公認会計士がコンサルへ転職するメリット・デメリットは?必要なスキルや転職成功のポイントを解説

           

編集者
佐藤達也
【キャリアアドバイザー】国弁護士・公認会計士・税理士等の士業や、管理部門特化の転職サポートを行う人材紹介会社に在籍。士業・バックオフィスに特化した転職ノウハウ・企業調査を担当しています。分野特化だからこその、勘所を押さえたリアルな情報を発信できるよう心がけています。
公認会計士からコンサルへの転職
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公認会計士の転職先として人気の職種のひとつがコンサルタントです。ひとくちにコンサルタントといってもさまざまな選択肢があるため、自分に合ったコンサルタント求人を選ぶ必要があります。

また公認会計士とコンサルタントでは提供サービスや業務内容など異なる部分も多いため、違いや転職するメリット・デメリットなどをしっかり把握しておくことが大切です。

本記事では、公認会計士がコンサルに転職するメリット・デメリットを解説するほか、コンサルに必要なスキルや転職を成功させるためのポイントを紹介します。

コンサル業界への転職を迷っている公認会計士の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

公認会計士がコンサルへ転職する4つのメリット

公認会計士からコンサルタントへ転職することで、以下のようなメリットを感じられます。

やりがいを感じやすい

公認会計士は多くの場合、監査法人で監査業務に従事します。法定監査業務は公認会計士にしかできない重要な業務です。

しかし会社の経営が法律や規則に則っておこなわれているのかをチェックする仕事なので、人によっては「毎年同じことを繰り返す仕事で飽きた」「つまらない」などと感じることがあります。

一方、コンサルは「自社の状況を改善したい」「売上げを上げたい」といったクライアントの希望を叶えるためのアドバイスをする仕事です。

定型的な業務がなく、自分の頭を使ってさまざまな業界や企業の課題を解決することから、監査に比べてやりがいを感じられる場合があります。

スキルや経験が増える

コンサルは幅広い知識やスキルが求められる仕事です。公認会計士として培った分析力や論理力に加えて、戦略立案やプレゼンテーション、マネジメントなどの能力も必要になります。

またさまざまな業界や企業に関わることで、ビジネスの全体像や最新の動向にも触れることができます。

これらのスキルや経験は、コンサルとしてはもちろん、将来的にほかの分野に進む場合にも役立ちます。

キャリアの幅が広がる

スキルや経験が増えることで、キャリアの幅も広がります。

公認会計士の専門知識を活かしながら、さまざまな業界や分野のクライアントに対して戦略や経営の提案ができます。監査業務は多くがAIで代替可能ですが、コンサル業務はAIによる代替が難しい業務です。

また、コンサルは多くの人脈やネットワークを築くことができる仕事です。クライアントや同業者、同僚や上司など、さまざまな人と関わることで信頼関係や情報交換をおこなうことができます。

これらの人脈やネットワークは、コンサル以外のキャリアにも有利に働くでしょう。

年収が上がるケースが多い

監査法人から転職する場合、一般的に年収は下がるケースが多いですが、コンサルへ転職する場合には年収が上がるケースが少なくありません。

もちろん個人差はありますが、コンサルは自分の能力や貢献度に応じて評価される仕事だからです。努力すればするほど年収面で報われる可能性があるでしょう。

公認会計士がコンサルへ転職するデメリット

コンサルへの転職は以下のようなデメリットもあります。

コンサル業界は競争が激しい

コンサルは多くの人材が集まる魅力的な業界ですが、それゆえに競争も激しいです。公認会計士がコンサルへ転職する場合は、ほかのコンサルタントと差別化することが重要です。

自分の強みや価値を明確にし、クライアントに提供できるソリューションを考えることが求められます。

仕事の忙しさは同等かそれ以上のことも多い

公認会計士は決算期や監査期などの繁忙期があり、その時期には残業や出張が多くなります。コンサルも同様に、プロジェクトの状況やクライアントの要望によっては、長時間労働や頻繁な移動が必要になることがあります。

特に、戦略系のコンサルは高いレベルの分析や提案を求められるため、プレッシャーや責任も大きくなります。

公認会計士がコンサルへ転職する場合は、仕事の忙しさが減るという期待はもたないほうがよいかもしれません。

公認会計士の知識やスキルだけでは活躍できない分野もある

公認会計士は会計や監査の専門知識をもっていますが、コンサルはそれだけでは不十分です。特に経営や戦略系は公認会計士のスキルを直接活かす場面はあまりありません。

クライアントのビジネスや業界に関する知識、戦略やマーケティングなどの幅広い分野に対応できる能力が求められます。

公認会計士がコンサルへ転職する場合は、自分のスキルをどう活かすか、またどう補完するかを考える必要があります。

公認会計士の経験を活かすコンサルの選択肢

公認会計士として得た知識や経験を活かせるコンサルの種類を紹介します。

FAS・財務アドバイザリー系コンサル

FASや財務アドバイザリー系コンサルは、M&Aや事業再編などの財務戦略に関するコンサルティングをおこないます。公認会計士として培った財務諸表の分析や評価、デューデリジェンスなどの知識やスキルが活かせるでしょう。

