法テラスを利用したときの弁護士費用|離婚・相続・債務整理などの料金をそれぞれ紹介

法テラスを利用したときの弁護士費用|離婚・相続・債務整理などの料金をそれぞれ紹介
  • 「法テラスに相談した場合の弁護士費用がどのくらいなのか」
  • 「法テラスを利用して弁護士費用を安くできるのか」

法律トラブルに巻き込まれたとき、相談先のひとつとして法テラスが選択肢に入るでしょう。

しかし、法テラスの弁護士費用の詳細などがわからず、相談することを踏みとどまっている方も多いのではないでしょうか。

法テラスでかかる弁護士費用は、法律トラブルの内容によって異なります

本記事では、法テラスの法律相談料や弁護士費用の目安などを詳しく解説します。

法テラスの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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法テラスを利用した場合の法律相談料の目安

法テラスの法律相談料は、無料です。

法テラスでは、一定の条件を満たすことで弁護士や司法書士に無料で法律相談をすることができます。

ただし、無料相談時間は1回30分、同じ問題について最大3回までしか相談できません

また、無料法律相談の利用には事前予約が必要なので注意しましょう。

【関連記事】法テラスの無料法律相談はどこまで無料?利用条件や利用方法、注意点を解説

法テラスで離婚事件を依頼した場合の弁護士費用の目安

離婚などの請求事件の費用は、示談や調停などの手続きに応じて異なり、事件の内容によっては別々の援助が必要となる場合があります

離婚事件の解決にかかる費用には、弁護士費用・裁判所の申立費用・調査費用などが含まれることが一般的です。

なお、慰謝料請求などをおこない弁護士のサポートによって利益を得た場合は、報酬金が発生します。

報酬金は、依頼者との契約に基づき成功報酬として支払われるものです。

得た利益に応じた金額になるケースが、定額で決まるケースもあるので、事前に弁護士と確認しましょう。

また、報酬金の他にも、交通費や通信費などの実費が別途請求されることがあります

事件名実費着手金報酬金
離婚(示談交渉)20,000円66,000円〜110,000円66,000円〜132,000円
離婚(調停)20,000円88,000円〜132,000円105,000円〜132,000円
離婚(訴訟)35,000円165,000円110,000円

法テラスで相続問題を依頼した場合の弁護士費用の目安

相続に関する悩みやトラブルは多くあります。

ここでは、法テラスで遺産分割と相続放棄を弁護士に依頼する際の費用について解説します。

遺産分割の場合

「遺産分割」とは、相続人同士で遺産をわける手続きです。

遺言書があればその内容に従い、ない場合は協議や調停、審判で分割方法や割合を決めます。

法テラスで遺産分割を依頼する場合の弁護士費用は、着手金や実費のほかに、得られる経済的利益の額に応じた報酬金が発生します

また、遺産分割を進めるにあたっては、相続財産の評価や相続税の計算も重要な要素です。

特に不動産や株式など、評価が難しい財産が含まれる場合、専門家のサポートが必要になることが多いでしょう。

訴額実費着手金報酬金
50万円未満25,000円66,000円受けた利益の算定については、扶養料の分割払いの場合には2年分、遺産分割事件については相続分の3分の1とし、報酬金はそれぞれその10%(税別)とする。
50万円以上 100万円未満35,000円99,000円
100万円以上 200万円未満35,000円132,000円
200万円以上 300万円未満35,000円165,000円
300万円以上 500万円未満35,000円187,000円
500万円以上1,000万円未満35,000円220,000円
1,000万円以上35,000円242,000円

相続放棄の場合

相続放棄とは、プラスの資産・マイナス資産に限らず、相続財産を全て受け継がない意志表示をする手続きのことです。

法テラスを利用すれば、通常の弁護士費用よりも安く手続きができる場合があります。

なお、相続放棄は自分自己が相続人となって相続が開始したことを知った日から3ヵ月以内に家庭裁判所に申し立てなければなりません(民法第915条)。

期限に間に合わない場合は遺産を相続する必要が出てくるので、早めの手続きを心がけましょう

事件名実費着手金報酬金
相続放棄10,000円〜20,000円33,000円〜44,000円原則としてなしとする。
ただし、事案が複雑困難 な場合は、離婚・認知等請求事件に準ずる。

