「社会福祉士はフリーランスとして独立して働けるのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。

フリーランス社会福祉士として独立すれば、自分に合った働き方を選択でき、今より大いに活躍できる可能性があります。

とはいえ、フリーランスになるための必要な知識がわからず、独立に対して不安に感じる方もいるでしょう。

そこで本記事では、フリーランス社会福祉士として独立する方法やおすすめの仕事、稼ぐコツなどをくわしく紹介します。

現状の働き方に不満や悩みを抱えており、将来的に独立して働きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事：介護職向け転職エージェントおすすめ15選｜資格・施設別に徹底比較【2024年最新】

社会福祉士はフリーランスとして働ける

結論からお伝えすると、社会福祉士はフリーランスとして働けます。

今後のキャリアに悩んでいる方も、資格を活かしたうえで、独立という選択が可能です。

フリーランスとして働く社会福祉士は、一般的に「独立型社会福祉士」と呼ばれます。

独立型社会福祉士は、十分な研修や経験を通して培われた高い専門知識をもとに、独立した立場でソーシャルワークを実践する者をいいます。

公益社団法人日本社会福祉士による、独立型社会福祉士名簿の登録要件は、以下のとおりです。

独立型社会福祉士になるには、まず日本社会福祉士に所属し、所定の養成研修を受けるところから始めましょう。

名簿への登録は必ずしも義務ではないため、登録せずともフリーランスとして働けます。

とはいえ、社会的信用の獲得やフリーランス同士の交流などさまざまなメリットがあるため、登録するのがおすすめです。

【参考記事】独立型社会福祉士とは｜公益社団法人日本社会福祉士会

フリーランス社会福祉士としておすすめの仕事

前提として、フリーランス社会福祉士の働き方として、「個人事業主型」と「請負型」の二種類があります。

まずはリスクの少ない請負型で活動を始めて、その後に個人事業主型へ移行する方が多いようです。

上記の働き方をふまえたうえで、フリーランス社会福祉士としておすすめの仕事は、以下の6つです。

それぞれ見ていきましょう。

成年後見人としての業務

フリーランスが請け負う仕事として多いのが、成年後見人の業務です。

成年後見人とは、認知障害や精神障害などの理由から判断能力が欠如している方に対して、財産管理や福祉サービスに関する利用契約の締結など、さまざまな契約や手続きを代行する制度のことです。

