企業経営に興味・関心がある方にとって「経営企画職」は非常に気になる職種ではないでしょうか。
企業経営の中枢に関わるやりがいの大きな仕事であり、相応の報酬を得ることもできるため、ハイキャリアの人材を中心に人気を集めています。しかし業務の難易度が高く、幅広い能力を求められるため、経営企画職への転職は簡単ではありません。
求人も決して多くないので、転職活動は長期戦も覚悟で進める必要があります。
この記事では経営企画職への転職を考えている方に向けて、求人状況や転職難易度、経営企画職に求められる能力などを解説します。
経営企画職への転職を成功させるためのポイントも確認しましょう。
管理部門向けおすすめエージェント5社 | |
エージェント名 | 特徴 |
---|---|
BEET-AGENT |
管理部門に特化した転職エージェント。バックオフィスが評価される企業への転職がコンセプト。実務経験者のキャリアアップ求人紹介が得意。 |
リクルートエージェント | 圧倒的求人数と内定数。まず登録すべき大手エージェント。 |
Ms-japan | 管理部門・士業の方におすすめしたいエージェントNo.1。 |
レックスアドバイザーズ |
会計士、税理士専門の転職エージェント。公認会計士・税理士・管理部門のスペシャリストが在籍 |
20代・ポテンシャル採用で満足度が高いエージェント。 |
関連記事:ハイクラス向けおすすめ転職エージェント比較ランキング|年代別の転職成功のコツも解説
目次
経営企画への転職で選ばれる、管理部特化の転職エージェントおすすめ7選[比較]
まずは国内の「経営企画」求人を持つおすすめの転職サイトを7社ご紹介します。
転職エージェント名 | 特徴 |
BEET-AGENT | エンタープライズ企業やIPO準備中の求人案件を多数保有する。管理部門特化型の転職サイト。 |
リクルートダイレクトスカウト | 求人情報には広告やコマーシャルでよく耳にする企業が多い。 |
MS-japan | 管理部門の求人数は全体の約2割。2017年の転職支援実績において「管理部門・バックオフィス」が営業、技術職に次いで多い点もおすすめの理由。 |
リクルートエージェント | 10万件以上の求人数を誇る大手エージェント。実績は多いため求人を確認したい場合はおすすめ。 |
ミドルの転職 | 30代・40代のミドル層をダーゲットにした転職サイト。経営幹部、CxOなど、ハイクラス求人を多数掲載。 |
doda X | 完全ヘッドハンティング型なので転職の時期を中長期的な期間で考えている方におすすめ。 |
経営企画職はバックオフィスや経営層ポジションになりますので、管理部門特化の『BEET-AGENT』、ハイクラス向けの求人が多い『リクルートダイレクトスカウト』はおすすめです。
ビズリーチは昨今ハイクラス層での転職はあまり聞かなくなってきましたが、「ミドルの転職」は役員経験者も数多く登録しているため、外さないサイトと言えます。
詳しくは後述します。
経営企画職の転職におすすめの転職エージェント7社
ここでは、経営企画職の転職で利用するべき転職エージェントを7社紹介します。
BEET-AGENT|経営企画・上場準備中企業への転職
公式サイト:https://beet-agent.com/
まず最初にご紹介するのは『BEET-AGENT』、管理部門に特化した転職サイトです。
もともとは弁護士・法務人材といった法務系求人を多数取り扱っているサービスですが、社外取締役マッチングサービス『EXE(エグゼ)』など、IPO準備中企業との取引も豊富で、関連した経営企画求人情報なども取り扱いがあります。
BEETAGENTの特徴
管理部門の求人数は非公開ですが、経営企画・経理財務・IR・新規事業計画・内部監査などの求人取り扱いがあります。
ほか職種を多く扱う総合転職エージェントや、ハイクラス人材と呼ばれる方を対象にした転職サイトに比べると求人数は見劣りするかもしれませんが、担当アドバイザーとの綿密な面談によるマッチング精度の高さが大きな特徴です。
- 全体公開求人数:非公開
- 得意な分野:エンタープライズ企業からベンチャー・スタートアップ企業の求人案件
