弁護士は、転職市場において売り手傾向が続いています。しかし、売り手傾向だからといって無策で成功するほど転職は簡単ではありません。
本記事では、弁護士の転職において必要な情報をおまとめしています。
転職先別の採用傾向や転職手段、おすすめの転職エージェント、選考対策など、弁護士の転職で押さえるべきポイントを確認できるので、転職を検討している弁護士の方はぜひ参考にしてください。
目次
弁護士の転職市場動向
はじめに、弁護士の転職市場の現状について解説します。
弁護士の転職は売り手市場
法律事務所の数は年々増加しており、それとともに勤務弁護士数の数も増加を続けています。
法律は常に更新されて複雑化しているため、最新の法やルールに則って問題に対処するために、弁護士という専門家が必要とされています。社会が発展や変化を遂げるほど、必要とされる職業です。
特殊なキャリアでない限りは、転職先となる法律事務所は多数存在し、転職しやすい市場状況となっています。
年 | 法律事務所数 | 所属弁護士数 |
---|---|---|
2019年 | 17,252 | 41,118 |
2020年 | 17,417 | 42,164 |
2021年 | 17,772 | 43,206 |
参考:法律事務所の共同化及び弁護士法人の現状|弁護士白書2021年版|日本弁護士連合会
ただし司法修習生の就職活動とは違って、弁護士のキャリア採用においては実力が重視されます。受け入れ先は数多く存在するものの、理想の転職を実現するためには相応のスキルや経歴を持ち合わせていなければなりません。
実際にどのレベルのスキルや経歴が必要とされるのかは、のちほど詳しく解説します。
企業内弁護士の需要が拡大
企業での弁護士採用が活発化しています。採用企業数・所属弁護士数ともに増加傾向にあります。
年 | 採用企業数 | 所属弁護士数 |
---|---|---|
2021年 | 1,324 | 2,820 |
2022年 | 1,372 | 2,965 |
2023年 | 1,429 | 3,184 |
参考:企業内弁護士を多く抱える企業上位20社(2001年~2023年)|日本組織内弁護士協会
以前は、企業に関わる弁護士といえば外部顧問や社外役員のイメージが強かったのですが、弁護士を正社員として採用する企業が増えています。その背景として、コーポレートガバナンスや国際的競争力、コンプライアンスの強化を重要視する傾向が強まっていることが挙げられます。
50期台以上の企業内弁護士数はほとんど変化がありませんが、60期台と70期台は年々増加していることが分かります。20代から40代前半くらいまでの若手・ミドルクラスの企業内弁護士が増えていると言えます。企業への転職は、20代~40代を中心に一般化しつつあります。
修習期/年度 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|---|
20期台 | 1 | 1 | 1 |
30期台 | 12 | 8 | 5 |
40期台 | 63 | 60 | 64 |
50期台 | 446 | 445 | 446 |
60期台 | 1,884 | 1,937 | 1,995 |
70期台 | 397 | 493 | 649 |
弁護士の転職と年齢の関係
年齢が高いと経験・スキルと報酬面のバランスが難しくなってくるので、転職先の選択肢が狭まる場合があります。しかし弁護士は経験や実績が重視される職種なので、一般的な職種と比べて年齢による影響は少ないと考えられます。経験が少ない20代の弁護士よりも30代~40代の経験豊富な弁護士を求める法律事務所は多いです。
ただし、事業会社や金融機関などの法務部で働く場合は、弁護士というより法務スキルのあるビジネスパーソンという位置づけになるため年齢が考慮されるケースがあります。採用にあたり年齢制限を設けることは原則禁止ですが、実際には年齢を気にする採用担当者は少なくありません。
理由は組織へのなじみやすさや教育・指導のしやすさなどです。事業会社などへの転職は年齢が若いうちに行動するのがよいでしょう。
弁護士が転職と年収の関係
年収は転職先の種類や規模、経験年数などさまざまな要素が絡むため一概にはいえません。
あくまでも目安をお伝えすると、法律事務所の場合は経験年数5年未満で500万円~800万円、5年以上で600万~1,000万円ほどです。ただしここに個人受任分は含まれていないので、個人受任が多い方はさらに年収が上がる場合があります。
