電気工事士は、一般家庭や工場、ビルなど建物の電気設備に関する工事や配線設置などをする職業です。

電気工事士は電気を扱う仕事のため、常に危険との隣り合わせの状態だったり、体力仕事だったりするイメージを持っている方が多くいます。

そのため、周りの人から「やめとけ」と言われる方も多いようです。

今後、電気工事士になりたいと考えている人の中には「本当に危険なの？」「実際はどうなんだろう？」と考えたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では電気工事士がやめとけと言われてしまう理由や向いている人を分かりやすく解説しております。

電気工事士になるためにおすすめの転職エージェントも紹介しているため、電気工事士として働きたいと考えている方はぜひ最後までご覧ください。

関連記事：建築・建設業界に強いおすすめ転職エージェント12選｜選び方のコツや注意点も解説

電気工事士がやめとけといわれる理由

ここでは電気工事士がやめとけといわれる理由を紹介していきます。

一つずつ紹介していきます。

体力仕事が多いから

電気工事士はやめとけといわれる理由の1つに、体力仕事が多いことが挙げられます。

なぜなら、電気工事士は現場で作業をすることが多く、一日中立ちっぱなしで作業する必要があるからです。

一日中立ちっぱなしで作業していると腰痛になりやすく、長期間放っておくことで慢性腰痛やヘルニアになってしまう恐れがあります。

さらに、電気工事士は重量を扱う運搬作業や高所の作業などが求められることも多いのです。

とくに夏の時期になるとエアコンの設置がメインになるため、暑い気温の中で家電を搬入するなど体力的な負担が大きくなってしまいます。

体力仕事で体を壊してしまう可能性があるため、やめとけといわれることが多くなります。

繁忙期がキツいから

電気工事士は繁忙期が忙しく、キツいと感じてしまうこともやめとけといわれる理由の1つに挙げられます。

6月〜8月あたりが電気工事士の繁忙期になっており、人手不足の会社だと一日で多くの現場を回ることになります。

繁忙期の時期は、納期に間に合わせるため週末出勤や残業をする可能性があります。

結果、帰りが遅くなりやすく、なかなか休めなくなることが多いのです。

さらに繁忙期はエアコンの取り外し、設置作業が多くなるため、夏の暑い時期に重い荷物を運ぶことが増えます。

もちろん休憩はありますが、長時間の作業で体力の消耗が激しくなってしまいます。

繁忙期の時期は激務になりやすく、休みも取りづらいためキツいと感じる方が多いのです。

始めてすぐは給料が低いから

未経験から電気工事士として働く場合、見習い期間から始まることが多くなります。

なぜなら、作業するためには電気工事士の資格を持っていないと対応できないためです。

そのため、最初のうちは給料が低くなってしまいます。

厚生労働省によると、電気工事士の最低年収は約268.2万円です。

国税庁が発表している日本の平均年収が458万円のため、190万ほど低くなってしまいます。

長く続けて技術が上がるほど年収は上がっていきますが、最初のうちは給料が低くなってしまうため割に合わないと考えてしまう方が多いのです。

参考：電気工事士 - 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））|厚生労働省
参考：令和４年分　民間給与実態統計調査|国税庁

