証券会社からの転職でアピールできる強みや転職先の選び方、活動のコツ
証券会社では、金融知識や営業能力、目標達成力、コミュニケーションスキルなどを磨くことができます。
これらのスキルは、証券会社での活躍はもちろんですが、証券会社から転職する場合にも大きな強みとしてアピール可能です。
本記事では、証券会社からの転職を検討中の方に向けて、転職で評価される強みや活かせる業界・職種について解説します。
失敗しないための転職先選びや転職活動のポイント、おすすめの転職エージェントも紹介します。
目次
証券会社から転職する際にアピールできる強みとは
証券会社出身者は、転職市場における価値が高く、さまざまな業界・企業で歓迎されています。
理由は、証券会社出身者が身につけている強みにあります。
転職の際、的確に強みをアピールできるよう、ポイントを整理しておきましょう。
金融知識が豊富で数字に強い
証券会社では、顧客への情報提供や金融取引などをおこなうため、金融市場の動向や金融商品、財務関連の知識などの金融知識が身についているでしょう。
また、数字に強いことに加えて、データを正確に扱える能力や高いレベルでのデータ分析能力があると評価されます。
これらのスキルは、どの業界でも必要とされるものであり、転職先で活かすことができます。
たとえば、財務や経営戦略、マーケティングなどの分野では、数字を使って課題を解決、提案する機会が多くあります。
営業能力が高い
証券会社では、顧客の資産状況や目標、リスク許容度などを把握し、ニーズに合わせて最適な商品を提案することが業務です。
提案を受け入れてもらうには、顧客との信頼関係を築くことが大切になります。
こうした経験から、証券会社出身者は営業力が高いうえに、説得力や交渉力、プレゼン能力があると評価されるでしょう。
また、営業経験を通じて、成果に対する責任感や自己管理能力も磨かれているはずです。
営業目標や期限を意識しながらスケジュール管理ができることは、転職先でも評価の対象になります。
コミュニケーションスキルが高い
証券会社では、顧客はもちろん社内外の関係者とも円滑にコミュニケーションを取ることが必要なので、コミュニケーションスキルが自然と磨かれています。
このスキルは、社内のチームワーク向上に貢献するだけでなく、取引先や金融機関、行政機関などの外部の人たちと良好な関係を築くことに活かせるでしょう。
目標達成力が高い
証券会社では、厳しい目標を設定されることが多く、期限付きの業務も少なくありません。
そのため、証券会社出身者は目標達成力が高く、目標に向かって計画的に仕事を進めることができると評価されます。
また、問題に直面しても諦めずに解決策を探すことができるでしょう。
たとえば、顧客の不満やクレームに対して迅速に対応するとともに、原因や対策を明らかにして改善策を実行することが可能です。
ハードワークに耐えられる心身の強さがある
証券会社は長時間労働が常態化しやすい業界であるため、ハードワークに耐えられる心身の強さが備わり、ストレスに対処する方法やリフレッシュする方法も身につけていることが多いです。
ハードワーク耐性は、とくに忙しい職場において評価の対象になるでしょう。
証券会社で働いた強みを活かせる業界や職種
証券会社で磨いた強みは、とくに以下のような業界・職種で活かすことができます。
金融業界(証券・銀行・生命保険など)
証券会社で得た金融商品や市場の知識、分析力や営業力、情報収集スキルなどは金融業界でそのまま活かしやすいでしょう。
証券会社で培ったネットワークや信頼関係も、金融業界で有利に働きます。
金融業界は多様な職種がありますが、証券会社での経験や自身の適性に応じて選ぶことが可能です。
同業の証券会社だけでなく、銀行や生命保険会社、投資銀行などが選択肢に入ります。
M&A業界
M&A業界は高い専門性と戦略的な思考力が求められる業界なので、証券会社で得た専門知識や経験を活かしやすいです。
証券会社で得た企業分析や財務分析のスキルは、M&A案件の評価や交渉の際に役立ちます。
プレゼンテーション力や交渉力も、M&A案件の提案やクロージングに活かせるでしょう。
M&A業界は競争が激しく仕事量も多いので、証券会社で得た高いストレス耐性やスピードも評価の対象となります。
コンサル業界
コンサル業界では、クライアント企業や組織の課題解決や戦略立案などをおこないます。
証券会社で得た市場分析や競合分析のスキルは、コンサルティング案件の調査や分析に役立ちます。
また、証券会社で磨いたロジカルシンキングや問題解決力も、クライアントへの提案や実行に活かせるはずです。
コンサル業界にもいろいろな種類がありますが、証券会社からの転職では経営や財務領域に関われるコンサルティングファームがマッチする可能性があります。
金融業界以外の営業職
証券会社で得た営業スキルや顧客管理スキルは、金融業界以外の営業職でも活かせます。
たとえば、不動産のような証券会社と同様に額の大きい案件を扱う業界であれば、モチベーションを維持しやすく、マッチする可能性があります。
ただし金融業界以外に転職する場合は、その業界や市場の特性、商材などについて新たに学ばなければなりません。
