美容師免許は美容師として働くだけではなく、様々な仕事に活かすことが可能です。

しかし、実際どのような仕事に活かせるのか分からないという方も少なくありません。

本記事では、美容師免許がなければできない仕事や美容師経験を活かせるおすすめの職種、美容師から転職する主な理由、他業種でも評価されるスキルについて紹介します。

今の職場に不満がある方、美容師以外の仕事に興味がある方必見の内容です。

ぜひここでお伝えする情報を参考に、美容師免許を活かした転職についての理解を深めていきましょう。

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美容師免許がないとできない仕事5選

美容師免許がなければできない仕事は思いのほか多く、様々な業界で活躍できます。主な仕事は下記の5つです。

それぞれどのような仕事なのか、特徴や業務内容について下記で詳しくみていきましょう。

ヘアメイクアップアーティスト

メディアに出るタレントや俳優、雑誌・SNSで活躍する方、結婚式などでヘアメイクを施す仕事です。

ヘアメイクアップアーティストが結婚式場やフォトスタジオへ赴き、ヘアメイクをすることもあります。

それぞれのシーンにふさわしいヘアセットやメイクを施し、「希望通りに美しく仕上げたい」といったおもてなしの心を持つ方に特におすすめです。

知識を増やし、経験を積み重ねて技術力を高めていけば、芸能人のヘアメイクを担当することもあり、活躍の場を大きく広げることができるでしょう。

訪問美容師

体の不自由な高齢者など、自分から美容室に行けない方を対象にカット・カラーなどをおこなう仕事です。

病院や介護施設への訪問も多く、「介護美容師」「福祉美容師」と呼ばれるケースもあります。

一般的なお客様とは異なり、高齢者や身体障がい者など、体の不自由な方を対象とする仕事になるため、コミュニケーション能力や順応力が高い方、優しく温和な性格の方に向いているでしょう。

施設への訪問の場合、介護や福祉に関する資格が必要と考えられていますが必須ではありません。そのためチャレンジしやすく、やりがいのある仕事といえます。

スパニスト

お客様へヘッドスパをおこなう仕事です。施術はヘアカット前におこない、頭皮の血行を促しリラックスタイムの提供、健やかな頭皮への改善などが主な業務となります。

スパニストはヘッドスパを極めた方を呼ぶこともあり、サロンを決める際にヘッドスパ目的で選ぶ方も少なくありません。需要が高く注目の仕事といえます。

ヘッドスパには「ドライヘッドスパ」「ウェットヘッドスパ」がありますが、ドライヘッドスパは美容師免許が無くても施術可能です。一方、美容師免許を保有していればウェットヘッドスパの施術ができます。