危険な作業が伴うから

電気工事士は仕事の特性上、電気を扱うことが多くなるため危険な作業が伴います。

作業の中で電気工事士は、低電圧から高電圧まで幅広く扱うため感電などのリスクがあるからです。

作業中に少し手元を誤ってしまうだけ感電し大事故につながるため、厳重な安全対策と集中力が必要です。

厚生労働省が発表している労働災害事例には、安全対策していなかった電気工事士が作業中に感電を起こしてしまい重大な事故に繋がってしまったケースが掲載されています。

災害事故は慣れていない新人だけでなく、ベテランの電気工事士でも事故を起こしてしまう場合もあります。

危険な作業で発生する事故を防ぐためには常に適切な安全対策したり、集中して作業したりすることが大切です。

参考：職場のあんぜんサイト：労働災害統計｜厚生労働省

人間関係が大変だから

電気工事士は、人間関係が大変とよくいわれています。

現場の作業でミスが起きるとお客様に迷惑がかかるだけでなく、感電などの重大な災害につながるため的確な指導が必要です。

最初のうちはわからないことも多く注意を受けてしまったり、時に怒鳴られたりすることがあります。

そのため、人間関係がうまくいかないと感じ、辞めたいと考えてしまう方が多いのです。

ですが、現場では声が通りづらいため大きな声で話す時も多く、ちょっとした注意が怒鳴りに聞こえてしまう場合もあります。

災害の発生を減らすために指導しているので、決して嫌いだからというわけではないのが指導側の本音です。

資格が難しいから

電気工事士として一人前に働くためには、資格を持っている必要があります。

この資格を取得するのが難しいといわれており、やめとけといわれてしまう理由に挙げられます。

電気工事士の資格を管轄している電気技術者試験センターが令和5年に発表した第二種電気工事士の合格率では、以下のように推移しています。

	受験者数 （A）	合格者数 （B）	合格率 （B/A）
R3全国合計	86,418人	52,176人	60.4％
R4全国合計	78,634人	45734人	58.2％
R5全国合計	70,414人	42,187人	59.9％

また、電気技術者試験センターが令和6年に発表した第一種電気工事士の合格率の推移は以下の通りです。

	受験者数 （A）	合格者数 （B）	合格率 （B/A）
令和4年度	37,247人	21,686人	58.6％
令和5年度	33,035人	20,361人	61.6％
令和6年度上期	11,997人	7,112人	59.3％

合格率は約50〜60％のため、簡単に取得できる資格ではないことが分かります。

電気工事士は学科試験と技能試験があるため、両方勉強する必要があるため難易度が上がります。

ですが、未経験からでも独学で資格の取得が可能です。

一般的に電気工事士の資格は、学科試験と技能試験を合わせて200時間程度の勉強時間で資格が取得できるといわれています。

目安として1日2時間勉強の時間にあてることで、3カ月半ほどで取得ができるようになる計算です。

電気工事士で働くメリット

ここでは電気工事士で働くメリットを紹介していきます。

一つずつ紹介していきます。

年収が高い

電気工事士では長く働くことで給料が上がりやすく、年収が高くなる傾向にあります。

厚生労働省が発表している、電気工事士の仕事に関する資料では最高年収が約645.4万です。

国税庁が算出した日本の平均年収が458万円のため、187万ほど高い年収になるといえます。

資格を持っていない間は給料が低く設定されてしまうことが多いですが、資格を持って実務経験を積んでいくと社内で年収をあげたり、給料が高い会社に転職したりすることも可能です。

参考：電気工事士 - 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））|厚生労働省
参考：令和４年分　民間給与実態統計調査|国税庁