- 法律事務所や監査法人など求人案件も保有
- 対応年代:30代~40代
- 対応職種:経営企画・広報PR・IR・経理・財務・人事・総務・法務
管理部門特化のため、経歴を転職市場と照らし合わせて最適なキャリアプランを提案してくれるでしょう。
リクルートダイレクトスカウト|管理部全般も扱う・リクルートが運営
公式サイト:https://directscout.recruit.co.jp/
『リクルートダイレクトスカウト』は、求人数業界No1の転職エージェントであるリクルートが運営。知名度も高く、様々な職種・業界に対応しています。
リクルートダイレクトスカウトの特徴
年収2,000万円以上の高年収転職に強く、経営企画をはじめとした年収800万円以上の求人が豊富です。経営企画に絞った場合の求人数は約2,000件(2022年6月時点)。
スタートアップ、メガベンチャー、上場企業の管理部門求人などを保有する各企業のヘッドハンターが集まっており、管理部門の人事・法務・経理などを経てハイキャリア層に精通したアドバイザーも在籍。
市場の動向を踏まえた上でのキャリア設計を提案してくれます。
- 2,500名以上のヘッドハンターが在籍
- 得意な分野:未経験~ハイキャリアまで、幅広い分野をサポート
- 対応年代:30代~50代まで、幅広い年代に対応
- 対応職種:経営企画ほか管理部・マーケティング・営業・エンジニア等
MS Japan|士業・管理部門特化エージェントNo.1
公式サイト:https://www.jmsc.co.jp/
『MS Agent(旧MS-Japan)』は管理部門や士業に特化しています。
楽天インサイト(2019年3月)の調査結果では、管理部門に特化した転職エージェントの中でも「転職決定率・登録率・相談率がトップクラス」のおすすめ転職エージェントです。
MS-Agentの特徴
経営企画や人事、法務など専門領域ごとにコンサルタントが配置されており、業務への理解度が高いのが特徴です。管理部門の転職に強みがあるので経営企画職への転職を考えるならまず利用を検討しましょう。
非公開求人の割合が90%と非常に大きいので、経営企画のように秘匿性の高いポジションの求人を紹介してもらえる可能性が高いです。
- 全体公開求人数:5,400件以上(2022年5月時点)
- 得意な分野:大手上場企業や外資企業、ベンチャー企業の求人案件が豊富
- 会計事務所や監査法人、法律事務所や金融機関などの求人案件も保有
- 対応年代:20代~40代
- 対応職種:経営企画・経理/財務・人事・総務・法務
リクルートエージェント|求人数10万件以上のメガエージェント
公式サイト:https://www.r-agent.com/
『リクルートエージェント』は、圧倒的な知名度を誇る大手総合型の転職エージェントです。公開求人のみで10万件以上ととにかく求人件数が多く、経営企画職の求人も豊富に扱っています。
経営企画職はほかの職種と比べて求人の数が少ないので、少しでも多くの選択肢の中から比較検討して見つけたいという方は利用を検討しましょう。大手ならではの転職ノウハウが蓄積されているため、手厚いサポートも受けられます。
リクルートエージェントの特徴
公式サイトには「転職成功実績No.1」と明記されています。この数字は、厚生労働省での調査をもとに出されたものなので、信憑性は高いです。実績が豊富であることから、エージェントのレベルの高さが伺えます。
- 経営企画・事業企画の求人数:3,000件以上(2022年6月時点)
- キャリアアドバイザーがキャリアプランを提示
- 専用ページ:Personal Desktopを使った転職支援
- 職務経歴書作成ツール「レジュメNavi」
- 面接力向上セミナーの実施
ミドルの転職|30代・40代のミドル層特化のハイクラスエージェント
公式サイト:https://mid-tenshoku.com/
『ミドルの転職』は、エンジャパンが運営するハイクラス転職サイト。30代・40代のミドル層をターゲットにしています。
ミドルの転職の特徴
