薬剤師の転職は厳しいの?持っておきたい強みや転職に失敗しないためのポイント5つを解説!

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柚木瑛里那
監修者
株式会社アシロ HR事業部 副統括責任者
柚木 瑛里那
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弁護士有資格者のキャリア相談や転職活動全般のサポートを行いながら、大手法律事務所を中心に代表の先生方との関係性を築く。弁護士特化エージェント『No-Limit』の立ち上げメンバーとして参画し、現在は副統括責任者としてプロフェッショナル人材の転職支援を主導。
CAREER UP STAGEは、転職サイトやエージェントを『どう使いこなすか』にフォーカスしたWEBメディア。転職エージェントの賢い『使い方』とキャリアアップ実現の方法論を解説します。
薬剤師の転職は厳しいの?持っておきたい強みや転職に失敗しないためのポイント5つを解説!
有料職業紹介許可番号:13-ユ-313782)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社アシロが作成しています。

薬剤師の転職は、以前より厳しくなってきています。

薬剤師数の増加や、専門性を重視する流れにより、求人の選び方や求められるスキルが変化しているためです。

ただし「厳しい=転職できない」わけではありません。市場の動きを理解し、事前準備をしっかりと行えば、希望の転職を実現することは可能です。

本記事では、薬剤師の転職が厳しいと言われる理由と、転職に失敗しないための5つのポイントを解説します。

今の環境を見直しながら、自分らしい働き方を見つけるヒントにしてください。

目次
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  1. 薬剤師の転職が厳しいと言われる5つの理由
  2. 転職が厳しい薬剤師の特徴4選
  3. 転職に成功する薬剤師の特徴4選
  4. 薬剤師が転職に失敗しないための5つのポイント
  5. 薬剤師におすすめの転職サイト5社を比較!
  6. 薬剤師の転職に関するよくある質問
  7. まとめ:スキルと経験を強みに変えて、厳しい薬剤師転職を乗り越えよう

薬剤師の転職が厳しいと言われる5つの理由

薬剤師の転職が厳しいと言われる背景には、コロナ禍といった一時的な要因だけでなく、薬剤師を取り巻く市場そのものが変化していることがあります。

主な理由は以下の5つです。

理由をひとつずつ見ていきましょう。

理由1:コロナ禍で求人が一時的に激減し、「厳しい」イメージが定着したため

薬剤師転職が厳しいと言われるようになったきっかけのひとつは、コロナ禍による求人の大幅な減少です。

感染拡大の影響により、受診を控える患者が増え、医師による長期処方も増加しました。処方箋の枚数は減り、薬局の経営は悪化。採用を見送る企業が相次いだのです。

医師・歯科医師・獣医師・薬剤師の有効求人倍率は、2019年には3.77倍と高い水準にありましたが、コロナ禍の影響を受けた2021年には1.91倍まで急落しました。

医師・歯科医師・獣医師・薬剤師の有効求人倍率の推移(パートタイムを含む常用)

有効求人倍率
2019年3.77
2020年2.49
2021年1.91
2022年2.04
2023年2.18
2024年2.21
出典:一般職業紹介状況(職業安定業務統計)│厚生労働省

かつては積極的に採用していた大手薬局も、新規採用を縮小しました。「薬剤師も安泰ではない」というイメージが業界全体に広がったのです。

コロナ禍で生まれた「転職が厳しい」という印象は、求人数が回復した現在でも心理的なハードルとなっています。

理由2:薬剤師資格の保有者が増え、採用の競争率が高まったため

以前は「売り手市場」と言われていた薬剤師業界も、現在は需給のバランスが取れた状態へ移行しています。

薬学部の新設や6年制への移行により、薬剤師の数が増加しているためです。

厚生労働省の統計を見ると、薬剤師数は年々増加していることが分かります。

薬剤師数の推移
2016年301,323人
2020年321,982人
2022年323,690人
出典:令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況平成28年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況丨厚生労働省

また、厚生労働省からは、将来的に供給が需要を上回る見通しも示されています。

仕事の幅を広げ、スキルを高めるような取り組みをしなければ、薬剤師の需要はさらに減ると考えられているのです。

薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会|厚生労働省
引用元:薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会|厚生労働省

