「設計職の年収はどのくらい？」
「設計職の年収に影響する要素や年収アップのコツはある？」

設計職は、製品や建物などの設計図を作成し、仕様や性能を形にする職種です。

設計職の年収や初任給について気になる人は少なくないでしょう。

本記事では、設計職の年収や仕事内容、年収アップのコツについて詳しく解説します。

設計職について年収アップしたい人は必見です。

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設計職の平均年収は？

設計職の平均年収や初任給が気になる人は多いでしょう。

ここでは、設計職の給与事情について詳しく解説します。

設計職の平均年収は685万円程度

政府統計のe-statより、システムコンサルタントおよび設計者の2023年の平均年収は、男女計・企業規模計で約685万円です。

以下が男女別・企業規模別に示した年収の平均です。

（年収）＝（きまって支給する現金給与額）×12＋（年間賞与その他特別支給額）として独自に計算しています。

属性	きまって支給する現金給与額	年間賞与その他特別支給額	年収
総合計	477,500円	111万9,100円	684万9,100円
男性／企業規模1,000人以上	489,700円	186万5,200円	774万1,600円
男性／企業規模100～999人	474,900円	102万6,600円	672万5,400円
男性／企業規模10～99人	533,100円	477,500円	687万4,700円
女性／企業規模1000人以上	434,400円	115万4,100円	636万6,900円
女性／企業規模100～999人	354,600円	750,600円	500万5,800円
女性／企業規模10～99人	395,500円	749,100円	549万5,100円

設計職の初任給

設計職の初任給は、設計職の種類や最終学歴によってやや差があります。

以下に、企業の求人ページの例を用いてそれぞれの初任給の額を見ていきましょう。

	建築設計	設備設計
企業名	株式会社JR東日本建築設計	NDK設備設計株式会社
初任給	高専卒：219,650円 大学卒：236,900円 修士了：248,400円（都市手当込み）	高校卒：18万円 短大／専門卒：19万円 高専卒：198,190円 大学卒：21万円（諸手当を除く）
企業公式サイト	https://www.jred.co.jp/recruit_newgraduate/newgraduate/	https://www.ndk-g.net/ndks/recruit/new/index.html