年収1,000万円以上を目指すミドル層の求人案件が多く、経営企画をはじめとした管理部門の求人も取り扱いがあります。経営企画・事業計画に絞った求人数は3,700件以上(2022年6月時点)。
名の知れたエンタープライズ企業の求人が多く、スタートアップ・ベンチャー企業の求人はそこまで多い印象はないものの、年収600万円〜1,000万円内の案件は多く、管理部門の人事・法務・経理などを経てハイキャリア層に精通したアドバイザーも在籍。
- ハイクラスに強いヘッドハンターが在籍
- 得意な分野:年収600万円以上の転職
- 対応年代:30代~40代まで
- 対応職種:経営企画ほか管理部・マーケティング・営業・エンジニア等
doda X|パーソルキャリアが運営するハイクラス向けサイト
【公式サイト】https://tenshokuagent-pro.com/links/dodax156/
『doda X』は、より高収入で希少性の高い求人にスポットを当てた転職サービスです。人材サービスの大手『パーソルキャリア』が運営しています。
特徴
ハイクラス求人が掲載されており、事業責任者やマネージャーといったリーダー職、管理職の求人掲載が多いことが特徴です。
登録後は専属のヘッドハンターからのスカウトを待つのみのシステムなので、ほかの転職サイトと併用して使用する方が良いでしょう。
今すぐの転職を考えている方よりも、転職の時期を中長期的な期間で考えている方、現在の仕事が忙しい方、ゆくゆくは転職を視野に入れて動き出したい方におすすめの転職サービスです。
転職エージェント名 | 特徴 |
BEETAGENT | エンタープライズ企業やIPO準備中の求人案件を多数保有する。管理部門特化型の転職サイト。 |
リクルートダイレクトスカウト | 求人情報には広告やコマーシャルでよく耳にする企業が多い。 |
MS-japan | 管理部門の求人数は全体の約2割。2017年の転職支援実績において「管理部門・バックオフィス」が営業、技術職に次いで多い点もおすすめの理由。 |
リクルートエージェント | 10万件以上の求人数を誇る大手エージェント。実績は多いため求人を確認したい場合はおすすめ。 |
ミドルの転職 | 30代・40代のミドル層をダーゲットにした転職サイト。経営幹部、CxOなど、ハイクラス求人を多数掲載。 |
doda X | 完全ヘッドハンティング型なので転職の時期を中長期的な期間で考えている方におすすめ。 |
経営企画の転職で選ぶべき転職エージェントの特徴と3つの比較ポイント
経営企画職は管理部ポジションの一つに括られることもあれば、経営企画部自体が独立した部署、あるいは社長直下ポジションになるケースもあります。そのため、転職エージェントとしても『管理部門特化』『経営層に強い』『ハイクラス転職』を謳うエージェントを活用するのが良いでしょう。
利用する転職エージェントによっては、この部門がより強みを持っているという特徴がありますので、担当のキャリアアドバイザーとよく話あって見極める必要もあります。
管理部門の転職実績
転職エージェントの多くは転職実績をホームページに掲載しています。たとえば、大手企業に転職したいのであれば大手企業への転職支援実績がある企業を選ぶといいでしょう。
もちろん、実際には非公開の実績も多くありますので、詳細は担当アドバイザーに聞いてみましょう。登録は無料ですし、3社登録しても三人の担当ですみますので、高待遇ポジションを狙う意味でもしっかりと話しを聞くことを推奨します。
サポート内容・アドバイザーの対応
サポート内容も転職エージェントによって異なります。転職エージェントは転職希望者からはフィー(手数料)を取らず、転職が決定したら転職先企業からフィーをもらうというビジネスモデル。そのため、転職エージェントは転職希望者を手厚くフォローします。
具体的には、書類の添削・面接対策・転職セミナーの実施サポートがありますので、自身に必要なサービスを受けられる転職エージェントを選ぶのが良いでしょう。
注意点として、求人の紹介数だけが多いエージェントはあまりおすすめできません。アドバイザーも最初の面談のみであとは機械的に求人を流す傾向があり、求人応募後のサポートがそこまで充実していない傾向が、残念ながらあります。
