経理の職務経歴書、書くべき項目と作成のポイントを解説

           

編集者
佐藤達也
【キャリアアドバイザー】国弁護士・公認会計士・税理士等の士業や、管理部門特化の転職サポートを行う人材紹介会社に在籍。士業・バックオフィスに特化した転職ノウハウ・企業調査を担当しています。分野特化だからこその、勘所を押さえたリアルな情報を発信できるよう心がけています。
経理の職務経歴書、書くべき項目と作成のポイントを解説
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経理の転職では即戦力を求める企業が多いため、採用担当者は自社が求める業務経験やスキルがある人材かどうかをしっかりチェックしています。 そのため職務経歴書には、業務内容や経験、スキルレベルなどをわかりやすく伝えることが大切です。 本記事では、経理の職務経歴書をテーマに、書くべき内容や作成のポイントを例文付きで解説します。
目次

経理の職務経歴書に書くべき項目

職務経歴書に決まったフォーマットはありませんが、一般的に盛り込むべき項目があります。

業務の内容と経験年数

業務の内容は、具体的にどのような会計処理や決算作業、税務申告などをおこなってきたかを記述しましょう。 経験年数は、その業務を担当した期間や頻度を示します。これにより、自分のスキルやノウハウの深さをアピールできます。 業務の内容や経験年数を書く際には、事実にもとづいて正確に記載することが大切です。

スキルの内容とレベル

スキルの内容とレベルを書くことで、自分がどのような仕事に対応できるかを採用担当者に伝えることができます。 スキルの内容は、たとえば自分が使える会計ソフトやエクセルなどのツールや、英語や中国語などの言語能力などを指します。レベルは、自分がそのスキルをどの程度使いこなせるかを示すものです。 会計ソフトなら、基本的な操作から高度な機能まで使えるかどうか、エクセルなら関数やマクロなどを使えるかどうか、言語能力であればビジネス会話や読み書きができるかどうかなどを具体的に記述します。

マネジメント・研修担当経験の有無

マネジメントや研修担当の経験があるということは、自分がチームや部署でリーダーシップを発揮したり、後輩や新入社員への指導能力があるということです。 これは、組織運営や人材育成に貢献できることを示すものであり、採用担当者に好印象を与える可能性を高められます。 マネジメントや研修担当の経験がある場合は、その内容や規模、期間、得られた成果や評価なども記載します。

保有資格や研修の有無

保有している資格や受講した研修なども記載しましょう。 これらは、自分が経理の専門知識や技術を身につけていることを証明するものであり、採用担当者に自分の能力や意欲をアピールできます。 記載する際には、資格の名称や取得年月、内容や目的などを明確に記述します。また、その資格や研修がどのように自分の業務に役立ったか、今後どのように活用したいかといった点も記載しましょう。

経理業務における成果

経理業務において、どのような成果を上げたかも記載しましょう。 自分が担当した業務によって、会社や部署にどのように貢献したのかを示します。 たとえば、決算作業の効率化や精度向上、コスト削減や利益増加、税務調査への対応などが挙げられます。成果を記載する際には、具体的な数字や事例を用いてその過程や方法、背景などを詳しく説明します。 また、その成果がどのように評価されたかも記載しましょう。

自己PR

職務経歴書の最後には、自己PRを記載します。 自己PRとは、自分がもっている強みや特徴、志望動機などを採用担当者に伝えることです。これにより、自分がなぜその会社やその職種に応募したのか、自分がどのような価値観や目標をもっているかなどをアピールできます。 自己PRを記載する際には、ほかの応募者と差別化できるような内容や表現を工夫しましょう。

経理が職務経歴書を書くときのポイント

職務経歴書を作成する際には、以下のポイントを意識することが大切です。

応募先ごとにカスタマイズする

経理の仕事は、会社や業界によって求められるスキルや経験が異なるため、応募先ごとに職務経歴書をカスタマイズすることが重要です。 応募先の業種や規模、経理部門の役割や課題などを調べて、自分の強みや適性をアピールしましょう。 大手企業では、会計基準や税務対策などの専門知識が必要になることが多く、そのような経験や資格を持っている場合は積極的に記載しましょう。 一方、中小企業では経理だけでなく、総務や人事などの幅広い業務に携わることが多いので、柔軟性やコミュニケーション能力などをアピールしましょう。

成果は数字や事例を用いて伝える

経理の仕事は数字に関わることが多いので、職務経歴書でも具体的な数字や事例を用いて成果を伝えることが効果的です。 決算の作成や監査に関わった場合は、期間や担当範囲、精度やスピードなどを具体的に記載しましょう。コスト削減や収益改善などのプロジェクトに参加した場合は、目標や実績、自分の役割や貢献などを具体的に記載します。 数字や事例を用いて具体的にアピールすることで、自分の能力や実績を客観的に評価してもらえるようになります。

