弁護士保険とは?必要な加入条件やメリット・デメリットを解説

弁護士保険とは?必要な加入条件やメリット・デメリットを解説

交通事故や離婚時のトラブル、遺産相続争いなど法律トラブルを解決するためには、弁護士への相談が効果的です。

しかし、弁護士費用がかかることを懸念し、なかなか相談できないという方も多いのではないでしょうか。

万が一、法律トラブルに巻き込まれたときに弁護士費用を補償してくれる保険があります。

この記事では、弁護士費用保険に加入する条件や補償内容、メリットとデメリットなどを解説します。

弁護士費用保険とは?加入するために必要な条件と注意点

弁護士費用保険(弁護士保険)とは、毎月保険料を支払うことにより、弁護士への相談料や依頼時の費用を一部、または全額補償してくれる保険になります。

弁護士は、法律問題が起こったときに心強い存在となりますが、その依頼費用は総額で100万円を超えることも珍しくありません。

しかし弁護士保険に入っていれば、高額な費用が気になって相談できないといった事態を回避し、泣き寝入りしないで済む可能性が高まります。

そんな弁護士保険に加入するための条件や注意点を説明します。

弁護士保険に加入する基本的な条件

弁護士保険に入るために必要な条件は、保険会社によって多少異なりますが、基本的な条件は以下のとおりです。

基本的に難しい条件が設けられていることはありませんので、多くの方は加入できるでしょう。

弁護士保険の補償対象者

弁護士保険は一般的に18歳以上でなければ加入できませんが、保険契約者が加入条件を満たしていれば、被保険者が条件を満たしていない場合でも保険が適用される場合があります。

例えば、自身(40歳)が弁護士保険に加入していて、18歳未満の自分の子供がいじめ被害に遭い、加害者の親や学校側とトラブルになった際にも保険を利用することができる場合もあります。

しかし、保険会社によって補償対象者は異なるため、加入前に確認をしておきましょう。

主要な弁護士保険会社3社の補償対象は以下になります。

ベンナビ弁護士保険 弁護士費用保険ミカタ 弁護士保険コモン+
補償対象 契約者とその配偶者、および契約者本人から見て1親等内の血族中65歳以上の親と30歳未満の未婚の実子(同居別居問わず) 契約者のみ
※月額+1,500円で3親等内の家族も加入ができる
契約者と18歳未満の子供全員

待機期間と不担保期間を知っておこう

弁護士保険には、待機期間と不担保期間が設けられているため、加入後すぐ保険が適用されるというわけではありません。

弁護士保険に加入する前に、待機期間と不担保期間がどれくらいかを確認しておきましょう。

待機期間について

待機期間とは、契約日から一定期間(3ヶ月程度)、保険金が受け取れない期間のことです。

基本的に待機期間中は、法的トラブルが生じたとしても保険は適用されません。

ただし、交通事故などの偶発事故(急激かつ偶然かつ外来の事故)の場合は、通常待機期間が適用されずに保険金を受け取ることができます。

待機期間が適用されるかどうかを判断することが難しいケースもありますので、待機期間中に問題が発生した場合は、保険適用の有無を保険会社に問い合わせてみましょう。

不担保期間について

不担保期間とは、待機期間とは別に設けられている特定の法律トラブルに関して保険金が受け取れない期間のことです。

不担保期間が適用される主な法律トラブルには、相続や親族間トラブル、離婚トラブル、労働問題、ストーカー被害などがあります。

不担保期間は1年程度としている保険会社が多いですが、保険会社によって少し異なりますので、加入前に確認しておきましょう。

弁護士保険の補償範囲の事件とは?

弁護士保険の補償範囲には偶発事故と一般事件があり、どちらに当てはまるかによって補償される金額が異なります。

それぞれの事件について、詳しくみていきましょう。

特定偶発事故と一般事件

弁護士保険の偶発事故と一般事件それぞれに当てはまる法律トラブルは次のとおりです。

特定偶発事故のトラブル例

引用元:弁護士費用保険mikata

ベンナビ弁護士保険 弁護士費用保険ミカタ 弁護士保険コモン+(レギュラープラン)
1事件の支払い限度額 330万円 300万円まで 100万円

一般事故のトラブル例

引用元:弁護士費用保険コモン

ベンナビ弁護士保険 弁護士費用保険ミカタ 弁護士保険コモン+(レギュラープラン)
1事件の支払い限度額 110万円 200万円まで 100万円

弁護士保険の補償範囲外のトラブル例

弁護士保険の補償範囲外のトラブルには、以下のものが当てはまります。

上記の問題が補償対象外とされる理由は、被保険者側の過失が原因であるためです。

また、今現在抱えているトラブルや法律問題ではないトラブルも、補償範囲から除外されます。

弁護士保険のメリットとデメリット

弁護士保険に加入するかどうかを決めるにあたり、弁護士保険のメリットとデメリットも確認しておきましょう。

弁護士保険のメリット

弁護士保険に入ることのメリットは以下のとおりです。

泣き寝入りしなくても良い

法律トラブルによる損害額以上の弁護士費用がかかる場合は、弁護士への依頼を断念し、泣き寝入りしてしまうケースがあります。

しかし、弁護士保険に加入していることで費用面での懸念がなくなり、保険会社による弁護士選びのサポートも受けられるので、解決に繋がる可能性が高まります。

保険料が安い傾向にあり、入りやすい

弁護士保険は保険料が安い傾向にあります。

例えば、カイラス少額短期保険のベンナビ弁護士保険は月額2,950円で加入できます。

月額2,950円の場合だと年間35,400円の保険料がかかる計算になりますが、弁護士への依頼費用は1回の事件で数十万円から100万円以上かかることもあるため、経済的に大きなメリットがあります。

