに改善策を見出せるように、同僚や上司に共有し、振り返る時間を作りましょう。

コミュニケーションが苦手である

看護師の仕事は、患者さんやその家族、医師、他の看護師など、多くの人とのコミュニケーションが必要です。しかし、仕事ができないと感じる看護師の中には、このコミュニケーションに苦手意識を持つ人が多くいます。

特に、患者さんとの会話や、医師への報告、同僚との情報共有などで戸惑いを感じます。

コミュニケーションスキルの向上は、看護の質を高めるだけでなく、患者満足度の向上にも直結するものです。

向上心や目標がない

仕事ができないと感じる看護師の中には、明確な目標や意欲を持っていない人も多くいます。日々の業務をこなすことで精一杯で、自己成長や新しいスキルの習得に時間を割くことができていない状況です。

目標設定は、自己成長の指標となるだけでなく、日々の業務に意味を考え、モチベーションを維持する上で重要な役割を担います。

そのため、目標を立てて向上心を持つことを意識しましょう。

責任感やチームワークに欠けている

看護師の仕事は、チームで患者さんのケアに当たることが多いため、責任感とチームワークが非常に重要です。しかし、仕事ができないと感じる看護師の中には、この点で課題を抱えている人もいます。

責任感とチームワークの向上は、看護師としての成長だけでなく、組織全体の医療の質を高めることにもつながるでしょう。

また、学び合う環境は、ストレス軽減や職場満足度の向上も期待できる職場環境といえます。

周りの看護師と比較しすぎる

仕事ができないと感じる看護師の多くは、周囲の看護師と自分を比較しすぎる傾向があり、同期の看護師や先輩看護師と自分の能力や実績を比べて、自信を持てなくなることがあります。

看護師として自己肯定感を高めるためには、自分の強みを認識し、それを活かす機会を積極的に見つけることが重要です。

仕事ができる看護師の特徴・考え方

仕事ができる看護師として、主に以下の6つが挙げられます。

1つずつ詳しく見ていきましょう。

1日ごとに目標と計画を立てる

仕事ができる看護師は、1日の始まりに明確な目標を設定し、それにもとづいて計画を立てます。朝のカンファレンスや申し送りの後、その日の業務内容を整理し、優先順位をつけます。

時間指定のある処置や投薬、検査などをスケジュールに組み込み、予期せぬ事態に備えて余裕を持たせます。

この習慣により、業務の漏れを防ぎ、効率的な時間の使い方が可能になります。また、目標達成の有無を日々振り返ることで、自己成長につなげられます。

周囲とのコミュニケーションが円滑である

仕事ができる看護師は、患者さんや医師、同僚との円滑なコミュニケーションを心がけています。

患者さんとのコミュニケーションでは、傾聴の姿勢を大切にし、不安や疑問に丁寧に対応します。

医師とのコミュニケーションでは、簡潔かつ正確な報告を心がけ、必要な情報を漏れなく伝える必要があるでしょう。

また、同僚との情報共有も積極的に行い、チーム全体でより良い看護を提供できるよう努めています。この円滑なコミュニケーション能力は、チーム医療の質を高め、患者さんの満足度向上にもつながります。

継続的に学習をしている

医療の世界は日々進歩しており、新しい医療の知識や技術がアップデートされます。仕事ができる看護師は、この変化に対応するため、継続的な学習を欠かしません。

具体的には、学会や院内外の研修への積極的な参加などが挙げられます。また、日々の業務の中でも、分からないことがあればすぐに調べる習慣を身につけています。

このような姿勢が、最新の医療知識や技術を習得し、「仕事ができる看護師」として評価されるのです。

チームワークを大切にして情報共有を徹底する

仕事ができる看護師は、チームワークの重要性を十分に理解しています。自分一人で全てを抱え込むのではなく、チームメンバーと協力して医療を提供しているのです。

特に、患者さんの状態変化や重要な情報については、迅速かつ正確に共有することを心がけています。また、他のスタッフの業務状況にも気を配り、必要に応じてサポートをおこないます。

