財務が年収を上げるには転職が有効!転職エージェントを利用するとさらに成功率がアップ
財務は会計知識と経営視点の両方が必要な専門性が高い職種です。
財務は適応できる人材が少ないため、市場価値が高い一方で1社あたりのポジションが少ない傾向にあります。昇給や昇格が見込めず、悩んでいる方もいることでしょう。
本記事では財務の年収相場に触れながら、年収を上げる具体的な方法について解説します。
年収を上げるのに即効性がある転職を選択する方に向けて、財務の転職事情や転職エージェントを利用する重要性もお伝えします。
財務の平均年収を条件別にチェック
まずは財務の平均年収を確認しましょう。年代や役職、企業規模などさまざまな角度から見ていきます。
財務の平均年収
転職口コミサイト「転職会議」によると、財務の平均年収は510万円です(2024年1月31日時点)。
口コミの詳細をみると、最低年収は150万円で最高年収は2,200万円となっています。最低年収は年代が上がっても150万円程度である一方で、最高年収は20代で1,000万円程度、30代で1,500万円、40代は2,000万円越えと順調に上昇しています。
年収格差が生じやすい職種であることが予想されます。
財務の20代前半は平均年収375万円に留まっていますが、20代後半になると平均年収455万円と、全体平均に近付きます。若手のうちに年収アップが期待できる職種といえます。30代は平均年収557万円、40代以上になると724万円までアップします。
20代財務の最高年収は1,000万円程度ですが、30代になると1,500万円、40代以上では2,200万円と右肩上がりです。口コミ詳細を見ると、大手メーカーやコンサル会社、メガバンク、商社などの財務は年収1,000万円を超えています。
※参考:財務の年収まとめ (給料/平均年収/企業名などを集計)|転職会議
財務の年代別平均年収
年代別の平均年収は、以下のとおりです。
- 20代前半:平均年収375万円
- 20代後半:平均年収455万円
- 30代:平均年収557万円
- 40代以上:平均年収724万円
財務の20代は、全体平均の500万円にはまだ届きません。財務はポジションが少ないうえに業務の難易度が高いため、社会人経験のない新卒がいきなり配属されることはほとんどなく、配属されても年収はあまり高くありません。
財務の平均年収は、30代のうちに全体平均の510万円を超えます。若手のうちに年収アップが期待できる職種といえるでしょう。
40代になると管理職や経営に関する派生業務を任され、平均年収でも700万円を超えます。企業規模が大きいと、年収1,000万円以上も期待できるでしょう。
※参考:財務の年収まとめ (給料/平均年収/企業名などを集計)|転職会議
財務の役職別平均年収
財務のメンバークラスは、年収は300万~500万円程度です。リーダークラスになると、財務の平均年収である500万円を超える人がでてきます。チームの人数や業務範囲によって、年収に差がつき始めます。
マネージャークラスになると年収800万円程度、財務部のトップである財務部長になると年収1,000万円超が目安です。マネージャー以上の年収相場は企業規模によって大きく変動します。
またCFO(最高財務責任者)の場合、大企業・上場企業では年収2,000万~3,000万円と非常に高い年収を手にしている方がいます。日本ではCFOを置く企業はまだ多くはありませんが、グローバル展開をしている企業を中心にCFOのニーズが増えてきています。
CFOのような経営層に就任するのも、財務の年収アップにつながるキャリアパスのひとつです。
企業の規模や種類による財務年収の違い
そもそも中小企業では、財務ポジションを設けていないケースが多くなっています。その場合、経営陣が財務の役割を担います。
大企業では財務の部署が存在し、キャリアパスも豊富です。着実に年収アップを狙うなら、大企業への転職・就職がおすすめです。
一部ベンチャー企業では、CFOが財務のすべてを担うことがあります。業務範囲が広く責任が重い分、高収入が約束されるでしょう。社内ではなく外部から雇うケースが多いため、転職でチャンスをつかめる可能性があります。
財務の年収が1,000万円を超えた実績がある業種は、以下のとおりです。
- 大手メーカー(自動車・薬品・嗜好品など)
- 経営・IT系コンサル
- 銀行など金融
- インフラ系
- 商社
- IT・システム開発・ソフトウェア
もともと年収の水準が高い業種がそろっています。大手メーカーやメガバンクの財務で年収アップを目指す場合、若手の段階で所属して昇格を目指す方法が王道でしょう。
コンサルや商社、IT系のベンチャー企業の場合は、成果次第で年収アップが期待できます。転職後に着実に年収アップを目指すのか、転職直後から高収入を得たいかによって、目指すべき業種が異なるでしょう。
財務と経理の年収比較