経営企画というポジションはそこまで数も多くない希少枠ですので、1つ1つの応募を大切にする意味でも、アドバイザーの熱意や誠実さにはこだわるべきポイントです。
口コミはあてにならない
転職エージェントを選ぶにあたり、口コミや評判も確認すべきとは思いますが、他人の評価よりも実際に自分にとってどうだったかの方が大事です。
特に転職ではエージェントそのものよりも『アドバイザー』の質が大事ですので、ホームページの情報やネット検索やSNSの内容ではなく、自分にあった求人を紹介してくれるかどうかのみを判断されるのが良いかと思います。
経営企画職の具体的な仕事内容とは
経営企画と聞いても、具体的にどんな仕事をする職種なのか詳しくは分からないという方も多いでしょう。まずは経営企画職の全体像を把握しておきましょう。
組織のブレーンとして経営陣の意思決定をサポート
経営企画職は、組織の「ブレーン」や「参謀」として、経営陣の意思決定をサポートする仕事です。経営トップが掲げた経営方針やビジョンを現場に落とし込んだり、現場の課題を経営層に報告したりして、会社全体の方向性を決めていきます。
大きな経営課題から個別のテーマ(例:コスト削減、組織再編等)に関する立案・策定まで取り組みます。会社の動きや将来を左右する重要なポジションなので、通常はエース級社員や能力の高い社員が抜擢されます。
経営企画職の主な業務内容
経営企画職の業務は大きく「管理業務」と「企画業務」の2つに分けられます。
管理業務とは売上やコスト、利益管理など「経営の数字」に関わる業務のことです。たとえば事業部門の予算や利益計画の策定、単年度予算の編成、各部署のKPI(重要業績評価指標)の取りまとめなどを行います。
経理部門と連携をとって経営陣向けの資料を作成したり、取締役会で使用する資料を作成したりするのも業務に含まれます。
企画業務とは経営や事業の企画を行う業務のことです。具体的には市場および他社の動向調査とデータ収集・分析、経営目標の設定および戦略策定、中長期計画の策定・進捗管理といった業務があります。
経営会議の運営や経営陣および関係部署へのプレゼン・資料作成、新規事業の立案・実施・推進なども重要な業務です。
企業によって業務内容が大きく異なる
経営企画の業務内容は企業の規模や業界、経営者の方針などによって大きく異なります。企業ごとに経営企画の機能も異なるため、おのずと業務内容も違ってきます。そのため転職の際は、応募先の業務内容をよく確認し、自身の経験を活かせるかどうかをよく検討することが大切です。そうすることで転職後のミスマッチを防ぐことができます。
経営企画職の平均年収は800万円前後
経営企画職の年収相場は550万円~800万円と思われます。管理職・経営層ポジションになると1,000万円近い年収を稼ぐ人もいます。
下記は厚生労働省の『令和2年賃金構造基本統計調査』から抜粋したデータになります。『経営企画』のみに絞ったデータはありませんでしたが、企業規模によっても異なりますが、おおよそ800万円前後が年収の平均になると思われます。
企業規模計(10人以上) | 1,000人以上 | 10~99人 | ||||||||||
区 分 | 勤続年数(年) | 現金給与額(千円) | 年間賞与(千円) | 年収換算(万円) | 勤続年数(年) | 現金給与額(千円) | 年間賞与(千円) | 年収換算(万円) | 勤続年数(年) | 現金給与額(千円) | 年間賞与(千円) | 年収換算(万円) |
管理的職業従事者 | 21.7 | 537.8 | 1951.0 | 840.5 | 23.5 | 606.7 | 2582.8 | 986.3 | 21.7 | 520.7 | 1825.7 | 840.5 |
その他の経営・金融・保険専門職業従事者 | 8.7 | 642.7 | 2582.8 | 1029.5 | 9.0 | 519.1 | 1472.7 | 770.2 | 7.1 | 709.1 | 2312.1 | 1029.5 |
