助産師は、妊娠から出産、育児に至るまで、母子の健康を支える大切な仕事です。

しかし「助産師の仕事を辞めたい」「助産師の仕事がつらい」といった悩みを抱えている方もいるでしょう。

本記事では、助産師を辞めたいと感じる主な理由や、辞めたいときの対処法、辞めるべき判断基準について解説します。

助産師を辞めて転職を成功させるコツや、助産師を辞めた方の体験談など、助産師を辞めたい方に役立つ情報を紹介するので参考にしてください。

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助産師を辞めたいと感じる主な5つの理由

助産師は新しい命の誕生に携わる立派な仕事ですが、大変なことも多くあります。

ここでは、助産師を辞めたいと感じる主な理由について紹介していきます。

緊急対応をプレッシャーに感じる

助産師は出産に立ち会うため、緊急対応が求められることが多々あります。

分娩時に急変が起こった場合では、妊婦だけでなく赤ちゃんにも気を配らなければなりません。

命を預かる責任は大きく、緊張感から精神的に追い詰められる方もいるでしょう。

また、正確で俊敏な対応や臨機応変さを求められるため、プレッシャーを感じやすい環境です。

限られた時間のなかでミスが許されないこともあり、次第に辞めたいと思うようになります。

人間関係に悩みがある

助産師の仕事に限ったことではありませんが、人間関係に関する悩みも、助産師を辞めたいと感じる理由のひとつです。

助産師は女性しかなれないため、女性特有のいざこざがある場合があります。

同じ相手とばかり接する閉鎖的な職場も多く、馴染めない方にとっては大きなストレスになるでしょう。

先輩や医師の指導が厳しい職場であれば、プレッシャーを感じてつらくなることもあります。

特に経験の浅い助産師の場合、指導とわかっていても厳しい先輩相手には委縮してしまい「辞めたい」と考え始めます。

プライベートの時間に勉強が必要

さまざまな知識や技術が求められる助産師は、働き始めても学び続けることが多くあります。

仕事で学習時間が取れなければ、プライベートの時間を使って勉強をしなければなりません。

そのため、休日でも休んだりリフレッシュしたりする時間を確保できないことがあります。

ストレスの発散がうまくできないと、不満が蓄積されやすく、退職を考えるようになるでしょう。

オンコール対応がストレス

オンコールとは勤務時間外の対応を必要とする働き方を指し、オンコール体制のある施設で働く助産師は少なくありません。

夜勤ありの場合も多く、夜勤とオンコールが重なると連日拘束されることもあります。

オンコールに対応していると、自宅で休んでいても急に呼び出されるため、心身共に休まりません。

いつ電話がかかってくるのかわからない状況は、リラックスできずストレスが溜まるでしょう。

心身が消耗することで、助産師の仕事をこれからも続けていけるのか不安になります。

精神的につらいシーンが少なくない

出産は必ずしも順調に進むわけではなく、時には流産や死産などに立ち会う場合があります。

妊婦さんやご家族の方の傷ついているシーンを目の当たりにすると、精神的につらく感じて退職を考える方もいます。

助産師のなかには自分のスキル不足が原因だと感じて、自ら追い詰めてしまう方もいるでしょう。

感情移入してしまう方は、精神的のつらさが原因で助産師を辞めたいと考えるようになります。

助産師を辞めたいと感じたときの対処法

続いては、助産師を辞めたいと感じたときの対処法を紹介します。

すぐに退職を決意すると後悔する恐れがあるため、まずは対処法を試してみましょう。

ストレス発散を心がける

助産師の仕事は急な呼び出しや、緊急対応などがあり、ストレスを抱えている方が少なくありません。

ストレスが溜まり続けることで、仕事に対してネガティブ思考になり、辞めたいと考えるようになります。

そのため「助産師を辞めたい」と思ったときは、ストレスを発散することを一番に考えてみましょう。

休日の日は自分の好きなものを食べたり、趣味の時間を充実させたりなどして、自分が喜ぶことをしてみてください。

ストレス発散方法がわからないという方は、以下の行動を参考にしましょう。

ストレス発散をするには、自分が楽しいと思う行動をすることが大切です。楽しみながらできる発散方法を複数見つけておくと、ストレス解消が上手になるかもしれません。

助産師のスキルを磨く

助産師を辞めたいと思うのは、助産師としての技術や知識が不足していることが原因のケースもあります。

助産師のスキルを磨くことで、スムーズに仕事をこなせるようになるため、仕事への自信を得られるでしょう。

また、スキルを磨くことに集中していると、辞めたいと思う気持ちから抜け出せる可能性があります。

