税理士は40代で転職できる?転職成功のポイントや事例、おすすめの転職エージェントを紹介

編集者
佐藤達也
【キャリアアドバイザー】国弁護士・公認会計士・税理士等の士業や、管理部門特化の転職サポートを行う人材紹介会社に在籍。士業・バックオフィスに特化した転職ノウハウ・企業調査を担当しています。分野特化だからこその、勘所を押さえたリアルな情報を発信できるよう心がけています。
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税理士が40代で転職するのは難しいのか?
40代が応募できる税理士向け求人はあるのか?

転職の成功率を高める方法はあるのか?

40代税理士の方で、転職について上記のような悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。

結論、40代税理士の転職は可能です。しかし経験業務の内容や売上実績の差、マネジメント経験の有無によって転職が厳しくなることも考えられます。

本記事では、40代税理士の転職可能性について解説するほか、転職を成功させるためのポイントやおすすめの転職先を紹介します。

転職を検討している40代税理士の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

税理士は40代も転職可能!市場価値が高い理由を解説

一般的に転職が難しいと言われる40代であっても、税理士の場合は転職成功の可能性が十分にあります。40代税理士の転職市場価値が高い理由を、解説します。

税理士業界では40代は若手

40代税理士は、税理士全体の17.1%です。30代、20代はさらに少なく、20代~40代を合算しても28%しかありません。一方で60代税理士は全体の30.1%を占めており、60代以上を合算すると53.8%に及びます。

数字で見るとおり、税理士は超高齢化社会となっており40代でも若手として扱われます。業界全体で若手が不足しているため、40代も転職市場価値が高くなっているのです。

データで見る税理士のリアル。|日本税理士会連合会

即戦力・後継者候補として期待される

税理士業界は独立志向が強いため、個人事務所や小規模事務所が数多く存在します。高齢化の波を受けて、後継者問題に悩む事務所は少なくありません。

そのため、経験豊富な40代税理士は後継者候補として歓迎されます。

また大手や中堅の事務所でも、シニアクラスとジュニアクラスをつなぐミドルクラス人材として40代税理士を重宝しています。一通りの税務に対応できるほか、後輩育成やマネジメントを担う人材として期待されます。

未経験の場合は社会人経験次第

40代で税理士を目指す方は少なくないですが、20代、30代と比較すると転職の難易度は高くなります。

20代、30代はまだ税理士資格を保有していない人も多く、また社会人経験も少ないため、ポテンシャルで採用されることが多々あります。

一方で40代になると転職市場に経験者が増えるため、完全未経験では太刀打ちできない可能性があります。少なくとも企業経理や税務の経験がある人でなければ、転職は難しいでしょう。

国税庁の調査によると、税理士資格の受験者数および5科目到達者数(税理士試験合格者数)が最も多いのは40歳以上でした。

税理士試験は10代から受験をはじめる人も増えているため、1~2科目合格では転職市場で若手に負けてしまいます。

40代で未経験の場合は、3科目以上は必須です。できれば税理士試験に合格(5科目合格)しておきましょう。

参考:令和5年度(第73回)税理士試験結果表(学歴別・年齢別)|国税庁

40代税理士の転職を成功させる5つのポイント

40代税理士の転職を成功させるポイントは、以下の5つです。

  • 税務申告・記帳代行以外の業務経験
  • 売上実績
  • マネジメント経験
  • 事務所経営に貢献した経験
  • 短期離職を避ける

税理士への転職は、年齢によって求められるスキルや経験が異なります。そのため、40代で税理士への転職を目指す方は、上記のポイントを覚えておく必要があるでしょう。

税務申告・記帳代行以外の業務経験

40代税理士の転職においては、税務申告や記帳代行のような定型業務以外の業務経験が評価ポイントになります。

例えば、税務デューデリジェンスのような調査・分析をともなう業務や、税制の変更や経営戦略に応じた税務アドバイザリー業務など、豊富な経験・知識を要する業務の経験が評価対象となります。