財務と経理は関係性が深い職種のため、経理との年収も比較してみましょう。
経理の平均年収は、465万円です。財務の平均年収が518万円だったので、財務は経理よりも50万円ほど高い年収水準であることがわかります。
その理由として、財務業務の難易度が高いことが挙げられます。財務は会計やファイナンスの知識に加えて幅広い経験やビジネスの知見が必要なので、経理よりも業務の難易度は高めです。
投資家や株主に対する説明責任が重いことも、財務の年収が経理よりも高い理由のひとつでしょう。
※参考:経理の年収まとめ (給料/平均年収/企業名などを集計)|転職会議
財務とその他年収比較
国税庁の民間給与実態統計調査によると、給与所得者の平均給与は443万円です。一般的な会社員の水準と比べて財務の年収は高いと言えます。
ただし男女別に見ると男性の平均給与は545万円、女性は302万円なので、財務職の年収と一般的な男性会社員の年収とは大きな開きがないこともわかります。財務は女性も活躍していますが男性のほうが多い傾向が見られるため、おおむね男性の平均給与と近い水準だと考えられます。
財務と関連性のある職種の年収も見てみましょう。たとえば財務・会計コンサルタントの場合、年収水準は20代でも500万円以上、30代~40代では800万~1,000万円が目安となっており、財務関連職種の中でも高収入です。
また財務と親和性が高い公認会計士は、20代で600万~700万円、30代~40代では800万~1,200万円です。とくに大手監査法人の公認会計士は20代でも1,000万円以上得ている方も珍しくありません。
財務の経験を活かしてキャリアチェンジをすることで、高年収を得ることが可能だとわかります。
財務で年収が高い人の特徴
財務人材の中でもとくに高い年収を得ている人の特徴を解説します。
財務の経験年数5年以上
財務は経験年数と実績に応じて、年収も高くなるのが特徴の職種です。
経験年数の目安は5年です。1社で3年~5年以上ある人が評価の対象になるため年収も高まります。これは転職を繰り返して5年の経験を積んだ場合ではなく、1社での経験年数です。
したがって財務として年収を上げたいと思ったら少なくとも3年、できれば5年は1社で経験を積むべきといえます。
業務内容の難易度が高い
業務内容の難易度も年収に影響も与えます。財務はどの業務も難易度が高いですが、その中でも規模が大きい資金調達や長期的な財務戦略の構築、マネジメントなどの業務を担当する人材は年収が高めです。
基本的には経験を積むと業務内容の難易度も高くなるので、年収も上がっていきます。また中小企業の場合、経理と財務の兼任というケースが多いですが、財務寄りの業務を任されている人ほど年収は高い傾向が見られます。
役職に就いている
企業規模にかかわらず役職(課長以上)に就くと年収は600万円を超えてくるケースが多いため、役職に就いているかどうかも年収を左右します。
管理職は経営陣とのコミュニケーションも発生するので、役職に就くにはコミュニケーションスキルが高いことも必要です。
資格がある
特定の資格がある人は資格手当が付いたり評価の対象になったりするため年収は上がりやすくなります。
資格が直接評価の対象にならない場合でも、そもそも資格を取得するような人はスキルアップへの意欲が高いため、難易度の高い業務に挑戦するなどして高い評価を得やすい傾向があります。結果的に年収も高い場合が多いです。
語学力がある
グローバル企業や大企業、外資系では英語スキルがある人を求めています。こうした企業は給与水準が高いため、英語スキルを武器に転職すればおのずと年収も上がります。また近年では中国との取引も無視できないため中国語もできると評価されます。
企業規模が大きい・経営成績がよい
財務は営業や販売職のようにインセンティブをつけることが難しい職種なので、どこに所属しているかが非常に重要です。たとえばまったく同じスキルや経験のある人材を比べたとき、A社で働く人は年収500万円、B社で働く人は年収700万円ということもあり得ることです。
年収が高いのは規模が大きい企業や経営成績がよい企業です。基本的にはすべての従業員の給与水準が他社と比べて高めなので、財務職の年収も高い水準にあります。
財務が年収を上げる方法
ここからは財務が年収を上げるための具体的な方法について解説します。
業務の幅を広げる
ひとつの業務を突き詰めることは特定の企業で評価されるためにはある程度有効ですが、転職市場での価値はなかなか上がりません。市場価値を高めて年収を上げるには、幅広い業務ができることもひとつの条件となります。
転職を成功させるためには経験を積み、スキルアップしていくことが大切です。大企業では分業化される傾向があるため幅広い業務を担当するのは難しいという場合は、企業規模を下げて転職することも選択肢に入れましょう。
一時的に年収が下がっても長い目で見れば市場価値が上がるため、生涯年収が上がる可能性があります。
