法務の5つのキャリアパスを解説!希望のキャリア実現に向けてするべきこととは?

           

編集者
佐藤達也
【キャリアアドバイザー】国弁護士・公認会計士・税理士等の士業や、管理部門特化の転職サポートを行う人材紹介会社に在籍。士業・バックオフィスに特化した転職ノウハウ・企業調査を担当しています。分野特化だからこその、勘所を押さえたリアルな情報を発信できるよう心がけています。
法務の5つのキャリアパスを解説!希望のキャリア実現に向けてするべきこととは?
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法務は専門性の高い職種なので、キャリアパスが限定されてしまうと感じ、法務以外の経験を積むべきか悩んでいる方もいることでしょう。

しかし、ひとくちに法務といっても専門性を磨く方向性やジェネラリストになるパターン、管理職を目指すケースなどいくつものキャリアパスがあります。

自分が辿りたいキャリアパスが明らかになれば、これまで以上にモチベーションを高く保ち、日々の業務に取り組むことができるはずです。

本記事では、法務のキャリアパスを紹介するとともに、希望のキャリアを実現するために磨きたいスキルや資格、起こすべき行動について解説します。

目次

法務が目指す5つのキャリアパス

法務としてのキャリアの方向性を決めるには、法務が進めるキャリアパスを知っておく必要があります。

以下では、法務の代表的なキャリアパスを5つ紹介します。

法務のスペシャリストとして実績を積み上げる

法務のスペシャリストとして、特定分野における専門性を深めつつ実績を積むことを目指すキャリアパスです。

たとえば知的財産や労働関係など特定分野でスペシャリストになれば、替えのきかない人材として存在感を発揮し、自社に貢献することができます。

スペシャリストとしての実績を積むためには、専門知識を習得するとともに企業内で法務業務に従事し、実際の案件を担当することでスキルを磨くことが可能です。

法務の管理職・マネージャーを目指す

自社で昇進し、管理職やマネージャーを目指すキャリアパスです。

管理職やマネージャーは、部門全体を統括し、戦略的な意思決定に関与します。このキャリアパスには法務部門の管理職になるパターンと、経営企画などほかの部署も経験して管理部門全体の管理職やリスクマネジメントの統括責任者などになるパターンがあります。

いずれのパターンでも、管理職やマネージャーになるには、チームを率いるリーダーシップやプロジェクト管理能力が求められます。また、企業全体のビジネス戦略や目標を理解し、法務戦略に落とし込む能力も必要です。

法務のジェネラリストを目指す

幅広い法務業務に対応できる、ジェネラリストを目指すキャリアプランもあります。

法務のジェネラリストは、契約書作成・チェックから訴訟対応まで幅広い業務に携わります。また、 経営陣と連携し、ビジネス戦略に合致する法的アドバイスを提供します。

ジェネラリストになることで、ビジネス全体への影響力を増加させることができます。

転職して他社の法務部門でキャリアを積む

他社の法務部門への転職は、法務人材がキャリアを構築するひとつの方法です。

新しい環境で異なる業界やビジネスモデルに触れることで、幅広い経験を積むことができます。

転職することで、リスク調査や取締役会への参加など、これまで経験のなかった業務を担当できる場合もあるでしょう。

士業資格を取得する

法律に関わる人材として高度な専門性を得るために、士業資格を取得することもキャリアパスのひとつです。

法務に関連する士業資格には、弁護士や司法書士、行政書士などがあります。 士業資格を取得することで、自社の法的問題やビジネス上の課題に対して高度なアドバイスを提供できるようになるでしょう。

また、士業資格があると将来的には独立することも可能なので、キャリアパスの選択肢が広がります。

法務が希望のキャリアを達成するために磨きたいスキル・知識

自身が希望するキャリアを実現するためには、自己研鑽が欠かせません。法務のキャリアに役立つスキルや知識を解説します。

ビジネスや経営の知識

ビジネスや経営に関する知識は、法務職にとって重要です。

たとえば、自社のビジネスモデルや所属業界の課題、経営に関する法令の知識などが該当します。これらの知識をもつことで、法務として組織内で戦略的な役割を果たし、ビジネスの成長やリスク管理に寄与することができます。