薬剤師転職は、競争型の市場へと変わり始めています。今まではすぐに採用していた企業も、今後は書類選考で落とすこともあるかもしれません。

「資格さえあれば安心」という時代は終わりつつあるのです。

理由3:都市部では薬剤師が充足し、地方との需給ギャップが拡大したため

薬剤師の数は全国的に増えていますが、転職の難易度は地域によって異なります。

薬剤師は都市部に集中し、地方は薬剤師不足が依然として続いているためです。有効求人倍率にも差が生じています。

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、都道府県別の有効求人倍率は次のとおりです。

各都道府県における薬剤師の有効求人倍率(一部抜粋)

地域有効求人倍率
東京都2.11倍
大阪府2.1倍
青森県8.03倍
愛媛県8.24倍
全国平均3.57倍
参考:職業情報提供サイトjob tag(薬剤師)丨厚生労働省

東京や大阪の有効求人倍率は全国平均を下回るなど、地域で需給が偏っていることが分かります。

現時点では転職先が見つからないほどではありませんが、今後は良い条件の求人に応募が集中しやすくなるでしょう。転職の難易度は、都市部を中心に高まることが考えられます。

理由4:診療報酬改定で専門性が重視され、採用のハードルが上がったため

国の方針により薬局業務は薬を渡す「対物業務」から患者と向き合う「対人業務」へとシフトしました。このため、個人に求められるスキルも変化しています。

厚生労働省が2015年に発表した「患者のための薬局ビジョン」以降、診療報酬改定ではかかりつけ機能や在宅医療への評価が強化されています。

2024年の調剤報酬改定でも地域支援体制加算の要件が見直され、地域医療への貢献度がこれまで以上に重視されているのです。

薬局内での業務にとどまらず、地域医療への参画といった広いフィールドでの活躍が求められます。

採用の現場でも、国や会社の方針に柔軟に適応し、積極的に地域貢献できる薬剤師が重宝されています。

理由5:診療業務のDX化により「誰でもできる仕事」の需要が減ったため

DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、単純作業しかできない薬剤師は採用で不利になりつつあります。

AIやIT技術が薬局業界にも導入され、調剤補助や薬歴入力などの業務は機械化が進んでいます。その分「人間だからこそできる仕事」が求められているのです。

厚生労働省もデジタル化を積極的に推進しており、効率化によって浮く時間を丁寧な服薬指導や患者フォローアップに充てるよう勧めています。

すでに、AIによる薬歴作成システムを導入する薬局もあります。システムをうまく使うことで業務負担が減り、患者対応や医師への処方提案など、専門的な業務に集中できるようになりました。

今後は、調剤や監査などの基本業務が行えるだけでは不十分となるでしょう。基本的なITリテラシーはもちろん、多職種と連携していける人間力も求められます。

転職が厳しい薬剤師の特徴4選

転職が厳しくなる薬剤師には、いくつかの共通点があります。市場環境だけでなく、準備不足や自己分析の甘さが転職を難しくしてしまいます。

特に以下4つは、転職が厳しい薬剤師の特徴です。

それぞれ詳しくみていきましょう。

転職理由があいまいで、キャリアプランが描けていない

転職したい理由が抽象的で、将来に向けた目的や方向性に欠けている場合、転職活動で苦戦することがあります。

企業を選ぶ際には、細かい条件面を決めていかなければなりません。「これからどうしたいか」が明確でなければ、判断がブレやすくなります。

例えば「人間関係が悪い」「環境を変えたい」といった現状への不満だけを持っていると、求人を比較する基準が定まりません。自分に合う企業の見極めも難しくなります。

たとえ面接を受けたとしても、あいまいな志望動機は採用担当者に不安感を与えます。企業が知りたいのは、過去や現在をベースとした不満ではなく、未来への意欲です。

転職後の前向きな姿をイメージしてもらえず、採用を見送られる可能性もあります。

転職を考えたきっかけが現状への不満だとしても、実際に行動する際には、叶えたい未来・目的が重要となります。

キャリアビジョンが思い浮かばない場合は「なぜ薬剤師を目指したのか」を振り返ってみてください。まずは原点に立ち返ってみることが、転職の軸を見つけるヒントとなるでしょう。

希望条件の優先順位がなく理想が高すぎる

今より良い条件で転職したいと考えるのは当然ですが、あまりにも理想が高いと転職は難航しがちです。

理想を追い求めるほど現実とのギャップが大きくなり、応募できる求人が少なくなってしまいます。

年収・休日・勤務地などの条件をすべて満たす職場はなかなか見つかりません。選択肢が限られることで応募をためらい、結果的に好条件の求人を逃してしまう原因にもなります。