法テラスで借金問題を依頼した場合の弁護士費用の目安

債務整理には、裁判所を介さずに貸金業者との話し合いで減額を目指す「任意整理」と、裁判所を通じておこなう「法的整理(個人再生や自己破産)」などの方法があります。

ここでは、法テラスで借金問題を弁護士に依頼する際の費用について解説します。

任意整理の場合

任意整理事件の費用は債権者の数によって異なり、着手金や実費がかかります

報酬金は原則発生しませんが、過払金を回収できた場合は回収した金額に応じた報酬金が発生します。

債権者数実費着手金
1社10,000円33,000円
2社15,000円49,500円
3社20,000円66,000円
4社20,000円88,000円
5社25,000円110,000円
6社〜10社25,000円154,000円
11社〜20社30,000円176,000円
21社以上35,000円198,000円

個人再生の場合

個人再生とは、裁判所に申し立てることで借金を大幅に減額(おおむね10%〜20%)し、原則3年・最長5年で完済を目指すための手続きです。

弁護士費用は、交渉対象となる債権者の数によって決まります

債権者数実費着手金
1社〜10社35,000円165,000円
11社〜20社35,000円187,000円
21社以上35,000円220,000円

自己破産の場合

自己破産事件の費用は債権者の数により異なります

通常報酬金は発生しませんが、過払金を回収できた場合には回収した金額に応じた報酬金が発生することもあるので注意しましょう。

また、自己破産の手続きにかかる費用は債務者の収入や資産の状況、そして事案の複雑さによって変わることがあります。

自己破産の際にかかる費用には、一般的に弁護士費用や裁判所に支払う手数料、債権者集会の開催費用などが含まれます

債権者数実費着手金
1社〜10社23,000円132,000円
11社〜20社23,000円154,000円
21社以上23,000円187,000円
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法テラスで金銭請求事件を依頼した場合の弁護士費用の目安

ここでは、法テラスで金銭請求事件を弁護士に依頼する際の費用について紹介します。

債権回収を弁護士に依頼した場合の費用には、実費・着手金があり、請求額によって異なります。

また、請求に成功した場合は回収した金額に応じて報酬金も発生します。

訴額実費着手金報酬金
50万円未満25,000円66,000円1.現実に入手した金銭が、3,000万円までは、その10%(税別)を基準とする。
現実に入手した金銭が、3,000万円を超える部分については、その超える部分の6%(税別)を加算する。
2.当面取立てができない事件の報酬金は66,000円~132,000円とし、標準額を88,000円とする。
3.相手方の請求を排除した場合の報酬金は、着手金の7割相当額とし、訴訟事件の場合は、出廷 回数に金11,000円を乗じた額をこれに加算する。
ただし、出廷回数による加算額は、請求排除額の 10%を超えないものとする。
50万円以上 100万円未満35,000円99,000円
100万円以上 200万円未満35,000円132,000円
200万円以上 300万円未満35,000円165,000円
300万円以上 500万円未満35,000円187,000円
500万円以上1,000万円未満35,000円220,000円
1,000万円以上35,000円242,000円

法テラスでそのほかの事件を依頼した場合の弁護士費用の目安

ここでは、法テラスでそのほかの事件を弁護士に依頼する際の費用について紹介します。

民事調停事件の場合

民事調停事件を依頼した場合の弁護士費用の目安は、以下のとおりです。

事件名実費着手金報酬金
民事調停事件20,000円44,000円~110,000円金銭事件~不動産事件に準ずる。

強制執行事件の場合

強制執行とは、裁判で得た勝訴判決に基づき、判決に従わない相手方の財産を強制的に取り上げる手続きのことを指します。

強制執行事件を依頼した場合の弁護士費用の目安は、以下のとおりです。

事件名実費着手金報酬金
強制執行事件20,000円⚪︎強制執行単独援助の場合:55,000円~77,000円
⚪︎関連事件がある場合・執行対象が不動産の場合:55,000円~77,000円
⚪︎執行対象が債権・動産の場合:44,000円~66,000円
⚪︎少額訴訟債権執行:44,000円
本案件と一括して決定する。

