「正社員型派遣に興味がある」
「正社員型派遣はやめた方がいいと聞くけど本当？」
「なぜ正社員型派遣はやめた方がいいのだろうか」

転職活動中の方の中には正社員型派遣に興味があっても「やめた方がいい」という声を聞き、利用を迷っている方も多くいます。確かに、人によっては正社員よりも働きやすい可能性があります。

しかし、正社員に比べると将来的な不安要素の方が大きいでしょう。

この記事では、正社員型派遣はやめた方がいい理由や、メリット・デメリットを解説します。向いている人の特徴や、正社員を目指すための転職エージェントも紹介するので、最後まで読んで参考にしてみてください。

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正社員型派遣とは

正社員型派遣は「無期雇用派遣」や「常用型派遣」とも呼ばれ、一般的な派遣社員とは異なる特徴を持っています。

大きな違いは、期間の定めがなく雇用が安定しており、派遣社員に比べて安心できる点です。

また、月給制での給与支払いや社会保険の加入など、正社員と変わらない待遇を受けられる点も一般的な派遣とは異なります。

さらに、正社員型派遣には「社内勤務型」と「派遣先勤務型」の2種類があり、主な違いは以下の通りです。

「派遣先勤務型」は、派遣会社の社員でありながら、就業時間や休日などは派遣会社とは異なる場合があります。

派遣先のルールに沿って働く必要があるため、場合によっては休日が少なくなるケースもあることは覚えておきましょう。

正社員型派遣はやめたほうがいい5つの理由

正社員型派遣は通常の正社員と似ていますが、注意すべき点があるため「やめた方がいい」と言われることが多い働き方です。よく言われる5つの理由を見ていきましょう。

順番に解説します。

1.簡単には辞められない

正社員型派遣は雇用期間の定めがないため、一般の派遣社員のように簡単には辞められません。

一般派遣の場合は、一定期間の契約期間が満了すればその日をもって退職となります。

しかし、正社員型派遣は、正社員と同様に就業規則に基づいた退職手続きが必要です。

つまり、通常の正社員と同じ扱いとなります。

従って、現在担当している業務が専門的で引き継ぎに時間がかかる場合や後任が見つからない場合は、希望する時期に退職できない可能性もあり得ます。

2.キャリアアップが難しい

正社員型派遣は、派遣されて働くスタイルに変わりはなく、派遣先での業務範囲は契約で定められているケースがほとんどです。

そのため、新しいスキルを習得する機会は限られています。また、派遣先企業で昇進したり役職者へ登用されたりすることもありません。

このように、派遣先では多くの経験ができないため、これまでの経験が次のキャリアに活かしにくい場合があります。

逆に、派遣先企業にとっては他社の社員となるため、たとえ優秀な派遣社員であっても、社員に登用することはできません。

3.希望する派遣先が選べない

正社員型派遣は、派遣先をどこにするかは基本的に派遣会社が決めます。ある程度、派遣社員の希望は考慮されますが、最終的な決定権は派遣会社が持っているため、必ずしも希望に勤務先で働けるとは限りません。

また、希望の派遣先が見つからない場合、自分の意に反した業務内容や勤務地への派遣を受けざるを得ない場合もあります。

このような場合、派遣先の変更を希望してもすぐには対応してもらえない可能性があり、やりたい仕事ができないストレスを抱える方が少なくありません。

4.派遣先の労働環境に左右されやすい

派遣先の企業文化や労働環境によって、働きやすさが大きく変わる可能性がある点にも注意する必要があります。

正社員型派遣の場合は、一般的な派遣とは異なり、派遣先での環境が合わないからといって、すぐに職場を変更してもらえるケースは少ないのが現状です。

また、派遣先企業にとってはあくまでも派遣社員のため、業績悪化や組織改編により、突然の契約終了や業務内容の変更を求められる可能性があります。このような環境の変化にも、従わなければなりません。

5.次の配属先が決まるまでは給料が減額される

正社員型派遣は派遣会社の社員であるため、派遣先が決まっていない待機期間中も給料は支給されます。

ただし、その期間の給料は60〜70%程度になるのが一般的です。

「休業手当」という形で支給されるため、法律で保証された最低限の給料になるケースが多いでしょう。このような状況になれば、生活に大きな影響を与える可能性があります。

参照：厚生労働省｜労働基準法第26条で定められた休業手当の計算について

正社員型派遣と他の派遣との違い

正社員型派遣は、他の派遣と比較して独特な特徴があります。以下に、主要な雇用形態との違いを詳しく見ていきましょう。

それぞれ解説します。

正社員との違い

正社員型派遣と正社員の違いは、雇用主と就業先の関係性にあります。

正社員型派遣は、派遣会社が雇用主となり、就業先に派遣されて勤務する形となるのが一般的です。従って、給料や福利厚生は派遣会社の規定が適用されます。

また、正社員型派遣はあくまでも派遣であるため、派遣先との契約が終了する可能性もあるでしょう。

もし、派遣先との契約が終了した場合は、別の派遣先へ異動しなければなりません。

さらに、正社員は同じ会社で長期的なキャリア形成が可能で、管理職への昇進なども期待できます。しかし、正社員型派遣は難しい場合がほとんどです。

登録型派遣社員との違い

正社員型派遣と登録型派遣社員は、契約期間の有無が異なります。

正社員型派遣は無期雇用契約のため、派遣先が変わっても派遣会社の社員としての雇用が継続されるのが大きな特徴です。従って、別の派遣先に異動して働き続けられます。また、給料も月給制で福利厚生なども社員と変わりません。

