傷病手当の支給が終了間際でお金が心配な方もいるのではないでしょうか。

結論、傷病手当の支給が終わったら失業保険を受給しましょう。

失業保険は、病気やケガから回復し、働ける状態になれば受け取ることが可能です。

しかし、傷病手当から失業保険に切り替える場合、体調が回復したタイミングによって若干方法が異なります。

そこで、本記事では傷病手当が終わった後に失業保険を受給する方法を詳しく解説します。記事を読めば、失業保険を受給する際に困ることが大幅に減るでしょう。

失業保険への切り替えを考えている方や退職後の生活が不安な方は最後まで読んでみてください。

なお、本記事で登場する「傷病手当」とは、健康保険の傷病手当金のことであり、雇用保険の傷病手当とは異なります。

雇用保険の傷病手当について知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。

事前に読みたい⇒失業手当（失業保険）はどんな制度？計算方法や条件・期間・もらい方までくわしく解説

傷病手当と失業保険の違い

傷病手当とは、病気やケガで働けない方に対して支給される手当です。

一方、失業保険は離職中で働く意思と能力がある方に対して支給されます。

病気やケガで働けない状態の場合は失業保険を受け取れません。（※受給期間の延長は可能）

また、傷病手当とは違い、在職中に受給することは不可能です。

他にも傷病手当と失業保険には以下のような違いがあります。

	傷病手当（傷病手当金）	失業保険
受給条件	健康保険に加入している 給料が支払われていない連続する3日間を含み、4日以上仕事を休んでいる 業務外の病気やケガで療養している 病気やケガで働けない状態である	雇用保険に一定期間（※）加入している ハローワークで求職の申し込みをしている 就職する意思と能力がありながら、失業状態にある （※） 【失業保険の受給に必要な雇用保険への加入期間】 自己都合退職の場合：離職日以前の2年間で通算12ヶ月以上 会社都合退職の場合：離職日以前の1年間で通算6ヶ月以上
支給額	給与の3分の2程度	給与の5～8割程度
給付日数	最長1年6ヶ月	90～360日