産労総合研究所の調査では、2024年度の学歴別の初任給の平均は以下のようになっています。

設計職の初任給はその他の業界・職種の平均の初任給と大きく変わらないといえるでしょう。

【参考】2024年度 決定初任給調査｜産労総合研究所

【種類別】設計職の仕事内容

そもそも設計職がどのような仕事に取り組むのかわからない人もいるでしょう。

本章では設計職の種類別に、それぞれの業務内容を解説します。

設計職は、次の5種類にわけられます。

設計職について気になる人はぜひ参考にしてみてください。

機械設計

機械設計は、工業用の機械やスマートフォンなど、さまざまな製品・設備の設計を行う仕事です。

以下の工程を踏んで業務をおこなうことが一般的といわれています。

まずは、概念設計で市場・顧客ニーズをもとに決定した製品のコンセプトから、どのような機能・性能が必要になるかを検討します。

概念設計の内容をもとに、CADソフトを利用して部品の形状や配置を設計し、強度や安全性をシミュレーションツールで確認するのが基本設計です。

詳細設計では基本設計の内容をもとに、実際に製品を製造できる段階まで進めます。

最後の生産設計では、工場で生産するための図面を起こし、加工や組み立てなどの指示を詳細に記載します。

構造・筐体設計

構造・筐体設計は、機械のなかでも土台となる部分に必要な性能や条件を満たすために設計を行う仕事です。

構造設計では、主に製品の骨組みや土台となる部分の設計を行います。

自動車の場合は、車体フレームやエンジンルームなど、製品の基礎となる部分を指します。

一方筐体設計は、構造設計の一部であり、製品の外装を設計する仕事です。

筐体は、機械のケースやフレームなどにおける外装の総称として利用され、自動車や航空機のボディなども筐体に含まれます。

構造・筐体設計では、3D-CADツールを用いて設計されることが多いです。

機構設計

機構設計は、製品を構築する部品・パーツの構造や形状のレイアウトを行う仕事であり、製品の性能や機能性をにかかわる重要な職種です。

モーターのギアやエンジンのクラッチなどが、機構設計の具体例として挙げられます。

機構設計では、単に設計するのではなく、ユーザーの使用性向上のためにユニバーサルデザインを意識して企画することが重要です。

また、部品デザインの際は、使用性に加えてよりユーザーやコンセプトに適したコスト・品質になるように設計します。

回路設計

回路設計は、電子機器内部に組み込まれる電子回路を設計する仕事です。

電子回路は、大きくデジタル回路とアナログ回路の2つにわけられます。

現代はデジタル化によって、デジタル回路設計が重視されるイメージがありますが、アナログ回路も同様にデジタル回路を支えるために重要な役割を担います。

また回路設計では、回路設計CADと基本設計CADを利用して設計をおこなうケースが多いです。

回路の設計職として活躍したい場合は、回路設計CADと基本設計CADなどを利用した設計スキルを身につけておきましょう。

電子制御設計

電子制御設計は、機械や設備、コンピューターの動作を制御する制御システムの開発・設計をおこなう仕事です。

たとえば、自動洗浄機能付きエアコンであれば、自動的にフィルター掃除を開始・終了するための制御システムがプログラミングされています。このプログラミングを作る作業を電子制御設計者が担います。

日常的に利用しているものや工場にある多くの機械や設備にも、電子制御システムが組み込まれています。

電気制御設計は現代社会で不可欠な仕事であり、今後さまざまな分野で役にたつため、やりがいを感じられる仕事といえるでしょう。

設計職の年収に影響する要素

設計職の年収は、次の要素によって大きく異なります。

設計職で年収アップを実現したいと考えている人は、どのような要素が年収に影響しているのか事前に確認しておくようにしましょう。

企業規模や給与体系

設計職の年収は、企業規模によってやや異なります。

政府統計のe-statの「令和5年賃金構造基本統計調査」の数値を引用すると、システムコンサルタント・設計者の項目において、大企業と小企業とでは、平均年収で60万円以上の差が生じていることがわかります。

（年収）＝（きまって支給する現金給与額）×12＋（年間賞与その他特別支給額）として独自に計算しています。

企業規模	きまって支給する現金給与額	年間賞与その他特別支給額	年収
大企業（1,000人以上）	479,200円	172万9,900円	748万300円
中企業（100〜999人以上）	456,700円	984,800円	646万5,200円
小企業（10〜99人以上）	524,000円	495,500円	678万3,500円

ただし、この数値はあくまでも平均値の比較であり、企業規模が同じくらいの会社同士でも従業員の給与には差があります。

詳しい給与額は、自身が応募する企業の求人票をよく確認しましょう。

従業員の年齢

政府統計のe-statの「令和5年賃金構造基本統計調査」の数値を引用すると、設計職従業の年齢別平均年収は次のとおりです。

（年収）＝（きまって支給する現金給与額）×12＋（年間賞与その他特別支給額）として独自に計算しています。また、システムコンサルタント・設計者の項目の数値を引用しております。

年齢階層	きまって支給する現金給与額	年間賞与その他特別支給額	平均年収
19歳以下	185,000円	55万円	227万5,000円
20〜24歳	286,300円	294,400円	373万円
25〜29歳	375,900円	606,100円	511万6,900円
30〜34歳	437,300円	102万9,500円	627万7,100円
35〜39歳	488,100円	161万2,900円	747万100円
40〜44歳	489,200円	111万9,300円	698万9,700円
45〜49歳	529,800円	148万4,300円	784万1,900円
50〜54歳	547,300円	136万6,300円	793万3,900円
55〜59歳	595,600円	133万4,900円	848万2,100円
60～64歳	519,700円	939,100円	717万5,500円
65〜69歳	319,800円	371,100円	420万8,700円
70歳以上	38万円	342,300円	490万2,300円