また四大法律事務所の場合は1年目から1,000万円を超え、経験年数5年程度で2,000万円に到達する人もいます。インハウスは500万~750万円が目安です。
弁護士の主な転職先と採用傾向
弁護士のよくある転職先としては、以下が挙げられます。
- 法律事務所
- 事業会社
- 金融機関
- コンサルティングファーム
各転職先の概要と、採用傾向を紹介します。
法律事務所
弁護士の中途採用でメインとなるのが法律事務所です。事務所の形態や取り扱い分野によって採用傾向には違いがあります。
渉外系法律事務所
外国とのビジネス法務に関する案件を扱っているのが渉外系法律事務所です。渉外系法律事務所はここ数年、積極的に採用を実施しています。留学や出向のチャンスを得られる可能性もあるので、海外志向の強い方はチャレンジしてもよいでしょう。ただし、語学力が求められるのはもちろん、司法試験の成績を加味される場合もあります。体力的にもハードなので心身のタフさが求められます。採用ハードルは高く、非常に狭き門です。
一般民事法律事務所
離婚や交通事故、債務整理など多様な個人案件を扱うのが一般民事法律事務所です。弁護士数10人未満の小規模事務所が中心です。即戦力として事務所の売上げに貢献してくれる人材を求めているので、案件をどんどん獲得してくれる営業力・行動力のある方は歓迎されます。数は多くないですが、全国に支店があるような大規模一般民事事務所もあります。この場合は全国転勤可能かどうかも応募条件に含まれます。
企業法務系法律事務所
企業を相手にリーガルサービスを提供するのが企業法務系法律事務所です。企業の顧問弁護士としてリーガルアドバイスや予防法務などを提供するほか、M&Aやキャピタルマーケット、知的財産に関する業務なども行います。企業法務系への転職では専門的な法律知識のほかにビジネス的な視点や業務のスピードなども求められます。また企業法務は大手や準大手事務所が扱うケースが多く、五大法律事務所出身者や元裁判官・元検察官など弁護士の中でもとくに優秀な人材を好む傾向があります。
ブティック系法律事務所
ブティック系は特定分野に特化した法律事務所です。金融や労働、知財、倒産などさまざまな分野を得意とする事務所があります。東京を中心に、専門性を追求することで他事務所との差別化を図る動きが広がっており、採用も積極的に行っています。専門性の高い人材がターゲットであることから、経験者採用が基本です。
事業会社
大企業や上場企業を中心に法務部を強化する動きが広がっており、弁護士を募集するケースが増えています。業務内容は契約法務を中心として、戦略法務やリスクマネジメント、訴訟対応などもあります。基本的に経験者採用ですが、すでに複数の弁護士がいるような企業ではポテンシャル採用もあります。
金融機関
金融機関の法務部でも弁護士を募集している場合があります。一般事業会社と同じく契約・取引法務やコンプライアンス、法的リスクマネジメント業務などを行います。違うのは、より金融面に特化した法律や業務への理解が求められる点です。たとえばインターネットバンキングや外貨、仮想通貨といった金融業界独特の知識も身につけておくほうがよいでしょう。
コンサルティングファーム
弁護士をピンポイントで募集しているわけではありませんが、コンサルティングファームも弁護士を採用するケースがあります。弁護士業務とコンサル業務には類似する点があるため、資格というよりも能力やスキルを評価して採用するパターンが多いでしょう。
弁護士の主な転職手段とメリット・デメリット
最後に、弁護士の転職活動方法について解説します。方法ごとの特徴とメリット・デメリットを確認しておきましょう。
人脈・コネを使って紹介してもらう
弁護士の転職では定番なのが、人脈や縁故関係を使って紹介してもらう方法です。移籍した先輩弁護士や元同期、司法修習生時代の仲間などから声をかけてもらうケースが該当します。自分をよく知る人物が、その事務所に合うと思って紹介してくれるので、ミスマッチが少ないのがメリットです。
一方、人間関係が絡むため内定を断りにくい・辞めにくい、条件交渉しにくいとったデメリットがあります。
採用ホームページを見て直接応募する
法律事務所や企業の採用ホームページを見て自分で応募する方法です。興味のある事務所や企業にピンポイントでアプローチするので、志望度が高いと思われやすく、好印象を与えやすいのがメリットです。求人サイトや転職エージェントでは扱っていない事務所・企業にも応募できます。
一方、採用ホームページだけでは応募先の情報量が不足しているため、選考対策が甘くなりがちです。応募先探しや採用担当者と直接やり取りする手間があるため、効率的な活動方法とはいえません。