また、自社のビジョンや目標を理解し、法務戦略を立てるための戦略的思考を磨くことも大切です。

デジタル技術に関する知識

デジタル技術は現代のビジネスにおいて不可欠である一方で、法的リスクや課題も山積しています。

そのため、法務人材にも自社のビジネスを守りつつ加速させるために、デジタル技術に関する知識が必要とされます。

たとえば、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関する基本的な知識やスキル、データ保護法やサイバーセキュリティ対策など、セキュリティに関する理解を深めておく必要があります。

コミュニケーションスキルや交渉力

法務職は事業部門や経営陣、外部の弁護士などと円滑にコミュニケーションをとる必要があります。

その際には、複雑な法的問題や自社が直面している課題をわかりやすく説明できる能力が求められます。

また、取引先との契約交渉や紛争解決で有利な条件を引き出し、妥協点を見つけるための交渉力も必要です。

グローバル対応に必要な語学力

ビジネスのグローバル化が進む現代では、国際的な契約や取引による法的トラブルが増えています。

そのため、法務職においても英語などの語学スキルが必要です。法的文書の作成や国際的な契約交渉、現地担当者とのやり取りなどで語学力が活かされます。

加えて、関係国の文化や商慣習への理解、国際情勢に関する知識なども備えておくべきです。

プレゼンスキル・提案力

法務は、法律の観点から自社が直面する問題の解決や改善策を提案することが求められます。事業部門や経営陣に対して適切な提案を行うためには、課題発見力や問題分析能力が必要です。

また、提案を説得力のある形でわかりやすく表現するプレゼンスキルも磨くべきでしょう。

法務のキャリアに資格は必要?

法務は専門性の高い職種なので、理想のキャリアに進むためには資格が必要かどうか悩むこともあるはずです。

ここでは、資格の必要性や取得するメリットについて解説します。

法務の価値は資格の有無で決まらない

法務は、専門的な法知識をもとに自社のビジネスの推進やリスク管理に貢献する職種です。一定の法律知識を有していることが求められますが、資格はあくまで人材を評価する際のひとつの要素であり、資格がなければ評価されないわけではありません。

企業の法務部門で働く場合は、資格よりも実務経験やコミュニケーション能力、問題解決力などが重要視されるケースもあります。

もっとも、希望のキャリアパスが弁護士や司法書士などの士業として活動することであれば、当然ながらその職業に就くために資格を取得する必要があります。

資格の学習で得た法律知識は役に立つ

法務の価値は、資格の有無で決まるわけではありませんが、資格を取得する過程で得た法律知識は実務で確実に役立ちます。

たとえば、弁護士資格を保有している人は、企業内で法的問題を解決する際に有用な知識をもっているでしょう。そのため、資格を取得することは無意味ではないです。

ただし、その資格が弁護士資格などの難関資格である場合、資格の取得にかけた労力や時間に見合ったメリットを得られるわけではないため、何のために資格を取得したいのかを考える必要はあります。

転職する際に客観的な知識の証明になる

法務として転職する際に資格は必須ではありませんが、資格があることで自身の知識や専門性、能力を客観的に証明できます。

単に口頭で「知識がある」と述べるのと、資格があるのとでは、客観的な信用性が大きく異なるでしょう。そのため、資格があることで、今よりもよい環境や待遇での転職を実現させられる可能性が高まります。

法務のキャリアを成功させるためにおさえる6つのポイント

法務人材が希望のキャリアを実現させるために、何をするべきかを解説します。

経験やスキルを振り返る

まずは、法務としての自身の経験とスキルを振り返りましょう。

どの分野で経験を積んできたか、どのスキルをもっているかを把握することは、希望のキャリアパスに進むために欠かせません。

また、自己分析をおこない、仕事に対する自身の価値観についても理解を深めておきましょう。

キャリアのゴールを設定する

自分のキャリアのゴールを設定しましょう。

ゴールというのは、たとえば役職や職種、収入など将来なりたい姿のことです。このとき私生活も含めて理想のゴールを設定すると、自分の価値観を反映させたより理想に近いゴールにすることができます

ゴールは、10年後や20年後などの長期的な視点で設定しますが、イメージしづらい場合は3年後や5年後などの比較的近い将来のゴールを設定することから始めましょう。

中長期的な視点でキャリアプランを策定する

キャリアのゴールから逆算して、そこに至るまでのキャリアプランを策定します。

3年~5年程度の中長期的な視点でキャリアの道筋を立てましょう。具体的な道筋が見えることで、将来の姿と今の姿でどんな違いがあるのかが明らかになっていきます。

現時点では何をするべきかを洗い出す

将来の姿と今の姿のギャップを把握すれば、現時点でするべきことがわかり、ゴールまで回り道することなく効率的に行動できます。

たとえば、スキルや知識が不足しているのであれば、それを埋めるために自己学習や研修の参加などに取り組む必要があるでしょう。

昇進を目指す場合は、自社で昇進するにはいつまでにどんな条件を満たす必要があるのかを調べたり、上司や先輩など昇進した人からアドバイスをもらったりすることも必要です。