企画事務員 | 12.6 | 408.8 | 1303.6 | 620.9 | 14.1 | 442.2 | 1572.5 | 687.9 | 11.2 | 382.7 | 1106.2 | 620.9 |
業務の難易度が高く、企業経営に関わる重要なポジションであることから年収相場は高めです。ただし、コンサルティングファームから転職する場合は年収ダウンとなるケースがあります。
コンサルティングファームはインセンティブもあって年収水準が高いため、企業の給与テーブルが適用される経営企画職への転職はおのずと年収が下がりやすいのです。
経営企画で結果を出せる人の傾向
経営企画で結果を出すためにはどんなことが必要なのでしょうか。結果を出せる人の傾向を踏まえて解説します。
経営視点で考察ができる人
経営企画は経営者の考えを現場実務に落とし込んで事業部を取りまとめ、業務を進めます。そのため自らが経営者にもなれるような、経営視点で考察ができる人材が結果を出しやすいでしょう。
また経営層に対して自身の見解を伝え、ときには意見を伝える場面もあるので、経営層にも物怖じせずに提案・意見できることも必要です。
向上心が高く、勉強を続けられる人
経営企画職として活躍する人は、向上心や挑戦心があり、イノベーションを起こしたいという意欲の高い人が多いです。経営戦略や新規事業を考えるときには社会情勢やトレンドを考慮する必要もあるため、常にアンテナを張り、新しい情報をキャッチしています。
仕事以外の時間に勉強を続けている人も多く、地道な努力によってスキルアップを図っています。
地道な調整作業にも真摯に取り組める人
経営企画は各部署を横断的にまとめ上げて新事業の立ち上げやプロジェクトを行うこともあるので、他部署または部署間の調整が必要です。企業規模が大きければその分部署の数も多いので、調整は骨が折れる作業となるでしょう。
こうした地道な調整作業も真摯に取り組むことで新事業やプロジェクトを成功に導くことができます。
スピード感をもって仕事に取り組める人
企業が経営企画を置く目的として、意思決定から実行までのスピードをはやめることがあります。そうでなければ自社に経営企画を置かずに、外部のコンサルなどに経営企画を委託したほうが効率的でしょう。そのためスピード感をもって仕事に取り組める人は評価の対象となります。
経営企画職へ転職するメリット
これから経営企画職への転職を検討している人は、転職するとどんなやりがいがあるのか、業務スキルを得られるのかが気になるでしょう。経営企画職へ転職するメリットを見ていきましょう。
経営に近い立場で仕事ができる
経営企画や経営戦略は、中小規模の企業であれば経営者や経営陣が行いますが、ある程度の規模以上の企業になると経営企画室がこれらの役割を担います。つまり経営企画職は経営者の代わりともいえる経営に近いポジションです。
会社の将来を左右する重責はありますが、その分やりがいも大きいでしょう。経営幹部への道も開かれており、報酬も高く設定されています。
市場価値を高めることができる
経営企画職は企業の根幹に関わる中で経営を学びながら、経営に必要な業務スキルを習得できます。このような業務スキルがある人材は転職市場に出てくることがほとんどないため、希少価値が高く、次のキャリアを築く際にも高い評価を得られるでしょう。
市場価値が高まることで、たとえばベンチャー企業CXOポジション(幹部人材)へ転職することなども可能です。
汎用性の高いスキルが身につく
経営企画職は論理的思考力や情報収集力、ドキュメントスキルやコミュニケーションスキルなど汎用性の高いスキルが身につきます。どの業界でも通用するスキルが身につくことで、さらなるキャリアアップを目指して転職する場合でも業界を超えた転職が可能です。
また経営企画職を経て起業・独立する方もいますが、その際にも経営企画職での業務経験が大いに役立つでしょう。
経営企画職の求人状況
どんな企業で経営企画職を求めているのか、市場に求人はどのくらいあるのかなど求人状況を確認しましょう。
経営企画職を募集している企業の傾向
経営企画職はどの企業にも置かれている職種ではないので、転職活動の際にはどんな企業で求人を出しているのかを把握しておくことが大切です。経営企画職の求人を見ると、
