保護者からのクレームは心身的に大きな負担がかかります。

クレームには、怒りや失望といった負のエネルギーが込められているからです。

落ち込んだときのマインドセット法を知っておかないと、どんどん精神的に追い込まれていくでしょう。

そこで本記事では、保護者からクレームを受けて落ち込んだときの気持ちの切り替え方を解説します。

クレームを悪化させないポイントもお伝えするので、記事を参考に対応スキルを高めていきましょう！

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保護者がクレームを入れる5つの心理

保護者がクレームを入れるときの代表的な心理は、以下の5つです。

順番に見ていきましょう。

うちの子どもを丁寧に見てほしい

クレームの背景には「うちの子どもを丁寧に見てほしい…」という、保護者の想いが隠れている可能性があります。

たとえば、以下のような場面で、保護者は怒りや不安の感情を抱きやすいです。

愛する我が子が粗末に扱われたという感覚が、クレームのきっかけになります。

子育てに不安を抱えている

子育てに対する不安が、クレームにつながるケースもあります。

このような心境が負の感情を引き起こし、クレームの発端になります。

育児と仕事で心に余裕がない

育児と仕事で心に余裕がない状況も、クレームが発生する要因です。

疲労やストレスの影響で、目の前の問題に過敏になるからです。

保育園に変化を期待している

保育園に対する変化の期待が、クレームに発展する可能性もあります。

愛する我が子を預ける保育園の質を上げたいと思うのは、保護者の自然な心理と言えるでしょう。

利用者として有利に立ちたい

保育園にお金を払っているため、利用者としての権利を主張したいと考える保護者もいます。

権利を使って有利に立ちたい気持ちが強いと、クレームにつながりやすいです。

自分が上の立場だと思うと、主張や要望も増えるでしょう。

保育士の落ち込みにつながる保護者のクレーム事例7つ

ここからは、保育園によく寄せられるクレームの事例を7つ紹介します。

ひとつずつ見ていきましょう。

保育園の運営に関するクレーム

保護者からよく寄せられるのは、保育園の運営に関するクレームです。

子どもを預けるうえで、園の運営方法に不満を感じたり、欠点を発見したりすると、クレームに発展するケースがあります。

保護者目線でしかわからない発見や気づきはたくさんあります。

改善できるところは、改善を試みると良いでしょう。

予算や人員の関係で対応が困難であれば、その現状を説明する姿勢が大切です。

保育園の立地・設備に関するクレーム

保育園の立地・設備に関するクレームもあります。

子どもの安全対策に関する要望は、積極的に改善を検討すべきでしょう。

危機管理が不十分で、園側に落ち度がある可能性もあるからです。

立地や建物の構造的に要望に応えるのが難しい場合は、その現状を説明する対応が必要です。

保育園の行事に関するクレーム

保育園の行事に関するクレームも、よく寄せられます。

発表会や運動会で、子どもの出番を増やしてほしいと願う保護者は多いです。

配慮できる余地があれば、対応を検討します。

子どもの性格や気持ちを考慮しての役決めや、子ども同士で考えて決めた内容もあるでしょう。その場合は、事情を説明して理解を求める姿勢も大切です。

子どもの体調不良に関するクレーム

保育園では、子どもの体調不良に関するクレームも多いです。

仕事をしている保護者は、子どもの体調に合わせて、自分も欠勤や早退をしなければなりません。

会社に迷惑をかけてしまうので、微熱や鼻水、咳といった症状で休ませるのに抵抗をもちます。

しかし、無理に子どもを通わせると体調悪化や感染拡大のリスクがあります。

事情を説明して、協力体制を作っていくのが望ましいでしょう。

子どもの怪我に関するクレーム

子どもの怪我に関するクレームも、よく寄せられます。

大切な我が子が怪我をしたら、心配で怒りの感情が込み上げるのは自然な心理です。

保護者の気持ちを受け止めて、誠意をもって謝罪しましょう。

ただし、過度な反応を示して、保育士を責め立てるような対応をとる保護者もいます。

人間関係が構築できていない状況と言えるので、関係づくりも並行しておこなう必要があります。

子ども同士の交流に関するクレーム

子ども同士の交流に関して、クレームを言う保護者もいます。

友だちとの関わりのなかで、我が子に被害を受ける可能性があれば、保護者が過敏になるのは当然です。

ただし、交流を制限するのが得策といえない場合も多いです。

子ども同士が適切な距離感で、心地良く交流を楽しめる対策を考えるのが望ましいでしょう。保護者に経過報告をおこないながら、安心して子どもを預けられる状態を作っていく意識が大切です。