証券会社に比べて柔軟な対応力や創造力が必要とされることも多いので、そうした能力を磨くことも大切です。
事業会社の管理部門(経理・財務、IR、経営企画など)
事業会社の管理部門は、証券会社で働いた人にとって安定したキャリアを築くことができる転職先です。
事業会社は労務管理体制が整っていることが多いので、ワークライフバランスも改善しやすいでしょう。
自分が属する企業の経営に直接関わることができるという点で、証券会社とは違ったやりがいを感じられる可能性もあります。
管理部門の中でもとくに、経理・財務やIR、経営企画などの職種がマッチしやすいでしょう。
これらの職種では、財務分析や会計知識、経済市場の分析力やプレゼンスキルなどを活かすことが可能です。
証券会社からの転職では、常識が異なったり、業界知識が不足していて思っていたよりも新しい仕事や環境になじめず、後悔するケースも少なくありません。
証券会社からの転職で失敗しない転職先の選び方
転職の失敗を回避するには、以下の点に注目して転職先を選ぶことが大切です。
転職先で必要な金融知識や立場の違いを把握する
証券会社では、金融商品や市場の動向に精通していることが求められますが、ほかの業界では必ずしもそうではありません。
転職先でどの程度の金融知識が必要なのか、また自分がどのような立場になるのかを事前に調べておきましょう。
たとえば、金融業界やM&A業界は証券会社と同様に高度な金融知識が必要ですが、製造業やサービス業などでは金融知識はあまり必要ではありません。
そのため、金融知識をアピールしても響かない可能性があります。
また、同じ金融業界ではセルサイドなのかバイサイドなのか、金融以外では社外向けあるいは社内向けなのかといった立場の違いがあります。
それによって、仕事のやり方や環境が変わってくるので把握しておきましょう。
扱う商材や対応範囲の違いを確認する
金融業界以外に転職する場合は、新しく業界や商材の知識を得る必要があるので、興味や関心がもてる商材でないとモチベーションを維持できず、成果につながらない可能性があります。
また、商材を売って終わりなのか、その後のフォローまでおこなうのか、といった対応範囲も業種によって違いがあります。
自分がどのような範囲で仕事をしたいかを考えましょう。
モチベーションを上げる要素を見つける
証券会社は年収水準が高い業界なので、転職する場合は給与や待遇が下がる可能性があります。
また、証券会社では厳しい目標やノルマが設定されていることが多いですが、ほかの業種では必ずしも厳しい目標やノルマがあるわけではありません。
こうした点でモチベーションを保っていた方は、転職後にモチベーションが低下する場合があるため、転職先で自分がモチベーションを上げられる要素を見つけることが大切です。
たとえば、自分の専門性や経験を活かせること、興味・関心が強い分野で働けること、やりがいや自己成長につながることなどが挙げられます。
金銭的なメリット以外の要素を見つけるとよいでしょう。
証券会社からの転職を成功させる5つのポイント
ここからは、転職を成功させるために、転職活動で意識したい重要なポイントを解説します。
強みは具体例を挙げてアピールする
証券会社で磨いた強みは、具体例を挙げてアピールすることが重要です。
どんな業務やプロジェクトでどのように成果を上げたか、どのような課題を解決したかなど、具体的なエピソードや数字を交えて伝えましょう。
たとえば「前職では顧客のニーズに応えるために新しい商品を企画し、チームで開発・販売した結果、売上高が20%増加した」などの伝え方が有効です。
転職理由は前向きな言い方で伝える
転職理由がどんな理由であっても、ネガティブな言い方や不満や不安を表す言い方は避けましょう。
「働き方が合わなかった」「将来性に疑問を感じた」などの言い方は、応募先の企業が求職者に対して不信感や疑問を抱く要因となります。
「証券会社で培った営業力やコミュニケーション力を、もっと広く発揮したいと思ったから」というように、前向きで積極的な言い方を心がけることが大切です。
スキルや経験を活かしてどんな貢献ができるのかを伝える
応募先の企業は求職者がどんなスキルや経験をもっているかだけでなく、それらをどのように活かして自社に貢献できるかも知りたいはずです。
そのため、自分のスキルや経験と応募先企業の特徴やニーズとの関連性・相性を考えて、具体的にどんな貢献ができるのかを伝える必要があります。
応募先の情報収集を徹底する
転職活動をするうえで、応募先の企業や業界について十分な情報収集を行うことが欠かせません。
証券会社とは異なる文化や環境に対応できるかどうか、自分のキャリアプランに合っているかどうかなど、さまざまな観点から応募先の企業や業界を調べましょう。
できれば説明会に参加して、応募先の社員と話す機会を作るのがおすすめです。
企業の雰囲気や仕事内容などをより深く理解できるだけでなく、自分の興味や意欲をアピールできるチャンスにもなります。
転職エージェントに相談する
証券会社で働いている方は、現職が忙しいことが多いため自分だけで転職活動をおこなうのは時間的に難しい場合があります。
そこで、転職エージェントの活用をおすすめします。
