60代転職をしたいと思うものの、現実的には難しい・厳しいのではないかと悩んでいるのではないでしょうか。

たしかに60代は他の年代と比べると、転職は難しい傾向にありますが、人材不足の業界・職種であれば、十分転職できるでしょう。

しかし、自分の適性と合っていなければ、転職を成功させる可能性は低いでしょう。

そこで、今までの経験やスキルとの相性がいい仕事を診断してくれる「ミイダス」で向いている仕事をチェックしてみるのがおすすめです。

あなたの適性にあった会社からスカウトが届くので、自分では気が付かなかった適職を見つけることもできます。

60代の転職事情｜現実は厳しい？

「転職」と聞くと、20代や30代が行うイメージをもっている方が多くいます。実際転職エージェントや転職サイトでも、20代や30代を対象としているケースは少なくありません。

では、60代の転職事情はどのようになっているのでしょうか。「人生100年時代」といわれている今、シニア世代でも現役で働いている人は多くいます。

60代の転職事情や現実について、上記3つのポイントをここで詳しくみていきましょう。

50%以上が60代でも働いている

60代でも現役で就業している方は少なくありません。内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、令和4年度の就業率は、60歳から64歳は73％、65歳から69歳は50.3％の結果になっています。

つまり60歳以上の多くの人が働いています。男性・女性別に見ると、男性は60から64歳で83.9％、65から69歳で61.0％、女性は60から64歳で62.7％、65から69歳で41.3％となっています。この結果から男性のほうが女性よりも60歳以降も働いていることがわかります。

※参照：内閣府「令和5年版高齢社会白書」労働力人口比率の推移

60代を採用する企業は多くない

上記でお伝えしたように、50％以上の60代が働いているものの、積極的に60代の労働者を採用する企業は少ないのが現状です。

その大きな理由として挙げられるのが、「60歳での定年制」です。定年制度を採用している企業は多く、そのほとんどは一律定年制を導入しています。

さらに、シニア世代はこれまでの長い経験で培ってきたキャリアがあります。それぞれが抱えている家庭の事情などが、働き方に影響することもあるでしょう。

そのため、「自社の文化に適合するか」「年齢による体力やスキルの衰えは問題ないか」といった不安や心配が若い世代より圧倒的に大きく、採用しづらいと考える企業も多いです。

60代はパートタイム労働者が多い

60代は、正社員よりもパートタイム労働者が多いのが現状です。

平成30年度の雇用動向調査結果によると、パートタイム労働者の割合は、男性は60歳から64歳で39.8％、65歳以上が76.7％、女性は60歳から64歳で69.1％、65歳以上が96％となっています。

また内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、非正規従業員は男性の場合60歳から64歳が45.3％、65歳から69歳が67.3％となっています。55歳から59歳は11％なので、60歳を境にパートやアルバイトで働く人が多くなっているのがわかります。

また、女性の場合は60歳から64歳が74.4％、65歳から69歳が84.3％です。これらの結果から60代の多くがアルバイトやパートタイムといった働き方が多いことがわかります。

※参照：－平成 30 年雇用動向調査結果の概況－
※参照：「令和5年版高齢社会白書」雇用形態別雇用者及び非正規雇用者率

60代で転職先を探す方法

60代で転職したい場合、どのように転職先を探せばいいのか迷ってしまう方も多くいるのではないでしょうか。

主な転職先を探す方法として、上記4つを詳しく解説します。

ハローワーク

国が設置している行政機関で、全国に拠点があります。

自分自身で求人を探すことはもちろん、豊富な求人から自分に合った案件を紹介してくれることもあります。

しかし、条件が厳しい場合は妥協できる点を見つけなければいけないため、必ず希望に合った転職先が見つかるとは限りません。場合によっては希望と全く違う転職先を紹介されたり、実際に働き始めたら話しと違ったりするケースもあるでしょう。

ハローワークは無料で利用できるので、気軽に求職情報を集められる点は大きなメリットです。

シルバー人材センター

正式には「公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会」といいます。

シニア世代の就労支援や社会への参加をサポートしてくれる団体で、様々な求人を募集しています。

長期的な仕事もありますが、基本的には臨時的かつ短期的な案件が多いのが特徴です。例えば「庭の雑草を処理してほしい」「エアコンの掃除をお願いしたい」など、様々な依頼に合わせて自分のスキルを活かした仕事を選べます。

単発の仕事がメインとなるため、安定した収入が見込めないといった点がデメリットです。しかし、自宅から近い仕事、体力的に余裕のある案件などを紹介してもらえるので、体力・肉体的な心配がある人でも仕事を探せます。

