産後看護師として再就職する際、どのような職場が自分にとって働きやすいのか悩む方も多いのではないでしょうか。産後は体力的にも精神的にも負担が大きいため、働きやすい職場を見極める必要があります。

今回は、産後看護師におすすめの職場の特徴と、転職先選びのコツを解説します。

自分のライフスタイルに合った職場を見つけて、仕事にやりがいを感じつつ、家庭とのバランスを上手く取りながら働く環境を整えましょう。

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産後に看護師の再就職が難しい理由

産後に看護師として再就職する場合、思った以上に難しいと感じることもあります。ここでは、産後の再就職が難しいと言われる理由を見ていきましょう。

家庭との両立が難しい

看護師の仕事は夜勤やシフト制が多く勤務時間の調整が難しいため、育児中の家庭とのバランスをとるのが大変です。

また、配偶者や家族の協力が得られない場合、家庭と仕事を一人で両立させるのは非常に困難です。

そのため、肉体的、精神的な負担が積み重なり、再就職が難しいと感じることが多いでしょう。

子どもの預け先の確保

産後に看護師が再就職する際、子どもの預け先の確保が難しいことも大きな障壁です。特に、0歳児や1歳児の受け入れ枠は限られているため、希望する保育園に入園できないこともあります。

職場から離れた保育園に預ける場合、通勤時間が長くなり仕事の前後に余計な時間を費やすことになります。

子どもの体調不良による急な早退や欠勤

子どもの体調不良による早退や欠勤が発生した場合、職場によっては理解が得られないこともあります。子どもの体調不良は発熱や感染症など急な対応が求められるため、職場の業務に影響を及ぼします。

このように職場に迷惑をかけてしまうことが続くと、同僚や上司に対して罪悪感を抱き、職場での人間関係に悪影響を及ぼす可能性もあります。

夜勤の負担

夜勤のある職場では保育園の利用時間と合わず、子どもを預けながら働くことが難しいケースもあります。

さらに、夜間対応の保育園を利用する場合、保育料がかさむことがあり、経済的な負担が増える可能性もあります。

また、シフト制の職場では休日が固定されていないため、子どものイベントや行事に参加できず、子供の成長に関わる大切な瞬間に立ち会えないこともあるでしょう。

ブランクによる不安

産後に看護師の仕事を一旦離れてしまうと、ブランクによる看護スキルへの不安が生じます。

医療現場では日々新しい知識や技術が導入されるため、最新の情報に追いつけないことへの不安が大きいです。

また、産後職場に戻ったとしても、職場の人間関係や業務の進め方に戸惑いが生じ、ストレスを感じやすくなります。そのため、産後再就職に踏み出せない看護師が多くいることも事実です。

職場環境の変化

産前まで働いていた職場に再就職する際、職場環境の変化も再就職が難しい原因の一つです。

新たなスタッフが入っていたり、後輩が上司になっていたり、チーム構成が変わり産前と同じような働き方ができなくなることがあります。

また、職場のルールや業務の進め方も更新され、適応するために時間がかかり精神的な負担となるケースもあります。

経済的なプレッシャー

産後に看護師として再就職を考える際、給与が現在の生活水準に見合っているかも不安要素の一つです。前職のフルタイム勤務からパートタイムや時短勤務に変更した場合、給与が以前と比べて低くなる可能性があります。

そのため、家計への経済的なプレッシャーにより、再就職を躊躇する要因となるケースもあります。

産後看護師として再就職するタイミング

産後に看護師として再就職をする際は、タイミングが重要です。ここでは、無理なく再就職を進められるタイミングを解説します。

子どもが保育園に入園するとき

子どもが保育園に入園するときは、産後の再就職にとって理想的なタイミングです。保育園に預けられるようになると、育児の負担が軽減され家庭と仕事の両立がしやすくなります。

また、保育園に入園した際は、慣らし保育の期間を見極めることも重要なポイントです。子どもは新しい環境に慣れるまで精神的な不安を感じやすいため、慣らし保育の期間をしっかりと設けることが大切です。

