四大法律事務所の年収はいくら?大手法律事務所で働くメリットや採用条件を解説
「四大法律事務所の年収ってどのくらい?」
「四大法律事務所と弁護士全体の平均年収の差は?」
といった疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。そもそも四大法律事務所は「西村あさひ法律事務所」「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」「長島・大野・常松法律事務所」「森・濱田松本法律事務所」を指します。
法律事務所の中でも最大手である四大法律事務所の年収は、他の事務所に比べると高い傾向です。
本記事では、四大法律事務所の年収や特徴、就職・転職するための条件を解説します。
四大法律事務所へ就職・転職を希望している方や、弁護士業界の平均年収を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
四大法律事務所の平均年収は1,000万円以上
四大法律事務所の平均年収は、1年目で1,000万円を超えるケースが多いようです。
シニアアソシエイト弁護士は1,600万円~3,000万円、パートナー弁護士は数千万円~数億円と、経験年数や役職に応じて年収が変化します。
入所期間 |
年収 |
---|---|
1年目 |
1,100万円~1,200万円 |
3年目 |
1,300万円~1,500万円 |
5年目 |
1,500万円~2,000万円 |
役職 |
年収 |
---|---|
弁護士秘書 |
300万円~500万円 |
パラリーガル |
400万円~600万円 |
ジュニアアソシエイト弁護士 |
1,100万円~1,500万円 |
シニアアソシエイト弁護士 |
1,600万円~3,000万円 |
パートナー弁護士 |
数千万円~数億円 |
四大法律事務所の中で、平均年収に大きな差はありませんでした。ただし、役職や勤続年数、携わった案件のインセンティブによって変動があるため、自分の実力次第で年収を上げられるようです。
弁護士の平均年収は約971万円ですから、入所時ですでに四大法律事務所のほうが年収が高いことになります。
さらに、日本の平均年収は約311万円となっており、四大法律事務所のほうが約700万円高いことが分かります。
四大法律事務所の特徴
四大法律事務所に就職・転職を目指す場合は、それぞれの特徴を理解することが重要です。特徴を理解せずに入所した場合、ミスマッチが発生して早々に退職してしまう可能性があります。
こうした状況を避けるためにも、それぞれの特徴を理解して、自分に合う四大法律事務所を見つけましょう。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
アンダーソン・毛利・友常法律事務所の特徴は以下のとおりです。
事務所名 |
アンダーソン・毛利・友常法律事務所(AMT法律事務所) |
---|---|
地域 |
東京 |
所属弁護士数 |
日本法資格弁護士:約570名 非日本資格弁護士:約60名 弁理士:約20名 |
想定年収 |
約1500万円~2,600万円 |
得意領域 |
・銀行 ・金融 ・キャピタルマーケット ・危機管理 ・不祥事対応 |
西村あさひ法律事務所
西村あさひ法律事務所の特徴は以下のとおりです。
事務所名 |
西村あさひ法律事務所(NA法律事務所) |
---|---|
地域 |
東京 |
所属弁護士数 |
約750名(外国弁護士を含む) |
想定年収 |
約1,000万円~2,000万円 |
得意領域 |
・銀行 ・金融 ・不動産 ・M&Aコーポレート ・知的財産法 ・情報法 ・事業再生 ・倒産 |
森・濱田松本法律事務所
森・濱田松本法律事務所の特徴は以下のとおりです。
事務所名 |
森・濱田松本法律事務所(MHM法律事務所) |
---|---|
地域 |
東京 |
所属弁護士数 |
約720名(東京オフィス:約520名) |
想定年収 |
約1,000万円~2,000万円 |
得意領域 |
・銀行 ・金融 ・キャピタルマーケット ・M&Aコーポレート |
長島・大野・常松法律事務所
長島・大野・常松法律事務所の特徴は以下のとおりです。
事務所名 |
長島・大野・常松法律事務所(NOT法律事務所) |
---|---|
地域 |
東京 |
所属弁護士数 |
586名(外国弁護士、海外拠点含む) |
想定年収 |
約1,500万円~2,500万円 |
得意領域 |
・銀行 ・金融 ・キャピタルマーケット |
四大法律事務所で働く3つのメリット
四大法律事務所で働くメリットは、以下のとおりです。
- 給与水準が高い
- 規模の大きい仕事に挑戦できる
- 経歴が注目される
四大法律事務所は年収が高いこと以外にも、働くメリットがあります。
弁護士としてキャリアアップを目指し、四大法律事務所へ就職・転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
給与水準が高い
四大法律事務所で働くメリットは、給与水準が高いことです。給与が高くなれば、仕事のモチベーションが上がるほか、私生活も変化します。
日本の平均年収が311万円、弁護士の平均年収が約971万円であるのに対して、四大法律事務所の平均年収は1,000万円を超えます。
たとえば、家賃月10万円の家に住んでいる場合、日本の平均年収から12ヶ月分を引いた約191万円で1年間生活しなくてはいけません。一方、四大法律事務所の場合、平均年収から12ヶ月分引いても900万円以上のお金を1年間で利用できます。
給与水準が高くなるというのは、ゆとりがある生活につながるのです。
規模の大きい仕事に挑戦できる
規模の大きい仕事に挑戦できるのは、四大法律事務所で働くメリットです。依頼者は、実績があり信頼できる事務所に大きな仕事を任せる傾向にあります。
たとえば、テニスのコーチを依頼する場合、全国大会優勝者と県大会出場者、どちらを雇うでしょうか。ほとんどは全国大会優勝者をコーチとして採用するはずです。
法律事務所も同じように、経験や実績が多い方が安心して依頼ができるため、業界トップである四大法律事務所に規模の大きい仕事が集まりやすくなります。