カラーリスト

通常の美容師以上にヘアカラー技術に優れており、豊富な知識やスキルを活かしながらお客様が求める理想的なヘアカラーを提供します。

カラーリストは、美容師免許はもちろんのこと高い技術力も欠かせません。スタイリストとしての経験を積んでいき、技術を磨き続けていきましょう。

カラーリストは基本的にヘアカラーが主な業務となり、他業務はしないケースがほとんどです。

美容師としての業務内容が制限されるのが特徴ですが、カラーのプロとして多くのお客様と関わる機会が得られます。

アイリスト・アイブロウリスト

まつ毛パーマやまつ毛エクステなどを専門とするのが「アイリスト」、眉にまつわる悩みに寄り添い理想的な形に整えるのが「アイブロウリスト」です。

アイリストは美容師免許が必須です。アイブロウリストは、施術内容により美容師免許が必要となるので、保有しておけば施術内容の幅が広がるでしょう。

それぞれ「日本まつ毛エクステンション認定機構・技能検定試験（JECA）」「アイブロウマイスター」など役立つ民間資格があります。

資格は豊富な知識を持つ証明になり、転職にも有利なのでぜひ取得しましょう。

美容師免許を活かせるおすすめの仕事・職種4選

美容師免許を活かした転職を考えている方は、ここで紹介する下記4つの仕事を検討してみてはいかがでしょうか。

それぞれの職種の特徴について、ひとつずつ詳しくみていきましょう。

美容部員（ビューティーアドバイザー）

化粧品の販売を通し、お客様へ「美」を提供する仕事です。

美容師との親和性が高い職種で、美容に関する様々な知識があることはもちろん、接客経験やカウンセリングスキルなど、これまでの経験を十分活かせます。

美容師免許を保有している方や、美容室での勤務経験がある方を求めている求人も少なくありません。

また、美容専門学校を卒業している場合、就業経験がなくても美容部員への採用で優遇されるケースがあるため、チャレンジしやすい職種といえます。

エステティシャン

お客様の肌に直接触れて施術をおこなったり、美容に関するアドバイスを提供するエステティシャンは、美容師としての仕事と共通する部分が多くあります。

美容師の主な業務内容はカットやヘアカラーなど髪に特化していますが、その傍らお客様へ頭部や肩のマッサージを施すことも少なくありません。そのため、肌の手入れに特化したエステティシャンへの転職もしやすいのが特徴です。

もちろん美容師としておこなうマッサージとエステティシャンが施すマッサージは異なりますが、全く知識や経験がない場合と比較すれば技術の習得がしやすいのも大きなポイントといえます。

美容メーカー・ディーラー営業

美容メーカーの営業は、美容器具や化粧品などの自社製品を製造する企業で、サロン・薬局・百貨店などでの販路拡大が主な業務となります。

ディーラー営業は、美容室で使用する商品、お客様へ販売するための商品を卸す仕事です。

どちらも美容師としての知識や経験を十分活かせます。また、ディーラー営業の場合、美容師免許や美容室での就業経験が大きな強みとなり、営業先から信頼されやすいでしょう。

元美容師として、美容室に来るお客様が何を求めているか、どんな商品を提供すべきかをこれまでの経験を踏まえて営業できるので、説得力のあるトークが可能です。

アパレル販売員

美容師に求められるのは、髪に対する知識だけでなく、ファッションセンスも欠かせません。

トータル的にトレンドを取り入れ、流行を敏感にキャッチする能力も大切です。美容師としての経験を積んでいく中で、自然にファッションセンスが磨かれた方もいるのではないでしょうか。

ヘアスタイルとファッションの流行は連動している部分も多く、系統が似ていれば取り扱う雑誌が同じこともあります。

アパレル販売員として似合う着こなしをアドバイスすることはもちろん、美容師としての経験や知識を活かして服に合わせやすいヘアスタイルやカラーのアドバイスができるのも大きな強みといえるでしょう。

美容師から未経験の異業種への転職は難しい？

職種にもよりますが、美容師からの異業種転職はそこまで難しくありません。

接客経験や1対1のカウンセリング、お客様の希望を聞き似合うスタイルの提案など、美容師ならではの経験やスキルは幅広い職種で求められる能力だからです。

また、美容師免許は国家資格なので、保有していれば美容・化粧品業界で優遇されるケースもあります。すでに美容に関する豊富な知識を有しているため、即戦力として有利になることも珍しくありません。

美容・化粧品・アパレルなど、美容師と関連のある職種に関しては、繋がりが多い分転職は難しくないでしょう。

もちろん、専門的知識を習得する必要はありますが、美容師としての経験を活かすことで効率よく知識を収集し、スキルを磨き続けられます。

美容師が転職する理由3選

美容師が転職する理由は様々ありますが、特に多いのが下記の3つです。

きらびやかでおしゃれなイメージが強い美容師ですが、実際は上記のようなマイナスな面があり、転職を検討する方は少なくありません。

それぞれの具体的な内容について、詳しい内容をみていきましょう。

給与・収入が低い

厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると、美容師の全国平均年収は330.1万円です。一方、国税庁が発表している令和4年分の平均給与は458万円となります。

また、国家資格が必要になる公認会計士の平均年収は746.6万円、看護師は508.1万円と、平均給与よりも高い水準です。

美容師免許も同じ国家資格ですが、こうした比較をみるといかに他より給与が低いかが分かります。高い技術力やスキルが求められる割に給与・年収が低い点は、転職を考える方の多くが不満に感じる部分といえるでしょう。

※参照：「国税庁」令和４年分・民間給与実態統計調査
「厚生労働省」jobtag・美容師
「厚生労働省」jobtag・公認会計士
「厚生労働省」jobtag・看護師