1ヶ月程度の慣らし保育の経過を経て、子どもが新しい生活に適応してきたタイミングで再就職を目指しましょう。

育児が落ち着いた時期

産後の育児が落ち着いてきた時期も、再就職を考えるタイミングに適しています。特に、乳幼児期は夜泣きや授乳、頻繁なおむつ替えなどで睡眠不足になりがちです。

しかし、子どもが1歳を過ぎ、自分でお着替えや登園の準備ができるようになると、育児の負担が軽減され働く余裕が生まれます。

復職に向けた研修を受けたとき

産後に再就職をする前に、復職に向けた研修を受けておくこともおすすめです。看護師としてブランクがある場合、医療現場では最新の医療技術や知識の更新が必要です。

復職支援研修を受けることで自分の看護スキルを再確認できるため、自信を持って職場に復帰する準備が整います。

産後看護師として働きやすい職場の特徴

産後に看護師として再就職する際は、働きやすい職場を選ぶことが大切です。ここでは、育児と仕事を両立しやすい職場の特徴を解説します。

院内託児所が完備されている

院内託児所が完備されている職場では、子どもを職場の近くに預けられるため送り迎えの負担が軽減できます。

また、子どもの急な体調不良や行事への参加などにも柔軟に対応できるため、精神的な安心感も得られるでしょう。

さらに、院内託児所は夜勤やシフト制など勤務時間に合わせた託児サービスを提供していることが多く、安心して利用できる環境が整っています。

産後の看護師が勤務している

すでに産後の看護師が勤務している職場では、同じような育児経験を持つ仲間がいるため、心理的なサポートを受けやすくなります。そのような職場では、子育てと仕事の両立に関する悩みを共有しやすく、お互いに助け合いながら働ける環境が整っているのが特徴です。

また、子どもの体調不良による急な欠勤が必要になった場合でも、職場全体に育児への理解があるため、柔軟に対応してもらえることが多いでしょう。

夜勤のない勤務体系

夜勤のない職場の場合は看護師は定時に帰宅できるため、家庭と仕事の両立がしやすくなります。特に、産後の看護師にとって夜勤の負担は大きな問題です。

夜勤では昼夜逆転の生活になりやすく、子どもの生活リズムが崩れる原因になります。また、日中に休息をとる必要があるため、子どもと過ごす時間も少なくなるでしょう。

そのため、夜勤のない勤務形態であれば、規則正しい生活リズムを維持しやすく、心身の負担を軽減できます。

子育てに理解のある職場

子育てに理解のある職場では、フレキシブルな勤務体制が導入されている傾向があります。例えば、育児休暇や時短勤務制度が整備されている職場であれば、子どもの成長に合わせた働き方が可能です。

また、急な発熱や保育園からの呼び出しにも対応しやすく、同僚や上司からの理解があるため精神的な負担も軽減されます。このような職場を選ぶことで、無理なく看護師としてキャリアを継続しやすくなるでしょう。