仕事がなくなりにくい

電気工事士は仕事がなくなりにくい職業といえます。

なぜなら電気は生活に欠かせないインフラのため、需要が無くならない安定した職業といえるからです。

新規の作業だけでなく、寿命による部品交換やメンテナンス、年数の長い建物の建て替えでも電気工事士が必要なため、今後も安定した需要が見込めるでしょう。

さらに、今後5GやAIなどIT技術の進歩に伴い、電気工事士の仕事が増えていくと予測されます。

なぜなら、システムを稼働させるためには電気の供給が必要不可欠になるため、IT技術が発展すると同時に電気工事の需要も上がるからです。

身近な例だと、スマートフォンやパソコンなどの通信デバイスやWi-FiやLANなどのインターネット回線を動かすにも電気が必要になります。

会社や学校のみならず、家庭や個人でもITがどんどん身近になっていくと予想される現代では電気工事士の仕事はなくなりづらいと考えられます。

今後独立ができる可能性がある

電気工事士として経験を積んでいくことで、今後独立も可能です。

なぜなら電気工事士として資格を保有しており手に職がついている状態だと、独立しても各現場において重宝される人材になるからです。

ただし、自分で仕事をとる必要があるため最初から大きく稼げない可能性があることも考慮する必要があります。

お世話になった会社や取引先との繋がりを大切にして仕事をもらえるようにすると、安定した収入になります。

独立して軌道に乗ると年収1,000万を超えるケースもあるため、今後年収アップを考えている方におすすめです。

電気工事士に向いている人の特徴

ここでは電気工事士に向いている人の特徴を紹介していきます。

一つずつ紹介していきます。

淡々と努力を続けられる

電気工事士として一人前になるためには努力しつづけることが重要です。

なぜなら、最初のうちは電気工事士の知識が少なく分からないことが多くても、一つずつ覚えていく必要があるからです。

現場にでると作業や機材の名前や種類、資材、専門用語などの知識が必要になってきます。

たとえば、道具の名前をいわれた時に覚えていないと即座に対応できなくなってしまいます。

動けないことが多くなってしまうと戦力外になってしまう可能性があるため、まずは道具や資材の名前は覚えるようにして、仕事しながら分からないことを覚えていくようにしましょう。

図面通りに施工できる

指示されている図面に合わせて施工ができる人は、電気工事士に向いています。

なぜなら、電気工事するときに施工方法や工程など図面化したものを確認しながら進めていくからです。

図面によってはミリ単位で設定されているものもあり、表記と同じように施工する必要があります。

もし、表記の数値よりズレたり、勝手な判断で変更したりすると大きな事故につながってしまう恐れがあるため細心の注意が必要です。

図面で指示された通りに施工することで安全に作業ができるため、図面を守れる方は電気工事士に向いています。

体を動かすのが好き

電気工事士は一日中立ちっぱなしで作業したり、重い荷物を持ったりと体力勝負な場面が多い仕事です。

現場での仕事が多いため長時間、体に負担がかかる姿勢をすることもあります。

また、真夏や真冬といった季節でも屋外での作業を長時間します。

過酷な環境でも集中して作業するためには基礎体力が大切なため、体を動かすのが好きな方は向いているといえるでしょう。

一人前になれるように経験を積める

一人前になれるように経験を積み上げられる人は電気工事士に向いています。

なぜなら、一般的に未経験の状態で、一人前の電気工事士になるには3〜5年程度かかるといわれているからです。

ここでいう一人前とは現場のリーダーとして作業チームを任せてもらえるようになることを指します。

一人前になるためには、幅広い知識と現場経験が必要です。

さらに現場の状況をみて人員を適切に配置したり図面通りに作業を指示したり、全体をまとめる力が求められます。

一人前になるには真剣に学びながら修行が必要になるため、コツコツと経験を積み上げていく努力が大切です。

丁寧に仕事ができる

電気工事士では、気の緩みが大きな事故を招く恐れがあるため丁寧に仕事できる人は重宝されます。

とくに、高電圧での作業や高所での作業に事故が起こりやすいのです。

たとえば、高電圧の作業では感電する恐れがあり、最悪の場合だと命を落としてしまうことになります。

また、高所での作業だと転落して災害につながる危険性があります。

作業に集中するのはもちろん、日頃の安全対策なども丁寧にこなすことが重要です。

電気工事士に向いていない人の特徴

反対に、ここでは電気工事士に向いていない人の特徴を紹介していきます。

一つずつ紹介していきます。

自分勝手に作業する

自分勝手に作業する人は電気工事士に向いていません。

電気工事士はチームで動くことが多く、連携がとても大切です。

たとえば、機器や器具を繋げる配線など決められているものを自己判断で勝手にやってしまうと、ミスが発生しお客様に迷惑をかけてしまったり、事故が発生したりする可能性があります。