友人やパートナーと休みが合わない

美容師の休みは基本不定期です。土日や祝日は休みがとりにくいケースも多くあります。

社会人として働き始めると、友人やパートナーとの休みが合わず、プライベートを楽しめないと感じる方もいるでしょう。

不定休な仕事でプライベートが充実しないという不満を解消したいと考えても、美容師として働く限り難しいのが現状です。

仕事は人生を豊かにするひとつの手段といえますが、価値観は人それぞれ持っているため、仕事ばかりの生活に嫌気がさしてしまうこともあります。

プライベートをもっと充実させたいと考えた場合、美容師からの転職を検討する方が多いのも特徴です。

身体的にきつい（長時間労働・立ち仕事）

美容師は、手荒れや腰痛などの身体的疲労で転職を考える方も多くいます。

実務を経験することで、初めて身体的なきつさを実感した方、手荒れで受診した際にドクターストップがかかってしまった方などもいるのではないでしょうか。

特に若い方やアシスタントとして入っている方は想像以上のきつさに驚き、「続ける自信がない」と満身創痍になってしまうケースも少なくありません。

身体的に合わないと感じる場合、無理に続けるとさらに健康を害してしまうこともあるため、早い段階から転職を検討する方も多いのが特徴です。

美容師からの転職で評価されるスキル

美容師からの転職では、下記3つのスキルは大きく評価される傾向にあります。

異業種への転職をスムーズにするためにも、評価されるスキルを把握しさらに磨き上げていきましょう。下記でそれぞれのスキルについて詳しく紹介します。

接客スキル・コミュニケーション能力

美容師の施術は、長時間に及ぶことも珍しくありません。その中で、お客様が飽きたり退屈したりしないような接客スキルやコミュニケーション能力は、様々な職種で活かせます。

細やかな気配りができる接客で顧客を獲得し、リピーターになってもらった経験も大きな強みといえるでしょう。実際に施術をおこなう美容師はもちろん、デビュー前のアシスタントでも接客スキル・コミュニケーション能力は磨くことが可能です。

先輩の顧客をお迎えしたり、シャンプー・ドライヤーを担当するなど、様々な場面で養われたお客様第一の「おもてなしスキル」は、社会人として求められる重要な要素のひとつといえます。

提案力・問題解決能力

美容室に来るお客様の中には、漠然としたイメージはあるものの具体的なスタイルが決められない方、どんなスタイルが自分に合うか分からず悩んでしまう方なども少なくありません。

美容師は、それぞれの好みやイメージを具現化し、似合う髪型を提案したうえで形にしていきます。こうした提案力や問題解決力は、異業種でも大きな武器となるでしょう。

お客様が何を求めているのかを的確にとらえ、説得力のある提案スキルは高く評価されるポイントです。同時に潜在的ニーズを察知し解決する能力は、自分自身の強みとして大いにアピールできます。

忍耐力

美容師は基本立ち仕事です。そのため、自然に体力が身につき忍耐力が鍛えられていくでしょう。

長い下積み時代に耐え忍んできた経験は、異業種でも求められ、高く評価される大きなポイントといえます。

美容師は、場合によっては中々休憩が取れなかったり、疲れていても笑顔を絶やさないようにしたりなどのタフさも養われていくのが特徴です。

このような忍耐力や体力は、強みとして大々的にアピールできる武器といえます。

美容師から転職するなら、転職エージェントを活用しよう

美容師から転職する際には、転職エージェントを活用するのがおすすめです。

もちろん、自分自身で求人を探し応募する方法もありますが、転職エージェントを活用することで選択肢が広がったり、新しい業界・業種へのチャレンジがしやすくなったりします。

自分では気付けなかった強みの発見や、弱い部分を補うポイントやアピールポイントをうまくプレゼンするためのアドバイスもしてくれるので、スムーズな転職活動を実現できるでしょう。

下記記事では、美容業界に強い転職エージェント12選を紹介しています。転職エージェント利用のメリットや転職を成功させるポイントなどにも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

まとめ

美容師免許があるからこそ目指せる仕事やスキル・能力を活かせる仕事について紹介しました。

美容師は、給与の低さや身体的なきつさを理由に転職を検討する方も少なくありません。

しかし、これまで培ってきたスキルや経験は、様々な異業種で活躍できる大きな武器といえます。

本記事でお伝えした情報を参考に、美容師からの転職をぜひ成功させましょう。

接客スキルやコミュニケーション能力、忍耐力など、即戦力として活躍できる経験をアピールし、新しい職種にチャレンジしてみてください。