看護師転職サイトでのトラブルを防ぐには、希望の連絡頻度や方法を伝えたり、希望条件を明確にしたりすることが重要です。

「連絡がしつこい」「希望に合わない求人を紹介された」などと感じる方もいるためです。

メリット・デメリットを理解し、上手に利用してください。

この記事では転職サイトのトラブルを回避するコツや、サービスを使った方がよい看護師・使わない方がよい看護師について解説します。

転職サイトで発生しやすいトラブルもみていきましょう。

看護師転職サイトで発生しやすい5つのトラブル

看護師の転職方法でよく知られているのは、転職サイトを利用しての転職です。

しかし「看護師転職サイトは使わない方がよい」との声を聞くこともあります。発生しやすいトラブルは以下の5つです。

それぞれ詳しくみていきましょう。

関連記事：看護師転職サイトは使わない方がいい？使うべき人の特徴や口コミも紹介！

1.連絡がしつこいと感じる場合がある

転職サイトで発生しやすいトラブルのひとつは、連絡が「しつこい」と感じることです。

すべての転職サイトに該当するわけではありませんが、何度も電話やメールが来るケースもあるようです。

看護師転職サイトでは、以下の口コミがありました。

看護師の多くはシフト制であり、勤務が不規則です。

電話やメール対応をすぐにできないことも多く、自分のペースに合わないと「しつこい」と感じてしまいます。

転職サイトは、自社を経由して転職してもらいたいため、担当者によっては強引に進めてくるケースもあるのです。

2.希望に合わない求人を紹介された

転職サイトに登録すると、希望条件などのヒアリングがあります。

そのため看護師は、条件に合った求人を紹介してくれると考えています

ところが、希望に合わない求人を紹介されることもあり「聞いていた話と違う」と感じるのです。

担当アドバイザーのヒアリングが不十分だったり、希望分野の知識が不足していたりする場合、希望と異なる求人を紹介されることがあります。

また、希望する地域によっては求人数に差が生じます。

とくに人気のある求人では、採用側の条件に合った看護師が優先されるため、希望と異なる求人を紹介される場合もあります。

希望の求人に対し、看護師のスキルや経験が見合っていない際にも、別の求人を紹介される可能性があります。

3.募集が終了している求人も掲載されている

転職サイトによっては、募集が終了していても求人が掲載されている場合があり、不信感を持つ方もいるようです。

自分が働きたい病院であれば、直接アドバイザーに確認してみるのも手です。

しかし、仕事が忙しいと、電話での確認が難しいこともあるかもしれません。

メールやLINEで連絡できるサイトであれば、確認しやすいでしょう。

4.担当アドバイザーの質がさまざま

転職サイトのアドバイザーは、看護師の仕事の特徴や専門性についての教育を受けています。

とはいえ、経験や知識には個人差があるでしょう。人対人の関わりであるため、相性の問題も考えられます。

看護師の専門性について理解不足だったり、相性が合わなかったりする場合は、担当者を変更してもらうのも手です。

5.看護師転職サイトに対する採用側のイメージがよくない

転職サイトに対する採用側のイメージがよくないことも、トラブルが生じる原因となります。

利用するにはコストがかかるうえ、転職サイトを通して採用した人が音信不通になったり、早期に辞めたりするケースがあるためです。

