転職活動において、給与交渉はデリケートな問題です。「給与交渉をしたら選考に不利になるのでは？」「給与交渉が決裂したら内定が取り消しになる？」など心配する人も多いでしょう。

しかし、給与は転職における重要な要素であり、あなたのスキル、経験、市場価値に見合ったものであるべきです。

給与交渉を適切におこなう方法を知ることは転職活動の可否を分けるため、ぜひこの記事を読んで備えておきましょう。

転職で応募先の企業に給与交渉してもいいの？

転職時に給与交渉することは可能です。

とはいえ、あくまでも給与はあなたのスキルや実績に基づくものです。交渉のタイミングや言い方によっては「自身を客観視できていない」とみなされたり、信頼関係が損なわれたりすることもあるため、慎重におこなうことが大切です。

また、給与交渉したからといって必ずしも給与が上がるわけではないことも覚悟しておきましょう。

給与は「応募者の前職の給与」や「応募先企業の給与テーブル」にのっとって決定することが多いため、相場を把握しておくことも大切です。

転職で給与交渉をするベストなタイミングとは

給与交渉の理想的なタイミングは、面接で希望年収を聞かれた時、もしくは内定を受けた後のオファー面談の時です。

この時期になると、企業はあなたを採用することにかなりの時間とリソースを投資しており、その費用対効果からあなたの要求に耳を傾ける可能性が高まります。

ただし、既に労働条件通知書が提示されている場合は、給与交渉が難しいケースが多いです。選考中に提示された給与を承諾したにも関わらず、内定後にそれを覆すのは避けたほうがいいでしょう。

給与交渉時の金額の目安は転職前の年収のプラス20%

転職時に給与交渉をする際は、転職前の年収に20%を加えた金額を目安にすることが一般的です。

この金額は、新しい職場での責任の大きさや、新たなスキル・経験に対する対価、市場の給与水準といった要素を考慮したものです。

ただし、業界や職種、地域によって相場は異なるため、この数字は一つの目安として利用し、個々の状況に合わせて調整する必要があります。

転職で給与交渉をするべき相手

給与交渉をおこなう相手としては、条件や待遇についての案内をする担当者（一般的には人事担当）が適当です。

企業によっては質問の窓口が決まっているケースがあるため、選考の過程で誰にどのような質問をするのがベストかを探っておくことが大切です。

転職で給与交渉をしてはいけない相手

入社後同僚となる社員や役員に給与交渉をおこなうべきではありません。

これらの人々は、給与の決定に関与していなかったり、給与面など待遇の話を嫌う傾向があります。

特に一次面接は、応募者のスキルや経験、実績の確認が主な目的となりますので、突然給与について打診することは得策ではありません。

転職で給与交渉をするときの注意点

多くの人が感じている通り、給与交渉はデリケートな面があり、注意点が多くあります。

どのような点に注意すればいいか、1つずつ見ていきましょう。

給与交渉の際は話し方に気をつける

給与交渉をおこなう際は、話し方が非常に重要です。

「給与」や「年収」など、直接的に金銭を表す言葉を使わず、「条件面について伺えますでしょうか？」など少しオブラートに包むことが大切です。

また、給与はあくまでもあなたのスキルや経験に対して支払われる報酬です。給与を交渉する際だけでなく、それまでの選考で、あなたに価値があると思わせることが重要な点も留意しておきましょう。

給与交渉をする理由を伝える

先ほども述べた通り、給与はあなたのスキルに対する報酬です。

給与交渉をするときは、自分の要求する金額に至った理由や根拠を明確に伝えることが大切です。

これには、あなたのスキル、経験、業界内でのあなたの位置、そして市場での相場などが含まれます。根拠を持って交渉に臨むことで、あなたの要求が客観的で合理的であると企業側に理解してもらう材料となるでしょう。

希望年収に拘りすぎないようにする

希望年収を持つことは大切ですが、給与は景気や企業の財務状態など、さまざまな要因が影響を与えるため、柔軟性を持って交渉に臨むことが重要です。

また、希望する額が明確にある場合は、どのような成果を出せばその金額になるかを聞くのも1つの手です。

さらに、昇給・昇格の機会の多さや住宅手当や扶養手当などの福利厚生を総合的に加味して判断することも大切です。

前職の年収を正直に伝える

給与を決める際、前職での年収は大きな指標となります。ただし、交渉の場で前職での年収を偽るのは絶対にやめましょう。

というのも、前職の年収は調査をすれば簡単に確認できるからです。

虚偽の申告が明らかになれば信頼を損ない、将来的なキャリアに悪影響を及ぼす可能性があります。新しい職場で気持ちよく働くためにも前職の給与は正直に答えましょう。

個人での給与交渉が難しい場合にはどうすればいい？

ここまで給与交渉をする際のコツを紹介しましたが、給与交渉は繊細なテクニックが必要となり、難しいと感じる人も多いでしょう。

そんなときは専門家にサポートしてもらうのがおすすめです。

転職エージェントのキャリアアドバイザーは、市場の動向、相場の知識、交渉のコツを持っており、あなたの代わりに給与交渉をしてくれます。給与交渉を自分でするにせよ、しないにせよ、給与交渉の際に必要な適正給与を知るには自分の市場価値を把握しておくことが大切です。

ビズリーチに登録すると、厳正な審査を通過したヘッドハンターにキャリア相談したり、外資を含む大手企業からのスカウトを受け取ったりできるため、自分の市場価値を知ることができます。

転職を考えている人はもちろん、まだ検討段階の人も気軽にチェックしてみてください。

まとめ

転職における給与交渉は、キャリア形成や仕事に対する満足度に影響する非常に重要な要素です。給与交渉には適切なタイミングや、コツがあり、それを裏付ける根拠も必要となります。

まずは自分の適正年収を知るために、市場価値を把握することから始めましょう。もし個人での交渉が難しいと感じる場合は、転職エージェントやキャリアアドバイザーの助けを借りることも有効な手段です。

彼らは交渉に長けたプロですので、あなたの市場価値を最大化し、最適な給与を実現するためのサポートをしてくれるでしょう。