うつ病で失業保険が300日もらえるって本当?
うつ病だと就職困難者になるの?
このように考える方もいるでしょう。
うつ病が原因で退職した場合、就職困難者と認定されると失業保険の給付日数が300日になります。
ただし、300日受け取るには条件や手順があるため、正しい情報を知っておかなければなりません。
本記事では、うつ病で辞める際に失業保険を300日もらう方法や見分け方をくわしく解説します。
もらえる金額や手順も紹介するため、うつ病で辞めたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
事前に読みたい⇒失業手当(失業保険)はどんな制度?計算方法や条件・期間・もらい方までくわしく解説
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実際にもらえる給付金の額については以下の表の通りです。
実際にもらえる金額の一覧表
平均月収 | 月間でもらえる金額 |
---|---|
月収30万円 | 約20万円 |
月収40万円 | 約26万円 |
月収50万円 | 約33万円 |
月収60万円 | 約40万円 |
月収70万円 | 約46万円 |
月収80万円 | 約53万円 |
月収90万円 | 約60万円 |
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目次
うつ病で辞めると失業保険を300日もらえる可能性がある
うつ病が原因で退職した場合、失業保険を300日もらえる可能性があります。
ここではその条件や理由について、くわしく見ていきましょう。
失業保険とは
失業手当の利用は任意のため、支給を受けたい場合は申請が必要です。
そのため、失業手当を受ける意志があるなら、あらかじめ手続きの流れや制度について把握しておくことが重要となります。
失業保険の受給条件や日数は退職理由によって変わる
失業保険の受給条件や日数は、退職理由によって異なります。順番に見ていきましょう。
一般離職者の場合
自己都合で退職した場合は一般離職者に分類されます。
失業保険の受給条件は以下のとおりです。
- 離職前の2年間で通算12ヶ月以上雇用保険の被保険者だった
- 働く意志と能力があり求職活動を行っている
一般離職者は7日間の待期期間にくわえ、2〜3ヶ月の給付制限があり、実際にもらい始める時期は遅くなります。
被保険者期間が1〜10年未満の場合、給付日数は90日間です。
特定受給資格者の場合
失業保険の受給条件は、離職前の1年間に通算6ヶ月以上の雇用保険被保険者期間があることです。
特定受給資格者は年齢と被保険者期間によって給付日数が細かく分けられているため、くわしくはハローワークで確認してください。
特定理由離職者の場合
自己都合退職の中でも、退職理由が下記に当てはまる場合は特定理由離職者に分類されます。
- 有期雇用期間が満了し更新がなかった
- 怪我や病気で働けなくなった
- 出産・育児で退職し受給期間を延長した
- 家族の死亡や介護など家庭事情が急変した
- 通勤が困難になった
- 配偶者や扶養親族と別居生活を続けられなくなった
- 希望退職者の募集に応じた
特定理由離職者は、離職前の1年間に通算6ヶ月以上雇用保険の被保険者期間があれば、失業手当の支給対象です。
給付日数は一般離職者と変わりませんが、被保険者期間が1年未満でも受給対象になるのが違いです。
参考:ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」
就職困難者の場合
次に該当する場合は就職困難者に分類されます。
- 身体障害者
- 知的障害者
- 精神障害者
- 刑法等の規定により保護観察に付された方
- 社会的事情により就職が著しく阻害されている方
就職困難者の給付日数は、被保険者期間が1年未満でも150日、1年以上では最大360日あるのが特徴です。
うつ病で就職困難者と認められれば300日給付される
うつ病でも、条件を満たせば就職困難者と認められる可能性があります。
もしうつ病の症状が重度で半年以上の休養が必要な場合、精神障害者保健福祉手帳を発行してもらえます。
精神障害者保健福祉手帳を提出することで、ハローワークで就職困難者と認められる場合があるのです。