希望に優先順位をつけ、なかでも絶対に譲れない条件は1〜2つに絞りましょう。

「年収は現状維持でも、休みが取りやすい職場にしたい」といった柔軟な視点を持つことで、納得できる職場に出会える確率が高まります。

アピールできる実績やスキルを言語化できていない

経験やスキルを整理できていないと、職務経歴書や面接で自分の価値を伝えきれません。

採用担当者は、これまでの経験を通じて「自社でどう貢献してくれるのか」を知りたいと考えています。

例えば、面接で「服薬指導に力を入れてきました」と伝えるだけでは不十分です。

「高齢の患者様向けに服薬カレンダーを独自に作成し、服薬状況を改善しました」のように、具体的な行動と成果をセットで伝えることが効果的です。

転職を成功させるためには、これまでの業務を棚卸しし、エピソードを工夫や結果と結びつけて整理しましょう。短い面接の時間でも、自分の強みを端的に伝える準備が大切です。

客観的なアドバイスを得ず、自力で転職活動を進めている

ひとりで転職活動を進めると、情報収集や条件交渉で不利になり、納得のいかない転職につながりやすくなります。

自力で得られる情報や個人で行う交渉には限界があるためです。

転職サイトの公開求人だけでは、実際に募集されている職場のごく一部しかアクセスできません。

条件の良い求人や急募案件の多くが「非公開求人」として扱われており、エージェントを通じてしか紹介されないこともあります。

ひとりで探すと選択肢が限られてしまうのです。

また、直接交渉する場合、年収や勤務時間など条件面の交渉は大変難しくなります。希望を言いづらくなったり、条件を伝えるタイミングを失ったりすることが多いためです。交渉力の差によって、待遇面で損をするケースは少なくありません。

自分に合う企業を見つけ、納得いく条件で転職するためには、プロの詳細な情報と心強いサポートが鍵となるのです。

転職に成功する薬剤師の特徴4選

変化の激しい薬剤師業界でも、強みになる経験・スキルがあると転職に成功しやすくなります。

特に以下の4つは、多くの職場で必要とされる薬剤師の特徴です。

ひとつずつ解説しますので、自分に当てはまるものをチェックしてみてください。

在宅医療の経験がある

すでに在宅医療の経験がある薬剤師は、即戦力として高く評価される傾向があります。

前述のとおり、国の政策として在宅医療が手厚く評価されており、今後さらに推進される見通しです。地域包括ケアシステムの中核を担う薬剤師の需要は増え続けるでしょう。

面接では具体的なエピソードを伝えることが必要となります。個人宅への訪問だけでなく、介護施設との連携やカンファレンスへの参加経験などもアピール材料になります。

また、採用担当者を惹きつけるには、結果まで伝える論理的なストーリーが効果的です。管理指導で得られたことや多職種連携で実現できたことも振り返ってみてください。

認定・専門薬剤師の資格をもっている

認定・専門資格は、薬剤師としての信頼性と成長意欲を示す重要な指標です。

採用担当者も専門性を測る指標として重視します。今後、資格の有無は採用するうえで基準のひとつになるでしょう。

資格名詳細採用での評価
研修認定薬剤師薬剤師として必要な基礎知識・実務能力の習得を証明する資格。
かかりつけ薬剤師の要件に含まれる。
薬局の収益に直結するため、採用でも評価されやすい
認定実務実習指導薬剤師薬学生の実習指導に必要な資格。
教育体制や人材育成に貢献できる。
人材育成への関心が高いと判断され、特に教育体制を重視する企業では評価されやすい
専門薬剤師
(がん・緩和ケア・感染症など)
深い専門知識と臨床経験を有する薬剤師に与えられる資格自己研鑽の継続を示し、他の候補者との差別化に有利。
専門的な相談対応が可能な人材として重宝される