FAS・財務アドバイザリー系コンサルとして働くには、BIG4や大手監査法人のアドバイザリー部門などのほかに国内の独立系ファームへ転職する方法があります。

企業・事業再生系コンサル

企業・事業再生系コンサルは、経営危機に陥った企業や事業の再建、改革に関するコンサルティングを提供します。公認会計士からの転職では財務分析やリスク管理、内部統制などの知識やスキルが活かすことが可能です。

企業・事業再生系コンサルとして働くには大手総合型コンサルや専門性の高いファームなどへの転職が選択肢となります。

BIG4アドバイザリーなど総合型コンサル

BIG4アドバイザリー(PwC・デロイト・EY・KPMG)などの総合型コンサルは、戦略から実行支援まで幅広い領域に関するコンサルティングをおこないます。総合型コンサルでは公認会計士として得た財務知識やスキルはもちろん、経営戦略やマーケティング、ITなどの多様な知見も必要とされます。

総合型コンサルは大手監査法人から派生したファームが多く、監査や税務などのサービスとの連携もあります。

公認会計士事務所

公認会計士事務所では監査や税務などのサービスを提供するとともに、コンサルティングもおこなっています。財務知識や監査スキルはもちろん、法律や規制などの専門性も活かせるでしょう。

公認会計士事務所のコンサルティングは主に中小企業やベンチャー企業などのニーズに応えることが多く、経営戦略や財務戦略、組織改革などの幅広いテーマに関わることができます。

戦略・経営コンサル

戦略・経営コンサルは、企業や事業の成長戦略や競争力強化に関するコンサルティングを提供しています。

戦略・経営コンサルの場合、公認会計士として得た財務知識やスキルは基礎となりますが、それだけでは不十分です。市場分析や競合分析、ビジネスモデル構築などの高度な知見も必要とされます。

戦略・経営コンサルとして働くには外資系の大手ファームへ転職するほかに、小規模ながら優良なコンサルティングを提供しているファームへ転職する道もあります。

公認会計士からコンサルへの転職に必要なスキル

公認会計士としての経験や知識はコンサルタントとして活躍するための強みになりますが、ほかのスキルも必要です。

論理的思考力や課題解決力

公認会計士は数字や法律にもとづいて正確な判断をする能力がありますが、コンサルタントとしては不十分です。とくに論理的思考力や課題解決力はコンサルへの転職に欠かせません。

また複雑な問題をシンプルに整理し、ロジカルに伝えるプレゼンテーションスキルや洞察力なども必要です。

クライアントに寄り添えるコミュニケーションスキル

公認会計士がクライアントとコミュニケーションを取る際は専門的な知識や用語を使って話すことが多く、ガバナンスの維持や不正の防止といった観点からどうしても「ダメ出し」や「改善要請」といった形で携わることが多いでしょう。

しかしコンサルタントはクライアントと密に連携し信頼関係を築く仕事なので、クライアントのニーズや感情を理解し、相手の立場に立って話すことができるかどうかが重要となります。

柔軟な考え方や対応力

コンサルタントは常に変化する環境や状況に対応することが求められるため、柔軟な考え方や対応力が欠かせません。新しいことに挑戦したり、自ら学んだりする姿勢が必要です。

また、予期せぬ問題やトラブルにも臆せず対処できる力も求められます。

提案力や均衡力

クライアントの課題を分析して最適な解決策を示せる提案力や、クライアントの要望や利益と自社の利益をバランスよく調整できる折衝力も必要です。

公認会計士からコンサルへの転職を考える場合は、自分の考えや提案を明確に整理し、論理的かつ感情的に訴えることができるようになる必要があります。

公認会計士がコンサルへの転職を成功させるための3つのポイント

公認会計士は転職市場で高い評価を得られる職種ですが、コンサルへの転職では苦戦を強いられることもあります。転職を成功させるポイントとして以下を押さえておきましょう。

公認会計士とコンサルの違いを把握しておく

公認会計士は主に監査や会計に関する専門的な知識や技術を提供する仕事です。一方、コンサルタントはクライアントの経営課題や戦略に対して幅広い視点から分析や提案を行う仕事です。

公認会計士とコンサルはサービスの目的や業務内容、スキルセットなどが大きく異なるため、転職前によく確認しておきましょう。

転職後のキャリアプランを立てておく

コンサルへ転職した後に自分がどんなキャリアを目指しているかを明確にしておくことが重要です。それにより、コンサルへの転職における目標や戦略が変わってきます。

自分のキャリアプランを立てておくことで、コンサルへの転職に向けて効果的な準備やアクションを実施することができます。

企業風土や職場の雰囲気をよく確認しておく

自分が働きたいファームの企業風土や職場の雰囲気を確認しておくことも大切です。コミュニケーションの取り方や評価の方法、指導の仕方などはファームによって大きく異なります。

