色々なビジネススタイルが増えている昨今では、「フリーランス」という働き方に注目が集まっています。

フリーランスとは、企業や団体に所属せず案件ごとに契約を結ぶ働き方で、クラウドソーシングの普及により、大きく広がり続けました。

現在、業種問わず多くのフリーランスがありますが、本記事では「フリーランス管理栄養士」についての情報を、詳しくお伝えします。

主な仕事内容や気になる平均年収、フリーランス管理栄養士になるための資格やスキルについてみていきましょう。

また、フリーランス管理栄養士のメリット・デメリットなども併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

フリーランス管理栄養士の働き方は？主な仕事内容7選

フリーランス管理栄養士の働き方はひとつだけではありません。下記7つは、フリーランス管理栄養士の主な仕事内容です。

それぞれどのような仕事なのか、具体的な内容をみていきましょう。

レシピ開発

要望に合ったレシピ作りは、フリーランス管理栄養士の代表的な仕事といえます。クライアントは飲食店や施設、食品メーカー、医薬品メーカーなど様々です。

フリーランス管理栄養士が開発した新しいレシピは、それぞれの企業が運営しているレシピサイトや健康・美容に関する情報発信のWebサイトに掲載、施設や飲食店の新メニューになるなど、様々な用途で活用されます。

レシピ開発の依頼は、使用食材・解決したい悩みなど、決められたテーマで受けることがほとんどです。

「旬の食材を使用した料理」「ダイエットに最適な料理」「肌の悩みに適した料理」など、レシピはテーマに合わせて考案します。

料理写真撮影

レシピ開発だけでなく、その料理を写真撮影することも大切な仕事です。しかし、出来上がりの料理を撮影するのは専門のカメラマンがおこなうことがほとんどになります。

フリーランス管理栄養士の業務内容となるのは、調理・食器やテーブルクロスなどのスタイリング、盛り付けなどです。

美味しさや素材の栄養価はもちろん、盛り付けの美しさも大切な仕事内容のひとつと考えておきましょう。

記事執筆・ライティング

管理栄養士としての知識を活かした仕事が「記事執筆・ライティング」です。レシピサイト・料理雑誌・企業のニュースレターなど、掲載される媒体は様々あります。

管理栄養士が担当する内容は、主に下記の通りです。

専門知識を踏まえて記事執筆・ライティングできるのが強みです。信頼性が高く良質なコンテンツの作成が可能になり、資格のないライターよりも高額な報酬が得られる可能性があります。

特定保健指導・栄養指導

特定健康診査で選ばれた方に対し、生活習慣を改善させるために支援することを「特定保健指導」といいます。生活習慣病やメタボリックシンドロームなどの予防・改善がほとんどです。

フリーランス管理栄養士は、対象となる方と面談します。それぞれの健康リスクやライフスタイルを考慮し、生活に合った食べ物の選び方や食べ方などを指導するのが主な仕事です。

栄養指導などもおこない、必要な栄養を効率よく摂るための食材や調理方法を伝えるのも、フリーランス管理栄養士の重要な仕事のひとつとなります。

料理教室の講師

料理教室の講師をメインとしているフリーランス管理栄養士も少なくありません。

フリーランス管理栄養士が講師をする場合、料理の作り方やもてなし方など実施内容を企画、開催場所の手配、集客、開催準備など全ておこないます。

開催場所はレンタルスペースを借りて実施することが多いのが特徴です。自宅を開放して開催する方もおり、定期的に実施できれば一定の収入確保が実現できるでしょう。

セミナーでの講演

セミナーの講義を依頼されることもあります。主催者・聴講者により講演内容は様々ありますが、特に多いテーマとなるのが「食育」「栄養学」です。

講義はフリーランス管理栄養士がメインとなるケースもありますが、栄養学や料理の専門家としてパネルディスカッションに参加することも少なくありません。

出張料理サービス

近年需要が急激に増加しているのが「出張料理サービス」です。ホームパーティやイベントなどのおもてなし料理はもちろん、忙しい方のための作り置きなどの依頼もあります。

管理栄養士としての知識を活かし、離乳食やアレルギー対応の料理、栄養バランスの取れた料理メニューなどについての相談が多いのが特徴です。

出張料理サービスでは、食の専門家として利用者のライフスタイルやライフステージに合った料理の提供が求められています。

フリーランス管理栄養士の収入・平均年収

厚生労働省が運営している職業情報サイト「job tag」によると、管理栄養士の平均年収は379.1万円で、求人賃金の平均月給は21.5万円です。年齢別の平均年収は下記表を確認してください。

20歳～24歳	292.38万円
25歳～29歳	346.54万円
30歳～34歳	360.67万円
35歳～39歳	389.73万円
40歳～44歳	390.71万円
45歳～49歳	436.92万円
50歳～54歳	451.22万円
55歳～59歳	484.17万円
60歳～64歳	421.34万円
65歳～69歳	429.76万円

管理栄養士は上記表のように、年齢が高くなるにつれ年収も上がる傾向となるのが特徴です。知識や経験を積むことでより仕事の幅が広がります。

上記表は正規雇用の場合のデータであるため、フリーランス管理栄養士として働く場合の収入は、契約内容や働き方によって大きく異なる可能性があります。

フリーランス管理栄養士になるには？

フリーランス管理栄養士になるためにはどのような資格・スキルが求められるのかを知っておきましょう。「やる気」「ポテンシャル」だけでは、フリーランス管理栄養士になれません。