特に研修認定薬剤師の取得は欠かせません。

かかりつけ薬剤師の要件には、研修認定薬剤師の取得が含まれており、採用でも高く評価される資格です。

反対に研修認定薬剤師を持っていなければ、学ぶ意欲が低いと見られる可能性もあります。

現在資格をひとつも持っていない方は、まずは研修認定薬剤師の取得を目指すとよいでしょう。

管理薬剤師の経験がある

管理薬剤師として全体を見渡すマネジメント力がある人は、現場を任せられる即戦力として評価されます。

スタッフ教育や行政対応など、責任ある業務を通じて培った経験は、採用現場で信頼を得やすい強みなのです。

具体的な実績例としては、以下のような経験が挙げられます。

管理薬剤師の経験例
  • 在庫管理の仕方を見直し、医薬品の廃棄ロスを削減した
  • スタッフ教育を通じて、店舗全体の接客対応を改善した
  • 行政の監査に対応し、法令遵守への体制を強化した

マネジメント経験は、年収交渉の武器となることもあります。特に中堅〜ベテラン層では、経験や責任の重さが待遇に反映されやすいためです。

統計的にも、年齢とともに年収が上がる傾向がみられます。

薬剤師の年代別平均年収(推定)

年代平均年収(約)
20代450万円
30代590万円
40代650万円
50代730万円
参考:e-Stat「令和6年 賃金構造基本統計調査 表5(職種別・年齢階級別)」〈薬剤師データ〉丨厚生労働省(「きまって支給する現金給与額✕12+年間賞与その他特別給与額」の算式により概算)

管理薬剤師の経験がなくても、長年の調剤経験や患者対応は十分な強みになります。

複雑な処方への対応力や後輩への指導経験も、企業側が重視するポイントです。

20〜30代の場合は「これからマネジメント能力をつけたい」という意欲を伝えると、前向きな印象を与えられるでしょう。

かかりつけ薬剤師として活躍できる

資格や知識だけでなく、患者様一人ひとりに寄り添う「人間力」も、これからの薬剤師に欠かせない力です。

相手の気持ちを受け止め安心感を与えるコミュニケーション力は、信頼関係を築くうえで欠かせません。

次のようなヒューマンスキルは、どの職場でも評価されます。

  • 傾聴力:患者やご家族の不安・悩みを丁寧に受け止める力
  • 提案力:医師やケアマネジャーと協力し、より良い服薬治療を提案する力
  • 関係構築力:長期的に信頼を得て「あなたにお願いしたい」と思ってもらえる力

こうした対人スキルに加え、変化に柔軟に対応できる姿勢も大切です。

国の方針のもと、薬剤師に求められる役割は広がり続けています。企業側も、新しい制度やルールを素直に吸収し、変化に適応できる人を求めています。

制度面でも現場の実務でも、かかりつけ薬剤師の役割は今後ますます重要になるでしょう。

患者様に寄り添い、地域に根ざしたサポートを続けていく姿勢こそ、これからの時代に求められる強みといえます。

薬剤師が転職に失敗しないための5つのポイント

転職に失敗する人の多くは、自己分析や将来の見通しが十分でないまま、なんとなく活動を始めてしまっています。

不安と焦りのなかで転職先を決めた結果「思っていた環境と違った」と感じる人もいます。

大切なのは、冷静に自分の希望を整理し、客観的な視点を取り入れて活動することです。

ここでは、厳しい薬剤師市場でも納得のいく転職を実現するために押さえておきたい5つのポイントを紹介します。

自分らしい働き方を実現するためにひとつずつ確認しましょう。

ポイント1:転職の軸を明確にし希望条件に優先順位をつける

転職で最も重要なのは「なぜ転職するのか」という軸を定めることです。

転職後のミスマッチで多い理由は、入社前に期待していた働き方や環境とのギャップです。

「思っていたより残業が多い」「人間関係や社風が合わない」など、理想とのズレが生じるケースは少なくありません。ギャップを防ぐためには、転職活動の初期段階で自分軸を持つことが不可欠です。

給与・働きがい・プライベートなど、自分が何を大切にしたいのかを明確にし、譲れない条件と妥協できる条件を整理しましょう。

軸が定まっていれば、求人情報に惑わされることなく、自分に合った職場を冷静に判断できます。

まずは、希望する条件をすべて書き出してみてください。次に「これだけは絶対に譲れない」という条件を1〜2つ選びましょう。

例えば、年収アップが最優先なのかプライベートの時間確保が最優先なのかを明確にします。

「年収は現状維持でも、年間休日120日以上で休みが取りやすい職場が良い」といったように順位を決めてみてください。探すべき求人が明確になり、効率的に活動を進められるでしょう。