「病院の人材手数料」に関するアンケート調査では、人材紹介会社への手数料の認識及び満足度については以下の結果でした。

支払手数料に対しては、ほとんどが「高い」「やや高い」との回答でした。

サービス内容では「やや不満」～「不満」とする割合が高めです。アンケート結果から、転職サイトに対する採用側のイメージがよくないことがわかります。

なぜ無料で利用できる？看護師転職サイトの仕組み

転職サイトは、ほとんどが無料で利用できます。「なぜ看護師は無料なのか」と疑問を持つ方もいるでしょう。

看護師が無料で利用できるのは、採用が決まった際に、医療機関や施設が紹介手数料などを転職サイトに支払う仕組みになっているからです。

転職希望者にとっては喜ばしいサービスですが、採用側はコストがかかります。そのため直接応募が好まれる場合もあります。

関連記事：看護師転職サイトの仕組みとは？無料で使える理由やメリット・デメリットを解説！

看護師が転職サイトを利用するメリット

転職サイトはさまざまなメリットがあり、うまく利用すれば転職を成功に近づけられます。おもなメリットは以下のとおりです。

ひとつずつ解説しますので、転職サイトを利用するかどうかの判断材料にしてください。

1.複数の求人を紹介してもらえる

勤務をしながらだと、転職活動の時間は限られ、幅広い情報収集は困難です。

利用登録すると、さまざまな情報収集ができ、条件に合った複数の求人を紹介してもらえます。

自分に合った求人を探しやすくなるため、積極的に活用しましょう。

2.好条件の求人が見つかりやすい

転職サイトでは、一般には公開されていない非公開求人を保有しています。

応募の殺到が予想される求人や高給与の求人、管理職の求人などです。

情報を閲覧するには会員の登録が必要ですが、好条件の求人と出会える確率が高まるでしょう。

ただし、非公開求人は、経験や高いスキルが求められる傾向です。

自分の経験やスキルを棚卸しし、自分に見合うか考えることも大切です。心配な方は、キャリアアドバイザーに相談してみましょう。

3.内部事情まで教えてもらえる

転職サイトのアドバイザーは、病院や施設に足を運び、現場の情報収集をしています。

教育体制のほか、職場の雰囲気や人間関係まで把握していることが多いです。

自分では確認できない内部事情を聞けるため、不安や疑問を解消しやすいでしょう。

4.履歴書添削や模擬面接などのサポートを受けられる

多くの転職サイトでは、履歴書添削や模擬面接のサポートがあるため、合格率アップが期待できます。

応募書類が一次選考通過のポイントになるため、書き方が重要です。

正しい書き方で、かつ自分を採用するメリットが伝わる内容にしなければなりません。

面接については、過去の面接試験のデータを保有しているところもあります。質問内容が予測できるため、効果的な対策が可能です。

5.煩わしい交渉を代行してもらえる

転職サイトでは、応募から採用までのやりとりを代行してくれるため、転職活動のストレスを軽減できます。

自分では言い出しづらい、給与の交渉をおこなってくれるところもあります。直接応募では、自分で交渉や調整する必要があるため、大きなメリットといえるでしょう。

採用側と担当者の交渉によって、よりよい条件になるケースもあります。

看護師が転職サイトを利用するデメリット

転職サイトを利用するメリットは大きいですが、一方でデメリットもあります。おもなデメリットは以下のとおりです。

それぞれ解説しますので、メリット・デメリットを踏まえ利用するようにしてください。