求人サイトを見て直接応募する
求人サイトで希望条件を入力して検索し、興味をもった事務所や企業へ直接応募する方法です。自分のペースで転職活動を進められ、どの求人に応募するのかも自分で自由に決められます。一方、応募先の見極めは自分でするしかないこと、自己応募なので採用担当者と直接やり取りする手間があることなどがデメリットです。
転職エージェントに紹介してもらう
エージェントに対してあらかじめ希望の条件などを伝えておき、マッチする求人があれば紹介してもらう方法です。メリットは転職活動全体のサポートを受けられる点です。求人探しや応募書類の添削、面接対策、条件交渉など多方面からサポートしてもらえます。転職活動を効率的に進められるでしょう。一般に公開されない非公開求人にも応募できます。
一方、自由に応募先を選べないこと、担当のキャリアアドバイザーと相性が合わない場合があることなどがデメリットです。
弁護士が利用するべき転職エージェントおすすめ5選
弁護士は転職において売り手市場でありながらも、転職先や自身の経歴によって選考対策の方法が変化するため、弁護士のキャリアに精通した転職エージェントのサポートを受けることをおすすめします。
弁護士の転職を支援してくれる転職エージェントを、おすすめ順に5社紹介します。
NO-LIMIT(ノーリミット)
公式サイト:https://no-limit.careers/
NO-LIMITは、弁護士の転職を専門に扱う転職エージェントです。弁護士専門の集客支援サービスから誕生した人材紹介サービスなので、法律事務所の内情や経営状況・弁護士キャリアに対する見識が深く、市場の流れに合った幅広いキャリアを提案してくれます。
一般民事法律事務所の求人が豊富ですが、企業法務やインハウスの求人も多数扱っています。
NO-LIMITのキャリアアドバイザーは法律事務所の内情や代表弁護士の人柄など、細かいけれど知っておきたい情報まで事前に提供してくれるため、マッチングの精度が高いのが魅力。
応募書類の作成や面接対策などのサポートも手厚く、利用者からは希望した先から内定をもらえたとの声も多く聞かれました。
メリット:弁護士業界に精通したアドバイザーが求人紹介やアドバイスをおこなうため、大量の求人紹介よりもマッチング精度と定着率を重視したスキルマッチ・条件マッチに強み。書類通過率90%と非常に高い。
デメリット:主要都市はカバーしているものの、人口が少ない地方都市の求人は少なめ。
公式サイト:https://no-limit.careers/
リーガルジョブボード
リーガルジョブボードは、弁護士に特化して転職支援をおこなっているエージェントです。
エージェントサービスのほかスカウトを受け取ることもできるので、思いもよらない好待遇オファーに出会える可能性があります。匿名の状態でスカウトを受け取れるので、転職状況が現職や知人に知られる心配はありません。
メリット:弁護士特化型としては珍しく、スカウトを受け取れる。
デメリット:エージェントと企業の連絡が混雑しないように、整理が必要。
公式サイト:https://legal-job-board.com/
弁護士転職.jp
弁護士転職.jp(株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社)は弁護士・法務職の転職に特化した転職サイトです。
司法試験制度改革後に新たな弁護士が誕生した2007年から法曹業界で転職支援を行ってきた実績があり、弁護士特化型のエージェントの中では老舗の部類に入ります。
経験年数が少ない弁護士向け求人と、経験豊富な弁護士向け求人のどちらも扱っているため、幅広いタイプの弁護士にマッチする可能性があります。
弁護士転職.jpは直接応募する求人サイトとしての側面と、サポートを受けながら非公開求人に応募する転職エージェントとしての側面があります。自分の希望に合わせて転職活動を進められるのもメリットでしょう。
メリット:豊富な公開求人を保有。検索機能が見つかりやすい。
デメリット:地方の求人やインハウス求人は少なめ。
弁護士ドットコムキャリア
弁護士ドットコムキャリアは弁護士や企業の法務職に特化した転職エージェントです。弁護士相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」が運営しているため、弁護士業界に詳しいコンサルタントのサポートを受けることができます。
業界内での知名度が高いこと、弁護士ドットコムの運営で築いたネットワークがあることにより、独自案件を多数保有しているのが特徴です。高年収やキャリアアップが叶う求人が多いと求人の質に定評があります。