- 「IPO準備中企業」
- 「新規事業立ち上げフェーズにある企業」
- 「海外展開を加速させている企業」
などを中心に募集をかけている傾向が見られました。
特にベンチャー企業では成長を維持・加速させるために経営企画のポジションを設けているケースが多く、未経験でも応募できる求人があります。ベンチャーの場合は若手を求める傾向が強いので20代の人材にもチャンスがあるでしょう。
求人は少ないので転職活動は長期戦も覚悟して
経営企画職の求人は全体的に少ないので、転職活動は長くかかることも想定しておく必要があります。少なくとも内定が出る前に辞めるというリスクの高い行動は避け、現職と並行しながら転職活動を進める必要があるでしょう。
求人が少ない理由としては、中小規模の企業だと経営企画を経営陣が行うことも多いので経営企画職自体を置かない企業もあるのと、経営企画室は基本的に少数精鋭なので募集枠も少ないことなどが挙げられます。
また経営に関与する秘匿性の高いポジションであることから転職エージェントの非公開求人やリファラル採用、ダイレクトリクルーティング等を利用する企業が多く、公開求人を見つけにくいというのもあります。
転職エージェント名 | 特徴 |
BEET-AGENT | エンタープライズ企業やIPO準備中の求人案件を多数保有する。管理部門特化型の転職サイト。 |
リクルートダイレクトスカウト | 求人情報には広告やコマーシャルでよく耳にする企業が多い。 |
MS-japan | 管理部門の求人数は全体の約2割。2017年の転職支援実績において「管理部門・バックオフィス」が営業、技術職に次いで多い点もおすすめの理由。 |
リクルートエージェント | 10万件以上の求人数を誇る大手エージェント。実績は多いため求人を確認したい場合はおすすめ。 |
ミドルの転職 | 30代・40代のミドル層をダーゲットにした転職サイト。経営幹部、CxOなど、ハイクラス求人を多数掲載。 |
doda X | 完全ヘッドハンティング型なので転職の時期を中長期的な期間で考えている方におすすめ。 |
経営企画職の転職難易度
経営企画職への転職難易度は会社規模や経験の有無によって異なります。
経営企画職の転職難易度は高い
経営企画職の転職難易度は高いと考えていいでしょう。難易度が高い理由として、求められる能力やスキルが広範にわたり業務の難易度も高いことが挙げられます。応募者もハイキャリアの人材が多いため優秀なライバルたちとの争いになります。そもそも採用枠が少ない・求人件数が少ないことも理由です。
会社規模別の転職難易度
大手企業、中小企業、ベンチャー企業にわけて転職難易度を確認しましょう。
大手は新卒採用を基本として人材を育成し、その中から能力が高い人材を経営企画職へ抜擢する傾向があります。したがって中途採用を行わないケースが多く、求人がなかなか出ないので、転職難易度は高くなります。
また大手が求める人物像として大人数を動かせる調整力の高い人材や事業への深い理解がある人材を求める傾向があり、業務経験としてはM&A業務や中長期予算計画策定業務を求める傾向があるなど、応募条件が厳しいのも難易度を上げる要因となっています。
中小企業は大手より求められる要素が多様なのでフィットする求人が見つかる可能性があり、転職難易度は下がります。ただし、そもそも経営企画職を置いていない企業も多いという問題はありますし、求人自体が少ないことに変わりはありません。
もっとも転職難易度が低いのがベンチャー企業です。成長過程にあるベンチャー企業は経営企画職を求めるケースが多く、求人も比較的豊富にあります。またベンチャー企業では発想力とスピード感を求める傾向があるので、経営企画またはそれに関連する業務経験が少ない人でもチャンスがあるでしょう。
未経験からの転職はかなり難しいが条件付きで可能性あり
経営企画職は経験者有利の傾向が強い職種なので、未経験からの転職は厳しいと言わざるを得ません。ただし、経営企画職に活かせる業務経験がある場合は別です。
たとえば、経理・財務などの数字を扱う部署での業務経験があるなら経営企画職としての素養を備えているためチャンスがあります。