もしうつ病による就職困難者として失業保険を申請をすると、被保険者期間によって給付日数は以下のようになります。
被保険者期間 | |||
1年未満 | 1年以上 | ||
離職時の年齢 | 45歳未満 | 150日 | 300日 |
45〜65歳未満 | 360日 |
45歳未満で被保険者期間が1年以上ある方の場合、給付日数は300日となります。
参考:ハローワーク「よくあるご質問(雇用保険について)」
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実際にもらえる給付金の額については以下の表の通りです。
実際にもらえる金額の一覧表
平均月収 | 月間でもらえる金額 |
---|---|
月収30万円 | 約20万円 |
月収40万円 | 約26万円 |
月収50万円 | 約33万円 |
月収60万円 | 約40万円 |
月収70万円 | 約46万円 |
月収80万円 | 約53万円 |
月収90万円 | 約60万円 |
月収100万円 | 約66万円 |
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うつ病で辞めた際に失業保険を300日もらえるかの見分け方
うつ病で辞めた際に失業保険を300日もらえるかどうか、ケース別に見てみましょう。
300日もらえるケース
うつ病で退職しても、働く意志があり働ける状態であれば失業保険の受給は可能です。
ただし、退職理由によって給付金額や給付日数は異なります。
パワハラなどが原因で辞めた場合は会社都合退職の特定受給資格者となるため、給付制限が緩和されます。
しかしうつ病での精神障害者保健福祉手帳がある、または医師の意見書があれば、就職困難者と分類され失業保険を300日もらえるケースがあります。
ポイントは、在職中からうつ病の症状があったことの証明のために、退職前に病院を受診している必要がある点です。退職日以降の受診では、うつ病による退職と認めてもらえない可能性があるため注意してください。
300日もらえないケース
就職困難者と認められず、失業保険を受け取れないのは次のようなケースです。
- 働ける状態ではない
- 雇用保険の被保険者期間が短い
- 現在傷病手当金を受け取っている
うつ病の症状が重く、働ける状態ではないと判断されると失業保険はもらえません。
また、雇用保険の被保険者期間が直近1年間で6ヶ月に満たない場合も、条件を満たさないため支給対象外です。
うつ病で辞めた際にもらえる失業保険の金額
計算式は以下のとおりです。
基本手当日額=賃金日額(退職前6ヶ月の給与の合計÷180)× 給付率(50~80%)
それぞれ上限・下限が設定されており、下限は2,196円〜2,746円、上限は年齢ごとに異なり基本手当日額が6,945円〜8,490円、賃金日額が13,890円〜16,980円です。
具体的な例を見てみましょう。
- 賃金日額=20万円×6ヶ月÷180=約6,666円
- 基本手当日額=6,666円×給付率(50~80%)=約4,000円
- 失業手当受給額=4,000円×給付日数(90日)=36万円
上記の例では90日=約3ヶ月に渡って支給されることから、1ヶ月あたりおよそ12万円がもらえると予測できます。
うつ病で退職し失業保険を300日もらう手順
うつ病で退職し、失業保険を300日もらう手順は次のとおりです。
あらかじめ確認しておき、不備のないよう手続きをしてください。
1.病院でうつ病の診断を受ける
「うつ病かもしれない」と感じたら、病院で診断を受けましょう。
ネットの自己診断チェックなどは目安でしかなく、医師の診断が下りないとさまざまな手当が適用にならないためです。
退職後の受診ではうつ病が退職理由だと認められない可能性があるため、必ず在職中に受診してください。
2.傷病手当金や有給休暇を取得する
退職前には、傷病手当金や有給休暇の取得ができないか検討しましょう。
傷病手当金は社会保険に加入していれば使える制度で、給料の約2/3の金額が最大1年半もらえます。
在職中に受け取り始めれば、退職後も継続して受け取りが可能です。
3.会社へ退職届を提出する
上司を通じて、会社へ退職届を提出します。退職理由は「一身上の理由」で構いません。
離職票など、必要書類はきちんと受け取るようにしましょう。