一方、登録型派遣は有期雇用契約となるため、派遣先との契約期間が終了すると派遣会社との雇用契約も終了します。

給料は時給制が一般的です。従って、遅刻や欠勤の場合は収入が減り、不安定になりやすいでしょう。さらに、社会保険や福利厚生の面でも、正社員型派遣の方が充実しています。

紹介予定型派遣との違い

紹介予定派遣は最長6ヶ月の派遣期間の後、派遣先企業での直接雇用を前提とした働き方です。

最初は派遣社員として勤務し、派遣期間中に双方が合意すれば、遅くとも6ヶ月後には正社員や契約社員として直接雇用される仕組みになっています。

一方の正社員型派遣は、派遣先企業での直接雇用を前提としておらず、派遣会社の正社員として派遣先で勤務するのが特徴です。

つまり、正社員型派遣で働いている間は、直接雇用されるチャンスはありません。

正社員型派遣のメリット

正社員型派遣には、一般の派遣社員と比較するとメリットは多いです。以下に、正社員型派遣の主要なメリットについて詳しく解説します。

一つずつ見ていきましょう。

収入が途切れない

正社員型派遣の最大の特徴は、派遣先が決まっていない待機期間中でも給与が支払われる点です。派遣会社は、待機期間中の派遣スタッフに給与を支払い続けなければならないため、次の派遣先を積極的に探してくれます。

また、月給制が基本となっているため、体調不良などで働けない日があっても、収入が大きく減らない点は大きなメリットとなるでしょう。

昇給や賞与がある

正社員型派遣は通常の正社員と同じ扱いです。従って、昇給制度や賞与制度は社員と同じ規定が適用されます。また、勤務先は派遣先企業となるため、派遣先での貢献度が評価されれば、賞与に反映されるケースも少なくありません。

このように、成果に応じて収入アップが期待できれば、モチベーションも上がります。

一般の派遣社員は業績がよくても変わらないケースがほとんどです。

同じ職場で長く働ける

一般の派遣社員は、同じ組織で3年以上勤務ができないルールになっています。

しかし正社員型派遣は、派遣先企業との契約が終了しない限り、いつまでも働ける点がメリットです。

また、一般的な派遣とは異なり、特定の職場で長く働けるため専門性を高められるメリットがあります。

同じ職場で長く働ければ人間関係も安定するでしょう。ただし、契約が終了する可能性がある点には注意が必要です。

キャリア支援が受けられる

2015年9月の労働者派遣法改正により、派遣会社には派遣社員への「キャリア形成支援制度」の整備が義務付けられています。

キャリア形成支援制度とは、派遣スタッフの長期的なキャリア形成を支援するため、研修などを受けられる環境を企業側が準備しなければならない制度です。

正社員型派遣もこの制度の対象となり、研修や教育訓練を受けられるメリットがあります。ただし、派遣社員はやらせてもらえる業務が限られているケースが多いため、必ずしも習得したスキルを活かせるとは限りません。

参照：厚生労働省｜キャリア形成支援

正社員型派遣のデメリット

正社員型派遣には、雇用の安定や賞与など一般派遣に比べてメリットがあります。しかし、人によっては以下のような点がデメリットになる可能性があります。

次に低社員型派遣のデメリットを詳しく見ていきましょう。

詳しく解説していきます。

派遣先が見つからない場合、収入が安定しない

正社員派遣は、派遣先との契約が切れても派遣会社の社員としての雇用は続くため、次の派遣先で働くことが可能です。

しかし、なかなか見つからないケースもあります。そうなると、収入が少なくなり、長期にわたって見つからなければ生活設計が立てにくくなってしまいます。

このように、派遣先との契約が突然終了する可能性と、次の派遣先が見つからず、収入が不安定になる可能性がある点には注意が必要です。

派遣会社の採用試験に受かる必要がある

一般の派遣は、登録さえすれば派遣先を紹介してもらえます。紹介してもらえばすぐに勤務がスタートするのが一般的です。

しかし正社員型派遣の場合は、派遣会社の社員となるため、採用試験が実施されるケースが少なくありません。面接も複数回行われるなど、仕事を始めるまでに時間がかかります。