大手法律事務所やそのほかの法律事務所、一般企業の求人を扱っていますが、意外にも企業の案件の方が多いため企業内弁護士を希望する方におすすめです。
メリット:弁護士業界に詳しいコンサルタント、弁護士ドットコムの運営で築いたネットワークに魅力。
デメリット:同じ事務所のものと思われる求人が多数あるため事務所単位の求人数に注意。
公式サイト:https://career.bengo4.com/
BEET-AGENT
公式サイト:https://beet-agent.com/
BEET-AGENTは管理部門・バックオフィス経験者の転職支援に強みがあるエージェントで、とくに企業内弁護士など法務人材の転職支援の実績が豊富です。
企業内弁護士の採用数は年々増えているものの新規の求人はあまり市場に出回らないため、BEET-AGENTのような特化型転職エージェントに紹介してもらうことをおすすめします。新着求人が集まるほか、企業側が候補者を厳選したい好待遇の非公開求人を多数保有しています。
事業会社への転職を検討している方は、まずBEET-AGENTに登録しましょう。
メリット:企業内弁護士の優良求人を多数保有。同社の他サービスで弁護士の転職支援をおこなっているため、弁護士のキャリアを熟知している。
デメリット:老舗企業・大手企業の弁護士求人はもともと発生しづらいため、少なめ。
公式サイト:https://beet-agent.com/
弁護士の転職を成功に導く事前準備とは?
ここからは、弁護士が採用されるためにどんな準備をしておくべきかを解説します。
転職で実現したいことや将来のビジョンを明確にする
そもそもなぜ転職するのか、将来のビジョンは何かが明確になっていないと、応募先を選定する基準が定まりません。また面接では、転職で実現したいことや将来のビジョンに関する質問におよぶ場合が多くあります。採用側は、応募者のキャリア志向と自社の方向性が一致するかどうかを確認したいと考えているからです。
自身の強みや転職に求める条件を分析する
得意な分野や自信があるスキル、応募先に求める条件を分析することで、適切な応募先を選定できます。応募の際にも、自分の強みを伝え、応募先に貢献できる人材であることをアピールできるでしょう。
応募先の特徴や求める人材像を把握する
面接ではなぜこの事務所・企業を選んだのかといった質問が必ずあるので、企業研究は欠かせません。取り扱い分野やとくに力を入れている分野、どんな人材を求めているかなどの情報を幅広く収集し、対策を立てましょう。
論理的で魅力的な応募書類を作成する
採用側は弁護士の応募書類を通じて、業務経験や実績だけでなく論理力や素質、仕事に対する姿勢などを見ています。また弁護士は文書作成業務や契約書チェックなどがメイン業務のひとつなので、文章力もチェックされているでしょう。論理的で魅力的な応募書類を作成することは、ほかの職種以上に重要なポイントです。
しっかりアピールできるように面接対策を行う
弁護士の転職は基本的に弁護士が競合なので、弁護士であること自体で差別化を図ることはできません。ほかの応募者に埋もれないためにも、面接対策は行っておきましょう。
とくに重要なのは志望動機です。その応募先ではならない理由を語れるか、自己PRとの一貫性があるかがポイントになります。また業務内容については、自分の経験と紐付けながら具体的に説明できるように準備しておきましょう。
最近は、オンラインで面接や面談を実施するケースが増えています。。機器や周辺環境、背景、声の大きさや話すスピードなどオンライン面接ならではの注意点がありますので押さえておきましょう。
【応募先別】弁護士の転職における選考対策のポイント
応募する際のポイントについて、応募先ごとに解説します。
法律事務所のポイント
法律事務所の場合は、事務所の規模によって見られるポイントが異なるため、アピールするべき点も変わってきます。
大手・準大手
大手事務所やそれに次ぐ準大手事務所でポイントになるのは専門性です。特定の領域で高い専門性を発揮してきた場合、応募先の取り扱い領域とマッチすれば評価される可能性が高いです。とくにITや金融、医療など昨今の需要が高い領域で経験があれば評価される可能性があります。また大手・準大手は国際的な案件を扱うケースが多いので、語学力が求められることもあるでしょう。ほかには、チームで取り組む大型案件が多いので、ほかの弁護士との協力体制を築ける人物かどうかもチェックされます。
中堅・小規模