また国際案件に特化した事務所や外資系事務所では、IFRS導入の経験や海外税制に対応した税務経験、ビジネス上での英語使用経験が必要とされます。

転職先の案件や提供サービス範囲によって求められる業務経験が異なるため、事前に把握しておきましょう。

売上実績

評価対象のなかでも特に明確な差別化をしやすいのが、売上実績でしょう。

個人売上のほか、チームを率いて売上を達成した経験や事務所全体の売上アップにつながるサポート経験があれば、具体的な数字や行動を含めてアピールしましょう。

売上高や達成・未達のような表現ではなく、売上をつくるにあたっての課題を見出し、対策の提示と実行によって改善された経験をアピールしてもよいでしょう。

現職と転職先でクライアント規模やサービス範囲が異なる場合は、売上や案件数に対する考え方も異なる可能性があるため、事前に内情を調査しましょう。

マネジメント経験

メンバーやチームのマネジメント経験がある40代税理士は、高評価を受けます。とくに転職先と同規模の組織構成であれば、経験をそのまま活かすことができるでしょう。

一方で税理士は労働集約型ビジネスの色が濃く、マネージャーであってもメンバーを細かく管理・指導をするというよりはサポート程度に留まっていることが多いでしょう。

それゆえメンバーマネジメントスキルも大切ですが、現場監督能力や顧客管理能力のほうが重要視される傾向にあります。

案件をスムーズに進めるための工夫や顧客開拓におけるコミュニケーションの工夫など、より現場に即したマネジメント経験が評価されるでしょう。

事務所経営に貢献した経験

40代税理士が転職すると、共同経営者や後継者候補になることを期待されがちです。

自分自身も経営に関与することを想定して転職する場合、これまで所属した事務所の経営に貢献した経験があるとよいでしょう。

例えば、新規事業の立案から運営まで携わった経験や、中長期の予算案を作成した経験は評価されるでしょう。広報活動や採用・教育に携わった経験も、経営サポートの一部と言えます。

具体的な業務内容も大切ですが、所長の意向や事務所の方針を意識してアクションを起こしたという事実が何よりも重要です。

経営に貢献したいという気持ちが表れたエピソードを話すと、採用側に良い印象を与えられます。

短期離職を避ける

税理士業界は一般企業に比べると転職に寛容ですが、それでも限度があります。

40代で経験者数が10社前後である場合や、直近連続して短期離職を繰り返していた場合は印象が良くありません。短期離職は、一般的に3年未満を指します。

60代以上が多い税理士業界では、40代のミドルクラスに定着してほしい気持ちが強いです。そのため短期離職を繰り返す税理士は、採用側が今回もすぐに離職してしまうことを恐れて雇ってくれません。

もちろん離職理由次第では、採用される可能性があります。すでに短期離職を繰り返している人は、書類選考の前に直接コミュニケーションが取れる「紹介」か「転職エージェント」を利用した転職方法がおすすめです。

キャリア形成には計画性が大切です。その場の感情や世論に流されず、将来的を見据えて転職を決めましょう。

40代税理士におすすめの転職先

すでに経験が豊富な40代税理士には、以下の転職先がおすすめです。それぞれおすすめする理由を解説します。

BIG4税理士法人

BIG4で勤務した経験がある40代税理士であれば、出戻りや他のBIG4に転職できる可能性は十分にあるでしょう。過去にBIG4に所属していたという事実が、何よりも評価される対象になります。

一方で40代まで一度もBIG4に勤務した経験がない場合、BIG4への転職は難しいでしょう。

税理士法人の最大手であるBIG4は、クライアントや提供サービスが中小事務所と大きく異なります。BIG4が大手企業や外資系企業の税務を独占しており、高度で広範なサービスを提供しています。