傷病手当が終わった後に失業保険を受給する方法

傷病手当から失業保険に切り替えるタイミングは、傷病手当金の支給が終わる直前が望ましいです。

しかし、体調の回復具合によって必要な手続きが若干異なります。

そこで、この章では働けるようになったタイミングごとに分けて、傷病手当が終わってから失業保険を受給する方法を紹介します。

退職後29日以内に働ける状態になった場合

退職後29日以内に働ける状態になった場合、失業保険を受給するまでの流れは以下のとおりです。

通常の失業保険の申請方法と変わりません。

以下の記事では手続きの詳しい流れを解説しています。

失業保険の受給手続きについて詳しく知りたい方は、チェックしてみてください。

関連記事：失業保険のもらい方がわからない方必見！失業保険をもらう流れや条件を解説

退職後30日以上働けない状態が続く場合

退職後30日以上働けない状態が続く場合、受給期間を延長すれば失業保険を受給できます。

受給までの流れは以下のとおりです。

延長手続きを済ませた後の手順は、通常の失業保険の受給方法と同じです。

失業保険の受給期間を延長する際の手続きの流れ

失業保険の受給期間を延長する際の手続きの流れは、以下のとおりです。

各ステップの詳細を順番に解説するので、受給期間の延長を検討している方はチェックしてみてください。

関連記事：失業保険の受給期間は延長可能！対象者や手続き・解除方法を解説

1. 延長できる条件を確認する

まずは、失業保険の受給期間を延長できる条件を確認しましょう。

失業保険の受給期間を延長できるのは、以下の理由で退職し、30日以上働けない状態が続いている方です。

上記のいずれかに当てはまる方は、退職日の翌日から起算して最長4年間（本来の受給期間1年＋延長3年）まで受給期間を延長できます。

申請は、延長後の受給期間の最終日まで可能です。

しかし、申請が遅くなると、所定給付日数を迎える前に給付が打ち切られる可能性があります。そのため、早めに延長の申請を済ませておくことをおすすめします。

2. 必要な書類を準備する

続いて、失業保険の延長申請に必要な書類を準備します。

失業保険の延長申請に必要な書類は以下のとおりです。

延長申請に必要な書類

受給期間延長申請書は、ハローワークの窓口もしくは郵送で受け取れます。

延長理由を証明する書類の具体例は、医師の診断書や医療明細書などです。

3. ハローワークで手続きを進める

必要な書類を準備できたら、最寄りのハローワークへ持参して、手続きを進めましょう。

ハローワークへ直接足を運ぶのが難しい場合は、郵送での手続きも可能です。

郵送を希望する際は、事前にハローワークの雇用保険給付・教育訓練給付窓口に電話してください。必要書類を郵送したら、申請が完了します。

また、委任状を用意すれば、代理人による手続きも可能です。

申請手続きが不安な方は失業保険サポートを活用しよう

失業保険の申請手続きに不安がある方は、失業保険サポートを活用することも方法のひとつです。

経験豊富な担当者からサポートを受けられるので、安心して手続きを進められるでしょう。

自力で申請する場合と比べて、多くの金額の失業保険を受給できる可能性もあります。

料金を支払う前に、無料のWeb説明会や個別面談で失業保険制度の概要や詳しいサポート内容を確認できます。

「自分の場合はいくらもらえるの？」「具体的にどんなサポートを受けられるの？」と気になる方は、参加してみてください。

傷病手当や失業保険に関するよくある質問

最後に、傷病手当や失業保険に関するよくある質問をまとめました。

申請手続きを進める前に、疑問や不安を解消しておきましょう。

傷病手当は再受給できる？

同一疾病の場合、受給期間（通算1年6ヶ月）まで再受給することが可能です。

異なる疾病なら、新たに通算して1年6ヶ月まで受給できます。

ちなみに、同一疾病かどうかの判断は、健康保険組合などがおこないます。

失業保険の申請に必要な書類は？

失業保険の申請に必要な書類は、以下のとおりです。

個人番号確認書類の主な例としては、マイナンバーカード・住民票記載事項証明書があります。

身元確認書類の例は、運転免許証やマイナンバーカードなどです。

関連記事：失業保険の受給手続き時の必要書類5つ｜申請の流れも徹底解説

傷病手当と失業保険はどちらがお得？

傷病手当と失業保険は、退職理由や年齢によって受け取る金額が異なるため、どちらがお得とは言い切れません。

通常は、傷病手当金のほうが失業保険よりも受給総額が多くなる傾向です。

ただし、すぐに就職先が見つかる場合は、失業保険のほうがお得になる可能性もあります。

以下の記事では、傷病手当と失業保険のどちらがお得か実際にシミュレーションしました。

実際の計算シミュレーションを見たい方は、チェックしてみてください。

関連記事：失業保険と傷病手当はどちらが得？特徴やハローワークで切り替える方法を紹介

傷病手当と失業保険は同時に受給できる？

結論、傷病手当と失業保険は同時に受給できません。

両者は対象者が異なる制度だからです。

傷病手当は病気やケガで働けない方が対象ですが、失業保険は働く意思と能力がある方が対象です。

ただし、同時には受給できないだけで両方もらうことは可能なので、安心してください。

関連記事：傷病手当金と失業保険は両方もらえる？受給する方法を徹底解説

まとめ

傷病手当の支給終了が近づきつつあり、お金が心配な方は、失業保険の受給を検討しましょう。

働けるようになったタイミングによって、失業保険を受給する方法は若干異なります。

退職後29日以内に働ける状態になった場合は、通常の失業保険の受給方法と同じです。

一方、退職後30日以上働けない状態が続く場合は、失業保険の受給期間を延長する必要があります。

延長の申請が遅れると、給付期間の途中でも支給が打ち切られる可能性があるため、早めに手続きを済ませましょう。

失業保険の受給手続きに不安がある方は、失業保険サポートを活用することも選択肢のひとつです。

無料のWeb説明会や個別面談で話を聞いたうえで、自分に合ったサポートを受けられるのか確かめてみることをおすすめします。