保護者対応に関するクレーム

保護者対応に関するクレームも多いです。

対応できる部分があれば、改善していくと良いでしょう。

保護者が安心して子どもを預けられる環境を、整えるきっかけになります。

攻撃的な態度を示す保護者に対しては、信頼関係の構築に重きを置けば、クレームが落ち着く場合もあります。

保護者からクレームを受けて落ち込んだときの気持ちの切り替え方5つ

落ち込んだときは、以下の気持ちの切り替え方を試してみてください。

あなたにあった対処法が見つかるはずです。

ポジティブに捉える

落ち込んだときは、クレームをポジティブに捉えると心が軽くなります。

保護者からのクレームは、視点を変えると以下のような解釈もできます。

あなたにとってプラスになるものがあれば、気持ちが上向きになるでしょう。

子どもの笑顔を思い出す

落ち込んだときは、子どもの笑顔を思い出してみてください。

子どもが保育園で楽しく過ごせているのは、あなたが日々愛情を注いで関わっている証拠です。

これを理解すれば自信がついて、クレーム対応も前向きに取り組めるでしょう。

同僚に話を聞いてもらう

親しい同僚に話を聞いてもらうと、気持ちがスッキリする場合もあります。

一人で抱え込まずに、人をうまく頼るのも効果的なメンタルケアです。

ストレス発散の時間を作る

落ち込んだときは、ストレスを発散する時間を作りましょう。

こまめにケアすれば、心身の健康へのリスクを軽減できます。

ストレスをためこまない環境づくりが大切です。

どうしても切り替えられない場合は転職を検討してみる

という方は、転職を検討してみるのもアリです。

新しい環境で、心機一転できるからです。

たとえば、以下のような状況は個人の努力で改善するのが難しいでしょう。

このような場合は、転職を選択したほうが、あなたにかかる負担も少ないです。

という方は、転職支援サービスの利用がおすすめです。

キャリアアドバイザーが保育園と直接やりとりをして、保護者の雰囲気を確認してくれます。また、あなたの希望に合った求人を紹介してくれるので、理想の職場を探せるでしょう。

転職支援サービスは「保育士ワーカー」「保育士人材バンク」「保育のお仕事」の3社にとりあえず登録しておくと、求人の網羅性が高まります。

各社のサービス内容について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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保護者のクレームを悪化させない8つのポイント

保護者のクレームを悪化させないポイントを8つ紹介します。

保護者の気持ちを落ち着かせるコツを知って、あなたの心理的負担を軽減させましょう。

順番に解説します。

保護者の話を最後まで聞く

クレームを受けた際は、保護者の話を最後まで聞くスタンスが大事です。

話を遮るのは、保護者の怒りや不安といった負の感情を助長させる行為だからです。

また、話を最後まで聞くのには、以下のようなメリットがあります。

話を中断せず、保護者の話に耳を傾けましょう。

共感の姿勢を維持する

話を聞くときは、共感の姿勢を維持するのも大切です。

自分の意見や想いが理解されていると感じ、負の感情が和らぐ効果があるからです。

ただし、共感する態度を意識しすぎるとかえって相手に不快感を与えかねません。

自然で適度な対応を心がけましょう。

園側に非があれば誠意をもって謝罪する

話を最後まで聞いてみて、園側に非があると確信したら誠意をもって謝罪をします。

このとき、言い訳や相手のせいにする態度をとってはいけません。

園側の落ち度をしっかり認めて、誠意をもって謝りましょう。

中途半端な受け答えをしない

クレームを受けた際は、中途半端な受け答えをしてはいけません。

誠意や真剣さが欠けていると捉えられ、信頼をさらに損ねる可能性があるからです。

不十分な対応をとると、問題がこじれたり、新たなクレームに発展したりするリスクがあります。

なるべく早く対応する

クレームは、なるべく早く対応しましょう。

対応が遅れると、不満がさらに高まり、問題が深刻化する可能性があるからです。

迅速な対応は誠実さが伝わり、安心感を与えられます。

クレームを受けたら上司や職員に報告する

クレームを受けたら、必ず上司や職員に報告しましょう。

伝えた内容が認知されていないと、保護者は「自分の意見や要望が無視されている…」と感じる可能性があります。

また、クレームを全員が把握すれば、以下のような効果があります。

小さなクレームに感じても、自己判断せずに報告しましょう。

先入観をもたずに対応する

先入観をもたずに、対応する姿勢も大切です。

「この保護者はクレーマー気質がある方だ」と先入観をもつと、適切な対応ができなくなります。

偏った見方を捨てて保護者に寄り添うと、問題解決も早まります。

怖くても避けずに向き合う

クレームをいわれて、恐怖心をもつ方は多いです。

しかし、怖くても避けずに向き合う姿勢を大切にしましょう。

相手を避ける行為は、以下のようなデメリットがあるからです。

向き合おうとする姿は、保護者の信頼にもつながります。

保護者のクレームで落ち込む保育士によくある質問

最後に保護者のクレームに関するよくある質問に回答します。

日頃の保護者対応で心掛けることは？

積極的なコミュニケーションを心掛けるのが大切です。

日々の会話の積み重ねが、信頼構築につながるからです。

何気ない会話でも良いので、こまめにコミュニケーションをとりましょう。

保護者からのクレームを気にしない方法はある？

ポジティブな視点をもつと、気になりにくいです。

見方を変えると、ネガティブな捉え方が減ります。

保護者を怒らせたらどうすればいい？

まずは、話を最後まで聞きましょう。

何に怒っているのかを把握できなければ、適切な対処ができないからです。

怒られても、冷静でいる姿勢が大切です。

めんどくさい保護者の対処法が知りたい

先述のとおり、まずは「めんどくさい保護者」という先入観を捨てることからはじめましょう。

めんどくさいという感情が態度や発言に現れ、保護者との関係性を悪化させるリスクがあるからです。

たとえば、以下のような本質が見えてくるかもしれません。

本質を理解して対応すれば、問題をスムーズに解決しやすいです。

理不尽な要求をするモンスターペアレントにはどう対応すべき？

くりかえしですが、まずは最後まで話を聞きましょう。

話を聞いてみて、どうしても対応が難しい内容であれば、その旨を丁寧に説明します。

問題が深刻化しそうな場合は、園長や主任に対応を代わってもらうのが安全です。

保護者からクレームを受けて落ち込んだら上手に気持ちを切り替えよう！

保護者がぶつける怒りや不満の裏側には、子育ての不安や心の余裕のなさが隠れている可能性があります。

核心をついて寄り添えば、保護者の負のエネルギーが和らぐかもしれません。

保護者からクレームを受けて落ち込んだときは、以下の方法を試してみてください。

クレームをポジティブな視点に変えたり、こまめにストレス発散したりすれば、心が軽くなります。

経験を積むことで、クレームの対応力も自然と高まるでしょう。