施工管理で働いているものの、将来性やキャリアアップの観点から設計への転職を考える人は少なくありません。

設計は、建設業を含めたものづくりにおいて重要な工程であり、どのような製品やサービスを開発する際に主軸となる職種です。

施工管理から設計への転職は、転職を成功させるコツについて確認しておくと、有利に転職活動を進められます。

本記事では、施工管理から設計への転職は可能かどうかや、設計への転職を成功させるコツを詳しく解説します。

関連記事：建築・建設業界に強いおすすめ転職エージェント12選｜選び方のコツや注意点も解説

施工管理から設計へ転職できる？

施工管理から設計への転職が可能かどうか気になる人は多い傾向にあります。

ここでは、設計へ転職する場合の実情について詳しく解説します。

建築士資格がないと難しい

結論、施工管理から設計への転職は建築士資格がないと難しいといえます。

設計は建築物を作成する重要なフェーズであるため、企業の多くは即戦力となる人材を採用したいと考えています。

建築士資格がなければ、客観的なスキルの証明が難しく、設計に関して未経験者と判断されてしまい採用してもらえる確率が低くなるでしょう。

仮に採用してもらえても、未経験者採用となるため、施工管理のときよりも年収や待遇が下がる可能性があります。

施工管理よりも高年収を実現したい人や、年収を維持したいと考えている人は、建築士資格を取得してから転職するようにしましょう。

施工管理経験が浅い人には不向き

施工管理における経験が浅い人は、設計に不向きな可能性があります。

設計は、クライアントのニーズや求める仕様などを目に見える形にする業務内容であり、図面作成が中心となります。

そのため、施工管理経験が浅く図面を見る機会が少ない人は、クライアントの求める図面をうまく作成できない可能性が高いです。

そのため、未経験者の転職も可能ですが、まったくの未経験よりも専門学校や大学、施工管理である程度図面のことがわかる人の方が採用されやすいでしょう。

施工管理に就いてから年数が浅い方は、経験をある程度積んでから設計へ転職することがおすすめです。

設計に向いている人の特徴

設計に向いている人の特徴は、次のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

建築士資格を保有している人

建築士資格を保有している人は、設計の仕事に向いているといえるでしょう。

建築士資格を取得していると、建築物の設計を含め、指導監督や行政手続き、工事監理などの幅広い業務に携わることが可能です。

一級建築士を保有している場合は、学校や病院などの規模の大きい建築物に関する設計や工事監理にも携われるため、キャリアの幅が広がります。

また、設計への転職は建築士の知識・スキルのある人を企業は求める傾向にあります。このように、客観的な知識・スキルを証明できる建築士資格のある人は、転職活動でも有利に進められるでしょう。

一時的に給料が下がっても問題ない人

施工管理から転職する場合、建築士資格があるとしても設計に関しては未経験であるため、今よりも給与や待遇が下がる可能性があります。

そのため、一時的に給料が下がっても問題ない人に向いているといえるでしょう。

はじめは給料が低くても実績を積むうちに、昇給や昇進によって給料は上がります。

また、建築士資格がない場合の転職ではより待遇が悪くなる可能性があるため、現職の待遇をある程度維持したいと考えている方は、建築士資格の取得に励みましょう。

もとから設計士になりたい願望があった

昔から設計士になりたい願望があった人は、設計の仕事に向いています。

設計の仕事に対してのモチベーションが高いため、面接の際には採用担当者に熱意をアピールできます。

また、昔からなりたい願望が強く施工管理から転職する場合は、よりやりがいを持って働くことができるでしょう。

施工管理から設計に転職する場合は、設計士に憧れていた理由や、施工管理から設計を目指す理由などを面接の際に聞かれる可能性が高いです。

このことから、事前に質問に対しての解答を用意しておくと、説得力を上げられるほか、即戦力と判断してもらえる可能性もあるためおすすめです。

施工管理から設計に転職する際の注意点

施工管理から設計に転職する場合は、次の点に注意が必要です。

それぞれ詳しく解説します。

事前に注意点について確認し、転職で失敗しないように対策を講じておきましょう。

工事管理ばかり任されることがある

施工管理から設計へ転職した場合は、工事管理ばかり任される可能性がある点には注意が必要です。

現場での経験がある施工管理は、設計よりも現場での経験・知識を活かせると考えられ、現場業務に近い業務を任される可能性があります。

工事管理ばかりにならないためには、企業研究の段階で施工管理経験者が設計士として活躍しているかどうかや、設計と施工管理が分担制となっていないか確認しておきましょう。