成年後見人としての業務を請け負うには、日本社会福祉士会が運営している「ぱあとなあ」の名簿に登録することが求められます。

登録するには、社会福祉士会が主催している、所定の養成研修を修了することが必要です。

成年後見人としてのくわしい業務内容や請け負う方法に関しては、日本社会福祉士会または、お住まいの各都道府県社会福祉士会の事務局に問い合わせてみましょう。

【参考記事】権利擁護センター｢ぱあとなあ」｜公益社団法人日本社会福祉士会

講師活動

フリーランスの社会福祉士として、研修や講習会などの講師として働くのも選択肢のひとつです。

現代は研修や講習会などのリアルな場に限らず、講師としてWebやSNS上で情報発信して、収益を得る方法もあります。

他者に教えるのが主な活動であり、豊富な実務経験や高い専門知識が求められるため、ハードルが高く感じるかもしれません。

しかし講師活動はやりがいが得られやすく、認知度も上がりやすいため、大きな収入源として期待できます。

コンサルティング

ある程度フリーランスとしての成果が出ている方は、コンサルティング業で働くのもおすすめです。

コンサルティングとは、自ら培ってきた知識や経験をもとに、個人や組織の依頼に応じて、問題解決や必要なサポートをおこなっていく業務です。

独立して働くにあたって、集客やマネジメントなどさまざまなスキルが必要になるため、実際の成功者からのアドバイスを求めている方は多くいます。

自身の経験やノウハウを活かし、他者の抱える問題解決をサポートできるため、非常に貢献性の高い仕事といえるでしょう。

スクールソーシャルワーカー（SSW）

教育機関と契約を結び、スクールソーシャルワーカーとして活動するのもおすすめです。

スクールソーシャルワーカー（SSW）とは、主に小中学校の生徒が抱えるさまざまな問題に対して、解決の支援をおこなうソーシャルワーカーの総称です。

家庭環境や学校生活など、生徒が抱えている問題の増加にともない、SSWを配置する教育機関も増加傾向にあるため、需要の高い専門職といえます。

契約する機関により、報酬金額や業務内容は異なるため、自分の求めている条件に合致する機関を探しましょう。

相談・カウンセリング

社会福祉士の資格を活かせる働き方として、相談やカウンセリング業務もおすすめです。

インターネット環境が普及している現代において、オンラインカウンセリングがおこなえるメディアも増えています。

実際にオンラインカウンセリングがおこなえるメディアには、社会福祉士の資格をもつ方が多く在籍しています。

ソーシャルワーカーとしてのこれまで培ってきた実務経験や知識を十分に活かせるため、相性のよい仕事といえるでしょう。

Webライター

フリーランスとしての仕事は、組織や機関と契約を結び、業務を請け負うだけではありません。

社会福祉士の資格や経験を活かして、Webライターとして活動するのもおすすめです。

Webライターは、クライアントからの業務依頼を受け、Web上に掲載される記事を作成・納品する仕事です。

社会福祉士の資格があれば、高い専門知識をもつWebライターとして重宝されやすく、大きな収入が期待できます。またWebライターは特別な資格が不要なため、未経験でも簡単に始められます。

始めるにあたって、クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングに登録して、福祉や介護関連の案件に応募してみましょう。

フリーランス社会福祉士の年収

実際にフリーランスとして稼げるのか知りたい方に、フリーランスの年収を紹介します。

前提として、フリーランスで働く社会福祉士の年収に関する、正確なデータはわかっていません。

内閣官房の「フリーランス実態調査結果」による、さまざまな業種で働く方へのアンケートをもとにした、フリーランスの年収は以下のとおりです。

年収200万円〜300万円が割合として、多くなっているのがわかります。

対して、厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、社会福祉士の平均給与額は35万2,560円です。

年収に換算するとおよそ420万程度であるため、独立する前と比較し、収入が減る方がいるのも事実です。

とはいえ、フリーランスの収入は一定でなく、スキルや働き方次第で収入の大幅な向上が期待できます。

そのため、独立前から必要な事前準備をおこない、稼げるフリーランスを目指しましょう。

【参考記事】
令和４年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要｜厚生労働省
フリーランス実態調査結果｜内閣官房

稼げるフリーランス社会福祉士になるために必要な事前準備

稼げるフリーランスになるために、独立前からおこなうべき事前準備は、以下の5つです。

それぞれくわしく解説します。

専門知識を高める

稼げるフリーランスになるには、実務経験や専門知識を十分に高めてからの独立が大切です。

誰でもフリーランスとして働けますが、キャリアや経験値が浅い状態での独立は、成功するのが極めて困難といえます。

一方で、専門知識を高めたうえで独立すると、幅広い業務に対応できたり、クライアントの信頼獲得につながりやすかったりします。

クライアント側の視点から考えても、即戦力の人材を求めるのが一般的です。

したがって、フリーランスとして働くのであれば、独立前にある程度の実務経験を積み、専門知識を高める努力をしましょう。

関連資格を取得する

稼げるフリーランス社会福祉士になるには、資格を活かせる関連資格の取得もおすすめです。

社会福祉士として医療・福祉の分野だけでなく、ほかの分野の知識も活用できるため、活躍の幅が広がりやすくなります。

さらに、あらかじめ関連資格を取得しておくと、アピールポイントが増えて、ほかのフリーランスとの差別化も図れます。

おすすめの関連資格は、以下の4つです。

資格の概要や取得するべき理由をそれぞれ解説します。

ケアマネジャー

ケアマネジャーは、介護サービスを必要としている要介護者の状況をもとに、ケアプランの作成や各機関との連携・調整を図る専門職です。

ケアマネジャーの資格を取得すると、社会福祉士としての従来の業務にくわえて、要介護者のケアマネジメント業務にも携われます。

そのため、介護福祉に関連する専門性の向上につながり、幅広い活躍が期待できます。

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神障害者の方からの相談に応じて、必要な助言や指導などの生活支援をおこなう専門職です。