助産師のスキルを磨くには、研修会や勉強会に参加して、最新の看護情報を身に付けることをおすすめします。

ほかにも「アドバンス助産師」を目指すのも方法のひとつです。

アドバンス助産師は、助産に関わる高度な知識と技術を認定された助産師を指します。

一般財団法人 日本助産評価機構が運営する「CLoCMiP（クリニカルラダー）レベルIII認証制度」の認証を受けることで、アドバンス助産師になることが可能です。

アドバンス助産師は一般の助産師よりも、月収が1～2万円上がるケースが多いため、年収をアップさせたい方も検討してみてください。

参考：日本看護協会｜CLoCMiPおよびCLoCMiPレベルⅢ認証制度（アドバンス助産師）

信頼できる相手に相談をする

助産師を辞めたい気持ちが強いときは、上司や先輩、家族、友人など、信頼できる相手に相談することで気持ちが軽くなるかもしれません。

自分ひとりで悩みを抱えている場合、ポジティブに考えることは難しいものです。

誰かに気持ちを打ち明けることで、より具体的な対処法を提供してくれる可能性があります。

また、普段は厳しいと思っている先輩でも、悩みを相談すると親身に話を聞いてアドバイスをしてくれることがあります。

今までよりも考え方やものの見方が良い方に変わるかもしれないので、勇気を出して相談してみましょう。

転職を検討する

これまでに紹介した対処法を試しても「辞めたい」という気持ちが変わらないなら、転職を検討しましょう。

転職活動で大切なのは、転職理由を明確にすることです。

次の転職先で現在抱えている悩みを解決できなければ、転職しても同じ悩みを抱えることになりかねません。

自分にとって働きやすい職場に転職するために、現職を辞めたい理由を分析することが大切です。

「助産師の仕事がきつくて辞めたい」と「人間関係の悩みで辞めたい」では、転職理由がまったく異なります。

仕事にやりがいがあるけど人間関係に不満がある場合は、助産師の仕事を辞めると後悔する恐れがあるので注意しましょう。

助産師を辞めるべき判断基準

助産師を「辞めたい」と思っていても、本当に辞めても良いのか悩んでいる方もいるでしょう。

ここでは、助産師を辞めるべき判断基準について解説するので、気持ちに迷いがある方は参考にしてください。

助産師をすぐに辞めるべきケース

まずは、助産師をすぐに辞めるべきケースを紹介します。

無理をして仕事を続けるよりも、大切なのは自分の健康的な生活です。

以下の状況に該当する方は、至急転職を検討してみてください。

うつの症状がある

うつの症状があるのに放置していると、ほかの病気と同じように次第に悪化します。

症状が悪化してから治療を始めた場合、なかなか改善されないため、治療期間が長引く傾向があります。

以下の症状がある方は、うつの症状の可能性があるので対処が必要です。

うつの症状があるなら、休暇を取って専門家に相談をしてください。

診断結果によっては休職や退職を検討し、体調を整えることに専念しましょう。

うつの初期症状は見逃されがちですが、重症になると寝たきりになったり、最悪の事態を引き起こしたりなどのリスクがあるため、早めに行動に移しましょう。

パワハラを受けている

パワハラ行為が横行している職場では、自分の能力を発揮できず、勤労意欲が低下する原因になります。

パワハラ行為の事例は以下を参考にしてください。

パワハラを我慢していると、うつなどの精神疾患を患ってしまう可能性があります。

また、集中力が低下してミスをしやすくなるため、患者さんや病院に迷惑をかけてしまうかもしれません。

そのため、パワハラを受けているのなら、ひとりで悩むのではなく、院内の相談窓口や専門家に相談をして退職を検討しましょう。

助産師を辞めると後悔する可能性が高いケース

助産師は高度なスキルや技術が求められるため、仕事ができないことに悩む方もいるでしょう。

しかし、仕事自体が苦ではないのなら、助産師を辞めると後悔する可能性が高いといえます。

助産師の仕事がなかなか覚えられず、スムーズに対応できないと「自分には向いていないかも」と考えやすくなります。

「同期の助産師よりも仕事ができていない」と悩む方もいますが、仕事が身に付くスピードは人それぞれであり、大切なのは以前よりもスキルアップしているかどうかです。

特にお産の介助は高度なスキルが必要なので、一人前の仕事ができるまで1～3年以上かかるケースが珍しくありません。

「先輩や同僚に迷惑をかけている」と悩んでいる方は、先輩のサポートを受けながら徐々にスキルアップを目指す道を歩んではいかがでしょうか。

助産師を辞めたいと思っていても、助産師になるのが夢で努力をした方も多いでしょう。後悔しない選択をするために、今できることをしてから退職を検討しても遅くはありません。