産後看護師として働きづらい職場とは？

産後、看護師として再就職を考えている方は、以下のような職場は注意が必要です。

ここでは、働きづらい職場の特徴を解説します。

夜勤が常態化している職場

夜勤が常駐化している職場は、小さな子どもがいる看護師にとって働きづらい環境です。

夜勤は身体的な負担が大きく昼夜逆転の生活が続くため、睡眠不足や疲労が蓄積しやすくなります。

精神的にも肉体的にも余裕がなくなり、子どもとの接し方や育児の質にも悪影響を及ぼす可能性があります。

サポート体制が整っていない職場

サポート体制が整っていない職場では、精神的・身体的な負担が増します。

特に、急な体調不良や家庭の事情で早退が必要な場合、理解が得られない職場では再就職後のストレスが溜まりやすくなります。

また、職場の同僚や上司が育児の大変さを理解していないと、看護師は孤立感を感じやすく仕事へのやりがいやモチベーションを保つのが難しくなるでしょう。

看護師の人数不足による過重労働

看護師の人数が不足している職場では残業や過重労働が常態化しやすくなるため、注意が必要です。

小さなお子さんがいる看護師にとって、長時間勤務や急なシフト変更は体力的にも精神的にも大きな負担です。

このような環境では、有給の取得にも柔軟に対応できない場合も多く、仕事を続ける意欲が低下し離職につながることもあります。

子育てに対する配慮が欠けている職場

子育てに対する配慮が欠けている職場も、看護師の再就職先としておすすめできません。

また、子育て中の看護師の受け入れ実績がない職場では、そもそも産後の看護師の採用が難しい傾向があります。

そのため、育児休暇や時短勤務や保育所の完備など、育児支援制度が整った企業を選びましょう。

産後看護師として再就職におすすめの転職先

産後看護師として再就職を考える際は次のような職場がおすすめです。それぞれの特徴を詳しく解説します。

病院の外来

病院の外来は急患や夜間対応がないため、比較的規則正しい勤務時間が確保できます。外来の診療時間内で働くことが多く、定時で帰宅できることもメリットです。

また、外来では軽症の患者が多く、病状が急変するリスクが低いため、精神的にも負担が少ない職場環境です。さらに、患者とのコミュニケーションが多く、やりがいを感じやすい点も魅力です。

クリニック

多くのクリニックでは土日祝日を休みとしているため、プライベートの時間を確保しやすい職場です。お子さまのイベントや行事にも参加でき、長期休暇も取得しやすいでしょう。