60歳までは全体的に平均給与が伸びていますが、20〜24歳と25〜29歳の際に140万円近く年収アップしていることがわかります。

20代のうちに仕事に慣れ、スキルが上がる時期であるため、スキルレベルに比例して年収アップしていると考えられるでしょう。

資格の有無

設計職の給与は、資格を保有しているかどうかで異なります。

企業によっては資格手当を採用しており、特定の資格を取得すると毎月資格手当や一時金支給などが受けられます。

月1万円の資格手当がつくだけでも、年収で12万円アップするため、設計職で年収アップを狙う人は資格手当のある企業がおすすめです。

現在資格がない人やブランクがあって不安な人は、研修制度や資格取得を応援してくれる企業を選ぶとよいでしょう。

勤務先企業の業種

設計職は、勤務先企業の業種によって年収が異なります。

以下は株式会社ワールドインテックが公開している記事の、表の項目・数値を引用して作成しております。

業種	年収
一般機械（飛行機・自動車 など）	600〜700万円程度
IT・精密機器	700〜800万円程度
重電機器（発電機・変圧器 など）	700〜1,000万円程度

発電機や変圧器などの重電機器を取り扱う企業は比較的年収が高く、一般機械を扱う企業は比較的に給与水準が低いことがわかります。

しかし、いずれも日本全国の平均年収と比較すると高水準といえるでしょう。

設計職の年収をアップするコツ

設計職で年収アップしたいと考えている人は、次のコツについて確認してみてください。

それぞれ詳しく解説します。

実績・スキルを身につけてキャリアアップ

設計職で年収アップするためには、実績・スキルを積んでキャリアアップを目指しましょう。

実績・スキルを積み、評価を得られると責任ある重要なポジションへ昇進できるでしょう。

一般的に役職が高い人ほど年収が高水準な傾向があるため、キャリアアップすることで年収アップを実現できる可能性があります。

資格を取得

設計職の業務に役立つ資格を取得することも、年収アップのためにおすすめの方法です。

企業によっては資格手当を取り入れており、特定の資格を取得すると毎月の手当や一時支援金を給付してもらえる可能性があります。

また、資格はスキルを客観的に証明できるため、キャリアアップ可能な企業へ転職したい場合にも役立ちます。

技術士やCAD利用技術者試験などの資格を取得し、年収アップを実現しましょう。

キャリアアップ可能な企業へ転職

在籍している企業で適正な評価が得られずなかなか年収アップが見込めない場合は、キャリアアップ可能な企業への転職もおすすめです。

過去に身につけたスキル・経験を活かせるほか、適切な評価制度が整備されている企業へ転職すれば、年収アップできるかもしれません。

特に同業種への転職の場合は、面接の際に前職での経験をPRしやすく、転職を有利に進められるでしょう。

自己分析・企業研究などの準備を入念に行い、転職することで、キャリアアップ・年収アップを目指しましょう。

設計職に強いおすすめの転職エージェント

設計職の転職におすすめの転職エージェントは、次のとおりです。

それぞれの特徴やサービス内容を詳しく解説します。

関連記事：製造業に強いおすすめの転職エージェント14選！選び方や活用方法も解説

マイナビメーカーAGENT

マイナビメーカーAGENTは、株式会社マイナビが運営するメーカーの転職に特化した転職エージェントです。

在籍するキャリアアドバイザーはメーカー業界の知見が深く、設計職の転職に関して的確なアドバイスをもらえます。

応募企業ごとに応募書類の添削や面接対策をおこなう選考対策サポートも充実しており、設計職未経験者や初めて転職する人も安心です。

また、マイナビメーカーAGENTでは非公開求人・独占求人も紹介してもらえます。

非公開求人は条件が良かったり責任ある業務を任されたりするので、「選択肢を増やしたい」「重要なポジションに就きたい」人は積極的に紹介してもらいましょう。

サービス概要
サービス名	マイナビメーカーAGENT
運営会社	株式会社マイナビ
公開求人数	20,505件（※）
非公開求人数	3,147件（※）
対応地域	東京、大阪、福岡、名古屋など全国
公式サイト	https://mynavi-agent.jp/maker/