また、以下の記事ではうつ病の際の退職の流れなどについて解説していますので、気になっている方はぜひあわせてご覧ください。
関連記事:うつ病を理由に退職しても問題ない?仕事を辞める際の手続きや手順を解説
4.退職しハローワークで失業手続きをする
退職後、ハローワークで下記の失業手続きをおこないます。
- 求職申し込み
- 必要書類を提出し受給資格の決定
- 雇用保険受給者説明会の日時を決定
うつ病が原因で辞めた場合は一般離職者ではなく、特定理由離職者と判断され条件が緩和されるケースもあるため、窓口で相談してみてください。
5.病院で意見書を書いてもらう
うつ病による就職困難者として300日の給付を受けたい場合は、ハローワークの「みどりの窓口」で専用の用紙をもらい、病院で意見書を書いてもらう必要があります。
みどりの窓口は精神障害者・身体障害者専用ですが、病気を公表するオープン求人と公表しないクローズ求人のどちらも利用可能です。
意見書では、「抑うつ状態」ではなくはっきりと「うつ病」の診断をもらいましょう。また、週20時間以上の就業ができる状態であることも記載してもらいます。
6.うつ病の治療をしながら求職活動をする
就職困難者として認定されれば、以下の優遇が受けられます。
- 給付日数が300日に増える
- 月1回以上の求職活動実績
- 常用就職支度手当の受給
一般離職者や特定理由離職者と比べて、給付日数が300日と大幅に増えるのが最大の特徴です。
また、通常は月2回必要な求職活動実績も、月1回以上あれば認められます。活動内容も窓口での相談程度で構いません。
もしハローワーク経由で就職が決まれば、常用就職支度手当を受給できる可能性もあります。うつ病の治療と並行しながら、無理のない求職活動をおこないましょう。
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平均月収 | 月間でもらえる金額 |
---|---|
月収30万円 | 約20万円 |
月収40万円 | 約26万円 |
月収50万円 | 約33万円 |
月収60万円 | 約40万円 |
月収70万円 | 約46万円 |
月収80万円 | 約53万円 |
月収90万円 | 約60万円 |
月収100万円 | 約66万円 |
会社を辞めて給付金を申請するだけでこんなにもお金がもらえます。
ですが、「ほんとに仕事辞めたらこんなにお金もらえるの?」「さすがに退職してからお金もらえるわけなくない?」と疑問に思いますよね。
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うつ病で辞めた際に失業保険以外でもらえるお金
うつ病で辞めた場合、失業保険以外にも次のお金がもらえる可能性があります。
生活の助けにするため、1つずつチェックしてみてください。
傷病手当金
会社を連続して3日間以上休むと、4日目以降の休んだ日に対して次の金額が支給されます。
1日あたりの金額:支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3
ただし、休んだ期間に傷病手当金の額より多い報酬額の支給を受けた場合は支給されません。
失業保険と重複して受給はできませんが、退職前からもらっていれば退職後も継続して受け取れるのが特徴です。
参考:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
障害年金
うつ病の障害認定基準は次のとおりで、審査によって決定されます。
1級 | 常時援助が必要な状態 |
---|---|
2級 | 日常生活に著しい制限がある状態 |
3級 | 労働に制限がある状態 |
障害年金は失業保険と重複して受け取れるため、治療が長期間にわたりそうな場合は検討してみましょう。
参考:日本年金機構
生活保護
失業保険や障害手当金を受け取り終わっても働けず、生活が立ちゆかない場合には、生活保護の受給も検討しましょう。
条件が複雑でさまざまな制限もあるため、他の方法を試してどうしてもダメだった場合の最終手段として考えてください。
障害者手帳を持っている場合は、通常の生活保護に加えて障害者加算があり、障害や等級によって金額が異なります。
うつ病で辞めた際は失業保険と傷病手当金どっちをもらえばいい?
