近年、Webデザイナーへの道を志す人が増加しています。フリーランスを選択することや、官民共同による副業解禁の時流を受けて働きながら活躍を見せる姿は今や珍しいことではありません。
本記事では、Webデザイナーとしてさらなる飛躍を志す人に役立つスキルアップの方法やWebデザイナースクールを3つ紹介します
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Webデザイナーに求められるスキルとは
Webデザイナーとして活躍するためには、欠かすことのできないスキルがいくつかあります。各々が保有するスキルの数や質が、案件受注の成功率を上げるひとつの要素となるのは明確です。
Webデザインの知識
Webデザインを行う上では、デザインを生業にする人間なら知っていて当然といえる「4大原則」が重要な要素の一つです。
4大原則とは、以下のことを指します。
- 近接
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関連する情報をまとめてグルーピングすることによって認識しやすいものにし、目的の情報を見つけやすくする
- 整列
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左揃え、中央揃えなどの位置や、大きさを揃えてレイアウトをすっきりきれいに見えるようにする
- 反復
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見出しを設定する際、同じ要素のデザインを繰り返し使用することで、統一感を作る
- 強弱
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情報に優先度をつけ、文字の色や太さを変えることで、訴求したい情報を的確にユーザーへ伝える
上記の4大原則と同じぐらい重要な要素が、「視線誘導」です。視線誘導には、主に「Z型」と「F型」があります。
以下に、それぞれの型式を解説します。
- Z型
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視覚がZパターンに動く場合を利用する手法で、情報がシンプルな時に使う。
左下に重要事項、右下にアクションボタンを設置すると効果的。 - F型
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視覚がFパターンに動く場合を利用する手法。
ニュース記事など読ませる情報が多い時に使用し、全体を素早く見渡せる効果がある。
それゆえに、自身のWebデザインが「古臭いデザイン」として敬遠されないためにも、時流や流行を敏感に感じ取り吸収することも大切です。
デザインツール(Photoshop・ Illustrator)の操作スキル
主に画像編集をするPhotoshopと、ロゴやバナーなどを作成する際に使用するIllustratorは、Webデザインのみならず、デザインを生業とする人であればほぼ確実に使用しているソフトです。
コーディング・プログラミングのスキル
近年は、ノーコードで作成できるWebサイト作成ツールが登場し、プログラミング言語を習得する必要性は下がりました。
しかし、StudioやWixのようなノーコードツールは、拡張性が低く、自由なデザインでWebサイトを構築するのが難しいことが難点です。デザイン性の高いWebサイト構築には、従来通りHTML・CSSに代表されるプログラミング言語を習得すべきでしょう。
また、近年ではWordPressを利用するWebサイト作成の動きもよく見られます。そのため、WordPress入稿やカスタマイズなどのスキルも同時に習得しておくと、受けられる案件の幅が広がるでしょう。
Webマーケティングに関するスキル
Webサイトのアクセス数を上げるためには、Webマーケティングの観点からもWebデザインに対しアプローチするのが効果的です。
なぜならせっかく秀逸なデザインを施せたとしても、Webマーケティングに弱ければ日の目を見ることが難しいからです。
以下に、主なWebデザインに有用なWebマーケティングのスキル・知識を表で紹介します。
スキル・知識 | 概要 |
---|---|
LPO(ランディングページ最適化) | ・広告や検索で訪れるページを最適化し高い成果に繋げるマーケティング手法 |
ABテスト | ・バナーや広告、webサイトを最適化するために実施するテスト |
SEO対策 | ・ホームぺージにユーザーを集客するために取り組む対策 |
アクセス解析スキル | ・Webサイトにアクセスされた数をもとに、専門知識・統計処理手法 ・データマイニング手法・幅広いIT知識 ・ロジカルシンキングなどを用いて、よりアクセス数を増加させる施策を考える能力の総称 |
コミュニケーションスキル
Webデザイナーにとっても、コミュニケーションスキルは非常に重要です。クライアントやエンジニアなどとの連携では、デザインについて主に以下のようなことを確認する必要があります。
- 要件を聞き出す
- 目的を理解する
- 意図を伝える
メール・チャット・ビデオ会議・オフラインでの打ち合わせなど、コミュニケーション手段は多岐にわたりますが、できれば苦手とする方法がないほうが望ましいです。
また、名刺交換やメールの書式などのビジネスマナーなどのビジネスマンに好感を持たれるふるまいを身につけておいて損はありません。特にフリーランスは、いわゆるビジネスマンの風潮や所作などから解放されたと考えてしまいがちな傾向があります。
しかし、クライアントには企業勤めのビジネスマンも多く含まれるため、配慮しておく事が望ましいでしょう。
Webデザイナーのスキルアップにおすすめな資格3選を紹介!
