経理がキャリアアップするためのポイントとは?有効なスキルや資格を紹介
経理として何年も働いていると、キャリアアップしたいと考える方は少なくないでしょう。
経理がキャリアアップするためには、目標を明確にしたうえで今の自分に不足する要素を洗い出し、具体的な行動に移すことが必要です。
本記事では、経理のキャリアアップを成功させるためのポイントやキャリアアップに有効なスキル、資格などについて解説します。
経理のキャリアアップを目指せるキャリアプラン
経理としてキャリアアップしたいなら、経理にはどのようなキャリアプランがあるのかを知っておくことが必要です。
以下では、代表的なキャリアプランを紹介します。
今の職場で昇進して管理職を目指す
現在の職場でキャリアアップを目指す場合、まずは昇進によるキャリアアップが考えられます。
管理職になると、リーダーとしての責任を担いながら、部門やチームを指導し、組織全体の戦略に貢献することが求められます。
管理職になるには、自社の昇進要件を満たすのはもちろん、リーダーシップスキルやコミュニケーション能力を高めることが重要です。
経営企画へ異動または転職する
経理から経営企画部門へステップアップするキャリアプランもあります。
経営企画部門では、経営戦略の立案やビジネスプロセスの最適化などに携わります。経理から経営企画へ異動や転職することで、ビジネス全体を俯瞰し、戦略的な視点で問題解決に取り組むことが可能です。
これは、今後どのようなキャリアを形成するうえでも重要な経験になるでしょう。
規模の異なる企業の経理へ転職する
経理業務の内容や業務の幅は、企業規模によって異なります。
そのため、規模の異なる企業の経理へ転職することで、自身のスキルや経験の幅を広げることが可能です。
中小企業では幅広い業務を担当し、大手企業では分野に特化した専門的な業務を担当することが多くなります。
外資系企業の経理へ転職する
外資系企業を転職先として選ぶことでも、グローバルな環境でのキャリアアップの機会が広がります。
外資系企業は国際的なビジネス環境であり、経理職にとって貴重な経験を積むことができる場所です。グローバルな視点での、経理業務や国際会計に関する知識を身につけることができます。
資格を取得して独立する
税理士や公認会計士などの難関士業資格を取得し、独立開業やコンサルタントとして活動するというキャリアプランもあります。
独立する場合、資格の取得を通じて新たに得た知識だけでなく、経理として培った経験やスキルも活かすことができます。
自社または他社でCFOになる
経理職からCFO(最高財務責任者)へのキャリアプランもあります。
CFOは、企業全体の財務戦略を立てて、経営陣と連携しながらビジネスを推進します。経理職からCFOへ昇進するためには、財務や経営企画など幅広い経験を積むとともに、戦略的思考力やリーダーシップスキルを磨く必要があります。
CFOへのキャリアパスが自社にない場合やポジションが埋まっている場合には、CFOポジションでの転職も検討しましょう。とくにベンチャー企業では、会計知識が豊富な人材をCFOとして迎え入れることが多くあります。
経理がキャリアアップを成功させるための5つのポイント
経理としてキャリアアップを成功させるには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
将来のキャリアビジョンを設定する
経理職としてのキャリアを築くためには、まずは自身の将来のビジョンを明確にしましょう。
どのような経理業務に対応できるようになりたいのか、どの分野でスペシャリストとして活躍したいのか、管理職を目指したいのかなどを考え、それに向けて計画を立てることが大切です。
ゴールから逆算してキャリアプランを選択していく
設定したキャリアビジョンをもとに、自身のゴールを明確にしたうえで、それを達成するために必要なステップを逆算して考えましょう。
たとえば、キャリアのゴールを「○年後にCFOになること」だと設定した場合、そのためには経理や財務方面の知識を鍛えることに加え、コンサルティングファームや監査法人での経験を積むことが必要かもしれません。
その場合は、コンサルティングファームや監査法人で活かせるスキルや経験をもとに、転職を選択する必要があります。
必要なステップを洗い出したうえでキャリアプランを選択していくことで、ゴールの達成に近づきます。
現在の実務スキルと経験を棚卸しする