社会福祉士と同様のソーシャルワーカーであるため、取得しやすい資格といえます。

資格を取得すると、支援可能な対象者の範囲が広がり、ソーシャルワーカーとしてのさらなるキャリアアップにつながるでしょう。

行政書士

福祉系以外の資格として、行政書士の資格取得もおすすめです。

行政書士は、会計記帳や決算など会計業務に携われる、法律関連の専門家です。

行政機関との深いつながりや、福祉に関連する知識の活かしやすさなどの側面から、社会福祉士と相性のよい資格といえるでしょう。

法律関係にまつわる知識も身につくため、幅広い業務に携われます。

ファイナンシャルプランナー（FP）

ファイナンシャルプランナーは、税金や保険などお金に関する幅広い知識をもち、ライフプランの設計サポートをおこなう専門家です。

社会福祉士として受ける相談には、お金にまつわる内容も含まれます。

FPの資格を取得すると、専門的な立場からより具体的なアドバイスがおこなえるため、信頼獲得につながりやすくなるでしょう。

人脈を広げる

フリーランス社会福祉士として稼ぐには、多くの方と関わり、人脈を広げる必要があります。

人脈を広げて自分の認知度を高めるのが、フリーランスに求められるスキルです。

他者と交流する機会を増やすと、事業を発展させるためのアドバイスや刺激をもらえるメリットもあります。

フリーランスが人脈を広げる具体的な方法は、以下のものです。

独立する前から、仕事で関わる一人ひとりとのコミュニケーションを大切にしましょう。

営業力を身につける

フリーランスとして働くうえで、クライアントに対する適切な営業力を身につける必要があります。

フリーランスは自分で仕事の依頼を受けなければならないため、主体的に業務を受け取る行動が求められます。

依頼を受けるには、クライアントの求めるニーズを満たすだけでなく、業務に対する熱意をアピールをするのも大切です。

相手の好感を得られやすいコミュニケーションも成果につながりやすいため、必要最低限のマナーや接遇は独立前から身につけましょう。

税務処理に関する知識をつける

フリーランスとして活動するには、税務処理に関する知識も身につけましょう。

フリーランスとして独立すると、年度末の確定申告で必要な納税の手続きを、自分でおこなわなければなりません。

税務処理に関する知識をつけると、納税を正確におこなえるようになり、安心して収入アップを目指せます。

現代は、会計ソフトを使って必要な処理を機械に頼る方法や、税務処理を税理士に代行してもらう方法があります。

しかしフリーランスとして活躍するには、税務処理に必要な手続きなど、最低限の知識は身につけるべきです。

フリーランス社会福祉士として働くデメリット

社会福祉士がフリーランスとして働くデメリットは、以下の3つです。

デメリットを理解すると、今後の進むべきキャリアを冷静に判断できます。

フリーランスになるべきか考えるうえで、デメリットはしっかりとおさえましょう。

収入が安定しない

収入が安定しないことが、フリーランスで働くデメリットのひとつです。

フリーランスは経済的な保証がなくなり、個人の働き方次第で、収入が大きく変動します。

特に独立初期は、実績や信用度の不足から仕事の受注が難しく、思うような収入が得られにくい傾向があります。

フリーランスとして安心して稼ぐには、ひとつの業務に固執せず、複数の業務を掛け合わせながらおこなうのがよいでしょう。

高い自己管理能力が求められる

フリーランスは会社員とは異なり、自分ですべての責任を請け負うため、高い自己管理能力が求められます。

目の前の業務だけでなく、経営状態や日々のスケジュールなどあらゆる管理が必要なため、人によっては重荷に感じるかもしれません。

仕事に対する不安感から無理のある働き方をしてしまい、心身状態に悪影響を及ぼすおそれもあります。

フリーランスになるには、自分で行わなければならない業務や身につける知識は何があるのか、事前に確認しましょう。

社会的信用が得られにくい

フリーランスは収入が不安定であるため、一般的に社会的信用が得られにくいとされています。

社会的信用が低いと、住宅ローンを組む際やクレジットカードを契約する際に、審査に落ちやすいというデメリットが生じます。

年収や独立年数など、審査の通りやすさは人それぞれで異なりますが、審査通過のハードルが上がることは事実です。