社内で昇進を目指す
同じ企業内で年収を上げるには、昇進を目指すのが基本的なスタンスとなります。リーダーや係長を経て、最終的には財務部長やCFOへとキャリアアップすれば年収も上がっていきます。
財務は企業が成長するのに欠かせない重要なポジションなので、財務から役員になれる確率が高いです。CFOなどの役員になればかなりの高年収が見込めます。
いずれは転職を考えている場合も、管理職の経験があると有利かつ高年収での転職が可能なので、その意味でも昇進を目指す価値はあります。
このとき、自社の評価制度を確認しておくことが大切です。何をしたら評価の対象になるのかを明確にしたうえで業務に取り組むことで、昇進の可能性を高められます。
資格を取得する
資格手当を取得することで、年収を上げる方法もあります。
資格手当がつかなくても、資格を有していることが昇進を検討する際の評価に加わる可能性もあるため、その意味でも資格取得に取り込むことはメリットがあります。転職においても、資格は分かりやすいスキルレベルの提示手段になります。
財務で評価される可能性のある資格は、FASS検定やビジネス会計検定などの比較的取得しやすいものから、税理士や公認会計士など難易度が高い国家資格まであります。
はじめに取得する資格としておすすめなのは、日商簿記検定です。資格手当の対象になるケースは稀ですが、会計スキルの基本なので職務の理解を深めるためにも取得を推奨します。
語学力を磨く
年収を上げるには語学力の向上も欠かせません。TOEICのスコアでいうと、800点以上あれば評価の対象になりやすいでしょう。
ただしスコアよりもビジネス上で使用できるかどうかが重要視されます。仕事に直接活かすことを意識して語学力を磨きましょう。
転職する
管理職を目指そうにもポジションに空きがない場合や、評価制度が曖昧で頑張っても評価に反映されない場合などもあります。この場合は転職も視野に入れましょう。
企業規模や企業の評価制度によって年収水準が異なるため、転職するのが年収を上げるためにもっとも即効性がある方法です。財務・会計分野において、転職後に年収がアップした人はおよそ75%におよびます。
※参考:財務/会計の平均年収・給料(給与)を紹介|求人・転職エージェントはマイナビエージェント
財務の転職事情
年収を上げるために転職を検討中の方に向けて、財務の転職事情を解説します。
ニーズはあるが財務単独の求人はそれほど多くない
財務ポジションの重要性はどの企業も理解しているため、ニーズ自体は高くあります。ただし財務を単独で置くのは大企業や上場企業が中心なので、求人はそれほど多くありません。
したがって転職活動はある程度長期戦になることも見越して、早め早めに動き出すことをおすすめします。
中小企業の場合は経理・財務ポジションを兼任するケースが多い傾向があります。そのため中小企業で財務を担当したい場合は、経理・会計ポジションまでチェックして、業務内容をしっかり確認することが大切です。
財務としてキャリアを築きたいのに経理業務が大半になってしまうと、思うようなキャリアを展開できず意味のない転職を繰り返す結果になりかねません。
リモートワークに対応できる求人が増えた
最近では、リモートワークを前提とする求人が増えました。
財務の場合、会社の重要情報を扱うためセキュリティの関係から完全リモートワークが難しい場合もありますが、働き方の選択肢が広がっているのは求職者にとってよい傾向です。
子育て中などで通勤負担が大きい方はもちろん、そうでなくても自宅から距離がある企業への転職も可能になるので、より自分に適した企業に出会いやすくなります。
財務の転職で高収入が期待できる業界
ITやAI・テクノロジーを扱う企業は業績好調、将来性があるというケースが多く、年収水準が高めです。財務としての働きがいもあるでしょう。財務会計の専門性が高い金融業界も、年収水準が高い傾向にあります。
反対に、サービス・飲食・接客業は全体の年収水準が低く、財務も例外ではありません。転職する際には企業規模だけでなく業界にも着目すると年収が上がりやすいでしょう。
財務が年収を上げるには転職エージェントの利用がおすすめ
年収アップのために転職するなら、転職エージェントの相談が不可欠です。その理由を以下に解説します。
財務の転職は企業規模・将来性の見通しが大切だから
インセンティブがつかない財務職は、もともとの年収水準の高い企業を選ぶことがとても大切です。また企業研究をじっくり行い、将来的に伸びる企業を選択して転職すると、高収入に加えて業務のやりがいが高まるでしょう。
年収水準の高い会社は資金力があり、将来性がある会社は資金調達力があります。お金があり企業体力もある会社は採用活動を効率化させる傾向が強いため、採用活動にエージェントを使っている可能性が高いでしょう。
したがって、年収水準の高い企業の求人に出会うためには転職エージェントの利用が必須です。
高収入など待遇が良い非公開求人を保有しているから