1.連絡のやりとりが煩わしい場合がある

利用登録をすると、条件のヒアリングや求人の紹介、日程調整などでアドバイザーからの連絡がきます。

仕事中に連絡があったり、何度も連絡がきたりすると煩わしく感じるときがあるでしょう。

連絡の頻度を減らしてもらう、連絡手段を変更するなどの対策をとるのがおすすめです。

また、転職サイトの中には、電話連絡のない「求人サイト型」もあります。

電話連絡でのやりとりに煩わしさを感じている方は、求人サイト型の利用も検討しましょう。

2.自分のペースで転職活動を進められない場合がある

転職サイトには、登録している看護師の採用が決まると、成果報酬として紹介料が支払われます。

自社の成績を上げるため、やや強引に進めてきたり、急かされたりするケースもあるようです。

自分のペースで進めたい人にはストレスになる可能性もあります。看護師のことを考えての提案なのかを見極めることが大事です。

医療機関に直接応募できたり、スカウトをもらえたりする「直接応募」の方法を採用しているところもあります。

3.十分なサポートを受けられないところもある

転職サイトではさまざまなサポートを受けられますが、内容はサイトごとに異なります。

遣やトラベルナースの取り扱い、面接同行サービスの有無などです。

自分が求めるサービスを受けられないと、不満の原因になるかもしれません。

利用登録する際は、自分が希望するサポートを受けられるか確認することが重要です。

看護師転職サイトのトラブルを回避する7つのコツ

転職サイトは、トラブルを回避するコツを理解し利用しましょう。

トラブルを回避する7つのコツは以下のとおりです。

ひとつずつ詳しく解説しますので、転職サイトを利用する際の参考にしてみてください。

1.希望の連絡頻度や方法を伝える

冒頭でお伝えした、転職サイトで発生しやすいトラブルには「連絡がしつこい」がありました。

頻回な連絡を避けたい場合は、希望する頻度や方法を伝えておくことが大事です。

最近では、多くのところでメールやLINE、ショートメッセージでのやりとりが可能となっています。

自分がストレスに感じない回数や連絡方法を伝えましょう。

2.希望条件を明確にする

希望条件を明確にしておきましょう。

自分が働きたい診療科や勤務体制、給与や教育体制などです。

ただし、希望条件をすべて満たす求人があるとは限りません。優先したい条件も決めておきましょう。

3.経歴やスキルを正しく伝える

経験やスキルを正しく伝えるのが大事です。

有利にしたいからといって、嘘をつくことがないようにしてください。

仮に転職できたとしても、ミスマッチが起こったり、嘘が発覚したりする可能性があります。

信頼を損なう結果となり、早期離職につながりかねません。

4.登録する看護師転職サイトの特徴を理解しておく

転職サイトは、それぞれのサポート範囲が異なります。

登録しようとする転職サイトの特徴や強みを確認してみてください。自分が希望するサービスが受けられるかもチェックしましょう。

転職サイトには「人材紹介型」と「求人サイト型」の2種類があり、以下の特徴があります。

人材紹介型の特徴	求人サイト型の特徴
一般的な転職サイト キャリアアドバイザーが、求人紹介や医療機関などとの連絡・交渉をおこなう 履歴書添削や模擬面接のサポートがある	掲載されている求人に自分で応募 自分のペースで転職活動を進められる 医療機関との連絡は自分でおこなう必要があり、履歴書添削や模擬面接などはない