現時点で自身がもっている、実務スキルや経験を棚卸ししましょう。これにより、自分の得意分野は何か、どのスキルが不足しているのかなどを把握することができ、次に必要なステップが見えてきます。
棚卸しの際は、ノートや紙に書き出すことをおすすめします。頭の中で考えるよりも、紙に書くことで思考が整理され、書いた内容を深く認識できます。
経理のキャリアアップに足りない実務スキルや資格の取得を目指す
実務スキルと経験の棚卸しが済んだら、キャリアアップするために必要なスキルや経験と見比べます。
そうすることで、現時点で自身に不足しているものが明らかになり、具体的にどんな行動をとるべきかが見えてくるはずです。
たとえば、外資系企業で働きたいのに国際会計の知識や語学力が不足していると感じるのなら、これらの知識・スキルの習得に励むべきでしょう。
キャリアアップの実現に転職が欠かせないのなら、転職で評価される資格の取得を目指すこともひとつの方法です。
応募先の選択肢を広げるために、まずは日商簿記検定2級を取得することが有効です。将来的に独立を考えているなら、税理士資格を目指すという方法もあります。
転職エージェントに相談する
キャリアアップを考える際には、転職エージェントに相談することもおすすめです。
転職支援の専門家からアドバイスや提案を受けることで、自分では気付けなかったキャリアアップの可能性を知ることができます。
アドバイスをもとに経験やスキルを整理することで、自身のキャリアプランをより具体的に描けるでしょう。
BEET-AGENT
BEET-AGENTは、経理や財務をはじめとする管理部門に特化した転職エージェントです。
キャリアアドバイザーは管理部門の働き方を熟知しているため、具体的なキャリアプランやキャリアアップの方法を提案してもらえます。
公式サイト:https://beet-agent.com/
MS Agent
MS Agentは、管理部門と士業を専門としています。
特化型として30年以上の実績がある老舗なので、経理人材にどんなキャリアプランがあるのかを正確に把握しています。求人数も多いため多様なキャリアを選択可能です。
公式サイト:https://www.jmsc.co.jp/
ジャスネットキャリア
ジャスネットキャリアは、経理・財務分野、税理士、会計士の転職に特化した転職エージェントです。
高い専門性にもとづく的確なアドバイスを受けられます。
公式サイトではスキルアップに役立つコンテンツも充実しているため、キャリアアップに向けてスキル向上を目指す方は活用しましょう。
公式サイト:https://career.jusnet.co.jp/
経理のキャリアアップに必要なスキル
キャリアアップするには、今あるスキルを高めることや、新たに習得することも必要です。経理のキャリアアップをするうえで持っておきたいスキルを紹介します。
コミュニケーションスキル
キャリアアップを目指すうえで、コミュニケーションスキルは欠かせません。
コミュニケーションスキルが低ければ、どんなに経理・会計の知識が豊富でも業務を円滑に進めることができないため、評価につながらずキャリアアップすることができません。
経理の仕事は、経営者はもちろん、社内の各部署、クライアントや外部の利害関係者と確実に連携をとる必要があります。
ITスキル
経理業務を効率よく進めるには、ITスキルが不可欠です。
とくにExcelでの関数やマクロなど、表計算における業務効率化の能力は重要です。データの整理や分析、財務報告書の作成などで数字を扱うことが多いため、ITスキルを持つことが求められます。
分析スキル
経理の仕事は、単に日々の金銭の入出データをまとめるだけではありません。
経営者視点でビジネス全体を分析し、戦略的な意思決定をサポートする役割も担っています。財務データや予算、収益性などを分析し、経営陣に有益な情報を提供する能力が求められます。
資料作成スキル
具体的な数字やデータをわかりやすく整理し、報告書や資料を作成する能力が重要です。
単に帳簿や財務関連の表を作成できるだけでなく、表や資料に示された数値を専門知識がない人でも見てすぐわかる資料にまとめるスキルが求められます。
プレゼンスキル
作成した資料の内容や、経営活動に関するデータを通じて得た気づき、改善策などを関連部門や経営陣に伝えるプレゼンスキルも重要です。
わかりやすく根拠をもとに説得力をもって伝えられれば、経理としての評価アップにつながります。プレゼンの際には、PowerPointのスライドを作るスキルも必要となるでしょう。