この協調性と情報共有の徹底が、チーム全体の業務効率を高め、より良い看護の提供につながっています。

物事をポジティブに捉える意識を持つ

仕事ができる看護師は、困難な状況に直面しても、それをポジティブに捉える姿勢を持っています。

例えば、忙しい業務の中でも、患者さんの笑顔や回復の兆しを見つけることで、モチベーションを保ちます。また、ミスや失敗を恐れるのではなく、それを学びの機会と捉え、改善に努めます。

この前向きな意識が、普段の仕事への取り組む姿勢にもプラスの影響を与えるのでしょう。

小さな変化や違和感に気づける

仕事ができる看護師は、患者さんの小さな変化や違和感に敏感です。バイタルサインの微妙な変動や患者さんの表情や言動の変化など、些細な兆候を見逃さない観察力を持っています。

この能力は、問題を早期に発見し、適切な対応を取ることを可能にします。

小さな変化や違和感に気づく力は、経験を積むことで培われるものですが、日々の業務の中で意識的に磨いていくことも重要です。

仕事ができる看護師になる！仕事の進め方やコツ7選

仕事ができる看護師になるためには、日々の業務の中で意識的に行動を改善していくことが重要です。以下に、効果的な7つのコツを紹介します。

1つずつ詳しく見ていきましょう。

必ず1日のスケジュールを立てる

看護業務を効率的に進めるには、1日のスケジュールを立てることが大切です。業務の優先順位を明確にし、時間管理を改善する上で非常に効果があります。

具体的な方法として、シフト開始前に時間を確保して、その日の業務を整理します。

患者さんのケアスケジュールや医師の回診時間、各種検査や処置の予定などを時系列で並べ、タイムテーブルを作成します。このとき、緊急時の対応や予期せぬ業務のために、ある程度の余裕時間も設けておくことが大切です。

また、業務の優先順位をつけて、効率的に時間を配分することも有効です。

失敗やミスは素直に認めて改善の努力をする

看護師の仕事は人の命に関わるため、ミスは許されないという意識が強くなりがちです。

しかし、完璧を求めすぎるあまり、ミスを隠したり言い訳をしたりすることは、さらなる問題を引き起こす可能性があります。

失敗やミスがあった場合は、素直に認め、上司や同僚に報告することが重要です。

そして、なぜそのミスが起きたのかを分析し、再発防止策を考えましょう。このような努力から、看護師としての自身の成長につなげることができます。

目標となる先輩看護師を決める

仕事ができる看護師になるためには、目標となる存在が必要です。

職場の中で、尊敬できる先輩看護師を見つけ、その方の仕事ぶりを観察して、良いところを吸収しましょう。

具体的には、患者さんへの接し方や業務の進め方、チームでの協働の仕方など、さまざまな面で参考にすることができます。また、機会があれば直接アドバイスを求めることも大切です。

このような目標となる先輩看護師の存在が、自身の成長の指針となります。

「報告・連絡・相談」は要点を押さえて行う

「報告・連絡・相談」、いわゆる「ホウ・レン・ソウ」は、看護師の仕事において非常に重要です。しかし、忙しい医療現場では、簡潔かつ的確に行うことが求められます。

報告や相談を行う際は、事前に要点を整理し、必要な情報を漏れなく伝えることを心がけましょう。また、緊急性の高い内容は速やかに伝え、そうでない場合は適切なタイミングを選ぶことも大切です。

この「ホウ・レン・ソウ」の質を高めることで、チーム全体の業務効率が向上します。

継続できる勉強方法を見つける

医療の世界は日々進歩しており、継続的な学習が欠かせませんが、忙しい業務の中で勉強時間を確保することは容易ではありません。そのため、自分に合った継続可能な勉強方法を見つけることが重要です。

例えば、通勤時間を利用して医療系のポッドキャストを聴く、休憩時間に医療系のアプリで短時間の学習をおこなう、週末に専門書を読むなど、自分のライフスタイルに合わせた方法を見つけましょう。

無理なく継続できる方法を選ぶことが、長期的な成長につながります。

就業後に振り返りと自分を褒める

1日の業務が終わったら、その日の出来事を振り返る時間を持ちましょう。うまくいったこと、改善が必要なこと、新しく学んだことなどを整理します。この振り返りの習慣が、日々の成長につながります。