助産師におすすめの転職先パターン

ここからは、助産師におすすめの転職先パターンを紹介します。

自分の転職理由を理解し、今の職場を離れる決意をした方は参考にしてください。

知識や資格を活かせる職種

助産師の仕事には戻りたくないけど、これまでの知識や資格を活かしたいなら看護師に転職する方法があります。

看護師は助産師よりも給料が下がりますが「流産や死産に立ち会う」「お産の介助がうまくできない」といった悩みは解消できます。

とはいえ、看護師もプレッシャーが多く、激務であることに変わりはありません。

しかし、助産師の経験は、看護師で働くうえで大きな武器となるでしょう。

ほかにも、資格を活かしたいなら、教育現場で働くのも手段のひとつです。教育に興味があるなら、未来の助産師や看護師を育てる側として活躍する道もあります。

助産師の仕事を続けたいなら職場を変える

助産師の仕事を続けたいけれど、以下の理由で退職を検討している方もるでしょう。

上記の問題は、職場を変えることで解決するケースがほとんどです。

人間関係に問題を抱えているなら、良好な人間関係が築けている職場への転職を目指しましょう。

そのためには、事前に職場環境を入念に調べることがポイントです。

オンコール対応がきついなら、オンコールなしの病院や施設を探しましょう。給与に不満がある方は、給与水準の高い職場への転職か、スキルアップを目指すことをおすすめします。