中小事務所や事業会社での勤務経験が長い税理士は、BIG4の業務には馴染めない可能性が高いため、採用してもらえないのです。

転職可能性があるとすれば、大手企業や外資系企業をメインクライアントとするコンサルティングファーム出身者や、公認会計士と税理士のダブルライセンスなどハイクラス人材です。

中堅税理士法人・会計事務所

40代税理士のスキルを最大限活かせる環境は、一気通貫型でサービスを提供できる中堅事務所ではないでしょうか。

40代になると、定型業務以外に新規開拓や既存顧客サポート、アドバイザリー業務など経験業務範囲が増えていることでしょう。豊富な経験を活かせるのは、分業型の大手事務所よりも一気通貫型の中堅事務所です。

事務所規模がそこまで大きくないため、経営や事業企画に入り込む隙もあります。将来的に独立や後継者候補を目指す場合にも適したキャリアパスと言えるでしょう。

特化型事務所

40代にさしかかると、専門分野をもっている税理士が増えてきます。専門性をより高めるキャリアパスとして、特化型事務所が選ばれています。

特化型事務所とは、特定の税制や業種に絞ってサービス提供をおこなう事務所を指します。代表例としては、資産税特化型国際税務特化型の事務所があります。

専門分野を極めることは、その後のキャリアパスを狭める結果にもつながります。そのため特化型事務所への転職、または転職後に独立することをキャリアゴールと考える税理士が多くいます。

税理士キャリアを捧げる分野が決まったら、特化型事務所を目指してみてはいかがでしょうか。

コンサルティングファーム

税理士の経験を活かして、コンサル業界に転職する税理士は多くいます。ただし40代ではじめてコンサル業に挑戦する場合は、かなり転職ハードルが上がるため注意が必要です。

コンサルティング業務は、クライアントに合わせた柔軟なサービス提供をおこないます。サービス内容が多面的なため、経営知識・営業力・プレゼン力・均衡力など総合的な能力が必要です。

税理士の転職先としては、会計・財務系コンサルファーム、経営戦略系コンサルファーム、総合系コンサルファームが考えられます。

税理士法人や会計事務所でもコンサル業務をおこなう場合がありますが、基本的には税務に関連したコンサルティングに限られます。40代まで税務に限った経験しかない場合は、採用される可能性が低いでしょう。

ただし顧問先の経営戦略や事業計画まで関与した経験があれば、コンサルティングファームにも馴染みやすいため、転職可能性が高まります。

自身の業務経験を突き合わせて、親和性が高い経験があれば転職を検討してみましょう。

事業会社の経理・税務・経営企画

税理士が事業会社に転職して、税務や会計の経験・知識を活かして活躍するケースは少なくありません。

経理財務のマネージャー・管理職候補や、国際税務のスぺシャリイストとして税理士を募集する求人もよく見られます。専門性を活かしたポジションに就ける可能性が高いでしょう。