夜遅くまで仕事がある

図面の仕事は、プロジェクトによっては夜遅くまで残業が発生する点には注意が必要です。

施工管理も夜遅くまで仕事がありますが、設計の場合も納期が設けられており、案件数が多かったり、納期に近くなったりするほど勤務時間は長くなるでしょう。

家族との時間などワークライフバランスを重視している人は、設計の働き方が自身に適しているのかどうかをよく確認する必要があります。

設計ならではの図面作成に苦労する

施工管理と設計では、図面作成の目的が異なるため、設計ならではの図面作成に苦労する可能性がある点には注意しましょう。

設計士が手がける図面は、クライアントや行政に提出するための図面に対して、施工管理が手がける図面は工事を進めるためのものです。

いずれも建築物の完成においては不可欠ですが、施工管理での図面作成に慣れているうちは、設計としての図面を作成できるようになるまで苦労するでしょう。

施工管理から設計への転職を成功させるコツ

施工管理から設計への転職を成功させたい方は、次のコツについて確認しておきましょう。

それぞれ詳しく解説します。

事前に転職を成功させるコツを確認し、転職活動を有利に進めましょう。

自己分析で施工管理の経験・スキルを棚卸しする

設計への転職活動を成功させたい場合は、自己分析で施工管理に関する経験・スキルの棚卸しをおこないましょう。

企業の採用面接では、自己PRを求められる場合が多くあり、エピソードを交えながら伝えると具体性があるため、相手に伝わりやすくなります。

とくに、施工管理では、建築や工事に関する深い知識や経験に加えて、部下のマネジメントや円滑なコミュニケーション能力が身につきます。

このように、設計に活かせるスキルは多数存在するため、転職活動では積極的にアピールするようにしましょう。

企業研究をおこなう

施工管理から設計への転職を成功させるためには、企業研究が重要です。

企業研究の際に、企業理念や求める人物像、業務内容などをよく確認しておくと、自身のニーズに合う企業かどうかの見極めに役立ちます。

とくに、説得力のある志望動機の作成につながるほか、入社後のミスマッチも防止できます。

そのため、施工管理から設計へ転職する場合は、工事監理ばかりにならないように、事前に工事監理と設計が分担されていないか、施工管理の人が活躍しているかもあわせて確認しておきましょう。

ポジティブな退職理由を考える

転職活動では、なぜ転職を考えたのかを聞かれる場合が多いです。

その際に「施工管理の仕事がきついから」などのネガティブな退職理由だと、企業に良い印象は与えられないでしょう。

仕事がきついから転職したと伝えた場合は、企業から「また同じ理由で辞めるのでは」と思われてしまうため、不採用となる可能性は高くなります。

施工管理から設計へ転職する際は「キャリアアップのために転職を決意しました」「施工管理の仕事を通じて設計に興味が湧いてきた」などと、ポジティブな退職理由を伝えるようにしてください。

在職中に転職活動をおこなう

施工管理から設計への転職を成功させたい場合は、可能な限り在職中に転職活動をおこなうようにしましょう。

退職してからの転職活動の場合は、転職先が見つかるまでは貯金を崩しながら取り組む必要があります。

転職活動以外に経済的な面で心配する必要がでてくるため、焦りから納得のいく転職ができない可能性が高くなるでしょう。

そのため、焦ったまま転職できたとしても、入社後に「思っていたのと違う」とミスマッチにつながるリスクも高くなります。

このように、経済的かつ心に余裕のある状態で転職活動に取り組むためにも、可能な限り在職中の活動がおすすめです。

転職エージェントを利用する

施工管理からの設計には、転職エージェントの利用がおすすめです。

転職エージェントでは、履歴書や職務経歴書の作成から面接、入社までの手続きなど転職活動をトータルサポートしてもらえます。

自己分析が苦手な人の場合は、転職エージェントが客観的な目線から強みを分析してくれるため、採用担当者が納得できる自己PR作成にもつながるでしょう。

また、希望条件や適性のある企業の求人紹介を受けられる点も転職エージェントのメリットです。

自身のみの転職活動よりも、より適性のある企業へ転職できる可能性が高くなるため、入社後のミスマッチを防ぎたい人にもおすすめです。

そのため、施工管理から設計への転職に自信のない人は、転職活動を全面的にサポートしてもらえる転職エージェントの利用を検討してみてください。

関連記事：転職エージェントの賢い使い方｜利用の流れや使い倒すコツを徹底解説

施工管理から設計への転職におすすめの転職エージェント

施工管理から設計への転職におすすめの転職エージェントは、次のとおりです。

それぞれ特徴やサービス内容を詳しく解説します。

自身に適した転職エージェントを利用し、設計への転職活動を成功させましょう。

ビルドジョブ

RSG建設転職

リクルートエージェント

施工管理から設計に関するよくある質問

施工管理から設計の転職に関するよくある質問は、次のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

同様の悩みを抱えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

施工管理で身につく転職で有利なスキルはありますか？

施工管理は、転職で次のようなスキルをアピールできます。

施工管理の業務を通じて、スケジュール管理やマネジメントスキル、コミュニケーションスキルなどさまざまなスキルが身につきます。

転職の際には、施工管理でのエピソードを交えてスキルをアピールすると、採用してもらえる確率が高くなるためおすすめです。

設計の平均年収はどのくらいですか？

転職会議の調査によると、設計の平均年収は約470万円と報告されています。

日本全国の平均年収が約460万円であるため、比較すると高水準であるといえるでしょう。

年収に関しては、設計の経験や実績を積むうちに上がるため、努力次第では高年収も実現可能です。

転職エージェントは無料で利用できますか？

転職エージェントは、無料で利用可能です。

人材採用を効率化したい企業から求人掲載や人材紹介の依頼を受け、求職者に対して転職サポートをおこないます。

面談や転職サポートを通じて企業が求める人材と求職者の希望条件がマッチする場合に、選考に参加させ、入社が決まった場合に企業側から成果報酬が支払われます。

転職エージェントは、企業の求める人材の採用が決まった場合に報酬が支払われるビジネスモデルであるため、無料で利用可能です。

まとめ | 施工管理から設計への転職には転職エージェントがおすすめ

施工管理から設計への転職を成功させたい場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。

転職のプロであるキャリアアドバイザーから書類添削や面接対策に加えて、建設業界や不動産業界などに特化した転職サポートが受けられます。

また、強みや弱みを客観的に分析してもらえるほか、希望条件やスキルレベルにマッチした求人紹介を受けられる点も大きなメリットです。

自身のみの転職活動よりも、効率よく進められるほか、希望条件にマッチする企業へ転職できる確率が高いため、設計への転職を成功させたい人は転職エージェントがおすすめです。