経理職が知るべき7つのキャリアプラン!プランの立て方や注意点を解説
経理職のキャリアパスは複数あるため、自分に合ったものを選ぶのはなかなか難しいかもしれません。
しかし、経理としてのキャリアプランを立てておくことで、努力の方向性が明らかになり、転職活動をする際の軸も決まりやすいうえ、面接時に的確なアピールができます。
本記事では、経理のキャリアプランの選択肢やキャリアプランの策定方法、実現ポイントや注意点について解説します。
目次
経理職が目指すの7つの王道キャリアプラン
経理のキャリアプランは多様ですが、主に以下の7つに分類できます。
現職の経理部で昇進を目指す
もっともシンプルなキャリアプランは、現職の経理部で昇進を目指すことです。この場合、基本的には経理課長や財務部長など、役職に就くことが目標となります。
現職の経理部で昇進を目指すことで、自社の事業や業務に精通しているためスムーズに仕事ができ、安定した収入や待遇が得られます。
一方、自社の経理部以外のスキルや知識が身につきにくく、キャリアチェンジが難しくなる面があります。
規模が異なる企業へ転職する
グローバル志向の場合は、外資系企業への転職もキャリアプランのひとつです。
外資系企業では、国際的な会計基準や税制に対応したり、英語やその他の言語を使ってコミュニケーションを取ったりする必要があります。
外資系企業へ転職することで、グローバルな視野やスキルを身につけることができ、高い報酬やインセンティブを得られるでしょう。
ただし、その分高い成果を求められます。
資格を取得して独立開業する
自由に働きたいという人は、資格を取得して独立開業するというキャリアプランもあります。
たとえば、税理士や公認会計士などの国家資格を取得すれば、自分の事務所を開いて、個人や法人の顧客に経理や税務のサービスを提供できます。独立開業することで、自分の好きな時間や場所で働くことができ、自分の実力に応じて収入を増やすことも可能です。
ただし、資格の取得には多くの時間や労力がかかり、独立開業には多くのリスクや責任が伴う点は忘れてはなりません。
財務や経営企画など別部署で経験を活かす
経理職のスキルや知識は、別部署でも活かすことができます。
たとえば、財務部門では会社の資金調達や投資判断などをおこない、経営企画部門では会社の戦略や予算などを策定します。その際には、経理職として得た会計知識や分析力などを活かすことが可能です。
そして、経理職だけでは得られない、ビジネス感覚やマネジメント能力を身につけることができるでしょう。経理以外の経験も積むことで、キャリアの選択肢も広がります。
CFO(最高財務責任者)を目指す
最高峰のキャリアプランとして、CFO(最高財務責任者)を目指すことも考えられます。
CFOは、会社の財務戦略や方針を決める最高責任者であり、CEO(最高経営責任者)の右腕として活躍します。CFOになるためには、経理職だけでなく財務や経営企画などの幅広い経験や知識、語学力や高度なコミュニケーションスキルなどが必要です。
CFOになると、会社の経営に大きな影響力を持つことができ、高い地位や報酬を得ることもできます。
経理・税務・会計系のコンサルタントになる
コンサルティングファームへの転職や独立などによって、経理・税務・会計系のコンサルタントになるキャリアプランもあります。
さまざまな企業や団体に対し、経理・税務・会計業務に関する指導やアドバイス、サポートをおこなう職種です。
たとえば、資金調達や投資戦略の立案、業務改善に関するアドバイスなどを提供します。
経理・税務・会計領域における専門知識のほかに、論理的思考力や問題解決力、プレゼン能力などが必要な難易度の高い仕事です。
企業規模別|経理のキャリアパスの特徴
企業規模によって、経理の仕事内容やキャリアの展望は異なります。
ここでは、大企業、中小企業、ベンチャー企業の3つのタイプに分けて、それぞれの特徴を見ていきましょう。
大企業
大企業の経理部門は、財務会計や管理会計、税務など、業務ごとに分かれているのが一般的です。各部署では、決算や予算、税務申告、監査対応などの業務を担当します。
また、大企業の経理は専門性が高く、国際基準や法令に準拠した正確な会計処理や報告が求められます。グループ会社や海外拠点との連携が求められるのも、大企業の特徴です。
一般的な大企業の経理におけるキャリアパスは、部門内での昇進や異動が多く、部長や管理職になることが目標です。
しかし、専門性が高いことから、他社への転職は難しい場合もあります。
中小企業
中小企業では、経理は幅広い業務を一手に引き受けることが多くなります。
たとえば、経理だけでなく財務会計や人事、総務なども兼任する場合もあります。
中小企業の経理は、会社全体の財務状況や経営状況を把握し、経営陣や他部署と連携して意思決定に関与することが求められます。