Webデザイナーに関する資格は数多くありますが、初級者向け〜上級者向けのものまで多種多様です。
【関連記事】Webデザイナーにおすすめの資格とは?未経験でも効果的に取得できるスクールも紹介
HTML5プロフェッショナル認定資格
マークアップエンジニア・フロントエンドエンジニア・Webデザイナーなどがこの資格に向いています。一般的にWeb業界で求められる知識が総合的に集約されていることが特徴だといえます。
等級区分 | レベル1~2 |
受検料 | 16,500円 |
受検資格 | 誰でも受験可能。 |
出題形式 | ・単一形式 ・コンピュータベーストテスト(CBT) |
合格率 | 非公開ですがレベル1とレベル2は難易度に差がある。 |
公式サイト:https://html5exam.jp/
Photoshop®️クリエイター能力認定試験
画像編集技術に関する知識を有し、Photoshop®を駆使して、提示されたテーマ・素材から、仕様に従ってコンテンツを制作する能力を認定します。
等級区分 | スタンダード、エキスパート |
受検料 | 【スタンダード】7,600円 【エキスパート】8,600円 |
受検資格 | 誰でも受検できます。 |
出題形式 | 【スタンダード】実技、実践 【エキスパート】知識、実技、実践 |
合格率 | 75.35% |
公式サイト:https://www.sikaku.gr.jp/ns/ps/
Illustrator®️クリエイター能力認定試験
Webデザインパーツの作成や、問題の指示に従い1つの作品を作り上げる表現力などの、制作に関するスキルを認定します。Illustrator®操作スキル、問題解決力を習得したい方におすすめです。
等級区分 | スタンダード、エキスパート |
受検料 | 【スタンダード】7,600円 【エキスパート】8,600円 |
受検資格 | 誰でも受検できます。 |
出題形式 | 【スタンダード】実技、実践 【エキスパート】知識、実技、実践 |
合格率 | 71.48% |
公式サイト:https://www.sikaku.gr.jp/ns/il/
スキルアップに効果的な方法とは?
日々の限られた時間の中で効率よくスキルアップを目指すためには、実際に活躍しているプロの話を聞き、実践を積むことが重要だと言えるでしょう。
セミナーやイベントに参加する
WebデザインやWebマーケティング、プログラミング言語などに関するセミナーやイベントなどに積極的に参加することもおすすめです。
HTMLやCSSに特化したものや、Photoshop、Illustrator等のデザイン系に特化したものなどがあり、受講者のレベルも初心者向けから上級者向けが用意されています。
また、セミナーやイベントに参加することで、以下のような知見を得られる可能性があります。
- WEB業界にいる人しか知らない事情や今後のトレンド
- 未経験から最短で実力をつけていく方法
- どんな案件があるのか など
専門家の講義や、参加者との交流を図ることで、新たな知見や興味の幅が広がるでしょう。
参加方法は開催地域でセミナーを検索するなどが可能です。料金は2,500円ほどのものから5,000円以上かかるもの、回数も1回のものから、2,3回行うもの、半年間かけてしっかりと学べるものなどさまざまです。
デメリットとしては、対面式のセミナーやイベントだと、東京で開催されることが多いため、地方からだと何度も参加することが難しいことが挙げられます。
専門学校に通う
専門講師が、未経験の初心者でも理解しスキルが体得できるように一から教えるのが専門学校です。
専門学校に通うメリットとしては、短期間で効率よく習得できる、学校によっては完全就職保証や国家資格取得保証があるなどが挙げられます。また、専門学校の講師は受講生がつまずきやすい箇所など熟知しているため、分からないところもすぐ答えを得られるというメリットがあります。
しかしながら、Webデザインの基礎を体系的に勉強でき、プロとして仕事をするときにもスムーズに業務がこなせるようになる点は魅力です。
オンラインスクールを受講する
独学で学ぶ際の不安の一つとなる「学び続けられるかどうかはあなた次第」というようなモチベーション管理の問題を解決してくれるのがオンラインスクールです。
自宅で自由に学べるレベルの高いカリキュラムがあり、講師によるビデオチャットなどでWeb制作スキルや業界全般の知識を学べます。キャリアの不安も、プロの講師の客観的な判断によるアドバイスに加え、卒業後の就職や独立をサポートしてもらえることもあります。
さらに、スキルだけでなく案件の取り方や業界の概要など、今後Webデザイナーとして活動するために役立つ知識が得られ、充実した学習ができるでしょう。