それぞれの内容を正しく理解し、フリーランス管理栄養士に対する理解を深めておきましょう。下記内容をしっかりチェックしてください。

必要な資格

資格として必須となるのは、国家資格の「管理栄養士資格」です。

試験を受けるためには、「指定の4年制大学卒業」、もしくは「短大・専門学校卒業後栄養士の資格を取得し3年間の実務経験」のどちらかを満たしていなければいけません。

また、国家資格以外に、下記の資格取得もおすすめです。

本記事でもお伝えしたように、フリーランス管理栄養士の仕事はひとつではありません。こうした資格の取得は、様々な依頼を受け幅広く活動するために役立ちます。

求められるスキル

フリーランス管理栄養士は、様々な企業からの依頼を受けて業務委託契約を結びます。仕事を受注するための営業力はもちろん、企業とスムーズにやり取りをするためのコミュニケーション能力が必要になります。

また、様々な依頼に対して適切に応じるためにも、下記のようなスキルも身につけておきましょう。

セミナー講義	質疑応答への対応力・プレゼンテーション力
料理講師	レシピ開発の知識・企画力・集客力
料理撮影	撮影、編集スキル
ライター	分かりやすく簡潔に伝える文章力・情報発信力

クライアントからの依頼は基本的に単発のものが多くなります。質の高い仕事をすることで、次の依頼に繋がりやすくなるため、スキルを学び能力を高めていきましょう。

フリーランス管理栄養士のメリット

特に大きなメリットは「自由に自分のペースで働ける」点です。

働く時間・場所・一緒に働く人など、自由度が高いのがフリーランス最大の魅力と言っても過言ではありません。

また、やりたい仕事に挑戦できるのもメリットといえます。企業や団体に属する場合、苦手な仕事に取り組まなければいけないこともありますが、フリーランス管理栄養士はやりたい仕事を選べるのがポイントです。

フリーランス管理栄養士になった当初からやりたいことだけに集中するというのは難しいでしょう。

知識や経験を重ねスキルを磨いていくことで、自分が好きな仕事や興味のある業務など、自分に合う仕事への挑戦が可能になります。

フリーランス管理栄養士のデメリット

企業に勤めていれば、毎月定められた基本給が得られます。

しかし、フリーランスの場合は仕事の量や内容により変動するため、安定した収入を得ることができません。「先月は20万円だった収入が今月は8万円だった」といった大きな差が出ることもあるでしょう。

また、管理栄養士の仕事は現場で仕事を覚えることも多くあります。先輩の仕事を間近で見ることで得られることもありますが、フリーランス管理栄養士は教えてくれる上司や先輩がいません。

そのため、会社勤めの時以上に自ら積極的に学び、スキルアップを図る必要があります。

努力ややる気を強く持たなければ、フリーランス管理栄養士として活動することは難しいでしょう。

フリーランス管理栄養士で仕事を増やす上で重要なポイント

フリーランス管理栄養士として収入を安定させるためには、より多くの仕事をこなすことが大切です。

仕事を増やすために重要となるのが、下記の3つです。

フリーランス管理栄養士としての活動を軌道にのせるためにそれぞれの具体的な内容を理解し、効率よく収入を得ていきましょう。

フリーランス募集の求人に積極的に応募する

仕事の募集を個人のブログやHPなどでおこなっている方も多くいるのではないでしょうか。

しかし、依頼者側にとって個人のHPなどをひとつずつチェックしていくのは大きな手間となります。

有名企業ならまだしも、フリーランス管理栄養士として名前が知られていない場合、HPやブログを見つけてもらうことすら難しいでしょう。

仕事を増やし安定した収入を得るためには、フリーランス募集の求人に積極的に応募してください。クラウドソーシングサービスを利用すれば、様々な案件をチェックできます。

継続的に仕事の依頼をしてくれるクライアントに出会えることもあるので、仕事を増やすためには待つだけでなく自ら積極的に動くようにしましょう。

専門性・スキルを磨く

フリーランス管理栄養士は、食・栄養・健康に携わるプロとして、日々専門性やスキルを磨くことが大切です。

ただ知識を蓄えるだけでなく、一般の人に分かりやすいように表現・説明することも欠かせないスキルのひとつといえます。

特に「保健指導」「出張料理」などの依頼は、ひとつひとつが大きな経験値として積み重なっていくため、働きながら専門性をしっかりと磨いていきましょう。

経験によって得た知見は、忘れないよう記録を残しておいてください。今後自分が対応できる幅を広くするために大いに役立ちます。

SNSやブログなどで情報発信をする

SNS・ブログ・HPなどを活用し、情報発信に努めましょう。依頼者側は、「どのくらいの知識があるのか」「どのような実績があるのか」といった点を気にする方が多くいます。

発信されている情報は、管理栄養士が持つスキルや知識、経験、実績を知るうえで大切な手段のひとつです。

また、このような情報発信は知識のアウトプットに慣れるためにも有効といえます。アウトプットして人に情報を伝えることに慣れれば、今後の仕事に役立てられます。

一方、アウトプットの経験がない場合、いざ依頼がきて記事の執筆やレシピの作成をしようとしても悩んでしまうでしょう。納品した完成品の質が低ければ、次の仕事へ繋がりません。

仕事を増やすためにも、こうした小さな経験を積み重ねていき、少しずつレベルを高めていきましょう。

まとめ

本記事では、フリーランス管理栄養士の仕事内容や年収、なり方、メリットやデメリット、仕事を増やすコツについて詳しく紹介しました。

フリーランス管理栄養士は、自由な働き方ができる反面、自分で頑張り続けてスキルや専門性を高める必要があります。受け身の姿勢では活動をスムーズにおこなうことはできません。

働き方の多様性が認められている現代だからこそのフリーランスという働き方は、プライベートを充実させることも可能です。

本記事でお伝えした内容を参考に、フリーランス管理栄養士に対する理解をさらに深めてください。