中小企業における経理のキャリアパスは、一般的には異動などはなく、経理責任者や財務部長になることを目指すケースが多いでしょう。注意点としては、幅広い業務をこなす分、専門性が低くなる可能性がある点です。
ベンチャー企業
ベンチャー企業の経理は、自社の成長ステージに応じて変化する業務に対応する必要があるため、柔軟性やスピード感が求められます。経理の専門性を発揮する場面もありますが、経理以外にも法務や総務など幅広い業務を担当するのが特徴です。
たとえば、資金調達やM&Aなどの戦略的な業務や、新規事業や海外展開などの事業開発に関わることもあります。
ベンチャー企業の経理のキャリアパスは、経理を含む管理部門の強化に貢献するとともに、最終的にはCFO(最高財務責任者)を目指すことができます。
ベンチャー企業におけるキャリアパスの注意点としては、ベンチャー特有の不安定さやリスク、ハードワークなどが挙げられます。
経理のキャリアプランの立て方
経理のキャリアプランは、以下のステップにそって立てるのが効果的です。
経理キャリアの棚卸しと自己分析をおこなう
まずは、自分が今まで経理としてどんな経験やスキルを積んできたか、どんな強みや弱みがあるかを棚卸ししましょう。自分の価値観ややりがいを感じること、将来の夢や目標なども明確にします。
これらの情報を整理することで、自分が今後どんなキャリアを望んでいるか、どんな方向性で成長していきたいかが見えてきます。
スペシャリストとゼネラリストのどちらを目指すのかを決める
次に、自分がスペシャリストとして深く専門性を磨くか、ゼネラリストとして幅広く知識や経験を身につけるかを決めましょう。それぞれのキャリアパスとしては、以下のようなプランがあります。
スペシャリスト向けキャリアパス
スペシャリストは自社で専門性を発揮するほかに、会計や税務など特定の分野において高いレベルの知識や技術を持ち、専門家として独立開業することも可能です。
- 会計士・税理士などの資格を取得する
- 独立開業する
- コンサルタントになる など
ゼネラリスト向けキャリアパス
ゼネラリストは、財務や予算管理などの業務に対応できる柔軟性や応用力を持ち、マネジメントやコンサルティングへの幅広いキャリアパスが開けます。
- 経理のマネージャー・管理職・CFOを目指す
- さまざまな企業規模の経理を経験する
- 外資系企業へ転職する など
期間を区切り達成目標を定める
最後に、自分が目指すキャリアに向けて、具体的な達成目標と期間を定めましょう。3年・5年・10年のように、短期・中期・長期で区切るのが有効です。
目標を設定する際は、現実的で達成可能であることが重要です。また、目標に向かって努力するためには、日々の業務や学習にも工夫や改善を加えていくきましょう。
目標はライフプランと併せて設定することが大切
達成目標を定める際には、結婚や出産、住宅購入などのライフプランと併せて考えましょう。
そうすることで、仕事と私生活との整合性を保つことができ、私生活を理由にキャリアの変更を余儀なくされるリスクを抑えられます。
経理がキャリアプランを実現するためのポイント
設定したキャリアプランを実現するためには、以下のポイントを意識することが大切です。
区切った期間までにやるべきことを整理、実行する
自身で区切った期間までにどんなスキルや知識を身につけたいか、○年後にはどんなポジションや役割を目指したいかなどを明確にしておきましょう。
そして、その目標に向かって具体的なアクションプランを作り、実行していくことが必要です。
たとえば達成目標が「3年後には、会計士試験に合格してスペシャリストになる」のであれば、いつ、どの日程の試験に合格するのかを整理します。そのためには、逆算していつから学習を始めればよいのか、合格するにはどれくらい学習が必要なのかといった情報も集める必要があります。
キャリアに関する社内制度の情報を得る
自身が思い描いたキャリアプランの実現を、今の環境で可能かどうかを知っておくことも大切です。そのためには、キャリアに関する社内制度の情報を集めておくとよいでしょう。
たとえば、希望の部署に異動するための社内FA制度や社内公募制度など、自分のキャリアプランの実現に役立ちそうな制度がないかを確認します。
必要に応じて資格を取得する
自分のキャリアプランに応じて、必要な資格を取得することも有効です。
たとえば、公認会計士や税理士などの国家資格は、経理の専門性や信頼性を高めるだけでなく、他社への転職や独立開業などの選択肢も広げることができます。
キャリアプランは環境の変化に合わせて柔軟に修正する
自分のキャリアプランは固定的に考えるのではなく、環境の変化に合わせて柔軟に修正することが必要です。
たとえば、会社の業績や組織体制が変わった場合、自分のポジションや役割も変わる可能性があります。
また、市場や技術の動向によって、経理の仕事内容や求められるスキルも変化するでしょう。そうしたときには、自分のキャリアプランを見直し、新たな目標や計画を立てることが大切です。