ポイント2:これまでの経験をもとにアピールできる強みを整理する

「〇人の後輩を育成した」「在宅医療に携わった」など、これまでの経験からアピールできるポイントを具体的に整理しましょう。

自分では些細な経験だと思っていても、伝え方次第で強力な武器になります。

たとえば、在宅医療や多職種連携の経験を持つ人材は重宝されており、これらの経験は転職活動でアピールポイントになります。

面接では「ご自宅での服薬状況を直接拝見し、よりパーソナルなケアの重要性を実感しました」など、経験とともに意欲的な姿勢を伝えましょう。

その他、以下のように経験を強みに変換できます。

アピールできる強みの整理
  • 後輩の指導経験 → マネジメント能力、育成スキル
  • 服薬指導で患者さんから感謝された経験 → コミュニケーション能力
  • 特定疾患への知識 → 専門性

これまでの経験を振り返り、強みに変えるよう言語化してみてください。

ポイント3:中長期的な市場価値を意識して職場を選ぶ

転職では、今の条件だけでなく「5年後の自分」を見据えて企業を選ぶことが大切です。薬剤師としての市場価値は、どんな分野で経験を積むかによって大きく変わります。

例えば、がん・緩和ケア・糖尿病といった特定の領域では、薬剤師の専門性がより強く求められています。

今後ニーズが高まる分野での実務経験は、長期的に見ても市場価値を高める強みになるでしょう。

今は資格がなくても、研修や資格取得を支援してくれる企業を選べば、経験を積みながらキャリアアップできます。

現状の条件だけに目を向けず、5年後・10年後といった先を見据えて、キャリアを構築していきましょう。

ポイント4:企業の情報をきめ細やかに収集する

求人票に書かれている情報だけで判断すると、入社後にミスマッチが生じる可能性があります。

ミスマッチを防ぐためには、公式サイトやSNSなど複数の情報源から、企業文化や働き方の実態を確認することが大切です。

ただし、情報の取捨選択には注意してください。口コミサイトは参考になりますが、信憑性がない情報もあります。公式情報と第三者の意見を組み合わせ、客観的に判断する必要があります。

信頼できる情報を得るためには、薬剤師専門の転職エージェントに相談するのも有効です。

転職エージェントは、企業の内部事情や職場の雰囲気、人間関係など、求人票には載らない情報を持っています。こうした情報があれば冷静に比較・検討でき、ミスマッチを防ぐことにもつながるでしょう。

ポイント5:転職サイトを複数活用し、客観的なアドバイスをもらう

転職エージェントは、企業の情報をきめ細やかに教えてくれるだけでなく、一般には公開されていない「非公開求人」も紹介してくれます。

また、転職業界のプロから客観的な意見をもらえるため、希望条件も整理しやすくなります。自分では気づけなかった強みや最適なキャリアプランを見つけるヒントにもなるでしょう。

転職エージェントは、2〜3社を併用して相談するのがおすすめです。

各転職エージェントの持つ情報や強みは異なり、1社だけでは求人が偏る可能性があります。

また、どれだけ評判のよいエージェントでも、担当者との相性は人それぞれです。

複数のエージェントに登録し、自分と相性の良い担当者と出会うことで、転職活動はよりスムーズに進むでしょう。

薬剤師におすすめの転職サイト5社を比較!

薬剤師が転職で後悔しないためには、転職活動の段階からしっかりと計画を立て、準備を進めていくことが大切です。その際、薬剤師専門の転職エージェントは心強い存在となります。

ここでは、数ある薬剤師向け転職サイトのなかから、特に信頼と実績のある5つのサイトを厳選し、それぞれの特徴を比較しながら解説します。

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転職サイト名求人数 (目安)得意領域特徴おすすめな人
マイナビ薬剤師非公開調剤薬局
病院
企業
非公開求人数多数
全国対応
「顔の見える面談」による安心感
多くの選択肢から比較したい方
地方転職を考えている方
ヤクジョブ50,000件以上調剤薬局
派遣
顧客満足度が高い
親身なサポート
派遣求人も豊富
初めての転職で不安な方
じっくり相談したい方
レバウェル薬剤師約5,000件調剤薬局
病院
職場の内部情報に詳しい
LINEでやり取りできる
都市部中心に転職したい方
LINEで気軽に相談したい方
ファルマスタッフ49,000件以上調剤薬局
派遣
日本調剤グループが運営
派遣にも対応
調剤薬局に転職したい方
派遣も検討したい方
リクナビ薬剤師25,000件以上企業
ドラッグストア
リクルートブランドで安心感
企業求人が豊富  
企業への転職も視野に入れている方
早く転職したい方
2025年10月時点