そのため、住宅ローンやクレジットカードの申し込みを考えている場合は、独立前に済ませるのがおすすめです。

フリーランス社会福祉士として働くメリット

フリーランスになるデメリットが存在する一方で、メリットはどのようなものがあるのでしょうか。

社会福祉士がフリーランスで働くメリットは、以下の3つです。

それぞれ解説します。

自由に働ける

独立してフリーランスになると、勤務時間や場所にとらわれず、自由に働けるのが大きなメリットです。

自分に合った働き方を選択できるため、ストレスなく働けたり、仕事への価値観を大事にしたりできます。

家庭をもつ方であれば、会社員として働くよりも、家族との時間を大切にできるでしょう。

自由に働くなかで、自分が本当にやりたいことを見つけやすく、さらなる活躍も期待できます。

収入アップが期待できる

収入が一定でないのは、フリーランスで働くうえで、メリットとしても考えられます。

会社員とくらべて、フリーランスは仕事の評価がわかりやすく、成果や努力がそのまま報酬に直結します。

そのため、モチベーションや熱量を高く保ったまま、仕事に取り組みやすいでしょう。

専門知識を高めたり、働き方を工夫したりすると、さらなる収入アップにつながります。

仕事での自己実現が可能になる

仕事での自己実現がしやすいのも、フリーランスで働くメリットとして考えられます。

フリーランスは自分の価値観に沿って働けるため、社会貢献するという理想の働き方を実現させやすいです。

さらに自分の個性やアイデアを強く活かせるため、充実感や幸福感のある暮らしにもつながりやすいです。

仕事に対する思いや目標を強くもっている方は、今後フリーランスを目指すのも、適切なキャリア選択といえるでしょう。

フリーランス社会福祉士が向いている人の特徴

フリーランスが向いている、社会福祉士の特徴は以下のとおりです。

向いている理由を、それぞれくわしく解説します。

独立に明確な目的がある

独立に対して明確な目的がある方は、フリーランスが向いています。

目的が明確にあると、自らの決断に決してブレることなく高い熱意をもって働けるため、大きな成果につながりやすいです。

独立するための目的は、以下のように人によってさまざまです。

対して、何となく独立を考えているといった方は、あまりおすすめできません。

本当にフリーランスとして働くべきか、今一度自分の思いや状況を見つめ直してみましょう。

なお今の職場に不満があって、違った働き方をしたいと考えている方は、転職するのもひとつの選択肢です。

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徹底した自己管理ができる

自己管理を徹底しておこなえる方は、フリーランスとして働くのが向いています。

フリーランスはひとりで仕事をおこなっていくため、金銭管理やスケジュール管理、体調管理などあらゆるものが求められます。

クライアントとの信頼関係で成り立つ業務も多いため、自己管理を怠ってしまうと、せっかく得たチャンスを自らつぶしてしまいかねません。

普段から上手くセルフコントロールできる方が、フリーランスとしても活躍できるでしょう。

他者との関わりを大切にできる

仕事で関わる一人ひとりとの関わりを大切にできる方も、フリーランスに向いている特徴です。

質の高い仕事をするにあたって、人とのつながりは必要不可欠な要素です。

とくにフリーランスは、自分ひとりで人脈やつながりを築くことが求められます。

普段から他者との関わりを大切にし、相手を最大限に考えられる方が、フリーランスとしても大きく飛躍できるでしょう。

まとめ：フリーランス社会福祉士を目指すなら専門エージェントへの相談がおすすめ

フリーランス社会福祉士としての働き方は多岐にわたり、自分の思いに沿った幅広い選択肢が可能です。

一方で、安定性や社会的な信用度は決して高いとはいえないため、不安に感じやすいのも事実です。

しかし、独立する前から必要な知識や心得を身につけておくと、独立してからも自信をもって働けるでしょう。

フリーランスとしてのスタートダッシュを成功させたい方は、フリーランス専門エージェントへの相談もおすすめです。専門エージェントは、クライアントとのビジネスマッチングや契約交渉の代行など、独立するための支援を一貫しておこないます。

専門エージェントも活用しながら、大きく活躍できるフリーランスを目指しましょう。