経理がキャリアプランを達成するための注意点
キャリアプランの達成に向けて、気をつけたい点を解説します。
専門スキルだけでなくヒューマンスキルも磨く
経理は専門知識やスキルが必要ですが、コミュニケーションや交渉、リーダーシップなどのヒューマンスキルも必要です。
他部署や外部の関係者と連携することが多く、説明や提案をする機会もあるため、相手の立場やニーズを理解し、わかりやすく伝えることができるようになっておきましょう。
ヒューマンスキルを磨くことで、社内での人脈づくりや転職に際して有利になり、キャリアプランの実現可能性を高められます。
ビジネスに関する知識やマインドも習得する
経理は会社の財務状況を把握するだけでなく、会社のビジネス戦略や目標にそって財務管理をおこなうことが求められます。
そのため、自分の担当する業務だけでなく、会社全体のビジネスに関する知識やマインドも習得することが重要です。
自社の業界や競合、市場動向などを調べたり、経営層や営業部門と積極的にコミュニケーションを取ったりすることでビジネス感覚を養うことができます。
資格取得だけに偏らず実務経験を磨くことに注力する
資格があると知識やスキルを客観的に証明できますが、資格は基礎知識や理論を学ぶためのものであり、実際の仕事では、臨機応変に問題や状況に対応しなければなりません。
また、経理の転職市場で圧倒的に評価されるのは実務経験です。そのため、資格取得だけに偏らず実務経験を磨くことに注力することが大切です。
たとえば、新しい業務に挑戦したり、他部署や外部のプロジェクトに参加したりすることで、実務スキルを高めることができます。
経理が時代の変化に対応できるキャリアを築くには?
近年、ビジネスを取り巻く環境は大きく変化しており、経理のキャリアに関してもその影響は避けられません。時代の変化に対応できる経理人材になるには、以下の点がポイントとなります。
作業スキルだけではなく分析や提案能力を磨いていく
経理業務は、RPAの導入やシステム化などにより、入力や仕訳などの定型作業は自動化が進んでいます。
そのため、今後は作業スキルではなく、分析力や提案力、問題解決力などを磨くことが大切です。そうすることで、システム化やAIの発展に左右されることなく、将来にわたって必要とされる経理人材になることができます。
AIやクラウドなど最新技術に関するアンテナを張る
AIやクラウドなどの最新技術は、経理業務の効率化や品質向上に大きなメリットをもたらしますが、同時に経理職の役割や求められるスキルも変化させます。
経理が時代の変化に対応できるキャリアを築くためには、これらの最新技術に関する知識やスキルを身につけることが必要です。最新技術を活用して、業務プロセスや仕組みを改善できる能力も欠かせません。
語学力を磨いてグローバル化に対応する
グローバル化にともない、海外進出や海外企業との取引などが増える中で、英語やその他の言語でコミュニケーションや報告ができることが求められます。
また、海外の会計基準や税制などにも精通していることが必要です。
転職エージェントに相談して最新の市場動向をチェックする
時代の変化に対応できるキャリアを築くためには、自分の市場価値やキャリアプランを見直すとともに、自分の希望や適性に合った企業や職種を探すことが重要です。
これらのことを実現するためには、転職エージェントに相談して最新の市場動向や求人情報をチェックすることがおすすめです。
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まとめ
経理として培った知識やスキルは、幅広い業界で活かすことができるため、キャリアプランの選択肢は実に豊富です。
その分迷いが生じることも多いため、キャリアについて悩んだら転職エージェントに相談することをおすすめします。
運営者情報
会社名 |
株式会社アシロ(ASIRO Inc.) 2021年7月20日 東証グロース上場(7378) |
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URL | https://asiro.co.jp/ |
本社所在地 |
160-0023 東京都新宿区西新宿6丁目3番1号 新宿アイランドウイング4F |
法人番号 | 9011101076787 |
設立日 | 2009年11月 |
代表者(代表取締役社長) | 中山博登 |
主な事業内容 | HR事業、インターネットメディア事業(リーガルメディア、派生メディア)、少額短期保険事業 |
許認可 | 有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可 許可番号13-ユ-313782) |
グループ会社 |
株式会社アシロ少額短期保険 株式会社ヒトタス |