いずれも薬剤師専門のエージェントとして、求人数やサポート実績が豊富です。

気になるエージェントがあれば、まずは登録して気軽に相談してみてください。

①マイナビ薬剤師:求人数が業界トップクラスで地方の求人も豊富

マイナビ薬剤師がおすすめな人
  • 多くの選択肢から比較したい方
  • 地方転職を検討している方
  • 大手運営の安心感を重視する方

マイナビ薬剤師は、業界最大級の求人数を誇る転職エージェントです。

全国に14の拠点があるため、都市部はもちろん地方の求人にも強いのが特徴です。幅広い選択肢から希望に合った職場を見つけられます。

大手マイナビグループが運営している安心感と、経験豊富なアドバイザーによる手厚いサポートも魅力です。

顔の見えるやり取りを大切にし、転職準備からアフターフォローまでサポートしてくれます。書類添削や面接対策、年収交渉まで支援してくれるほか、入職後の相談にも乗ってくれます。

約35%が非公開求人のため、好条件の職場に出会える可能性も高いでしょう。

調剤薬局から病院、ドラッグストア、企業まで幅広い業種の求人を扱っています。

転職活動の最初から最後までしっかりサポートしてもらいたい方や、地方での転職を考えている方におすすめです。

サービス概要
名前マイナビ薬剤師
運営会社株式会社マイナビ
求人数非公開
対応エリア全国
強み非公開求人が多い
地方求人にも強い
顔の見える面談でサポートが手厚い
LINEやり取り可能
オンライン対応電話・メール・LINE
公式サイトhttps://pharma.mynavi.jp/

②ヤクジョブ:顧客満足度が高く、親身なサポートに定評

ヤクジョブ
ヤクジョブがおすすめな人
  • 初めての転職で不安が大きい方
  • 希望がまとまっておらず相談から始めたい方
  • 派遣・パートも含めて比較したい方

ヤクジョブは、クラシス株式会社が運営している転職エージェントです。

利用者の満足度が94%(※1)と非常に高く、一人ひとりの希望に寄り添う親身なサポートを強みとしています。

単に求人を紹介するだけでなく、転職無料相談会を実施しているのも特徴です。転職の進め方はもちろん、自分の強みを見つける相談にも乗ってくれるため、まだ希望が固まっていない段階からでも安心して相談できます。

取引企業・医療機関は7,000社以上を誇り、調剤薬局やドラッグストアだけでなく企業・病院との取引実績も豊富です。

また、派遣やパートの求人も豊富に取り扱っているため、ライフスタイルに合わせた働き方を検討しやすいのも魅力です。

※1)ヤクジョブ公式ホームページより

サービス概要
名前ヤクジョブ
運営会社クラシス株式会社
求人数50,000件以上
(2025年10月現在)
対応エリア全国
強み顧客満足度が高い
親身なサポート体制
派遣求人も豊富
オンライン対応電話・メール
公式サイトhttps://yaku-job.com/

③レバウェル薬剤師 :現場のリアルな情報を基にした丁寧なマッチングが魅力

レバウェル薬剤師
レバウェル薬剤師がおすすめな人
  • 都市部で転職を検討している方
  • LINEで気軽に転職相談したい方
  • 職場のリアルな情報を知りたい方

レバウェル薬剤師は、医療・介護業界に特化したレバレジーズグループが運営する転職エージェントです。

キャリアアドバイザーが職場へ足を運び、人間関係や雰囲気といった詳細な内部情報を丁寧に調査し伝えてくれます。

徹底した情報収集により、入社後のミスマッチが起こりにくい、精度の高いマッチングを実現しています。

LINEを活用したやりとりが可能で、すきま時間で連絡が取りやすい点も好評です。

ただし、求人は都市部に集中する傾向があるため、地方での転職を希望する場合は他のエージェントと併用するのが安心です。

サービス概要
名前レバウェル薬剤師
運営会社レバウェル株式会社
求人数非公開
(※多数の非公開求人を保有)
対応エリア全国
(都市部に強み)
強み企業の内部情報をリアルに伝えてくれる
LINEで担当者と直接やり取りできる
都市部求人に強い
オンライン対応LINE・電話・メール
公式サイトhttps://pharmacist.levwell.jp/