またコンサルからの転職はよくあるパターンです。論理的思考力やデータ分析力など経営企画職と親和性の高い職種ですし、中期経営計画の策定経験などもあるため、即戦力として採用される可能性が高いでしょう。
経営企画職への転職で必須の能力
経営企画職へ転職するにはどんな能力が求められるのでしょうか。必須の能力について解説します。
論理的思考力
経営企画職は経営層や他部署との合意を形成するために、物事を論理的に組み立て、整理しながら伝えていく必要があります。会社の方向性を決める重大な合意となるため、すべての数字・言葉に理論付けが必要です。
そのため論理的思考力が不可欠であり、面接の際にも質問への回答に一貫性があるか、結論を先に述べて端的に回答できているかといった点をチェックされます。
数字処理・分析能力
経営企画職は予算の設定や利益計画の策定などあらゆる場面で数字を扱うため、数字処理・分析能力も不可欠です。経営陣向けの資料を作成するときは数字の正確さが求められますし、数字から見える事業状況を的確に説明しなければなりません。
応募の際には、財務会計の知識や管理会計の諸表作成経験など、経営の数字に関する知識や業務経験があることをアピールしましょう。
情報収集・資料作成・プレゼン能力
経営企画の策定にあたり高度な情報収集スキルや分析力は欠かせません。収集した情報は速やかに資料に落とし込んで経営陣やそれに近いポジションに示すため、ExcelやWord、PowerPointなどのドキュメントスキルが必要です。
タイムリーな提案・資料作成を求められる機会が多いので、精度に加えてスピードも必要です。さらにそうした資料を用いながら関係部署や経営陣に戦略を伝え、意思決定を促すためのプレゼン能力も求められます。
調整能力・コミュニケーション能力
経営企画職は経営層と事業部との架け橋となり、経営戦略を実行・推進していくのが仕事なので、社内外でさまざまなコミュニケーションや調整が発生します。全社一丸となって目標に向かうために人を巻き込む力が必要となり、高い調整能力・コミュニケーション能力が求められます。
その他広範な能力や知識が求められる
上記のほかにも企画・アイデア力やマーケティング、マネジメント、企業法務の知識など広範な能力や知識が求められます。新規事業を立ち上げる場合は専門外の知識を得る必要も出てくるでしょう。
転職エージェント名 | 特徴 |
BEET-AGENT | エンタープライズ企業やIPO準備中の求人案件を多数保有する。管理部門特化型の転職サイト。 |
リクルートダイレクトスカウト | 求人情報には広告やコマーシャルでよく耳にする企業が多い。 |
MS-japan | 管理部門の求人数は全体の約2割。2017年の転職支援実績において「管理部門・バックオフィス」が営業、技術職に次いで多い点もおすすめの理由。 |
リクルートエージェント | 10万件以上の求人数を誇る大手エージェント。実績は多いため求人を確認したい場合はおすすめ。 |
ミドルの転職 | 30代・40代のミドル層をダーゲットにした転職サイト。経営幹部、CxOなど、ハイクラス求人を多数掲載。 |
doda X | 完全ヘッドハンティング型なので転職の時期を中長期的な期間で考えている方におすすめ。 |
経営企画職へ転職した後のキャリア
経営企画職へ転職した後はどんなキャリアを展開できるのでしょうか。
管理部門の役職者になる
経営企画職のその後のキャリアは、社内で昇進して管理部門の管理職になるのが王道のパターンです。経営陣と近い距離で仕事をするポジションなので成果を評価される機会が多く、自社が成長する中で重要なポジションを任されるケースも少なくありません。まずは経営企画室長になり、経営層へキャリアアップする場合もあります。管理会計やM&A、資金調達等に関わる機会があるので財務部長へ昇進する人もいます。
コンサルなどほかの職種へ転職する人も
転職して新たなキャリアを展開する人もいます。多いのは戦略コンサルをはじめとするコンサルへの転職です。また同じ経営企画職として、企業規模やポジションを上げた転職を叶える人もいます。
経営企画職への転職を成功させるには?