また、試験で不採用になる可能性もあり、それほど簡単ではありません。一般の正社員と同じ基準の採用試験があると思っておいて良いでしょう。

成長機会が少ない

派遣社員は契約で定められた範囲内での業務が基本となるため、新しいスキルを習得する機会が限られています。そのため、成長の機会が少ないのが特徴です。

派遣会社による研修制度は受けられますが、実際に派遣先でスキルを利用できる業務をさせてもらえないケースが多くあります。

スキルを身につけても実際に業務で利用できず、キャリアに悩んでいる正社員型は派遣の方は少なくありません。

正社員型派遣に向いている人の5つの特徴

正社員型派遣は雇用形態が特殊ですが、以下のような人には向いています。

次に、正社員型派遣に向いている人の特徴を見ていきましょう。

当てはまる項目がある方は、正社員型派遣も選択肢として考えても良いでしょう。

1.安定した雇用を強く望む人

正社員型派遣は派遣会社と無期雇用契約を結ぶため、雇用の安定性を重視する人に向いています。

一般の派遣社員と異なり、派遣先との契約が終了しても雇用が継続されるため、収入が途切れないためです。

これまで「契約を解除されるかもしれない」という不安からストレスになっていた人にとっては安心できるでしょう。また賞与や昇格の制度もあるため、長期的な生活設計を立てやすい点も大きいと言えます。

2.福利厚生の充実を気にしない人

正社員型派遣は派遣会社の社員となるため、派遣先の福利厚生が利用できません。とくに大手企業は、福利厚生面が充実している傾向があり、魅力的に感じる人も多いです。

しかし、こうした福利厚生にこだわらない人にとっては、とくに不満に感じることはないでしょう。

一方で、派遣会社の福利厚生は利用できます。大手の派遣会社であれば福利厚生が充実している場合が多いです。気になる方は確認しておくことをおすすめします。

3.いろいろな職場で働いてみたい人

多くの仕事を経験したい人にとって、正社員型派遣は理想的な選択肢のひとつとなります。

定期的に職場が変わるため、さまざまな業務を経験できるメリットがあるからです。ひとつの業界や企業にこだわらないことで、幅広いスキルや知識を習得する機会が得られ、仕事の幅が広がるでしょう。

退職という形をとらず雇用を維持されたまま、さまざまな仕事を経験できる点は正社員型派遣の魅力のひとつです。

4.やりたいことが見つかっていない人

正社員型派遣は、自分の適性を見つけるための期間として活用できます。いろいろな仕事を経験することで、自分に合った仕事を見つけやすいのが特徴です。

一般の派遣社員だと雇用が不安定ですが、契約解除の不安を感じず多くの仕事にチャレンジできる点は大きいでしょう。

正社員と比べて仕事の範囲が限られており、責任もそれほど重くはないため、じっくり選ぶには最適な環境だと言えます。

5.悩み事を相談したい人

直接雇用の社員は、会社の対応や人間関係などに不満や問題があっても、相談しにくい方が少なくありません。

その点、正社員型派遣は派遣会社のコーディネーターが派遣先との交渉や調整をしてくれるため、直接言いにくいことや悩みを相談できるメリットがあります。

会社を通して話し合いをしてくれるため、早期に解決する可能性が高いでしょう。どうしても問題が解決しない場合は、派遣先の変更なども検討できるため、安心して相談できる環境で働けます。

派遣型正社員より正社員での転職のほうがおすすめ

長期的なキャリア形成を考えると、正社員型派遣よりも直接雇用の正社員を目指すことをおすすめします。

正社員は無期雇用契約で雇用が安定しているだけでなく、昇進や昇給の機会も多く、将来的な収入アップが期待できるからです。

また、正社員は将来的に管理職として意思決定に関われる機会も多く、マネジメントスキルを習得できる環境も整っています。

収入面に関しても、正社員型派遣は派遣社員のため昇進が難しく、派遣先企業との契約が切れた際は給料が減ってしまうため、決して安定しているとは言い難いでしょう。

とくに20代から30代前半で正社員になれば、40代以降の収入に大きな差が生まれます。

さらに、正社員は社会的信用が高く、住宅ローンなどの審査も通りやすいため、将来的な生活設計が立てやすいのも大きなメリットです。

正社員型派遣からの転職におすすめの転職エージェント

正社員型派遣を目指す場合、信頼できる転職エージェント選びが重要です。

以下に、紹介実績と利用者からの評価が高い転職エージェントを厳選して3社紹介します。利用する際は複数に登録しておくのがおすすめです。

それぞれの特徴を解説します

リクルートエージェント

マイナビエージェント

ビズリーチ

まとめ

正社員型派遣は、無期雇用という形で一定の雇用の安定性を確保できる働き方です。

しかし、長期的なキャリア形成や収入の安定性を考えると、直接雇用の正社員を目指すことをおすすめします。

正社員型派遣の主なデメリットとして、キャリアアップの機会が限られることや待機期間中の収入減少、派遣先が選べないなどが挙げられます。

とくに20代から30代でのキャリア形成は将来の収入に大きく影響するため、慎重な検討が必要です。さらに、社会的信用の面でも正社員は有利で、ローンの審査などにおいても派遣社員よりも社会的信頼度があります。

正社員型派遣から正社員への転換を考えている方は、転職エージェントを活用することで、より効率的に転職活動を進められるため、積極的な利用がおすすめです。

ビズリーチでスカウトを待ちながら、リクルートエージェントやマイナビエージェントを活用して、正社員への転職を成功させましょう。