求人サイト

求人サイトは様々な業種や職種の求人があります。

年齢や経験で絞り込めるので、60歳以上でも働ける場所を効率よく探ることが可能です。

求人サイトの中には「シニア世代歓迎」「60歳以上が活躍する職場」などの限定的な条件で検索できるものもあります。

気になる求人があれば自ら応募可能で、応募数も限りがありません。これまでの経験を活かせるような仕事はもちろん、シニア世代でなおかつ未経験でも応募可能なケースもあるので、自分に合った仕事が探しやすいのが特徴です。

転職エージェント

60代の転職は、転職エージェントの利用がおすすめです。

非公開求人を含む幅広い案件を紹介してくれるため、スキルや経験など、自分にぴったりの企業が探せます。

さらに、転職のプロが徹底サポートしてくれるのもポイントです。履歴書や職務経歴書の書き方はもちろん、面接対応やスケジュール管理なども任せられます。入社後のフォローもあるため、不安や心配があればいつでも相談できるのも嬉しい特徴の1つです。

60代の転職は、20代や30代よりも難しくなります。またスキルがあっても、年齢がネックとなって採用を見送る企業も少なくありません。だからこそ、プロの支援を受けることで効率よく転職成功率を高められます。

60代におすすめの転職エージェント

この章では、60代におすすめの転職エージェントを2つ紹介します。

それぞれの特徴を比較し、自分に合った転職エージェントを見つけてください。

マイナビミドルシニア

マイナビミドルシニアは、40代・50代・60代の転職に特化しています。そのため、一般には少ない高齢者歓迎の求人が多いのが特徴です。また、働き方やキャリアについてのコンテンツが豊富にあります。20代・30代とは面接でのアピール方法も変わり、今後のキャリアもしっかりと考えなければいけません。

こうした点を含んだミドル・シニア世代の転職に関する有益なコンテンツが多くあるため、不安や心配を解消できるのも嬉しいポイントといえます。

「ノック機能」は、性別・年齢、自分のアピールポイントを企業に送ることで採用対象の人材に当てはまるかどうかを確認できる機能です。身バレの心配もないので気軽に利用できます。

「気になる求人はあるけれど自分が適しているか不安」というミドル・シニア世代特有の悩みに特化したマイナビミドルシニアで、転職の成功率を上げて新しいチャンスを掴んでください。

サービス名	マイナビミドルシニア
運営会社	株式会社マイナビ
公開求人数	24万件以上
非公開求人数	非公開
対応地域	全国

FROM40

FROM40は中高年のニーズを抑えた求人を豊富に取り扱っています。年齢を気にせず求人検索が可能です。「60歳以上応援」などの求人も多くあります。

「スカウトサービス」はFROM40に登録するだけでオファーが届き、オファー率は約85％です。書類選考なしの「面接確約オファー」もあります。

ミドル・シニア世代に特化しているため、年齢を理由に不採用となる心配もありません。ホテル支配人候補やIT企業管理職など、60代だからこそのこれまでのスキルや経験を活かした求人が豊富にあるのも魅力です。

さらに非公開求人が3,000件以上もあるため、他にはない特別な求人に出会えるチャンスもあります。

サービス名	FROM40
運営会社	株式会社ダトラ
公開求人数	1万7,000件以上
非公開求人数	3,000件以上
対応地域	全国

60代で転職を成功させる3つのコツ

60代で転職を成功させるためには、押さえておくべき3つのコツがあります。

それぞれの具体的な内容を、下記で詳しくみていきましょう。

過去の経験を活かせる転職先を探す

60代は、若い世代と違いこれまでの経験やスキルなどが豊富です。

培ってきたノウハウなど、自分の能力を最大限活かせる転職先を探しましょう。

これまで経験したことのない職種へのチャレンジは難易度が高く、中々転職先が見つからないといったケースも少なくありません。

成功率を高めるためには、自分が持っている様々な武器を活かすことを考えましょう。企業に貢献できる人材であることをアピールすることが大切です。

50代のうちに転職に向けて動き始める

本記事でもお伝えしているように、60代を採用する企業はさほど多くありません。そのため、50代のうちから転職に向けて動き始めましょう。

「働く意欲はあるのに転職先が見つからない」「スキルも経験もあるのに年齢でひっかかってしまう」などの理由で、60代の転職活動は長期化傾向にあります。

焦らず余裕をもって転職活動するためには、早い段階から動き始めることが大切です。

50代のうちから転職エージェントの利用や求人サイトの閲覧などを習慣化させ、希望に合う企業をより多く見つけておきましょう。

長期的に働く意欲があることを面接でアピールする

雇用する企業側のネックとなるのが、働く期間です。採用したとしても、早期退職されてしまっては元も子もありません。そのため、企業はできるだけ長く働いてくれる人材を探しています。