自分にはどちらが合っているかを考え、登録してください。

5.複数登録する際は2～3社に絞る

転職サイトは複数登録がおすすめです。複数登録には以下のメリットがあります。

ただし、アドバイザーからの連絡が多くなったり、選択を迷ったりする可能性もあります。複数登録は2〜3社に抑えましょう。

関連記事：看護師転職サイトは複数登録して大丈夫？掛け持ちのメリットや上手な断り方を解説

6.複数登録している場合はあらかじめ伝えておく

複数登録している場合は、各転職サイトに伝えておきましょう。

転職サイト側で状況を把握していないと、重複応募につながる可能性があるためです。

重複応募となった場合、採用側から不信感を持たれるかもしれません。

転職サイト間のトラブルとなることも考えられます。忘れずに伝えてください。

7.担当アドバイザーと相性が合わない場合は変更してもらう

担当アドバイザーと相性が合わない場合は、担当者の変更を願い出るのも方法のひとつです。

転職サイトを利用しての転職は、アドバイザーとの二人三脚です。

しかし、人と人との関わりであるため、相性が合わないこともあるでしょう。

コミュニケーションがうまくとれない、思うようなサポートを受けられないといった場合は、担当者を変えてもらいましょう。

多くのところでは、ホームページの問い合わせ窓口から連絡ができます。

気持ちよく転職活動をするために、我慢せずに伝えてください。

【転職が初めての人から経験者まで】看護師におすすめの転職サイト

ここでは看護師におすすめの転職サイトを3つ紹介します。

看護師ワーカー

看護師ワーカーは、医療福祉業界に特化した求人を多数保有している転職サイトです。

キャリアアドバイザーのサポートがある「転職サポート経由」と、施設と直接やりとりできる「直接応募」の2つの方法があり、自分に合った方法で活動できます。

初めての方や未経験の方は、履歴書添削や面接対策、条件交渉のサポートがある「転職サポート経由」がおすすめです。

施設からスカウトを受けたい方や、自分のペースで進めたい方は「直接応募」を選ぶとよいでしょう。

レバウェル看護

レバウェル看護は、相談のしやすさや連絡の取りやすさで満足度の高い転職サービスです。

年間4,000回をこえる職場訪問で、医療方針や辞めた人の理由など情報収集をおこなっています。

求人数は15万件以上あり、自分に合った求人を探しやすいです。

相談はLINEでも可能であり、ライフスタイルに合わせたやりとりができます。

履歴書の添削や面接対策のサポートがあるため、転職が初めてでも、自信を持って面接にのぞめるでしょう。

日程調整や条件交渉などを代行してもらえるため、ストレスを減らせるメリットもあります。

ジョブメドレー

ジョブメドレーは、医療介護求人を豊富に取り扱っている求人紹介サイト型のサービスです。

勤務地や給与、事業所の特徴などの条件で探せます。

気になる求人が見つからなくても、最新の求人や事業所からのスカウトを受け取れるのが魅力です。

求人に応募すると、事業所と直接やりとりができ、選考もスピーディーです。

アドバイザーからの電話連絡はなく、自分で面接の日程調整や事業所への連絡をおこなう必要があります。

自分のペースで転職活動を進めたい人に向いているでしょう。

看護師転職サイトを使った方がよい看護師の特徴

転職サイトを使った方がよい看護師の特徴をみていきましょう。

以下に該当する方は、転職サイトの利用を検討してみてください。

ひとつずつ解説します。

1.初めての転職で不安がある方

初めての転職は不安がつきものです。初めて転職する方は、転職サイトを利用した方がよいでしょう。

人材紹介型の転職サイトは、求人の紹介だけでなく、履歴書添削や面接対策など手厚いサポートを受けられます。

転職するかどうか迷っている場合のキャリア相談も可能です。

看護師の転職に詳しいアドバイザーがサポートしてくれるので、不安を解消しながら活動できます。

2.幅広く情報収集したい方

幅広く情報収集したい方にも、転職サイトがおすすめです。

登録すれば、自分に合いそうな求人を複数紹介してくれます。自分では知り得ない内部情報を聞ける場合も多いです。

選択肢が広がるメリットがありますが、数が多すぎると迷う可能性があります。優先したい条件を明確にして、利用することがポイントです。

3.効率的に転職活動をしたい方

転職したい場合、応募先の選定や書類作成、面接や入職日の日程調整などが必要です。

ある程度の時間や労力がかかるため、在職中の転職活動が負担となる方もいます。

納得のいく活動ができないと、転職で後悔する可能性もあります。

転職サイトのサポートを受ければ、効率的に活動ができるため、負担を少なくできるでしょう。

プロのアドバイスを受けて活動できるメリットは大きいです。

看護師転職サイトを使わない方がよい看護師の特徴

一方で、使わない方がよい看護師もいます。以下に該当する方は、使わなくてもよいでしょう。

それぞれ解説します。

1.転職したい職場が決まっている方

すでに転職したい職場が決まっている方は、直接応募がよいでしょう。

ただし、タイミングによっては募集していない場合があります。

事業所のホームページを確認したり、電話やメールで確認したりすることをおすすめします。

2.転職先を国公立病院に限定している方

国公立病院などの公的な医療機関の求人は、一般的な転職サイトでは掲載されない傾向です。

地域の広報誌やハローワークに求人を出す場合が多めです。

公的な医療機関の求人は、募集期間が決まっていたり、新卒者に限定されたりする場合もあります。

地域の情報にアンテナを張り、自分自身で情報収集することが大事です。

まとめ

転職サイトは、看護師の転職を成功に導いてくれる心強いサポーターです。

しかし、連絡がしつこいと感じたり、希望に合わない求人を紹介されたりして、よくないイメージを持つ人も少なくありません。

それぞれの転職サイトの特徴を知り、登録することが重要です。

看護師の転職は、人材紹介型と求人サイト型を組み合わせて利用する方法もあります。

トラブルを回避するコツを知り、転職サイトをうまく活用してください。