中堅の事務所や小規模事務所では、一人で案件を担当するケースも多いので、自分だけで業務を完結できるだけの幅広い知識と経験が求められます。これらの事務所では弁護士不足が顕著なので、これまでの経験をしっかりとアピールすれば採用される可能性を大きく上げることができます。なお、ブティック系法律事務所の場合は専門性が求められるため、特定分野の経験をアピールする必要があります。
一般事業会社のポイント
一般事業会社は、組織の一員として人間関係を構築できる人物かを見られます。法律事務所勤務の弁護士は業務委託契約の方が多く基本的に自由な働き方をするので、事業会社のように組織化された職場でやっていけるのかという懸念があります。この点、事業会社の経験がある方や組織化された大手法律事務所で働いていた方であれば有利でしょう。
また基本的に1名ないし2名の少人数募集なので、タイミングが非常に大事です。求人を見つけたらすぐ応募するくらいの意識でいないとすぐに埋まってしまいます。応募の際には、法律事務所ではなくなぜ企業に転職したいのかを説明できるようにしておきましょう。
金融機関のポイント
金融機関では、応募先の具体的な取り組み内容を理解することが重要です。同じ金融機関でも求められる能力は違うため、業務内容や役割をよく確認しておきましょう。金融法務に関する幅広い知識や、企業の成長に合わせて適切なアドバイスをするスキルなどもアピールしましょう。
コンサルティングファームのポイント
コンサルティングファームに採用されるには、これまでの経験や自身の能力・スキルの中で実際のコンサル業務に役立つ点をアピールすることが大切です。たとえば論理的思考力や情報収集力・文章力などは弁護士が長けている部分であり、コンサルにもそのまま転用できます。また法律面で課題を抱えているクライアントに対しては弁護士としての知見を活かしたアドバイスが可能です。筆記試験対策やケース面接対策、ビジネス・経済の情報をキャッチアップしておくことなども必要でしょう。
弁護士の転職における採用側のチェックポイント6つ
採用側は、弁護士のどんな点を重視して採用しているのでしょうか。採用側のチェックポイントを押さえることで、選考対策がしやすくなります。
得意領域や経験、専門スキル
採用側が弁護士を中途採用する際にもっとも重視しているといってよい項目です。ただし、経験やスキルが豊富ならよいというわけではなく、応募先が求める経験・スキルがあるのかが重要です。そのため自身が持つ経験やスキルにマッチする応募先を選定することも大切になってきます。
ポータブルスキル
ポータブルスキルというのは持ち運び可能なスキル、つまりどの業界や職種でも通用する汎用性の高いスキルのことです。たとえば語学力や交渉力、コミュニケーションスキル、論理的思考力といったものが該当します。弁護士の場合、法律の知識だけでなくこれらのポータブルスキルも非常に重要な職種なので、しっかりチェックされています。
顧客数
パートナー候補を採用する場合には顧客数もチェックされます。多くの顧客をもち、すぐにでも売上に貢献してくれそうな人材であれば採用される確率はかなり高いでしょう。
司法試験の成績
弁護士は経験が重視される職種なので、司法試験の成績はまったく気にしない法律事務所も多くあります。ただし法律事務所によっては重視する場合があり、とくに大手法律事務所への転職を希望する1年~3年目の若手弁護士については見られやすい点です。もっとも、司法試験の成績がよければ採用されるというわけではありません。コミュニケーション能力や人物特性などその他の要素も含めて判断されます。
人間性
人間性や人柄などを重視する法律事務所や企業もあります。たとえば顧客と誠実に向き合えるか、仕事への意欲が高いか、ほかの弁護士やスタッフとうまくやっていけるかといった点です。規模が小さい法律事務所の場合は所長である弁護士との相性も重視されます。
志望度の高さ
志望度が高いかどうかも重要です。志望度が高くないと入所してもモチベーションを維持できるかといった点が懸念されますし、そもそも内定を受諾するかどうかも分かりません。もちろん、志望度だけで判断されるわけではないですが、志望度が高いと採用担当者の印象に残りやすいことは確かです。
弁護士の求人例
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まとめ
弁護士の中途採用市場は売り手傾向が続いています。コロナ禍の影響は限定的、インハウスのニーズは堅調です。ただし、採用されるには応募先の特性に合わせた適切な対策が必要です。希望のキャリアを実現できるよう、万全の準備と対策を行っておきましょう。