規模が大きい仕事に挑戦ができると、自分の成長に繋がります。結果として良い成績を残せれば、役職も上がり年収アップも期待できます。
経歴が注目される
四大法律事務所が経歴として注目される理由は、法律事務所の中でも入所の難易度が高いためです。また、前述の通り四大法律事務所が扱う案件は規模や範囲が大きいため、実力がある人材だと判断されます。
たとえば、高校野球で甲子園優勝したチームは、他の高校だけでなく大学やプロ野球球団からも注目されます。法律事務所も同じように、四大法律事務所に入所していると、周囲から注目が集まるでしょう。
また、四大法律事務所で働いていた経歴は転職活動にも有利に働きます。転職で新たなキャリアを歩むときは、四大法律事務所の経歴を活用しましょう。
四大法律事務所に就職・転職するために重要な条件
四大法律事務所で就職・転職するために必要な条件は以下のとおりです。
- 学歴
- 司法試験の結果
- 語学スキル
- 忍耐力
四大法律事務所は高い年収や規模の大きい仕事がある一方、案件を達成するための実力が必要です。実力を判断するためにも、学歴や試験結果、語学力など数字で判断できる経歴が重要となります。
どれくらいの学歴やスキルが必要なのか解説しますので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください
学歴
四大法律事務所に就職・転職するには、学歴は必ず必要です。学歴は、いままで勉強を続けて努力してきた証明になるからです。
四大法律事務所であるアンダーソン・毛利・友常法律事務所では、以下のような学歴を持った弁護士が働いています。
- 慶応義塾大学院
- お茶の水女子大学院
- 上智大学院
- 早稲田大学院
- 一橋大学院
- 名古屋大学院
上記から分かるように、基本的に採用しているのは高学歴であるケースがほとんどです。学歴は、基礎的なスキルや知識を判断する項目であるため、高学歴でないと就職・転職するのは難しいでしょう。
ただし、高学歴でなくても就職・転職できる可能性もあります。それは、弁護士として結果を残すことです。
前職の法律事務所で実績を積み重ね、四大法律事務所が必要とするスキルや経験を積むことで、入所できる可能性が高まります。学歴で証明できない場合は、弁護士として実績を残すのが現実的です。
司法試験の結果
司法試験の結果は、四大法律事務所に就職・転職するために必要です。四大法律事務所は、抱える案件が難しい分、高い年収を得ています。難しい案件に取り掛かるためには、まず試験で結果を残さなくてはいけません。
また、法律事務所は司法試験の結果で評価する傾向があり、特に四大法律事務所が注視するポイントとも言われています。司法試験の理想順位は100位以内とされています。
司法試験で100位以内を取るのは簡単ではありませんが、それほど難易度が高い案件を抱えているのが四大法律事務所です。四大法律事務所へ就職・転職をしたい方は、司法試験の結果を上げるようにしましょう。
語学スキル
四大法律事務所に就職・転職する場合は、語学スキルは必須です。
語学スキルが求められる理由は、四大法律事務所は海外案件を多く取り扱っているからです。海外案件は難易度も難しく、専門的な語学力がないと事務的な業務すらできません。
語学スキルのわかりやすい基準としてTOEIC800点以上と提示されることが多いですが、加えて英語以外の語学スキルがあれば、仕事の幅も増えるため評価は高くなります。
四大法律事務所への就職・転職を目指す方は、ビジネスレベルで使えるほどの語学スキルを必ず身につけましょう。
忍耐力
忍耐力を持っているかどうかは、四大法律事務所に就職・転職する上で必要な要素です。
四大法律事務所は取り扱う案件の難易度が高く、精神的に疲れてしまうケースは少なくありません。また、複数案件を同時に進めなくてはいけないため、長時間労働による肉体的負担も大きくなります。
忍耐力が弱い人は、四大法律事務所で働けないわけではありませんが、仕事を続けるにつれて負担に耐えられなくなってしまう可能性が考えられます。
結果的に、ストレスによりパフォーマンスが低下し、本来の実力を発揮できずに年収も役職も上がらないとなると、四大法律事務所にいることがかえってデメリットとなる可能性があります。
そのため、四大法律事務所へ就職・転職を目指す方は、難易度の高い案件と長時間労働に耐えられる十分な忍耐力があるかも考慮する必要があるでしょう。
四大法律事務所は年収も難易度も日本トップクラス
法律事務所の中でも、四大法律事務所は圧倒的に年収が高いのが特徴です。年収が高い分、扱う案件も難しいですが、遂行できれば自分の成長に繋がります。
四大法律事務所でしか得られないスキルや知識、経験が増えれば、役職が上がり、さらに高い年収が期待できます。評価が上がり年収も増えれば、さらにモチベーションが高くなるため、新しい案件に前向きに取り組めるでしょう。
こうした好循環が生まれれば、弁護士としてのキャリアは良い方向へ進みます。弁護士としてキャリアを積み重ね、年収を上げたい方は、四大法律事務所へ挑戦してみてはいかがでしょうか。
運営者情報
会社名 |
株式会社アシロ(ASIRO Inc.) 2021年7月20日 東証グロース上場(7378) |
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URL | https://asiro.co.jp/ |
本社所在地 |
160-0023 東京都新宿区西新宿6丁目3番1号 新宿アイランドウイング4F |
法人番号 | 9011101076787 |
設立日 | 2009年11月 |
代表者(代表取締役社長) | 中山博登 |
主な事業内容 | HR事業、インターネットメディア事業(リーガルメディア、派生メディア)、少額短期保険事業 |
許認可 | 有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可 許可番号13-ユ-313782) |
グループ会社 |
株式会社アシロ少額短期保険 株式会社ヒトタス |