専門知識やスキル以外もアピールする

経理の仕事は専門知識やスキルが必要ですが、それだけではなく、ビジネスマナーやコミュニケーション能力なども重要です。 たとえば、報告書やプレゼンテーション資料の作成能力、交渉力や説得力、チームワークやリーダーシップなどをアピールしましょう。また、専門性がなくても、業務効率化やコスト削減など、自分が主体的に取り組んできた実績は積極的にアピールすることが大切です。

「見やすく読みやすく」を意識する

職務経歴書は、採用担当者が多くの応募者から自分を選ぶための重要な資料です。そのため、「見やすく読みやすく」を意識して作成することが必要です。 具体的には、以下のようなポイントに注意しましょう。
  • 文字サイズやフォントは統一する
  • 見出しや箇条書きを使って構造化する
  • 用語や略語は統一し、必要に応じて説明する
  • わかりやすく簡潔にまとめる
  • 誤字や脱字はないか確認する

経理の職務経歴書の例文

ここからは、項目別に例文を紹介します。書き方のイメージを押さえ、自分なりの職務経歴書を作成しましょう。

職務要約

私は、5年間の経理の実務経験の中で、主に売上管理や支払い管理、月次決算などの業務を担当してきました。また、経理システムの導入や改善にも積極的に関わり、業務効率化や精度向上に貢献しました。 経理の知識やスキルを活かして、財務状況の分析や予算管理などの高度な業務にも挑戦したいと考えています。

職務経歴

■2019年4月~2024年1月 株式会社○○○ 経理部 経理担当 ■事業内容:システム開発 ・資本金:○億円/売上高:○億円/従業員数:○○名 ■業務内容 ・売上管理:売上伝票の作成や入金確認、売掛金の管理など ・支払い管理:仕入先や社内からの請求書の処理や支払い、買掛金の管理など ・月次決算:仕訳の入力やチェック、帳簿や財務諸表の作成など ・経理システム:クラウド型の経理システムの導入や運用、不具合や改善要望の対応など

スキル

・Excel:VLOOKUPやピボットテーブルなどの基本的な関数や操作ができる ・Word:文書作成や編集ができる ・PowerPoint:プレゼンテーション資料の作成ができる ・会計ソフト:弥生会計やfreeeなどのクラウド型の会計ソフトを使える

資格

・日商簿記検定3級:2018年3月に取得 ・日商簿記検定2級:2020年6月に取得 ・TOEIC○○点:2022年6月

自己PR

私は、経理業務に対して真摯に取り組み、常に正確かつ迅速に仕事をこなすことを心がけています。 また、経理システムの導入や改善に関わった経験からITやシステムにも興味があり、新しいツールや方法にも柔軟に対応できます。 貴社では、経理業務だけでなく財務分析や予算管理などの高度な業務にも携われると聞きました。これまで培ってきた、経理の知識やスキルを活かして、貴社の経営に貢献できると確信しています。

経理が選考に通過しやすい職務経歴書を作成するには?

職務経歴書を作成した後は、セルフチェックをおこなうことと、転職エージェントの添削サービスを利用することが大切です。これにより、選考に通過しやすい職務経歴書に仕上げることができます。

セルフチェックのポイント

経理スキルや実績を明確に伝えるためには、自分の職務経歴書を客観的に見直すためにセルフチェックが欠かせません。 まずは、以下の質問に答えてみましょう。これらの質問に答えることで、自分の経理としての強みや特徴を明確にすることができます。また、自分の経験やスキルが求められる企業や業界を絞り込むこともできます。
  • 経理としてどんな仕事をしてきたか?
  • どんな業務やプロジェクトに携わったか?
  • どんな成果や貢献を出したか?
  • どんなスキルや知識を身につけたか?
  • どんな課題や問題に直面したか?
  • どんな改善策や解決策を提案したか?
  • どんな評価を受けたか?

チェック時のポイント

・「5W1H」を意識する 経理としての業務内容や成果を伝える際には、「5W1H」(Who・What・When・Where・Why・How)を意識して具体的に記述しましょう。 「誰と」「何を」「いつ」「どこで」「なぜ」「どのように」を明確にすることで、自分の役割や貢献度、問題解決能力などを的確にアピールできます。 ・自分の強みを積極的に盛り込む 経理としてのスキルや知識だけでなく、自分の強みや特徴、志向性などを盛り込むことも大切です。 たとえば「コミュニケーション力が高い」「改善意識がある」などのキーワードを使って、自分の個性や価値観を表現しましょう。また、具体的なエピソードや資格、受賞歴などを添えることで、信頼性や説得力を高めることができます。 ・文章の構成や表現を工夫する 経理の職務経歴書は、論理的でわかりやすい文章にすることが重要です。 たとえば「項目ごとに見出しをつける」「箇条書きや数字を使って整理する」などの工夫ができているかチェックしましょう。