違う業界に転職する

助産師の仕事に限らず、医療現場から退きたいと考えているなら、思い切って違う業界への転職をするのも手です。

違う業種に転職するなら、未経験でも転職できる業種を検討しましょう。

以下の業種は、未経験でも積極的に採用している傾向があるので参考にしてください。

一般事務は未経験でも挑戦しやすく、必要なスキルの専門性がそれほど高くありません。

パソコン操作は必須ですが、基本的な操作ができればOKなケースも多くあります。

営業は、未経験でも高収入が期待できる業種です。成果主義なので、売上に貢献できれば報酬に反映され、昇進にもつながります。

プログラマーは、未経験者向けの教育体制が整っている点がメリットです。

IT業界は人材不足であり、需要は高まり続けているため、将来性のある仕事といえるでしょう。

助産師を辞めて転職を成功させるコツ

転職に慣れていない方の場合、転職が成功するのか不安になることもあるでしょう。

ここからは、助産師を辞めて転職を成功させるコツを紹介するので参考にしてください。

転職条件の優先順位をつける

転職活動を成功させるためには、失敗しない転職先選びが重要です。

転職条件の優先順位をつけることで、どのような転職先を選べば良いのか明確になります。

転職条件については以下を参考にしてください。

上記の条件を「絶対求める」「できれば求める」「あれば嬉しいけど妥協できる」といったように分類することで、優先順位の決め方が容易になります。

譲れない点と妥協しても良い点をはっきりさせておくと、転職先選びに迷いがなくなるため実践してみてください。

転職先について念入りに調べる

転職先について念入りに調べることで、転職の失敗を防げます。

転職先について調べるには、企業や病院の求人票やホームページをチェックすることはもちろん、口コミサイトもチェックしましょう。

しかし、口コミサイトの情報は個人の主観になるため、すべてを鵜吞みにしないように注意してください。

情報収集が不足すると、何かしらの部分で不満を持ちやすくなり、転職に後悔するリスクが高くなるので気をつけましょう。

転職エージェントを利用する

転職活動に自信がない方は、転職エージェントの利用をおすすめします。

転職エージェントに登録すると、以下の転職サポートを無料で受けられます。

また、応募する企業や病院について、スタッフの雰囲気や有給消化率など、気になる情報を教えてもらうことも可能です。

自分で転職活動をする手間を省くことができるため、働きながらでも効率的に転職活動がおこなえます。

助産師を辞めてよかった？体験談を紹介！

ここでは、助産師として働いていた方の体験談を紹介します。

保育園看護師になり
生活リズムが規則的になってから
胃腸の調子が良くなりました。

助産師やって夜勤に入っていた頃は
いくら食べても気が済まなくて
食べ過ぎるとお腹壊すというサイクル…

今は程よい食欲なので
胃腸の調子が崩れることがなくなり
転職して良かった一つのポイントですね😊

— フリーランスWebデザイナーキャナデイ綾香｜元助産師/看護師 (@aya_ns_mw) September 9, 2019

こちらの方は助産師から保育士看護師に転職したことで「助産師を辞めて良かった」と感じたようです。

口コミのとおり、助産師は夜勤で働くケースも多いため、不規則な生活リズムがつらいと思う方もいるでしょう。

続いては、助産師から助産師に転職した方の体験談です。

私は新卒カードを切った病院でぺちゃんこに潰れ、助産師を辞めようと思った。
けど思い切って転職し、業務内容も人間関係も一新させた今、改めて「お産はすごいな」「助産師って素敵だな」と思えるようになった。あのどん底での決断に全く後悔はないしむしろとても頑張ってくれた自分に感謝さえしてる

— 助産師 (@hima_stmid) November 26, 2021

助産師といっても、職場によって環境が大きく異なります。

この方のように、今はつらくても職場を変えることで、助産師の魅力を再認識できるかもしれません。

助産師を辞めたいと思っている方からのよくある質問

最後に、助産師を辞めたいと思っている方からのよくある質問にお答えします。

気になる質問がないか、早速チェックしてみましょう。

助産師に向いている方・向いていない方の特徴は？

助産師に向いているのは、以下の特徴に該当する方です。

助産師はお産の介助だけでなく、妊婦の体調や食事内容の管理、母乳指導や乳児指導などをおこないます。

出産後は妊婦以外に新生児のお世話が始まるため、人の世話をするのが好きな方に向いています。

また、妊婦が相談しやすい雰囲気が作れる、コミュニケーションスキルが高い方が求められるでしょう。

出産を控えた妊婦はさまざまな不安を抱えているため、相手の心に寄り添える思いやりも助産師として大切な要素です。

助産師に向いていない方の特徴は以下のとおりです。

出産は医師や看護師と連携し、チームで取り組むため、すべてをひとりでやろうと頑張ってしまう方は助産師に向いていません。

助産師はさまざまな判断が求められますが、その際も独断で判断する方は、間違えてしまう可能性があります。

また、お産は予期せぬトラブルが発生することもあり、助産師の適切な判断力が必要です。

優柔不断だったり決断力がなかったりすることが原因で、判断が少しでも遅れると最悪のケースにつながるかもしれません。

助産師はつらい現場に立ち会うこともあるため、気持ちの切り替えが苦手な方も向いていないといえます。

助産師の離職率は？

公益社団法人日本看護協会による「2023年病院看護実態調査」では、2022年度の助産師を含む看護師の離職率は11.8％となっています。

約11人にひとりが離職している計算になるため、離職率は高い傾向にあります。

助産師の離職はここ数年増加しており、理由はさまざまですが、仕事と家庭との両立が困難なことを理由に退職をする方が少なくありません。

子育て中の助産師も多くいるため、両立が厳しいと感じて離職をするのは仕方がないことともいえます。

助産師を辞めたいときは気分転換を！それでも辞めたいなら転職を検討しよう

助産師を辞めたい理由は人それですが、助産師の仕事はプレッシャーの大きな仕事も多く、つらいと感じる方が少なくありません。

助産師を辞めたいと思ったときは、すぐに退職を決断するのではなく、気分転換や信頼できる人に相談などをして対処をおこなってみてください。

それでも気持ちに変わりがないのなら、転職を検討しましょう。

うつの症状やパワハラを受けている場合は、早急に退職を検討することをおすすめします。

助産師を辞めて転職をするなら、転職先について念入りに調べることがポイントです。

転職エージェントを利用することで、転職先について詳細な情報を提供してもらえる可能性があり、さまざまな転職サポートを受けられます。

求職者はすべてのサービスが無料のため、転職活動に自信がない方や効率的におこないたい方はぜひ利用を検討しましょう。

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