労働審判事件の場合

労働審判は、労働者と会社間の労働トラブルを迅速に解決するための手続きで、通常1年以上かかる訴訟に比べて、3ヵ月以内に解決することが一般的です。

労働審判事件を依頼した場合の弁護士費用の目安は、以下のとおりです。

事件名実費着手金報酬金
労働審判事件20,000円88,000円~132,000円金銭事件~不動産事件に準ずる。

支払督促の場合

支払い督促について依頼した場合の弁護士費用の目安は、以下のとおりです。

事件名実費着手金報酬金
支払督促5,000円22,000円~44,000円金銭事件に準ずる。

法テラスを利用して書類作成を依頼する場合の弁護士費用の目安

ここでは、法テラスを利用して書類作成を依頼する場合の弁護士費用の目安について解説します。

簡易援助の場合

法律相談援助では、口頭での法的助言を提供しますが、簡単な文書作成だけで問題が解決できる場合には、簡易援助として法的書面の作成・交付が可能です。

たとえば、時効の援用通知書などが該当します。

簡易援助で作成された文書は相談者本人名義となり、発送は相談者自身がおこないます。

また、内容証明などの簡易な法的文書によって迅速かつ適正に問題解決が見込まれる場合、担当の弁護士や司法書士に文書作成を依頼可能です。

作成費用として、文書一通につき2,200円が必要ですが、生活保護受給者は費用がかからない場合があります。

書類作成援助の場合

書類作成援助は、弁護士や司法書士に民事裁判などの手続きに必要な書類の作成を依頼し、その報酬や実費を立て替える制度です。

相談の結果、本人名義の書類作成だけで解決する場合や、少額事件で代理援助が依頼者の負担になるような場合に利用されます

対象となる書類は、訴訟手続きに必要な各種書類や申立書などで、その種類に応じて実費や報酬が定められています。

手続き名実費報酬金
通常訴訟⚪︎初回実費
・原告:15,000円
・被告:8,000円
⚪︎追加実費
書類作成1回につき5,000円を追加して 支出する。
⚪︎初回報酬:27,500円
⚪︎追加報酬:書類作成1回につき22,000円~27,500円
少額訴訟8,000円22,000円
調停・審判⚪︎初回報酬:10,000円
⚪︎追加実費
書類作成1回につき5,000円を追加して 支出する。
⚪︎初回報酬:27,500円
⚪︎追加報酬:書類作成1回につき22,000円
督促手続8,000円⚪︎支払督促申立書の作成:22,000円
⚪︎仮執行宣言申立書の作成:16,500円を追加して支出する。

生活保護受給者などは法テラスの弁護士費用が免除される可能性がある

生活保護を受給している場合でも、法テラスの立替制度は利用できます

また、生活保護の受給中は返済が猶予され、事件終了後も生活保護を受給しているなら、返済免除の申請が可能です。

返済が難しい場合、一定の条件を満たせば返済が免除されることがあります。

返済の免除を申請するには、必要書類の提出が求められ、全ての申請者が免除を受けられるわけではありません

詳細については、最寄りの法テラス地方事務所に相談するのがおすすめです。

さいごに|法テラスを賢く活用して法律トラブルを解決しよう

法テラスを利用する最大のメリットは、民事法律扶助制度による無料法律相談が受けられる点です。

そのため、経済的に余裕がなく、弁護士への相談料を支払えない場合などは、積極的に法テラスを利用してみるとよいでしょう。

法律トラブルによって弁護士費用が異なりますが、法テラスを利用することで通常の弁護士費用よりも安く手続きができ、煩雑な手続きも必要ありません

法律トラブルは放置していると複雑化・長期化を招くおそれがあるため、ひとりで悩まず、まずは法テラスを利用して弁護士に相談してみることが大切です。

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この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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