難易度の高い経営企画職への転職を成功させるにはどんな点を意識すればよいのでしょうか。
職務経歴書を充実させて資料作成能力をアピールする
職務経歴書を充実させることで、経営企画職に必要な資料作成能力や資料作りのセンスをアピールできます。ポイントは、評価につながる業務経験を漏れなく記載すること、論理的な表現と読みやすい文章を意識することです。実績はできるだけ数字で表し、そうでなくても具体的に伝えるよう工夫しましょう。
評価されやすい経験や資格をアピールする
経営企画職に役立つ経験や評価の対象となる資格があればしっかりアピールしましょう。
評価されやすい経験
評価されやすい経験としては、経営企画や戦略立案の経験のほかに以下のようなものがあります。
- マネジメント経験
- 経理・財務など経営の数字に関わる業務経験
- 経営コンサルタントの経験
- マーケティング職、営業、企画職の経験
- 新規事業の立ち上げから実行まで関わった経験 など
評価されやすい資格
資格は必須ではありませんが、経営企画職としての素養があると判断されやすい資格があればアピールできます。たとえば公認会計士やMBA、中小企業診断士といった資格が該当します。特に未経験から目指す場合は知識やスキルの客観的な証明のためにこうした資格を取得するのもひとつの方法です。
もっとも、経営企画職の転職において、特定の資格があるから必ず有利になるということはありません。これらの資格は難易度が高く取得までに年数を要するため、いつのまにか資格取得が目的となってしまい、いつになっても転職できないというケースがあります。
ご自身の年齢や資格に合格する可能性も含め、いつまでに取得すると期限を設定することも必要です。
未経験者は同じ業界で転職する
経営企画職は競合他社の動向や自社が所属する業界の市場に精通している必要があるので、同じ業界内での転職には大きな意味があります。未経験であっても業界知識に詳しい人であれば興味を持ってもらえる可能性があるでしょう。
それだけで転職できるわけではありませんが、経営企画に役立つ業務経験なども加えてアピールすれば採用の可能性を高められます。
同じ業界出身でも経営企画に役立つ業務経験がないという場合は、いったん営業職として転職し、営業経験を積んでから改めてチャレンジすることをおすすめします。
営業経験をすすめるのは、
- 「自社の商品・サービスへの理解度が高まる」
- 「事業や組織に関する数字感覚を持てるようになる」
- 「プレゼンやコミュニケーションスキルが磨かれる」
ことなどが理由です。
求人は転職エージェントで探す
経営企画職の求人は少ないため、自力で求人を探すのは限界があります。ポジションの性質上、非公開求人で募集をかける企業も多いので、自分で探すといつになっても質の高い求人に出会えないかもしれません。そのため転職エージェントを利用して探すことをおすすめします。
転職エージェントが保有する求人の多くは非公開求人となっており、エージェントによっては自社でしか扱っていない独自求人を保有している場合もあります。
また経営企画職は優秀なライバルとの争いになるため、採用担当者の目をひく職務経歴書を作成し、面接対策もしっかり行う必要があります。転職エージェントを利用すれば書類添削や面接対策のサポートが受けられるので、採用の可能性を高められるでしょう。
まとめ
経営企画職は経営に近い立場で会社の舵取り役を担う重要なポジションです。その分高い能力が求められますが、やりがいが大きく、経営層へのキャリアアップの道も開けています。
全体的に求人は少なめなので、転職活動は長期戦を視野に入れてじっくりおこなうことが大切です。転職エージェントを利用すれば希望の条件に合った求人が出たタイミングで紹介を受けられるので効率的に転職活動を進められます。
転職エージェント名 | 特徴 |
BEET-AGENT | エンタープライズ企業やIPO準備中の求人案件を多数保有する。管理部門特化型の転職サイト。 |
リクルートダイレクトスカウト | 求人情報には広告やコマーシャルでよく耳にする企業が多い。 |
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