また、オンライン飲み会や作業会などがあるスクールもあり、仲間を作りたい人にもおすすめです。専門学校よりも安価であることが多く、自分の都合に合わせて受講しやすいのもメリットだといえます。
関連記事:【2024年最新版】おすすめのWebデザインスクール10選!それぞれの強み比較や後悔しない選び方も解説
おすすめのオンラインスクール3選
Webデザイナーへの興味はありつつも、一度セミナーに参加してからWebデザイナーを目指したいと考えている人にはオンラインスクールがおすすめです。
日本デザインスクール
日本デザインスクールはもともと制作会社であり、社員研修の改良版がスクールのカリキュラムとなっています。実際の業務で使うスキルに絞って教えているため、45日間の受講で案件を受注する人もいるほどです。
一人一人に専属の講師が付き、学ぶ目的やライフスタイルによってオーダーメイドのカリキュラムを作ってくれるなど、サービスが充実しています。
他の人の作品を学び、一緒に添削を受けることで、デザインの比較ができるようにするためグループレッスン形式を採用しています。
また、チャット機能や、レッスンの録画もあるため、何度も繰り返し見ることができます。
- グループレッスンで刺激を受けたい
- 他のスクールでは習えないような「デザイン」を学びたい
- 子育てと両立できる在宅デザイナーを目指している
- 海外在住
- パソコンやデザイン初心者
- 転職を検討している
- 短期集中で学びたい
- 考えすぎて悩みやすい
- Webデザイナーが自分に合っているか不安
社名 | 株式会社日本デザイン |
代表者 | 大坪拓摩 |
使用Web会議ツール | Zoom |
費用 | 【一般価格】 6万8,297円×12回(税込) 【モニター価格】 6万289円×12回(税込) |
Find me!
Find me!は女性専用のオンラインスクールです。完全未経験でも、早い段階で案件が受注できるようにマンツーマンレッスンを行っています。
学習スケジュールなども講師と一緒に確認し行動目標も決められるため、挫折が少なく継続率が高いと評判がよいオンラインスクールの一つです。Photoshop、Webデザイン、コーティングとスキルを身につけるごとに圧倒的なスピードでお仕事を紹介してもらえるサポートもあり、案件獲得に困ることもないのも大きな魅力でしょう。
オンライン講座以外にもコミュニティでの交流も無料ででき、孤独に勉強するより、モチベーションの維持もできます。充実したサービスが受けられるオンラインスクールと言えるでしょう。
- 女性
- 全員女性講師のスクールを探している
- 早くお仕事がしたい
- マンツーマンレッスンを希望する
- 子育てと両立できる在宅デザイナーを目指している
- 短期集中で学びたい
- 忙しくスケジュール管理に自信がない
- 時間や場所に関係なく勉強を続けたい
- 基礎スキルだけでなく仕事を獲得する方法までを身につけたい
- 本気でお仕事を獲得したい
社名 | 株式会社Zealox |
代表者 | 松村 圭悟 |
使用Web会議ツール | LINE |
費用 | 月々4,980円~ ※サポートはスタンダードプラン以上のみ |
Famm
Famm(ファム)のママ専用Webデザイナー講座は『未経験のママでも仕事につながる基礎を最短で身につける』を目標にし、空き時間に効率良く在宅ワークを行う沢山のママ達のためのスクールです。
1ヶ月間で全5回、1回あたり3時間の短期集中のスケジュールとなっています。最大8名の少人数制で、時間は全て10時〜13時、1回3時間の講義です。体調が芳しくない場合はZoomのビデオをオフにして参加も可能、不参加の場合も全て録画されているので安心です。
就職・転職活動を行いたい方も、案件保証があるので、実績が作れると言うのも大きなポイントになります。学べる内容は、HTML/CSSを使ったWebサイトの制作、Illustrator/Photoshopでのグラフィック制作、Premiere Proを使用した動画編集などです。
- 子どもがまだ小さい
- 子育てと両立できる在宅デザイナーを目指している
- 短期集中で学びたい
- 10時〜13時で都合が合わせやすい
- 妊娠中
- ママ友を作りたい
社名 | 株式会社Timers |
代表者 | 田和 晃一郎 |
使用Web会議ツール | Zoom |
費用 | 一括:18万4,800円 分割:月々8,900円(24か月) |
まとめ
スキルアップやオンラインスクールの特徴について、さまざまな視点から解説しました。
限られた時間や労力、費用の中でいかに自分の目的や生活スタイルに沿った選択ができるかが肝要です。特に最後に紹介した3つのオンラインスクールは、時間と場所を気にせず、隙間時間を利用できることで、多忙な現代人でも利用しやすいものとなっています。