ただし事業会社への転職は年齢によるハードルが高いため、40代で事業会社経験がない場合は転職の実現可能性は低いです。

将来的に事業会社に転職したい場合は、40代になるまでに事業会社を経験しておくと有利です。

事業会社未経験の場合は、同規模同業種のクライアントに対する会計税務の実務経験があることをアピールできると転職可能性を高められるかもしれません。

あるいはクライアントの経営戦略に携わった経験があれば、事業会社の経営企画や事業計画のポジションに就けるかもしれません。

40代税理士の転職成功事例

税理士の転職を支援するハイスタ税理士の情報提供をもとに、40代税理士の転職成功事例をご紹介します。

小規模事務所を転々とし、ワンランクアップ上の事務所へ転職

10名以下の小規模事務所を転々としていましたが、キャリアアップのためにワンランク上の事務所に転職を希望していました。

サービス範囲やクライアントが限定された事務所からキャリアをスタートしたため、少しずつ業務範囲を広げながら転職を繰り返していました。

調査・分析業務に触れるようになり、より企業の経営に関わる税務サービスを提供したいと考えるようになり、財務コンサルティングを軸とする税理士法人に転職しました。

豊富な経験値が評価され、50万円ほど年収をあげて入所されました。

経営者が税務に興味を持ち、中堅税理士法人へ転職

サラリーマンとして数社勤務したのち、独立してコンサルティング会社を経営していましたが、コンサルサービスを提供するなかで税務に興味を持ちました。

専門的にサービスを提供するべく小規模事務所へ転職しましたが、過去の業務経験より案件規模が小さいため業務内容に満足していませんでした。

大手企業で経営企画に従事した経験やコンサル会社を経営した経験をもとに、見事中堅税理士法人への転職を果たしました。

理想通り大規模案件に携われるようになり業務範囲が広がったほか、年収が100万円ほどアップしました。スキルが正当に評価され、活躍を期待されての転職でした。

参考:https://hi-standard.pro/tax/

40代税理士におすすめの転職エージェント5選

40代税理士の転職に強い転職エージェントを紹介します。

ハイスタ税理士

公式サイト:https://hi-standard.pro/tax/

ハイスタ税理士は、税理士専門の転職エージェントです。現役の税理士や、税理士科目合格者、税務経験者の転職をサポートしています。

業界特化型のため、BIG4のほか中堅事務所のマネージャー候補や資産税・国際税務等の特化型事務所など、豊富な税理士求人を取り扱っています。

ハイスタ税理士では求人の紹介だけでなく、税理士法人・会計事務所に特化した面接対策や書類添削などもおこなってくれるため、40代での転職を考えている方や転職が初めてという方でも内定までしっかりとサポートしてもらえるでしょう。

公式サイト:https://hi-standard.pro/tax/

マイナビ税理士

マイナビ税理士

マイナビ税理士は、株式会社マイナビが運営する税理士特化の転職エージェントです。

マイナビの広いネットワークを活かし、会計事務所や税理士法人、コンサルティングファームや一般事業会社など、幅広い分野の求人を紹介しています。

人材大手の豊富なノウハウによって、40代税理士の転職をサポートしてくれます。

公式サイト:https://zeirishi.mynavi-agent.jp/

レックスアドバイザーズ

レックスアドバイザーズ

レックスアドバイザーズは、税理士・公認会計士に特化した転職エージェントです。

会計業界で知名度が高く、大小さまざまな事務所とつながりがあります。実績豊富なアドバイザーがサポートしてくれるため、転職に不安を抱く40代税理士の方でも安心して転職活動を進められるでしょう。

公式サイト:https://www.career-adv.jp/

Hupro

ヒュープロ

Huproは、税理士・会計業界の求人数トップクラスを誇る転職エージェントです。

求人数が豊富なほか、転職スピードに強みを持つエージェントのため、できるだけ早く転職活動を進めたい税理士におすすめです。

公式サイト:https://hupro-job.com/

ジャスネットキャリア

ジャスネットキャリア

ジャスネットキャリアは、税理士・公認会計士・経理人材向けの転職エージェントです。

公認会計士が創業したエージェントのため、会計業界に詳しいアドバイザーが数多く在籍しています。

公式サイト:https://career.jusnet.co.jp/

総括:計画性があれば40代税理士は転職しやすい

税理士業界は高齢化が進んでいるため、40代税理士の転職市場価値が高まっています。

40代税理士には即戦力として活躍することが期待され、後継者候補として採用されるケースも多々あります。

業務経験の広さや売上実績、マネジメント経験などが評価されて、役職付きや年収アップして入所した事例もあるため、よりよい転職のための準備をしておきましょう。

事務所の内情調査や選考対策のため、税理士に特化した転職エージェントの活用もおすすめです。

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キャリアアドバイザー

佐藤 達也

弁護士・公認会計士・税理士等の士業や、管理部門特化の転職サポートを行う人材紹介会社に在籍。士業・バックオフィスに特化した転職ノウハウ・企業調査を担当しています。分野特化だからこその、勘所を押さえたリアルな情報を発信できるよう心がけています。