また、現場によっては建設作業を同時に施工する場合もあるため、勝手な行動が多いと施工が進まなくなります。

全体の施工に影響してくるため、自分勝手に作業はしてはいけません。

図面通りに施工できない

図面通りに施工できないと、電気工事士としてかなり致命的になってしまいます。

なぜなら、決められた図面通りに作業しないと不具合が起きてしまったり、後になって重大な事故につながったりする恐れがあるためです。

基本的に電気工事士の施工作業は図面を基に責任者からの指示で実施します。

たとえば、配線の長さが30cmと決められているのに50cmで配線してしまうと図面通りに作業ができていないことになります。

図面通りに施工することは電気工事士として活躍するために必要不可欠のスキルのため、今後成長していきたいと考えている方は必ず適切に作業ができるようにしましょう。

努力の継続ができない

努力の継続ができない人は長期的に見て成長できないため、一人前になるのが難しいといえます。

一人前の電気工事士になるためには幅広く知識と実務経験をもとに的確な指示を出せるようになることが大事です。

そのためには、基礎的な知識はもちろん、実務の面でも日々修行が必要になってきます。

すぐに自分には向いていないと考えて諦めてしまうのではなく、日々努力し続けて知識を蓄えられる方が大きく成長できる人といえるでしょう。

また、電気工事の世界は日々情報がアップデートされているため新しい知識や技術を学び続けることが大切です。

電気工事士として市場価値の高い人材になるために日々の努力が必要不可欠のため継続する力を身につけるようにしましょう。

電気工事士で働く時に知っておきたいホワイト企業の見分け方

ここでは電気工事士で働く時に知っておきたいホワイト企業の見分け方を紹介していきます。

一つずつ紹介していきます。

屋内工事が多い

電気工事の作業で屋内工事が多い会社は働きやすいといえます。

なぜなら、屋外作業だと雨や風の天候だったり、夏や冬などの気温だったりに影響を受けやすく作業のしやすさに直結するためです。

とくに6〜8月は電気工事士の繁忙期と真夏の暑さが重なるため、体力を消費しやすくなります。

屋内工事が多い会社では、気温や天候に左右されづらく安定した状態で施工を進められます。

快適に作業したいと考える方は、屋内作業が多い企業を基準にして選んでみましょう。

大手企業から受注している

電気工事士で働く際に見ておきたいポイントとして、大手企業の物件をメインに受注しているか確認しましょう。

工事のメインが大手の企業が所有、管理している物件を施工する場合、仕事の受注が安定しているため働きやすいといえます。

仕事の量にムラが起こりづらく、納期も余裕をもって設定されていることが多いため、無理な仕事を減らすことが可能です。

入社する前に、会社の取引先がおもにどこからの仕事かを確認してみるようにしましょう。

配属先が遠すぎない

仕事の配属先が遠すぎると交通時間だけで多くの時間を使ってしまい、働きづらい原因になってしまいます。

たとえば片道で1時間かかる場所に配属された場合は、一日の出退勤だけで2時間も時間を使用することになる計算です。

通勤時間の分だけプライベートの時間が減ってしまい、長期間働くと嫌になってしまうことがあります。

また、出張や転勤が多い会社の場合も、いつ移動になるのか分からず落ち着いて仕事がしづらくなります。

希望している会社が想定している配属の範囲が自分の家から何時間かかるか先に調べておくようにしましょう。

電気工事士になるためにおすすめの転職エージェント

ここでは電気工事士になるためにおすすめの転職エージェントを紹介していきます。

一つずつ紹介していきます。

ビルドジョブ

RSG建設転職

リクルートエージェント

電気工事士に転職する際にあるよくある質問

ここでは電気工事士に転職する際にあるよくある質問を紹介していきます。

一つずつ紹介していきます。

まとめ

今回は、電気工事士がやめとけと言われてしまう理由や向いている人について解説しました。

とくに電気工事士は、体力仕事である面や危険との隣り合わせで精神的に疲れてしまう面がやめとけといわれる要因になっています。

ですが、電気工事士を長期間続けることで大きく稼げるようになったり、仕事の需要が高く将来性が安定していたりと、今後も重宝される仕事といえます。

体力に自信がある方や丁寧に仕事ができる方におすすめの仕事です。

電気工事士の仕事を探すためには転職エージェントを利用するのがおすすめです。

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転職したいと悩んでいる方は、今日からその一歩目を踏み出して転職活動を成功させていきましょう。