多くの社会人が転職を考える際に気になるのが、ボーナスの扱いです。今の会社に不満や悩みがあり、仕事を辞めたいと感じている人の中には、「ボーナスをもらってから辞めたい」と考える人もいるでしょう。

結論からお伝えすると、ボーナスをもらって辞めるのは可能です。

ただし、退職する場合に注意すべきポイントがあり、会社とのトラブルが発生しないように把握する必要があります。

この記事では、ボーナスをもらって辞める方法やタイミング、円満退職のコツなどを詳しく解説します。退職するスケジュールや転職するときの対処法方についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

あわせて読みたい⇒仕事を辞めたいあなたに！原因と対処法・辞める際の判断基準

ボーナスもらって辞めるのは可能

ボーナスをもらってから退職すること自体は可能であり、もらえるものは受け取っても良いでしょう。

ただし、ボーナスをもらう前に退職の意思を伝えた場合にボーナスカットになる可能性もあります。

もらえるものは受け取って良い

労働の対価として支払われるボーナスを受け取ることは、従業員としての正当な権利といえます。

在職中の労働に対した報酬として支給されるボーナスであるため、受け取れないというリスクはほとんどないでしょう。

ただし、これは会社に対して誠心誠意、働いてきたことが前提です。

期間中きちんと職務を全うし、会社に貢献してきたのであれば、ボーナスを受け取る資格は十分にあると考えられます。

退職予定者がカットされる場合もある

ボーナスを受け取れる権利はありますが、会社によってはボーナスの支給対象から退職予定者を省く規定を設けている場合があります。

特に、ボーナス支給日までに退職届を提出している場合や、支給日以前に退職が決まっている場合には、ボーナスが支給されないケースがあることを念頭に置いておく必要があるでしょう。