今の職場で希望のキャリアを実現できない場合は転職を検討

ここまでのプロセスを踏むと、希望のキャリアが今の職場で実現可能かどうか、ある程度見えてくるでしょう。

たとえば、法務を統括する役職になりたいと考えていても、法務の管理職は自社ではなく外部から招聘する暗黙のルールがあり過去に誰も昇進した実績がないような場合、その慣例を打ち破るために努力を続けるのは非効率かもしれません。

今の職場で希望のキャリアを実現できないのなら、転職することも選択肢です。そのほうが、最短で希望のキャリアに到達できる可能性があります。

法務のキャリアについて転職エージェントに相談する

法務のキャリアにはさまざまな選択肢があり、何が自分に合うのかわからないという方も少なくないでしょう。

自分の将来なりたい姿が見えず、具体的なアクションプランを立てられない方もいるはずです。

そんなときは、法務のキャリアについて転職エージェントに相談してみましょう。多くの人の転職を支援してきたプロの視点からアドバイスをもらうことは、キャリアプランを策定する助けとなるはずです。

法務のキャリア相談をするのにおすすめしたい転職エージェント5社

法務人材がキャリア相談をするのに、おすすめの転職エージェントを紹介します。

BEET-AGENT

BEET

BEET-AGENTは、法務をはじめとする管理部門・バックオフィス系職種を専門にキャリア支援を提供する転職エージェントです。

キャリアアドバイザーは、管理部門の働き方やキャリアパスに精通しているため、経験やスキルからどんなキャリアを構築可能か的確なアドバイスをもらえます。

年収アップやリモート、テレワークなど、様々な転職条件から最適な求人を取り扱っています。

公式サイト:https://beet-agent.com/

NO-LIMIT

NO-LIMITは、法務人材と弁護士に特化した転職エージェントです。

法律業界における転職市場に詳しいキャリアアドバイザーが、応募書類の添削から面接対策、条件交渉まで一貫してサポートしています。そのため、転職活動の忙しさが自分ひとりでやるよりも軽減します。

また、求職者と企業を同じアドバイザーが担当する両手型を採用しているため、ミスマッチのない転職を実現できます。

公式サイト:https://no-limit.careers/

MS Agent

MS-Japan

MS Agentは、管理部門・士業に特化してキャリアをサポートしています。

専門特化型として30年以上の実績があり、転職ノウハウが蓄積されているため、的確なアドバイスをしてもらえるはずです。

職種に特化した個別相談会を常時開催しているため、法務専門のキャリアアドバイザーに相談してみるとよいでしょう。

公式サイト:https://www.jmsc.co.jp/

JACリクルートメント

JACリクルートメント

JACリクルートメントは、ハイクラス・ミドルクラスの転職支援を得意とする転職エージェントです。

法務特化型ではありませんが、各業界・職種に精通したコンサルタントに相談できるため、法務の転職でも活用しましょう。

外資系企業やグローバル企業への転職でも実績があるため、グローバルビジネスの分野で活躍したい法務人材にもおすすめです。

公式サイト:https://www.jac-recruitment.jp/

リーガルブリッジ

リーガルブリッジ

リーガルブリッジは、法務人材・知財人材の転職に特化したエージェントです。

システムに頼った安易な紹介ではなく、求職者のキャリアプランと適性を最大限に考慮した紹介をしています。

法務分野に精通したコンサルタントが、求職者のキャリアを丁寧に分析したうえで最適なアドバイスやサポートをしているため、相談することでキャリアの方向性が明らかになるでしょう。

公式サイト:https://legal-career.jp/

まとめ

法務のキャリアパスは、法務スペシャリスト・法務ジェネラリスト・管理職・転職・士業資格の取得があります。

理想のキャリアの実現に向けて、ゴールから逆算して今何をするべきかを考えることで、モチベーションを高く業務に取り組めるでしょう。

キャリアパスについて悩んだら、転職エージェントへの相談も検討してください。

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2021年7月20日 東証グロース上場(7378)
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