うつ病で辞める場合、失業保険と傷病手当金のどちらをもらえばいいか迷う方もいるでしょう。
ここではもらえる期間や金額、上手なもらい方について解説します。
受給期間・受給金額の比較
受給期間・受給金額の比較は以下のとおりです。
失業保険 | 傷病手当金 | |
---|---|---|
受給期間 | 3ヶ月〜10ヶ月 | 最大1年半 |
受給金額 | 給料の50〜80% | 給料の約2/3 |
失業保険は一般離職者の場合で3ヶ月、就職困難者と認定されれば10ヶ月受給できます。
一方、傷病手当金は最大で1年半、18ヶ月の受給が可能です。
たとえば手取り20万円の人の場合、失業保険で毎月約12万円、傷病手当金なら毎月約14万円となります。
傷病手当金をもらってから失業保険をもらうことも可能
失業保険と傷病手当金は、同時に受け取ることはできません。
失業保険が「働ける状態にあるが失業状態の人」が対象なのに対し、傷病手当金は「働けない状態の人」が対象であるためです。
しかし、働けない状態のときに傷病手当金をもらい、病状が回復してから失業保険をもらうことはできます。この場合、組み合わせで最大28ヶ月の給付金を受け取れることになります。
くわしくは以下の記事で解説しているため、参考にしてください。
https://asiro.co.jp/media-career/97660/
不安な場合は「社会保険給付金サポート」を利用しよう
失業保険や傷病手当金を最大限受け取りたいものの、手続きが不安という方は、『社会保険給付金サポート』の利用がおすすめです。
これまで会社の社会保険を払ってきた方は、失業保険と傷病手当金を組み合わせて、最大28ヶ月の受給が可能です。
生活費の心配がなくなることでうつ病の治療に専念でき、より早い回復が見込めます。手続きはプロに任せられるため、確実に受給可能です。
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うつ病で辞めた際によくある質問
ここでは、うつ病で辞めた際によくある質問に回答します。
うつ病で失業保険をもらったことは再就職先にバレる?
基本的にバレることはありません。
再就職先が前職の会社に辞めた理由を調査することはなく、ハローワークから伝えられることもないためです。
ただし、履歴書の空白期間が長い理由を聞かれたり、再就職後症状が悪化してバレたりする可能性はゼロとはいえないため、注意しましょう。
うつ病で自己都合退職すると特定理由離職者になる?
自己都合退職でも、うつ病など「正当な理由によるもの」だと判断されれば、特定理由離職者になることはあります。
特定理由離職者は雇用保険の被保険者期間が1年未満でも支給対象となり、給付制限も免除されます。
うつ病が原因で辞めたものの、就職困難者とまでは判断されないケースもあるでしょう。その場合でも一般離職者ではなく、特定理由離職者の区分で辞めるのがおすすめです。
特定理由離職者のデメリットは?
特定理由離職者と認定されるためには、一般離職者に比べて必要書類や手続きが複雑になるケースがあります。
不正受給を防ぐためですが、会社とのやり取りも増えるため注意が必要です。
うつ病は就職困難者になる?
うつ病でも就職困難者になる可能性があります。
精神障害者保健福祉手帳がある、またはうつ病で医師の意見書をもらいハローワークのみどりの窓口で認定される必要があります。
失業保険の延長はできる?
うつ病ですぐに働けないときや、すでに傷病手当金を受給している場合は、失業保険の延長が可能です。
通常、失業保険を受け取れるのは退職日から1年間ですが、申請をすると最大4年まで期間を延長できます。
ただし給付日数は決まっているため、申請が遅すぎると満額もらえなくなるケースがある点に注意しましょう。
うつ病で失業保険をもらった後に2回目ももらえる?
失業保険の受給に制限はないため、2回目をもらうことは可能です。
ただし、1回目を受給すると雇用保険の被保険者期間はリセットされます。
ふたたび6ヶ月〜1年以上という被保険者期間の条件を満たす必要がある点に注意してください。
まとめ
うつ病で退職する場合、条件を満たせば失業保険は300日もらえます。
ただし、もらえる金額や日数は、離職理由や離職区分によって異なります。
300日もらうためには就職困難者と認定される必要があり、それには医師の意見書や、ハローワークのみどりの窓口での手続きが必要です。
正しい手順を踏み、生活の助けとなる失業保険を最大限受け取れるようにしましょう。
また、うつ病の方は失業保険以外の手当も受け取れる可能性があります。
会社辞めたらお金もらえるって知ってる?
『失業保険サポート』では、退職後にもらえる給付金を受け取るサポートをしてもらえます。
実際にもらえる給付金の額については以下の表の通りです。
実際にもらえる金額の一覧表
平均月収 | 月間でもらえる金額 |
---|---|
月収30万円 | 約20万円 |
月収40万円 | 約26万円 |
月収50万円 | 約33万円 |
月収60万円 | 約40万円 |
月収70万円 | 約46万円 |
月収80万円 | 約53万円 |
月収90万円 | 約60万円 |
月収100万円 | 約66万円 |
会社を辞めて給付金を申請するだけでこんなにもお金がもらえます。
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