60代の転職は、長期的に働く意欲がある点をしっかりとアピールしてください。また、長く働く意欲をみせることは仕事に対する情熱をアピールすることにも繋がります。

特に60代の場合、企業は惰性ではなく目標を持って働ける人材を探しています。

新しい環境で長期的に働きたいということをアピールし、やる気をしっかりとみせていきましょう。

60代で転職する場合の注意点

60代の転職では、シニア世代ならではの注意点があります。

注意すべき2つのポイントについて、具体的にどのような内容なのか下記でそれぞれ詳しく紹介します。

正社員での再就職以外も検討する

本記事でもお伝えしていますが、60代になるとアルバイトやパートタイム労働者の数が多くなります。そのため、正社員以外の雇用も視野に入れておきましょう。

転職希望者の中には「60代で正社員以外は恥ずかしい」と考える方も少なくありません。しかし、60代は若い世代と違い体力にも限界があります。また、現実的に正社員の求人が少ないといった点も無視できません。

正社員でなくてもスキルや経験を活かせる職業は数多くあります。パートタイムであれば採用基準も甘く、求人数も豊富なので転職の可能性を高めることが可能です。正社員にこだわりすぎず、いろんな雇用形態の求人を見るといいでしょう。

年収が下がることを覚悟する

60代での転職は年収が下がる傾向にあります。実際、民間給与実態統計調査では、59歳をピークに給与が下がっているデータがあります。

これまでのキャリアやスキルがあったとしても、60代で転職する場合は、定年退職した企業と同等の給与をもらうことは難しいです。

また、年収が下がるのはこれまで勤めていた企業への再雇用でも同じです。再雇用でも、定年前の給与をもらえる可能性は低いです。

60代で転職活動する際は、これまでの役職や年収などにとらわれないようにするといいでしょう。

参照：民間給与実態統計調査

60代から再就職するのにおすすめの仕事

60代からの再就職におすすめの仕事は、下記4つです。

教育関連は、専門的知識がある方に特におすすめです。これまで培ってきた経験や知識を若い世代へ伝えるといったやりがいがあります。再就職先としての条件もよく、体力面での心配もほぼありません。

飲食業の場合、求人数が多くある点がおすすめポイントです。飲食業界は慢性的な人手不足で、常に新しい人材を探しています。働く意欲があるシニア世代も積極的に採用しているため、ぜひ検討してみてください。

清掃業は特に女性人気が高い再就職先です。特別なスキルや経験も必要ありません。肉体労働ではありますが、身体を酷使するほどの重労働ではないため、高齢でも無理なく働くことが可能です。

警備職は男性の60代や70代に人気です。力強さや屈強な身体を求められると思いがちですが、実際は誘導や案内などが主な業務内容なので、体力的な問題はほとんどありません。

60代の転職でよくある質問

60代の転職について、よくある質問3つをピックアップしました。

年齢に関する不安や疑問は多くの方が抱えています。特に気になる上記3つの質問について詳しくみていきましょう。

60歳から稼げる仕事は？

60代でも稼げる仕事は意外にも様々あります。例えば「マンションの管理人」や「ドライバー」などです。

マンション管理人は、場合によっては住み込みで募集しているケースもあるため住居費用などが節約できます。また、ネット通販が主流となっている現代では荷物の配送（ドライバー）は仕事が多く、やればやるだけ稼げるチャンスもあるでしょう。

先ほどお伝えした「警備職」では、深夜帯の勤務もあるため深夜手当がつくことで稼げるチャンスが多いのが特徴です。

また、資格や経験があれば工事現場などの「現場管理」「介護職」「長距離運送」なども稼げる仕事として人気があります。運転や接客に抵抗がなければ「タクシー運転手」も60代の稼げる仕事としておすすめです。

60代で未経験職種への転職は現実的に厳しい？

60代で未経験の職種に転職することは厳しいです。

60代を採用する企業側としては、即戦力となる人材を求めています。そのため、全く経験や知識がない場合、書類選考の段階で弾かれてしまうことが少なくありません。

未経験の職種へ応募する場合は、これまで携わってきた仕事と関連のある業務、個人的に学んだスキルや取得した資格などをアピールするようにするといいでしょう。

正社員にこだわりすぎず、派遣やパートなども視野に入れ、求人を選ぶようにしましょう。

60歳で転職する人はどのくらいいますか？

厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果」によると、男性の60歳から64歳の転職率は11.4％で65歳以上が9.7％でした。女性の場合、60歳から64歳で9.4％、65歳以上では5.4％という数値となっています。

男性の場合はおよそ10人にひとり、女性の場合は10人から20人にひとりが転職しているといった結果が出ています。非正規雇用も含まれますが、未経験でなければ転職は決して難しくないといえるでしょう。

※参照：厚生労働省「令和４年雇用動向調査結果の概況」転職入職者の状況

まとめ

本記事では、60代の転職の現実や転職先を探す方法、おすすめの転職エージェント、さらに転職を成功させるためのコツや注意点についてご紹介しました。

60代での転職は現実的に厳しい面がある一方、条件を緩めれば多くの求人を見つけられます。紹介した転職エージェントを活用して、ぜひ新しい仕事へチャレンジしてみてください。