経理のキャリアアップに有効な資格・検定
スキルの向上に加え、資格や検定に合格することもキャリアアップに有効です。経理で評価の対象になる資格・検定を紹介します。
日商簿記検定
日々の取引を記録するために欠かせないのが、簿記の技能です。
日商簿記検定は、商工会議所が実施する簿記の知識・スキルを習得できる検定で、知名度が非常に高くどの経理部門でも評価の対象となります。
そのため、日商簿記検定に合格することで、現職での評価を高めたり、キャリアアップできる環境への転職で有利にはたらかせたりすることが可能です。
極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算技能を身につけられる1級と、高度な商業簿記および工業簿記を習得できる2級、基本的な商業簿記を習得できる3級があります。
キャリアアップを目指すなら、ぜひ2級以上にチャレンジしましょう。2級以上があると、転職の際にも有利に働くことが多くなります。
FASS検定
FASS検定は、経理・財務分野における実務知識とスキルの習得度を測る検定試験です。
5段階評価なので、キャリアアップの目標に向けて着実に知識やスキルレベルを上げていくことができます。
出題分野は、資産・決算・税務・資金の4つで実践的な内容です。分野ごとの評価も出るため、自分が苦手とする分野が一目瞭然です。
IFRS検定(国際会計基準検定)
IFRS(国際会計基準)の知識は、グローバルビジネスを展開する企業の経理に欠かせません。
日本でもIFRSを採用する企業が増えているため、今後はIFRS検定の合格に対する評価がますます上昇すると予想されます。
社内での昇進や評価の向上、よりよい環境への転職などで有効な検定なので、今のうちに合格しておくことでほかの人材との差をつけることができます。
ビジネス会計検定試験
ビジネス会計検定試験は、財務諸表に関する知識や分析力を問うための試験です。学習を通じて財務諸表の数字が何を示すのかを理解し、経営戦略に役立てることができます。
1級~3級までありますが、キャリアアップを目指すなら財務諸表の応用的な分析ができる2級以上に合格しましょう。
税理士
税理士は組織や個人のクライアントを相手に、税務書類の作成や税務代理、税務アドバイスを提供できる国家資格です。
税理士資格を取得すると、高度な経理業務を担当できる可能性があるほか、昇進や独立開業といったさまざまなキャリアプランを実現するための大きな武器となります。
難易度は高いですが、科目合格という仕組みがあるため自分のペースで取得しやすく、働きながら合格を目指すことも可能です。
公認会計士
公認会計士は、法定監査ができる唯一の国家資格です。
公認会計士は監査法人だけでなく、事業会社の経理やコンサルティングファーム、金融機関など、幅広い領域で活躍できます。
弁護士や医師と並ぶ三大国家資格に数えられる超難関資格ですが、合格すれば大幅なキャリアアップに加えて年収アップの実現が可能です。
現職で管理職や経営幹部を目指す、監査法人やコンサルティングファームへ転職する、ベンチャー企業のCFOを目指すといったキャリアプランを展開できます。
また、税理士と同様に独立を検討することも可能です。
まとめ
経理がキャリアアップするには、昇進や異動、転職や独立などさまざまなキャリアプランがあります。
キャリアアップを成功させるにはキャリアのゴールを設定し、逆算して今何をするべきかを考えることが大切です。
スキルの向上や資格の取得もキャリアアップには有効なので、今の自分に不足するものがあれば積極的に学びましょう。
運営者情報
会社名 |
株式会社アシロ(ASIRO Inc.) 2021年7月20日 東証グロース上場(7378) |
---|---|
URL | https://asiro.co.jp/ |
本社所在地 |
160-0023 東京都新宿区西新宿6丁目3番1号 新宿アイランドウイング4F |
法人番号 | 9011101076787 |
設立日 | 2009年11月 |
代表者(代表取締役社長) | 中山博登 |
主な事業内容 | HR事業、インターネットメディア事業(リーガルメディア、派生メディア)、少額短期保険事業 |
許認可 | 有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可 許可番号13-ユ-313782) |
グループ会社 |
株式会社アシロ少額短期保険 株式会社ヒトタス |