ボーナスをもらってから退職するポイント

ボーナスをもらってから退職するためには、以下の3つのポイントが重要です。

それぞれ詳しく解説します。

会社の就業規則を確認する

退職したい場合は、まずは会社独自の規則をしっかりと確認することです。

ボーナス規定に関する内容として、特に以下の点について確認しましょう。

これらの情報を把握することで、適切な退職のタイミングを計画することができます。

ボーナスをもらうことに固執しない

退職者にとっては、確かにボーナスは貴重な収入源ですが、ボーナスをもらうことにこだわりすぎると、適切な転職のタイミングを逃してしまう可能性があります。

以下のような場合は、ボーナスの受け取りを待たずに転職を決断することも検討しましょう。

過度な期待や受け取りに固執せずに、退職や転職についてはタイミングの見極めが大切です。

早めに転職活動を開始する

ボーナスをもらってから退職する場合でも、転職活動は計画的に進める必要があります。

理想のタイミングでの転職を実現するために、以下の点に注意して準備を進めましょう。

このように早めに転職活動をスタートし、計画通りに進められるように準備をしておきましょう。

ボーナスをもらって辞めるタイミング

ボーナスをもらって退職するタイミングは、円滑な退職や自分に合った転職を実現させるために非常に重要です。

例えば、ボーナス支給から2週間以降や引継ぎに十分な時間が確保できる期間、次の就職先の入社に合いやすい時期などを見極めましょう。

また、繁忙期を避けることも大切であり、会社にとっての繁忙期を把握しておくことが大切です。

ボーナスをもらって円満に退職する4つのコツ

ボーナスをもらって円満に退職するためには、以下の4つのコツをおさえておきましょう。

それぞれ詳しく解説します。

ボーナス前であれば1ヶ月〜1ヶ月半前までに伝える

ボーナス支給前に退職の予定を伝える場合は、給与への影響を考慮して、適切なタイミングを選ぶ必要があります。

一般的には、ボーナス支給の1ヶ月から1ヶ月半前までに伝えることで、会社側も対応を検討する時間的余裕が生まれ、円満な退職につながりやすくなるでしょう。

ボーナスのことだけではなく、退職時の業務引き継ぎに関しても配慮し、早めに伝えることが大切です。

ボーナスをもらってからは2〜3週間後までに伝える

ボーナス支給後に退職の予定を伝える場合は、支給から2〜3週間後が適切なタイミングとされています。

これは、会社に対する配慮を示すことにつながるでしょう。

ボーナスをもらった後のため、残業代や有休消化などが中心となり、退職金の計算に影響が出にくいことが特徴です。

また、業務引き継ぎの時間を十分に確保できたり、社内の人間関係を良好に保ちながら退職できたりといった利点があります。

仕事の引き継ぎは確実に行う

円満退職の重要なポイントとして、確実に引き継ぎを行うことが挙げられます。

例えば、担当業務の棚卸しを行い、詳細な引継ぎ資料の作成をしたり、後任の担当者への丁寧な説明をする必要があります。

また、会社内の引き継ぎだけではなく、取引先への正しい挨拶と後任者の紹介なども行うことが大切です。

これらの引き継ぎを確実に行うことで、会社に迷惑をかけず、スムーズな退職が可能となります。

転職活動をしていることは直接伝えない

転職活動中であることは、基本的に会社には伝えない方が無難です。

万が一、転職活動をしていると伝えた場合、職場の雰囲気が悪化する可能性や重要な仕事を任せてもらえない恐れがあります。

また、ボーナスに影響が出る場合や転職活動自体に問題が出る可能性があるでしょう。

円満退職するためには、退職するときまで転職活動をしていると自ら伝えないことも大切です。

関連記事：ボーナス前に退職するのはもったいない！損せずに退職する方法について解説

ボーナスをもらって退職するスケジュール例

ボーナスをもらって退職するスケジュールとして、夏のボーナスと冬のボーナスに分けてご紹介します。

夏のボーナス（6月支給）の場合

6月支給の夏のボーナスに向けて退職する場合は、4月に転職活動をスタートすることを意識しましょう。

5月は面接や内定獲得を目指し、6月のボーナス支給に向けて進めていきます。ボーナスをもらった後、7月上旬に退職願を提出します。

スムーズに進めていければ、 8月末に退職が可能になります。

冬のボーナス（12月支給）の場合

12月支給の冬のボーナスに向けて退職する場合は、10月に転職活動をスタートすることを意識しましょう。

11月は面接や内定獲得を目指し、12月のボーナス支給に向けて進めていきます。ボーナスをもらった後、1月上旬に退職願を提出します。

スムーズに進めていければ、 2月末に退職が可能になります。

ボーナスをもらって辞めるときのよくある質問

ボーナスをもらって辞めるときのよくある質問をまとめています。

退職後にボーナス請求できる？

退職後のボーナス請求については、原則として難しいとされています。

ただし、以下のような場合は例外的に請求できる可能性があります。

自分のケースや会社の規約をしっかりと確認し、退職後にボーナス請求ができるかどうかを把握しておきましょう。

退職を理由にボーナスをもらえない会社はある？

退職を理由にボーナスがもらえない会社は存在します。

例えば、会社の規約で明確に定められている場合です。

会社によっては、過去の退職者でボーナスをもらえない場合や労働者の権利を不当に制限している規定を設けている場合もあります。

自身の会社規定について、十分に確認しておくことが大切です。

ボーナスをもらってすぐ退職したら返還を求められる？

会社によっては、ボーナス支給後すぐの退職に対して返還を求める規定を設けている場合があります。

会社が返還を求める場合は、合理的な返還期間の設定や返金額の妥当性などの条件を満たすことが必須です。

年俸制の場合ボーナスは出ない？

会社によっては月給制ではなく、年俸制の場合があります。

このケースでは、通常のボーナスという形で支給されるわけではなく、年俸の中に賞与相当額が含まれていることが一般的です。

ボーナスをもらって退職するときの対応方法

ボーナスをもらってす退職する際に不安や相談がある場合は、ハローワークや退職代行サービス、失業保険サポートを利用することもおすすめです。

ハローワーク

職業安定所（ハローワーク）は、国が運営する公的機関として、就職支援から雇用保険まで定期的なサービスを提供しているため、退職者にとって心強い味方になります。

相談や利用料が完全無料であり、地域密着型の豊富な求人情報を提供してくれることが特徴です。

そのほかに、専門的な職業カウンセリングが受けられたり、再就職手当や教育訓練給付金など、様々な支援制度のご案内が受けられたりします。

初めての退職・転職を考える方でも、経験豊富な職員が丁寧にサポートしてくれるため、安心して相談できる環境が整っています。 まずはハローワークに足を運んでみることをおすすめします。

退職代行サービス

退職代行サービスは、退職に関する手続きや交渉を専門的に代行する民間サービスです。ボーナス獲得後、スムーズな退職を実現したい方にとって、有効な相談先となります。

主なサービスの内容としては、24時間365日の相談対応や退職交渉の代行、法的な視点からの専門的なアドバイス、煩雑手続きの一括代行などがあります。

特に、退職時のトラブルを回避したりパワーハラスメントなどの職場の問題を抱えている方や直接の交渉に不安がある方の退職をサポートしたりといった点が強みです。

ただし、会社によってサービス品質に差があり、対面でのサポートが制限される場合もあります。サービスを選ぶ場合は、実績や評判を十分に確認するようにしましょう。

関連記事：退職代行おすすめ23社比較ランキング【最新版】サービス内容や料金・評判を解説

失業保険サポート

失業保険サポートは、雇用保険に関する手続きや相談を専門的にサポートする民間のコンサルティングサービスです。 雇用保険に関する複雑な手続きをスムーズに進めるためのサポートを提供します。

退職後にもらえる失業給付は一般的に3ヶ月間ですが、申請方法によっては最大10ヶ月間もらえるケースもあります。

失業保険サポートを利用することで、10ヶ月間で最大250万円の支給や最短で退職日の1ヶ月後から受け取れること、再就職手当が一括給付されることが特徴です。

また、経験豊富なコンシェルジュが担当につき手厚いサポートが受けられます。

まとめ

ボーナスを受け取って退職することは、適切な準備と配慮があれば十分に実現可能です。

ただし、会社の規定をしっかりと確認し、適切なタイミングで退職を伝えるようにしましょう。

退職に向けて後任者に対して誠実な引き継ぎを行い、計画的な転職活動を続けることが大切です。

このような点に注意しながら、自分のキャリアプランに沿った決断を行うことが、円満な退職につながります。 転職は人生の大きな転機になりますので、慎重かつ前向きに進めていきましょう。

ボーナスもらって辞めることに不安や悩みがある場合は、お住まいのハローワークや退職代行サービス、失業保険サポートに相談してみてください。