税理士試験の科目合格を履歴書に書くべき理由と履歴書の書き方・注意点 

編集者
佐藤達也
【キャリアアドバイザー】国弁護士・公認会計士・税理士等の士業や、管理部門特化の転職サポートを行う人材紹介会社に在籍。士業・バックオフィスに特化した転職ノウハウ・企業調査を担当しています。分野特化だからこその、勘所を押さえたリアルな情報を発信できるよう心がけています。
税理士試験科目合格者の履歴書の書き方
本記事は転職エージェント公式サービス(ビズリーチ・マイナビ・リクルート等)のプロモーションを含みます。
ただし、当サイト内のランキングや商品(商材)の評価は、当社の調査やユーザーの口コミ収集等を考慮して作成しており、提携企業の商品(商材)を根拠なくPRするものではありません。
有料職業紹介許可番号:13-ユ-313782)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社アシロが作成しています。

税理士試験の最終合格を待たずに転職活動を始める場合、合格した科目を履歴書に書くべきなのでしょうか?

結論からいうと、1科目でも合格していれば書くことをおすすめします。科目合格について伝えると自身の知識を証明できるため、応募先からの評価を高めることにつながります。

本記事では、税理士試験科目合格について履歴書に記載するべき理由と需要が高い科目について解説します。あわせて、履歴書の書き方や注意したいポイントも確認しましょう。

目次

税理士試験の科目合格を履歴書に記載するべき理由

税理士試験の科目合格は、最終合格と違ってまだ税理士になることはできません。そのため履歴書に記載すべきかどうか迷う方もいるでしょう。

しかし科目合格があれば積極的に書くべきです。その理由を解説します。

科目合格者の採用ニーズは高い

税務や会計の専門知識は事業運営や経営戦略に不可欠であるため、これらの知識をもつ人材は組織や企業にとって非常に重要です。そのため税理士試験の科目に合格した人材の採用ニーズは高く、「科目合格者歓迎」求人も多く見られます。

とくに税理士法人や会計事務所、税務や会計関連の職種では、科目合格者が優先的に採用されることが少なくありません。

知識の証明になる

税務や会計の専門知識があることを証明するには、単に口頭で伝えるだけでなく資格などの客観的事実があると信用性が高まります。

科目合格した事実は「税理士試験等結果通知書」に記載されており、その科目に関する専門知識と能力を客観的に証明するものです。採用担当者は履歴書に書かれた科目合格の事実を通じて候補者の専門性を知り、書類選考の判断材料とすることができます。

ブランク期間があっても説得力をもたせられる

一般に転職活動においては、仕事をしていないブランク期間があるとマイナス評価にはたらくことがあります。

しかし税理士試験は難易度が高いため、いったん仕事を辞めて試験勉強に取り組んでいた方もいるはずです。その場合、試験勉強に集中していたという理由には一定の説得力があるため、仕事のブランクがあってもマイナスの印象を緩和できるでしょう。

ただし、3年以上働いていないなど、ブランク期間が長すぎると試験勉強が理由でも印象があまりよくありません。仕事への耐性低下や実務スキルの陳腐化などが懸念されるため、採用されにくい場合があります。

科目合格者の履歴書の書き方

履歴書のサイズはB5(見開きにするとB4)もしくはA4(見開きにするとA3)で記載しましょう。紙の履歴書は基本的にこのサイズが市販されているため、サイズの指定がなければどちらかを購入しましょう。

手書きとデジタルのどちらで作成しても問題ありません。デジタルの場合、フォントのサイズは10ポイント以上で作成しましょう。

実際の書き方は、項目ごとに以下で解説していきます。

作成日

作成日は履歴書を作成した日ではなく、応募先に郵送または持参する日付を記入します。そのため、選考のたびに忘れず更新するようにしましょう。

履歴書全体で、西暦か和暦で統一すると見栄えが良くなります。

氏名・連絡先

氏名については、姓と名のあいだを1文字分スペースをあけて書くのが基本です。漢字は戸籍上の表記に従います。

住所は都道府県から始め、アパートやマンション名、部屋番号も省略せずに記載します。

連絡先は、固定電話をもっていない場合は携帯電話だけでも問題ありません。

メールアドレスは個人用のアドレスを記載しますが、その場合、あまりにふざけたアドレスだとそれを理由に不採用になることがあります。ビジネスで使っても問題ないアドレスかどうかを確認しましょう。