タイズ

タイズは、創業以来10年以上、大手メーカーの求人数が豊富な信頼度の高い転職エージェントです。

在籍するキャリアコンサルタントの専門性が高く、的確な求人を紹介してもらえるほか、一人ひとりにあわせたサポートを提供してくれます。

メーカー転職のシェアNo.1のタイズですが、なかでも大手上場企業のシェアが大きく、大企業で設計職として活躍したい人におすすめです。

サービス概要
サービス名	タイズ
運営会社	株式会社タイズ
公開求人数	7,929件
非公開求人数	非公開
対応地域	関西、関東、東海、その他全国
公式サイト	https://www.ee-ties.com/

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メイテックネクスト

メイテックネクストは、メーカーのエンジニアに特化した転職エージェントです。

在籍するキャリアコンサルタントの半数以上がメーカーの技術分野出身であり、豊富な知識・経験から転職をサポートしてもらえます。

エンジニア専門の転職サービスのなかでは、業界トップクラスの求人数を誇る点も大きな特徴です。

メイテックグループ独自の検索システムと連携しており、豊富な求人のなかからマッチ度の高い企業を探すことができます。

将来性のある職場で働きたい人は、マッチ度の高い求人を紹介してもらえるメイテックネクストがおすすめです。

サービス概要
サービス名	メイテックネクスト
運営会社	株式会社メイテックネクスト
公開求人数	16,295件
非公開求人数	非公開
対応地域	東京、大阪、福岡、名古屋など全国／海外
公式サイト	https://www.m-next.jp/

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設計職の年収に関するよくある質問

設計職の年収に関するよくある質問は、次のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

設計職について疑問や不安がある人は本章を参考に、解消しましょう。

機械設計の企業が年収ランキングに入らない理由は？

機械設計の企業が年収ランキングに入らない理由としては、企業の多くが工場を有していることが挙げられます。

工場には機械設計のような専門職のほかに、高卒の若手従業員が多数在籍しているため、全体的に平均年収が低くなる可能性があります。

よって、設計職自体の給与水準が低いわけではありません。設計職の平均年収は約685万円で、日本の平均年収より高い水準にあります。

企業全体でみた場合に平均年収が低くなることが、機械設計の企業が年収ランキングに入らない理由として考えられます。

転職エージェントは無料ですか？

転職エージェントは無料で利用可能です。

例えば、設計職として転職する際に転職エージェントを利用し、企業への内定が決まれば企業から報酬として紹介手数料が支払われます。

求職者ではなく、企業から紹介手数料が支払われるビジネスモデルであるため、転職エージェントは無料で利用できるのです。

複数の転職エージェントを利用しても問題ないですか？

転職エージェントは、複数利用しても問題ありません。

むしろ複数社利用することがおすすめです。

複数の転職エージェントを利用すれば、より多くの求人を確認できるほか、さまざまなキャリアアドバイザーから設計職の転職に関してアドバイスをもらえます。

また、どのようなサービスが自分のニーズを満たせるかを見極める際にも役立つため、転職エージェントは複数社併用しましょう。

まとめ |設計職として理想のキャリアを築こう

設計職の平均年収は、685万円程度と日本全国の年収と比較して高水準です。

キャリアアップできる企業へ転職したり、資格取得したりすることでさらなる年収アップを実現できるかもしれません。

将来設計職として高年収を実現したい人や、やりがいのある仕事に携わりたい人は、転職によってキャリアアップできる環境へ身を移すのがおすすめです。

転職の際は、マイナビメーカーAGENTやタイズのような転職エージェントを利用することで、希望条件やスキルレベルにマッチした企業への転職を成功させられる確率が高くなります。

自分自身に適した転職エージェントを活用し、設計職として理想のキャリアを築きましょう。