④ファルマスタッフ:調剤薬局の求人に強く、派遣の選択肢も豊富

ファルマスタッフ
ファルマスタッフがおすすめな人
  • 調剤薬局に転職したい方
  • 派遣勤務も視野に入れている方
  • 専門性の高いサポートを受けたい方

ファルマスタッフは、大手調剤薬局チェーン「日本調剤」のグループ会社が運営する薬剤師専門の転職エージェントです。

全国に12の拠点があり、都市部はもちろん地方求人も豊富です。転居を伴う転職にも対応できます。

特に調剤薬局の求人が充実しており、非公開求人も多数あります。

さらに自社サービスによる派遣事業に強みを持つため、充実した福利厚生を受けながら自由度の高い働き方を検討できるのも魅力です。

専任コンサルタントによる面接対策や条件交渉のサポートも丁寧で、利用者からは「相談してよかった」という声が多く寄せられています。実際に、利用者の97%以上(※2)が「大変満足・ほぼ満足」と回答しています。

調剤薬局に転職したい方や派遣を含めて柔軟な働き方を検討したい方におすすめの転職エージェントです。

(※2)ファルマスタッフ公式ホームページより

サービス概要
名前ファルマスタッフ
運営会社株式会社メディカルリソース
求人数約49,000件以上
(2025年10月現在)
対応エリア全国
強み求人数の多さ
サポート体制の充実
派遣求人にも強い
オンライン対応電話・メール
公式サイトhttps://www.38-8931.com/

⑤リクナビ薬剤師:リクルートブランドの信頼と企業転職に強み

リクナビ薬剤師
リクナビ薬剤師がおすすめな人
  • 企業への転職も視野に入れている方
  • スピーディーに転職したい方
  • 効率的に情報収集したい方

リクナビ薬剤師は、人材業界最大手であるリクルートグループが運営する薬剤師専門の転職エージェントです。

リクルートが長年培ってきた企業ネットワークによって、一般には出回らない人気企業の募集に出会える点が魅力です。

製薬会社やCRO(医薬品開発業務受託機関)など他のエージェントでは見つかりにくい求人も多数保有。薬剤師の資格を活かして新たな分野に挑戦したい方にぴったりです。

スピーディーな対応にも定評があり、最短当日中に求人を紹介してもらえます。

効率的に転職活動を進めたい方におすすめです。

サービス概要
名前リクナビ薬剤師
運営会社株式会社リクルート
求人数約25,000件以上
(2025年時点)
対応エリア全国
強みリクルートブランドの信頼性
企業求人が豊富
スピーディーな転職支援
オンライン対応電話・メール
公式サイトhttps://rikunabi-yakuzaishi.jp/

薬剤師の転職に関するよくある質問

ここでは、転職を厳しいと感じている薬剤師さんから寄せられる質問に回答します。

50代の薬剤師が転職するのは難しいですか?

50代の薬剤師でも転職は十分に可能です。

若手の採用では成長を期待されるのに対し、50代の転職では即戦力としての実績が重視されます。

管理薬剤師のマネジメント経験や後輩の育成経験、特定の専門領域での深い知見は、大きな強みとして評価されるでしょう。

これまでのスキル・経験を今後どう活かすのか、十分にアピールすることが大切です。

調剤薬局から病院薬剤師への転職は難しいですか?

調剤薬局から病院薬剤師への転職は不可能ではありませんが、事前の入念な準備が必要です。

病院では即戦力が重視されるため、すでに現場で必要なスキルを持つ人材が優先されやすいためです。

病院薬剤師には、調剤に加えて病棟業務やチーム医療など、幅広い役割が求められます。調剤薬局とは業務内容が大きく異なるため、薬局経験のみでは即戦力とみなされないことがあるのです。

しかし、認定・専門薬剤師などの資格を持つ方は成長意欲を評価されることもあります。

また志望動機を明確にし、必要なスキル習得に前向きな姿勢を示せば、採用の可能性は高められるでしょう。

転職回数が多いと、選考で不利になりますか?