転職エージェントに添削してもらう

セルフチェックだけでは、自分の職務経歴書が採用担当者に伝わりやすいかどうかはわかりません。 また、自分の経験やスキルの中で、企業から評価されやすいポイントを的確に押さえているかどうかも、自分だけでは見えづらいものです。 そこで、転職エージェントに添削してもらうことがおすすめです。 転職エージェントは、採用担当者のニーズや傾向を把握しているため、職務経歴書をより効果的に書き直す方法やポイントを教えてくれます。転職エージェントに客観的な視点から添削してもらうことで、経理としての魅力を最大限にアピールすることができます。 また、転職エージェントは自分に合った企業や求人の紹介や、面接対策や交渉支援などもしてくれます。選考通過率を高めるとともに、ミスマッチの少ない転職を実現しやすくなるため、転職エージェントを活用しましょう。

経理におすすめの添削サービスを受けられる転職エージェント9選

最後に、経理の転職でおすすめの転職エージェントを9社紹介します。 転職エージェントによっては、職務経歴書の添削サービスがある場合もあるので、自分で作成するのに自身がない場合は、添削サービスがあるエージェントを使用するのがおすすめです。

BEET-AGENT

BEET_経理 BEET-AGENTは、管理部門の転職支援に特化した転職エージェントです。 管理部門系職種の働き方を熟知したアドバイザーが、理想の転職に向けてキャリアアップをサポートします。 上場企業からIPO準備中企業、スタートアップ企業まで幅広いタイプの求人を保有しており、経理求人も豊富です。 丁寧な個別面談によってミスマッチの少ない転職を実現できるのが強みです。 公式サイト:https://beet-agent.com/

ハイスタ会計士

ハイスタ会計士 ハイスタ会計士は、公認会計士およびUSCPAの転職に特化したエージェントです。 アドバイザーが、企業と求職者の両方を担当する両手型を採用しているため、マッチ度の高い転職につながるのがポイントです。 応募書類の添削にも力を入れており、採用ニーズを踏まえた適切なアドバイスをしてくれます。 公式サイト:https://hi-standard.pro/cpa/

MS-Agen

MS-Japan MS-Agentは、管理部門と士業を専門とする転職エージェントです。 特化型の転職エージェントであるうえに、30年以上の実績がある老舗なので安心感と信頼感があり、蓄積されたノウハウを提供してもらえます。 職種ごとに、職種事情や働き方に精通したアドバイザーがサポートするため、経理の職務経歴書に関するアドバイスも的確です。 公式サイト:https://www.jmsc.co.jp/

ジャスネットキャリア

ジャスネットキャリア ジャスネットキャリアは、経理・財務や公認会計士・税理士の転職に強みをもつ転職エージェントです。 経理・財務、会計領域に特化することで効率的に情報を集め、高い専門性を発揮しています。 20代の若手層から40代の管理職ポジションまで幅広い求職者に対応できるため、職務経歴書では年齢にあったアピール方法がわかります。 公式サイト:https://career.jusnet.co.jp/

SYNCA

SYNCA SYNCAは、管理部門に特化した転職サイトです。 アンケートに回答するだけで、市場価値診断が無料でおこなえ、スキルの可視化ができます。 自ら企業に応募できるうえに、企業からスカウトを受けることも可能なので、効率よく転職活動が可能です。 公式サイト:https://candidate.synca.net/

LHH転職エージェント

LHH転職エージェント
LHH転職エージェントは、幅広い職種を扱う総合型のエージェントですが、業界・職種ごとの専門性も高く評価されており、経理の転職でも活用できます。 求職者の年収アップ率が高いエージェントなので、転職で年収を上げたい経理人材におすすめです。 自分の価値を的確にアピールできる応募書類の作成について、アドバイスをしてもらえます。 公式サイト:https://jp.lhh.com/

リクルートエージェント

リクルートエージェント リクルートエージェントは、業界最大級の求人数を誇る総合型転職エージェントです。 経理求人も非常に豊富なので、多数の選択肢から選びたい方におすすめします。 人材業界で培ってきたノウハウが豊富にあり、採用担当者の心に響く応募書類の書き方も熟知しています。 自分にあったアピール方法がわからない場合でも、丁寧にアドバイスしてもらえるため書類の精度が上がります。 公式サイト:https://www.r-agent.com/

JACリクルートメント

JACリクルートメント JACリクルートメントは、外資系やグローバル企業の転職に強い、転職エージェントです。 英文レジュメ独特の書き方や魅力的な内容に仕上げるポイントを熟知しているため、外資系企業やグローバル企業への転職を検討中の経理人材におすすめです。 公式サイト:https://www.jac-recruitment.jp/

経理転職ナビ

ワークポート 経理転職ナビは、経理・財務人材専門の求人サイトです。 無料転職サポートに申し込むと人材紹介専門として高い実績があるワークポートのコンシェルジュがマンツーマンでサポートします。 個別に書類作成のアドバイスをしてもらえるため、精度の高い書類を作成でき、選考通過の可能性を高められます。 公式サイト:https://keiri-navi.workport.co.jp/service/

まとめ

経理の職務経歴書は、具体的な業務内容や経験年数、スキルなどが明確に伝わるよう記載することが求められます。 数字や具体例を交えることや読みやすさを意識しつつ、応募先に合った職務経歴書に仕上げましょう。 セルフチェックだけでは抜けや漏れが生じる可能性があるため、転職エージェントの添削サービスの利用がおすすめです。

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