また、小さなことでも自分の頑張りを認め、自分を褒めることも大切です。

難しい処置を無事に終えた、患者さんから感謝の言葉をもらった、新しい知識を得たなど、ポジティブな出来事に焦点を当てることで、モチベーションの維持につながります。

ワークライフバランスを大切にする

仕事ができる看護師になるためには、プライベートの充実も欠かせません。適切なワークライフバランスを保つことで、心身ともに健康な状態で業務に臨むことができます。

具体的には、休日は仕事のことを考えすぎないようにする、趣味や運動の時間を確保する、家族や友人との時間を大切にするなどが挙げられます。

また、必要に応じて有給休暇を取得し、リフレッシュすることも重要です。

仕事ができない看護師を卒業するなら転職も視野に入れる

これまで紹介してきた方法を実践しても、なお現在の職場で仕事ができないと感じる場合は、転職も選択肢の一つとして考えてみましょう。

環境の変化が、新たな成長のきっかけになることもあります。

転職を考える際は、以下の点に注意しましょう。

ただし、転職は慎重に検討すべき重要な決断です。十分な情報収集と自己分析を行った上で、決断することをおすすめします。

仕事ができないと悩む看護師におすすめの転職エージェント3選

仕事ができないと悩む看護師におすすめの転職エージェントは、以下の3つです。

各エージェントの特徴やサービスの内容などについて1つずつ紹介していますので、エージェント選びの参考にしてください。

レバウェル看護

レバウェル看護は、レバレジーズメディカルケア株式会社が運営する看護師専門の転職サービスです。厚生労働省から「適正な有料職業紹介事業者」として認定され、高い信頼性を誇ります。

約15万件の豊富な求人数と、年間4,000回以上の職場訪問により、リアルな職場情報を提供していることが特徴です。専任アドバイザーが給与交渉や勤務条件の調整をサポートし、利用者の希望に沿った転職を実現します。

医療・福祉分野での幅広い事業展開を背景に、看護師の方々に最適な転職先を見つける手助けをしています。

ナース専科 転職

ナース専科転職（旧：ナース人材バンク）は、株式会社エス・エム・エスが運営する、厚生労働省の適正認定の看護師向け転職サービスです。全国15カ所に拠点を持ち、約25,000件の求人を扱っています。

病院だけでなく、美容クリニックや一般企業の求人も豊富で、地方の求人にも強みがあります。専門知識を持つ担当者が病院の内部情報に詳しく、的確なアドバイスを提供します。

年間利用者数10万人超、看護師登録者数No.1の実績を持つ老舗サービスとして、多くの看護師から支持されています。

看護roo！

看護roo!転職は、看護師向けメディア「看護roo!」が運営する特化型求人転職サイトです。約20万件という豊富な公開求人数が最大の魅力で、全国の多様な求人を扱っています。

エージェント求人と直接応募求人の両方から選べるため、柔軟な転職活動が可能です。

職場の内部情報を詳しく提供し、ミスマッチを防ぐサポートが特徴です。また、履歴書添削や面接対策、給与交渉代行などの手厚い支援を受けられるため、初めての転職にも安心して利用できます。

全国対応やLINEでのやり取りにも対応しており、在職中の看護師も利用しやすく、希望条件に合った職場への転職が実現可能です。

まとめ

仕事ができる看護師になるには、日々の努力と意識的な行動改善が不可欠です。

業務の優先順位付けや時間管理を徹底し、効率的に仕事を進めましょう。また、失敗から学ぶ姿勢を持ち、継続的な学習を心がけ、新しい挑戦を恐れないことも大切です。

このような成長を続ける姿勢が、看護師としての自信を高める鍵となります。

現在の環境で成長が難しいと感じたら、転職も視野に入れてみましょう。特に、看護師専門の転職エージェントの活用によって、自分のスキルや状態に合った職場を見つけられます。

「仕事ができない」と悩んでいても、まずは自分のペースで前進し、患者さんに良いケアを提供できる看護師を目指しましょう。