転職回数は必ずしも不利にはなりません。採用では、転職した回数よりも「なぜ転職を繰り返したのか」という理由が重視されるためです。

前向きな理由なく短期で転職を繰り返している場合は、ネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。

一方、スキルアップなどポジティブな目的があり、今後のキャリアプランも説明できれば、むしろ意欲を評価されるケースもあります。

「大手調剤薬局で薬剤師としての基礎を学び、より地域に貢献したいと考え在宅医療中心の薬局へ転職した」といった流れが説明できるよう準備しておきましょう。

企業など異業種や未経験の業種へ転職することは可能ですか?

薬剤師の知識を活かせる場は薬局以外にもあり、意欲次第で異業種にもチャレンジできます。

ただし、通常の転職とは異なる準備と心構えが必要です。

製薬会社のDI(医薬品情報)やCRA(臨床開発モニター)といった人気の企業求人は、求人数が限られており競争率も高いからです。また、調剤業務とは求められるスキルや適性も異なります。

だからこそ「なぜその仕事に挑戦したいのか」という転職の軸を明確にし、熱意のある志望動機を伝えることが大切です。

企業への転職を目指す場合は、リクナビ薬剤師など企業求人に強い転職エージェントを活用し、職務経歴書の添削や面接対策を徹底しましょう。

薬剤師の転職におすすめの時期はありますか?

薬剤師転職におすすめの時期は「自分が転職したい」と考えたタイミングです。

求人が増える時期はありますが、必ずしもその時期がベストとは限りません。

薬剤師の求人は年間を通して比較的安定しており、特に求人数が増えるのは春先や夏頃です。春先は新年度に向けた人員補充、夏頃はボーナス後の退職者補充が中心です。

ただし、自分にとって良い求人は募集枠が限られていることが多く、時期を問わず突然出てくるものです。

大切なのは求人が多い時期を狙うことではなく、自分にとってベストなタイミングで動けるかどうかです。

そのためにも、実際に転職する時期より前から、将来の転職に向けた準備を進めておくことが重要です。

あらかじめ転職サイトに登録しておき、自分のタイミングで活動を始めるのがよいでしょう。

転職しない方がいいケースはありますか?

転職理由が一時的な感情であったり、今の環境で解決できたりする場合は、一度立ち止まって考えることをおすすめします。

転職には新しい環境に慣れるためのエネルギーや、一時的に年収が下がるなどのリスクも伴います。転職理由があいまいで感情のままに動くと、結局同じような不満を抱えて短期離職につながる可能性があります。

例えば、特定の人との関係が唯一の不満である場合、異動を相談することで解決できるかもしれません。

転職エージェントに相談した結果、現職が恵まれた環境であると気づき、現状維持を決断する方も少なくありません。

相談自体は無料ですので、迷っている場合は一度専門家の意見を聞いてみるとよいでしょう。

まとめ:スキルと経験を強みに変えて、厳しい薬剤師転職を乗り越えよう

「薬剤師の転職は厳しい」という言葉に不安を感じるかもしれませんが、決して転職できないという意味ではありません。

市場の変化を正しく理解し求められるスキルを意識して準備すれば、むしろキャリアアップの大きなチャンスになります。

転職活動に踏み出すのに不安を感じているなら、まずは転職エージェントに相談することから始めましょう。

スキル・経験をもとに自分の市場価値を知り、今後のキャリアを見つめ直すだけでも大きな一歩です。より良い未来を手に入れるための選択肢として活用してみてください。

CAREER UP STAGE編集部 柚木 瑛里那

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会社名 株式会社アシロ(ASIRO Inc.)
2021年7月20日 東証グロース上場(7378)
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本社所在地 160-0023
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法人番号 9011101076787
設立日 2009年11月
代表者(代表取締役社長) 中山博登
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CAREERUPSTAGE編集部

転職サイトやエージェントは何を選ぶかではなく、『どう使いこなすか』にフォーカスしたWEBメディア。株式会社アシロの転職メディア編集部による、転職エージェントの賢い『使い方』とキャリアアップ実現の方法論を解説。

エージェント診断
DIAGNOSE
目次
  1. 薬剤師の転職が厳しいと言われる5つの理由
  2. 転職が厳しい薬剤師の特徴4選
  3. 転職に成功する薬剤師の特徴4選
  4. 薬剤師が転職に失敗しないための5つのポイント
  5. 薬剤師におすすめの転職サイト5社を比較!
  6. 薬剤師の転職に関するよくある質問
  7. まとめ:スキルと経験を強みに変えて、厳しい薬剤師転職を乗り越えよう
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