例えば、皮膚科や心療内科、婦人科などは患者の急変が少ないため、比較的落ち着いた勤務環境で働けます。

介護施設

デイサービスや特別養護老人ホームなどの介護施設では、日中の勤務が中心です。そのため、家庭の事情に合わせたシフト調整がしやすいのが特徴です。

また、利用者との関りが深く日々感謝されることが多いため、やりがいを感じやすい環境でもあります。

子育てと仕事を両立している看護師も多い環境なので、家庭の事情に配慮した柔軟な働き方ができるでしょう。

訪問看護

訪問看護は、患者の自宅を訪問して看護を行う仕事です。

患者の状態に応じて働く時間や日程を柔軟に設定できるので、スケジュール調整がしやすい点が魅力です。

患者の生活環境やご家族と密に関わる仕事のため、看護師としての達成感を得られやすいでしょう。

検診センター

検診センターは健康診断や人間ドックを行う施設で、夜勤や遅番がなく日勤が基本です。主に血圧測定、採血、検査の補助、問診などの基本的な看護業務を行います。

診療よりも検査が中心の業務となるため、患者との関りが少なく比較的ストレスの少ない環境と言えるでしょう。

来院者にアドバイスをする機会もあるため、健康管理や予防医療に関する知識を深められます。

保育園

保育園では、子どもの健康管理や急病時の対応を行います。

勤務時間も保育園の開園時間に合わせて働けるので育児と両立しやすい職場です。

現場では多くのスタッフが子どもを育てながら勤務しており、子育ての理解が得られやすいことも魅力と言えるでしょう。

産後看護師として再就職に利用できる制度

産後看護師として再就職する際は、利用できる制度や対策を理解しておくと育児と仕事を両立しやすくなります。ここでは、主な制度や対策を解説します。

超過勤務対策

超過勤務対策は、看護師が過度な残業を避けるための制度です。

2019年に定められた働き方改革では原則として月45時間、年間360時間の残業時間の上限が決められています。

そのため、職場を選ぶ際は、超過勤務対策に積極的に取り組んでいる病院やクリニックを選びましょう。

育児短時間勤務制度

育児短時間勤務制度は子どもが3歳になるまでの間、1日の所定労働時間を6時間に短縮できる制度です。

この制度を利用すれば、フルタイム勤務が難しい場合でも正社員としての地位を維持しながら働くことが可能です。

さらに、企業によっては利用期間を延長できるケースもあるため、就職先を決める際は具体的な利用期間や条件を確認しておきましょう。

短時間正社員制度

短時間正社員制度とは、正社員でありながら勤務日数や勤務時間を一般の正社員よりも短く設定できる制度です。この制度は、日本看護協会でも普及に力を入れています。

この制度では、短時間正社員として働くことでフルタイム勤務の負担を軽減し、正社員としての待遇を受けられます。

職場によって条件が異なるため、復職する際は確認が必要です。

夜勤免除制度

夜勤免除制度は育児介護休業法によって定められた制度で、育児や介護などの理由で深夜帯に勤務できない労働者が一定の条件によって夜勤業務が免除される制度のことです。

具体的には、小学校就学前のお子さんがいる方や妊娠中の方で、1年以上の勤務実績があれば夜勤を免除されることが一般的です。

育児と仕事を無理なく両立させるために、このような制度を上手に活用しましょう。

産後看護師として再就職を成功させるための6つのポイント

産後看護師として再就職を成功させるためには、以下のポイントを押えておくと、育児との両立がしやすくなります。ここでは、再就職を成功させるための6つのポイントを解説します。

1.転職先の幅を広げる

転職先を探す際、今まで経験してきた分野にこだわりすぎると、産後の再就職先が見つかりにくくなります。そのため、転職先の幅を広げることが大切です。

看護師の職場は病院だけでなく、クリニックや訪問看護、介護施設、検診センターなど多岐にわたります。

例えば、クリニックは夜勤がなく休日が取りやすい一方で、病院は看護師の人数が多く急な休みにも対応しやすいというメリットがあります。

このように、選択肢を増やすことで、自分のライフスタイルに合った職場を見つけやすくなるでしょう。

2.職場の雰囲気を自分の目で確かめる

職場の雰囲気を自分の目で確かめておくと、再就職先のミスマッチを防げます。実際に職場を訪問し、スタッフ同士の会話やコミュニケーションの様子を観察すると、職場の雰囲気を感じ取れます。

さらに、看護師向けの口コミサイトや掲示板を活用して、実際に働く看護師の体験談をチェックしておくと、入社後のギャップを防げるでしょう。

3.子育てに理解がある職場か

子育てに理解がある職場かどうかも、就職先を決める際の重要なポイントです。

院内保育の有無や短時間勤務制度など、育児をサポートする制度が整っている職場を選びましょう。

また、面接時には育児休暇の取得率や復職率について質問すると、職場の子育てへの理解度や支援体制を把握できます。

4.短時間勤務の導入実績はあるか

短時間勤務制度の導入実績がある職場なら、制度に関するノウハウが蓄積されており支援がスムーズに進められます。また、周りのスタッフも時短勤務の看護師に対して協力的であり、無理な圧力を感じることがありません。

先輩看護師が同様の制度を利用している場合はアドバイスをもらえるため、子育てをしながら安心して働き続けることが可能です。

5.子どもの体調不良時にすぐに駆けつけられる環境か

子どもの急な発熱や体調不良の際に、すぐに対応できる環境が整っているかも重要なポイントです。

例えば、シフトの調整が柔軟な職場や、急な欠勤時にフォロー体制が整っている職場なら、安心感をもって仕事に取り組めます。

また、看護師同士の協力体制がある職場では、周囲の理解が得られやすく、無理なく勤務を続けられます。保育園と職場の距離も考慮し、緊急時にすぐに駆けつけられる環境かを確認しておくとよいでしょう。

6.看護師向けの転職エージェントを活用する

子育てと仕事を無理なく両立するなら、看護師向けの転職エージェントを活用するのがおすすめです。希望に合った再就職先を効率よく探せるだけでなく、職場の詳しい内部情報を把握できます。

育児との両立を重視する場合、エージェントを通じて短時間勤務の実績や育児支援制度の詳細を確認できるのは大きなメリットです。

また、面接日の調整や条件交渉を代行してもらえるため、育児で忙しい中でもスムーズに転職活動を進められます。

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まとめ

看護師として産後再就職するには、子育てへの理解があり、子育て支援体制の整った働きやすい環境を選ぶことが大切です。

また、看護師専門の転職支援サービスを活用し、転職先の幅を広げることで、自分のライフスタイルに合った転職先が見つかりやすくなります。

無理なく仕事と育児を両立できる環境を選び、安心して看護師として再スタートを切りましょう。