写真

写真はスーツやジャケットを着用したうえで、身だしなみを整えて撮影しましょう。会計従事者はクライアントや外部の業者と接することが多いため、カジュアルな服装だと常識を疑われてしまいます。

証明写真機でも撮影できますが、プロが撮影した写真と見た目の印象が大きく異なるため、できればプロに撮影してもらうことをおすすめします。

写真がはがれてしまったときに備えて、裏面に氏名を記入しておきます。

学歴・職歴

1行目の真ん中に「学歴」と記載し、学歴から書き始めます。中学卒業から記入し、高校入学以降は入学と卒業の年月日を分けて記載します。大学や短大の学歴に関しては、学部や学科名まで書きましょう。

職歴は学歴を記載した最後の行から1行あけ、真ん中に「職歴」と記載したうえで書き始めます。社名は略さずに、所属部署名もあわせて記載します。職歴がいっさいない場合は「なし」と書きます。

免許・資格

科目合格についてはこの項目に書きます。合格年次と合格した科目を記載しましょう。

そのほかの免許や資格は、業務に関係のあるものはもちろん、関係がないものも基本的に記載します。とくに会計事務所では税理士補助者はクライアントを巡回訪問することが多いので、運転免許を取得している場合は記載しておきましょう。

TOEICなど語学系の試験についても語学力の証明になるため書いておくとよいでしょう。

趣味・特技

趣味・特技欄は、直接業務に関わりのないことであっても空欄にせず記載することをおすすめします。書いた内容をもって合否が判断されることはほとんどありませんが、好印象を与えられる場合はあります。

たとえばヨガやウォーキングなど身体を動かす習慣がある方は記載しておくと、体力がある人、自己管理ができる人といった印象を与えることができます。

本人希望欄

本人希望欄は基本的に「貴社の規定に従います」と記載します。ない場合でも「特にありません」などと書かないようにしましょう。

実際には年収や残業の時間など希望はあるはずですが、そうした条件面も通常は記載しません。

実際に書くことがある場合の例としては入社可能日や選考中に連絡が取れる時間帯などです。たとえば「在職中のため、平日は18時以降にお電話ください」のように端的に記載します。

条件面を書く場合、必ず伝えたい内容だけに限定しましょう。

科目合格を履歴書に記載するときの注意点

科目合格について履歴書に記載するときに気を付けるべきポイントを解説します。

合格発表待ちの科目や不合格科目についても記載する

合格した科目以外に、合格発表待ちの科目や不合格科目も記載しましょう。書く欄は「その他特筆すべき事項」です。

試験実施日から合否発表のあいだに応募する場合は、受験年次と受験科目も書いておくとアピールになります。とくに、試験の手応えがあった場合は書いておくとよいでしょう。

不合格科目については必ずしも書く必要はありませんが、得点が高い場合は書くことをおすすめします。これにより一定レベルの知識があることを伝えられ、次回の合格に期待できるとの印象も与えられます。

履歴書内で試験への理解を求めないこと

最終合格を目指して引き続き試験勉強に取り組む場合は、試験勉強への理解がある職場を選ぶことが大切です。その一方で、「理解してほしい」といった希望は履歴書に書くべきではありません。そ

れは求職者自身が職場を選ぶ際の基準であって、応募先に求めるというのは違います。試験への理解があるかどうかは、求人票に記載のある待遇を確認したり、転職エージェント経由で確認可能です。