転職エージェントは、求職者のスキルや経験に合った求人情報を紹介してくれるだけでなく、応募書類の添削や面接対策などもサポートしてくれます。
応募先の内部事情や第三者からの見え方などの、情報収集面でもメリットがあります。
転職活動を効率的に進められるため、相談してみるのがおすすめです。
証券会社からの転職に活用したい転職エージェント5選
転職エージェントは多数あるので、どの業界・職種に転職を希望するのかを考慮して選びましょう。おすすめのエージェントを5社紹介します。
BEET
BEETは、経理・財務、経営企画などの管理部門に特化して転職支援をおこなっているエージェントです。
管理部門の働き方に精通したアドバイザーが強みや志向性を考慮したうえで適した求人を紹介しています。
とくに、事業会社の管理部門への転職を考えている方におすすめです。
公式サイト:https://beet-agent.com/
ジャスネットキャリア
ジャスネットキャリアは、経理・財務や公認会計士など会計領域での転職に強みがあるエージェントです。
証券会社や銀行から経理・財務職への転職サポートに力を入れているので、経理・財務希望の方に向いています。
公式サイト:https://career.jusnet.co.jp/
コトラ
コトラは、金融業界とコンサル業界に強みをもつ転職エージェントです。
この領域での専門性が非常に高く、市場の最新動向や個別企業の状況にも詳しいのが魅力です。
金融またはコンサル希望の方は、スキルや経験を考慮したうえでマッチする求人を紹介してもらえる可能性が高いでしょう。
公式サイト:https://www.kotora.jp/
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、人材業界最大級の求人件数を誇る総合型のエージェントです。
全業界を網羅している大規模エージェントなので、金融業界だけでなく金融業界以外の業界を検討中の方も適した求人を見つけやすいでしょう。
公式サイト:https://www.r-agent.com/
アンテロープ
アンテロープは、金融とコンサル業界専門の転職エージェントです。
日系および外資系金融、投資銀行、投資ファンドなど、多彩な金融求人を扱っています。
コンサル業界についても、戦略系から総合、財務系まで幅広いファーム求人があります。
ケース面接やモデリング試験など、コンサル特有の選考対策に関するアドバイスを受けられるので、コンサル希望の方におすすめです。
公式サイト:https://www.antelope.co.jp/
証券会社から転職する際の注意点3つ
最後に、証券会社からの転職で気をつけたいポイントをお伝えします。
年収は下がるケースがある
金融業界は総じて年収水準が高く、証券会社も例外ではありません。
転職先によって年収は下がるケースがあるため、どこまでのダウンなら許容できるのか、あるいは維持が絶対条件なのかはよく考えておきましょう。
とくに、事業会社や金融業界以外へ転職する場合は注意が必要です。
会社の規模や知名度が下がる可能性がある
大手証券会社では、知名度から顧客に安心感や信頼感を与えやすい面がありますが、知名度が下がることで、そうしたメリットがなくなります。
会社の看板を使って仕事をしてきた自覚がある方は、転職先でも同様の活躍が可能かをよくイメージしておきましょう。
必ずしもワークライフバランスが改善されるわけではない
証券会社は非常に忙しい職場なので、ワークライフバランスを改善したいと考えて転職する方も少なくありません。
しかし、証券会社での強みを活かせる、コンサルティングファームやM&A業界などは、証券会社と同様にハードワークな傾向です。
転職先によってはワークライフバランスが改善されるとは限らないため、ワークライフバランス改善の優先順位が高い方は業界選びに注意が必要です。
まとめ
証券会社で磨いた営業力やコミュニケーションスキル、目標達成力やストレス耐性などはどの業界・職種でも役立ちます。
金融業界のほかにM&Aやコンサルなどの業界、職種では他業界の営業や経理・財務などとの相性がよいでしょう。
時間がない中で転職活動を進める方は、転職エージェントのサポートを受けることをおすすめします。
運営者情報
会社名 |
株式会社アシロ(ASIRO Inc.) 2021年7月20日 東証グロース上場(7378) |
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URL | https://asiro.co.jp/ |
本社所在地 |
160-0023 東京都新宿区西新宿6丁目3番1号 新宿アイランドウイング4F |
法人番号 | 9011101076787 |
設立日 | 2009年11月 |
代表者(代表取締役社長) | 中山博登 |
主な事業内容 | HR事業、インターネットメディア事業(リーガルメディア、派生メディア)、少額短期保険事業 |
許認可 | 有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可 許可番号13-ユ-313782) |
グループ会社 |
株式会社アシロ少額短期保険 株式会社ヒトタス |