とくに年収の高い求人は重要ポジションであることが多いため、一般には公開されず、転職エージェントが保有する非公開求人の中に含まれています。非公開求人に応募するには、それを保有している転職エージェントから紹介してもらうしか方法がありません。
書類添削や面接対策等で選考通過の可能性が高まるから
年収が高い財務求人はその分要求水準も高く、優秀なほかの候補者との競争も激しいです。採用を勝ち取るためのハードルが高いため、徹底的な対策をして選考に臨みましょう。
転職エージェントを利用すると応募書類の添削や面接対策などを実施してくれます。客観的な立場から採用するメリットを伝えてくれるなど、エージェントからの一押しもあります。
自力で転職活動を進める場合と比べて対策が十分にとれるため、選考通過の可能性が高まります。
年収交渉をしてくれるから
財務の年収は個々の経験や保有スキルによって異なるため、採用が決まった後に年収交渉をする場合があります。交渉は自分ですることも可能ですが、客観性がないうえに交渉スキルがないとうまくいきません。
転職エージェントは客観的な立場から経験やスキルの価値を伝えて交渉してくれるため、年収アップにつながる可能性があります。
財務におすすめの転職エージェント
最後に、年収アップを目指す財務職におすすめの転職エージェントを紹介します。
BEET-AGENT
BEET-AGENTは、財務や経理の経験者に特化した転職エージェントです。
サイト上には「年収600万円以上」とありますが、経理求人を含むため、財務経験者であればもっと高い年収帯での転職成功実績が多いようです。
企業規模・業種がさまざまな求人を取り扱うため、「同業界に行きたい」という方にも「業種を変えて財務に携わりたい」という方にもおすすめです。
まずは「年収アップを狙うにはどうしたらよいか」「いまの職歴とスキルで年収アップできるかどうか」から、キャリアアドバイザーに相談してみましょう。
公式サイト:https://beet-agent.com/
MS Agent
MS Agentは、経理や財務、人事などの管理部門に特化した転職エージェントです。
上場企業の70%との取引があるため、大企業・上場企業に多い財務職の転職にはおすすめできます。年収アップの交渉もしてくれます。
公式サイト:https://ms-japan.jp/
ジャスネットキャリア
ジャスネットキャリアは、経理・財務分野や公認会計士の転職を専門としています。特化型エージェントの中でもとくに求人数が多いため希望に合った求人に出会える可能性があります。
公認会計士が創業したエージェントなので財務・会計業界に精通しており、専門性の高いアドバイスを受けられるのも魅力です。
公式サイト:https://career.jusnet.co.jp/
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、総合型の転職エージェントです。
財務・会計に特化しているわけではありませんが、業界きっての知名度を活かして大手企業・上場企業との取引が多いため、財務求人も豊富です。求人の選択肢を広げたい方におすすめできます。
公式サイト:https://www.r-agent.com/
JACリクルートメント
JACリクルートメントは、管理職や専門職を得意とする転職エージェントです。年収水準が高いグローバル企業や外資系企業の求人が豊富なので、語学力を活かしたい方やグローバル志向の強い方におすすめです。
公式サイト:https://www.jac-recruitment.jp/
まとめ
財務の平均年収は約500万円ですが、年代や役職、企業規模などによる違いもあります。年収を上げるには業務の幅を広げて難易度の高い業務にもチャレンジする、資格を取得するといった方法が考えられます。
とくに年収水準の高い企業へ転職することは、年収を上げるために効果的な方法です。採用難易度も高いため、転職エージェントのサポートを受けながら転職活動を進めましょう。
運営者情報
会社名 |
株式会社アシロ(ASIRO Inc.) 2021年7月20日 東証グロース上場(7378) |
---|---|
URL | https://asiro.co.jp/ |
本社所在地 |
160-0023 東京都新宿区西新宿6丁目3番1号 新宿アイランドウイング4F |
法人番号 | 9011101076787 |
設立日 | 2009年11月 |
代表者(代表取締役社長) | 中山博登 |
主な事業内容 | HR事業、インターネットメディア事業(リーガルメディア、派生メディア)、少額短期保険事業 |
許認可 | 有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可 許可番号13-ユ-313782) |
グループ会社 |
株式会社アシロ少額短期保険 株式会社ヒトタス |