誤字・脱字や雑な書き方はNG

会計事務所や事業会社の経理で働く場合、数字を扱い、細かなところまで注意を払う必要性の高い業務が中心となります。

そのため履歴書が雑に書いてあったり誤字・脱字が多かったりすると、採用担当者としては実際の業務をしっかりこなしてくれるのか不安に感じます。誤字・脱字がないようしっかりチェックしましょう。

修正が必要な際は書き直す

履歴書の作成中に修正の必要が生じた場合は、面倒でも書き直しましょう。修正液や訂正印による修正は避けるべきです。

また、日常使いには便利な消えるボールペンは、履歴書のようにあとに残る書類で使うのはNGです。文字が消えてしまうだけでなく改ざんされる危険性もあります。一般的な黒のボールペンで記入しましょう。

職務経歴書とは使い分ける

職務経歴書がこれまでの経歴を具体的に伝える書類であるのに対し、履歴書は必要最低限の内容を端的に伝える書類です。

履歴書のフォーマットにもよりますが、志望動機や自己PRなどの記載欄がある場合もあり、一部は職務経歴書とかぶります。その際には職務経歴書とおなじ文章を長々と書くのではなく、短く端的にまとめるようにしましょう。

【応募先別】需要が高い税理士試験の科目

税理士試験では必修2科目以外が選択制なので、難易度の低い科目を受けて5科目合格を目指すという戦略もあります。

しかし科目合格の段階で転職するのなら、世間的に需要が高い科目を知っておくと良いでしょう。

会計事務所や税理士法人

会計事務所や税理士法人では簿記論・財務諸表論の必修科目に加えて、所得税法と法人税法、消費税法の合格が評価されます。とくに必修科目は合格率が高いため、確実に合格しておきたいところです。

また、相続に特化した税理士法人などでは相続税法の合格もアピールできます。

事業会社

事業会社でも簿記論・財務諸表論の必修2科目が評価されるのは同じです。事業会社の場合、科目合格者が採用される部署は主に経理か財務になるため、簿記や会計の知識があることを証明できます。

また事業会社では法人税の申告をおこなうため、法人税法の合格も評価の対象です。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームの場合、どんなサービスを提供しているファームなのかによって評価の対象が異なります。

組織再編や事業継承などの税務コンサルティングサービスを扱っている場合は相続税法の需要があります。法人向けにコンサルティングを提供することが多いので、法人税法や消費税法なども評価の対象です。

科目合格者の転職は転職エージェントに相談を!

科目合格者が転職を検討する場合は、転職エージェントに相談することをおすすめします。

科目合格者を歓迎する求人を紹介してくれる

科目合格者への評価の有無やどの程度の評価が期待できるのかは、求人事務所・企業によって異なるため、応募の際に自分で判断するのは難しい面があります。

転職エージェントを利用すれば、科目合格というアドバンテージを活かせる求人を探して紹介してくれます。

科目合格の価値を的確に伝えてくれる

事業会社やコンサルティングファームなど無資格でも応募できる求人の場合、採用担当者が科目合格の価値を理解しているとは限りません。税

理士や科目合格者の転職に強みがある転職エージェントなら、応募先とのやり取りを通じてその価値を的確に伝えてくれます。

履歴書や職務経歴書の添削をしてくれる

履歴書や職務経歴書は自分以外の人の目が入ることで客観的な視点が加わり、精度や説得力を高められます。とくに転職支援のプロである転職エージェントから添削を受けることで、選考の通過率が高まるはずです。