企業やチームの企業風土や職場の雰囲気を事前に確認しておくことで、自分に合った環境で働くことができ、転職後のミスマッチを防ぎます。

コンサル業界の市場動向や公認会計士のニーズ

コンサル業界における中途採用の状況や公認会計士のニーズについて解説します。

コンサルタントニーズの高まりから中途採用が活性化している

コンサル業界ではデジタル化やグローバル化などの社会変化に対応するためにさまざまな業種や業界の課題解決を支援する役割を担っています。

そのためコンサルタントのニーズは高まっており、中途採用も活発におこなわれています。とくに戦略系やIT系のコンサルティングファームでは専門性の高い人材を求めています。

会計領域の知識が豊富な公認会計士のニーズは高い

公認会計士は、会計領域の知識が豊富で財務分析や監査などのスキルをもっています。これらのスキルは、コンサル業界でも有用であり、公認会計士のニーズは高いです。

とくにM&Aや事業再編などのプロジェクトでは、財務面からのアドバイスが必要とされます。また会計基準や税制などの変更に対応するためにも、会計領域の専門家が求められます。

入れ替わりが激しい業界なので募集が通年ある

コンサルタントはプロジェクトごとに異なるクライアントやチームと仕事をするため多様な経験を積むことができますが、長時間労働や出張などの負担も大きく、キャリアチェンジを考える人も多くいます。

したがってコンサル業界では人材の入れ替わりが激しく、コンサルティングファームは通年で人材を募集しています。

仕事の忙しさは覚悟する必要がありますが、コンサルへの転職を目指す会計士にとっては一定のチャンスがあるといえるでしょう。

公認会計士からコンサルへの転職でおすすめの転職エージェント7選

公認会計士からコンサルへの転職は決して簡単ではないため、転職エージェントのサポートを受けることがおすすめです。

ハイスタ会計士

ハイスタ会計士

ハイスタ会計士は、公認会計士およびUSCPAの転職に特化した転職エージェントです。

公認会計士向けの財務・会計コンサルティングファームや、経営戦略系コンサルティングファームの求人が豊富です。

会計士の転職市場に精通したアドバイザーがキャリアの相談から面接対策、年収交渉まで徹底サポートします。求職者と企業側の担当が同じ「両手型」のサポートにより、ミスマッチを回避できるのが魅力です。

公式サイト:https://hi-standard.pro/cpa/

マイナビ会計士

マイナビ会計士

会計士・試験合格者・USCPA専門の転職エージェントです。とくに若手会計士の転職支援に強みがあるため、20代・30代の会計士におすすめします。

公式サイト:https://cpa.mynavi.jp/

ジャスネットキャリア

ジャスネットキャリア

公認会計士が創業した信頼性が高いエージェントです。会計士や税理士、経理・財務系職種の転職に特化しています。会計士のキャリアを熟知しているため的確なサポートを受けられます。

公式サイト:https://career.jusnet.co.jp/

レックスアドバイザーズ

レックスアドバイザーズ

会計士・税理士・経理人材に強みをもつ転職エージェントです。事業会社や監査法人のほかにコンサルティングファームの求人も豊富なので、会計士からコンサルへの転職で活用できます。

公式サイト:https://www.career-adv.jp/

KOTORA

コトラ

コンサルと金融業界に精通した転職エージェントです。財務・金融系コンサルから戦略、ITまで幅広いファームの求人があります。専門性が高いエージェントなのでコンサルへの転職では利用必須です。

公式サイト:https://www.kotora.jp/

アンテロープ

アンテロープキャリアコンサルティング

金融およびコンサルへの転職に特化した転職エージェントです。コンサル未経験からでも転職を可能にする徹底したサポートを強みとしています。

公式サイト:https://www.antelope.co.jp/

ムービンストラテジックキャリア

ムービン・ストラテジック・キャリア

BCG出身者が設立したコンサル業界特化型の転職エージェントです。国内コンサルティングファームの大半を網羅しているため、コンサルへの転職でまずは相談することをおすすめします。

公式サイト:https://www.movin.co.jp/

まとめ

公認会計士からコンサルへ転職することでキャリアの幅が広がり、やりがいも感じやすくなります。

一方、競争が激しく忙しい環境でもあるため、コンサルとしてどんなキャリアを築きたいのかを事前によく考えておくことが大切です。

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会社名 株式会社アシロ(ASIRO Inc.)
2021年7月20日 東証グロース上場(7378)
URL https://asiro.co.jp/
本社所在地 160-0023
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法人番号 9011101076787
設立日 2009年11月
代表者(代表取締役社長) 中山博登
主な事業内容 HR事業、インターネットメディア事業(リーガルメディア、派生メディア)、少額短期保険事業
許認可 有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可 許可番号13-ユ-313782)
グループ会社 株式会社アシロ少額短期保険
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