履歴書の添削サービスを利用できるおすすめ転職エージェント7選

履歴書の添削をしてくれて、かつ科目合格者の転職に強いおすすめの転職エージェントを紹介します。

ハイスタ税理士

公式サイト:https://hi-standard.pro/tax/

ハイスタ税理士は、税理士・科目合格者の転職支援に特化したプロフェッショナル集団です。

会計業界の転職市場に詳しいアドバイザーが、求人の紹介から履歴書・職務経歴書の添削、面接対策まで徹底サポートしてくれます。

履歴書・職務経歴書のテンプレートをくれたり、職務要約を作成してくれたりと、応募書類の作成に関する支援が手厚いと評判です。

アピールポイントが分からない、という人には自分の良さを見つけるアドバイスもしてくれるため、履歴書・職歴書作成で困っている人はぜひ頼ってみてください。

公式サイト:https://hi-standard.pro/tax/

マイナビ税理士

マイナビ税理士
公式サイト:https://zeirishi.mynavi-agent.jp/

マイナビ税理士は、税理士・科目合格者の転職支援を得意とする転職エージェントです。

面談満足率が95%と高いため、まずは登録してキャリア面談を受けてみましょう。休日相談も実施しているため現職が忙しい方でも無理なく転職活動を進められます。

人材大手であるマイナビのサービスは、一度でも利用したことがある人は多いのではないでしょうか。科目合格者の転職においても例外ではなく、ノウハウが非常に豊富なので、安心してサポートを受けられるでしょう。

公式サイト:https://zeirishi.mynavi-agent.jp/

BEET

BEET-AGENT
公式サイト:https://beet-agent.com/

BEETは、経理/財務や税務など、事業会社の管理部門・バックオフィス系人材を専門とする転職エージェントです。上場企業やIPO準備中企業など多彩な企業の求人を扱っています。

科目合格を強みに、事業会社の経理や財務への転職を希望する方におすすめです。日商簿記や公認会計士試験など、税理士試験以外にも会計分野資格を活かした転職に強みがあります。

事業会社への転職は、税理士法人や会計事務所のハードワークに疲れたり、ライフスタイルが変化したりして、ワークライフバランスを確保したい人におすすめです。

まずは履歴書の添削や求人紹介から相談してみはいかがでしょうか。

公式サイト:https://beet-agent.com/

ヒュープロ

ヒュープロ
公式サイト:https://hupro-job.com/

ヒュープロは、スピード内定に強みがある転職エージェントです。

税理士・会計業界の公開求人数が豊富で多くの魅力的な求人に出会えるほか、応募書類の添削や面接対策など転職支援サービスも充実しています。

科目合格なら、まずは登録しておきたい転職エージェントのひとつです。

公式サイト:https://hupro-job.com/

ジャスネットキャリア

ジャスネットキャリア

ジャスネットキャリアは、科目合格者のほか税理士や公認会計士、経理・財務専門の転職エージェントです。

魅力はなんといってもその専門性の高さです。科目合格者にマッチする求人の提案や履歴書・職務経歴書で書くべきポイントのアドバイスなどを的確にしてくれます。

公式サイト:https://career.jusnet.co.jp/

MS Agent

MS-Japan

MS Agentは経理や財務、法務などの管理部門と税理士などの士業の転職支援に特化しています。

科目合格者・税理士が活躍できる求人を多数保有しており、老舗の税理士事務所から上場企業まで幅広い求人の中からマッチした求人を紹介してもらえます。

公式サイト:https://ms-japan.jp/

REXアドバイザーズ

レックスアドバイザーズ

REXアドバイザーズは税理士・公認会計士・経理・財務に特化した転職エージェントです。

大手税理士法人や成長企業、コンサルティングファームなど多彩な求人があるため、税理士試験で得た知識やこれまでの経験を生かせる職場との出会いに期待できます。

公式サイト:https://www.career-adv.jp/

まとめ

税理士試験の科目合格は、履歴書の「免許・資格」欄に記載します。合格待ちの科目や不合格科目も状況にあわせて書くことでアピール可能です。その際は履歴書の「その他特筆すべき事項」欄に記載しましょう。

履歴書は転職支援のプロである転職エージェントに添削してもらうことをおすすめします。

  • URLcopy
佐藤 達也のアバター
キャリアアドバイザー

佐藤 達也

弁護士・公認会計士・税理士等の士業や、管理部門特化の転職サポートを行う人材紹介会社に在籍。士業・バックオフィスに特化した転職ノウハウ・企業調査を担当しています。分野特化だからこその、勘所を押さえたリアルな情報を発信できるよう心がけています。