弁護士保険のデメリット

弁護士保険の主なデメリットには以下のようなものがあります。

全ての法律問題に弁護士保険が適用されるわけではない

弁護士保険は全ての法律問題に適用されるわけではありません。

また、契約前から抱えているトラブルや、政府、地方公共団体などの公的機関を相手にした事件などは補償範囲外となります。

補償範囲外期間が設けられている

偶発事故に該当しない一般事件には、待機期間や不担保期間といった補償範囲外期間が設定されています。

弁護士保険に加入前に、補償範囲外期間がどのくらいかを確認しておきましょう。

免責金額と縮小てん補が定められている場合がある

弁護士保険には、免責金額と縮小てん補が定められています。

このため、必ずしも弁護士費用を全額負担してもらえるわけではありません。

例えば、免責金額が4万円に設定されていて、縮小てん補が50%の弁護士保険の場合、弁護士費用が150万円かかったと仮定すると、以下の計算式が適用されます。

この場合、保険契約者は77万円を自己負担する必要があります。

加入時は必ず免責金額と縮小てん補についても確認しましょう。

主要な弁護士保険会社3社を比較

弁護士保険の保険料や保険金額、支払上限などはそれぞれの保険会社で異なります。

ここでは代表的な弁護士保険を3種類ピックアップして比較します。

ベンナビ弁護士保険

運営会社 カイラス少額短期保険
商品名 ベンナビ弁護士保険
保険料 月額2,950円
年額35,400円
補償範囲 特定偶発事故
一般事件
待機期間と不担保期間 一般事件:3ヵ月
離婚:1年
賃貸借:1年
相続:1年
労働:1年
親族:1年
補償限度額(一般事件) 110万円
補償限度額(偶発事故) 330万円
補償限度額(通算) 1,000万円
免責金額 5万円
公式ホームページ https://kailash.co.jp/

「ベンナビ弁護士保険」は、契約者本人とその配偶者、65歳以上の親と30歳未満の未婚の実子が補償対象になる弁護士保険です。

今回ご紹介する単独型弁護士保険の中で唯一、本人以外の家族が加入する際の追加保険料が不要で、条件を満たしていれば何人でも補償対象になります。

また、月額450円を支払うことで痴漢冤罪特約を受けられて、事件後48時間以内なら、弁護士費用や電話相談料、交通費、接見費用などが補償されます。

1事件あたりの補償限度額が高く、追加保険料0円で一定の条件を満たす家族も被保険者に含まれることから、小さい負担で手厚い補償を受けたい方におすすめの弁護士保険と言えるでしょう。

弁護士費用保険ミカタ

運営会社 ミカタ少額短期保険
商品名 弁護士費用保険ミカタ
保険料 月額2,980円
補償範囲 特定偶発事故
一般事件
待機期間と不担保期間 一般事件:3ヵ月
離婚:1年
相続:1年
リスク取引:1年
親族:1年
補償限度額(一般事件) 200万円
補償限度額(偶発事故) 300万円
補償限度額(通算) 1,000万円
免責金額 5万円
公式ホームページ https://mikata-ins.co.jp/

「弁護士費用保険ミカタ」は、日本弁護士連合会(日弁連)と協定を結んでいる弁護士保険です。

日弁連との提携で実現した弁護士直通ダイヤルは、1回15分だけですが、弁護士に電話で無料相談ができるというサービスです。

また、日弁連を通じて各地域の弁護士を無料で紹介してもらえる弁護士紹介サービスや、弁護士へ無料相談できるアプリの弁護士トークも用意されています。

補償対象は契約者本人だけですが、1人につき月額1,500円支払って「家族特約(家族のミカタ)」を利用することで、3親等内の家族も契約者本人と同等の補償を受けることができます。

弁護士費用保険ミカタは、弁護士に気軽に相談したい、弁護士を探す手間を省きたいといった方におすすめの弁護士保険といえるでしょう。

弁護士費用保険コモン+

運営会社 エール少額短期保険
商品名 弁護士保険コモン+
保険料 ライト+:月額1,080円
レギュラー+:月額2,480円
ステイタス+:月額4,980円
補償範囲 特定偶発事故
一般事件
待機期間と不担保期間 一般事件:3ヵ月
離婚:3年
相続:2年
親族:1年
補償限度額(一般事件) ライト+:30万円
レギュラー+:100万円
ステイタス+:300万円
補償限度額(偶発事故) ライト+:30万円
レギュラー+:100万円
ステイタス+:300万円
補償限度額(通算) ライト+:360万円
レギュラー+:1,200万円
ステイタス+:3,600万円
免責金額 1回目:5万円
2回目:10万円
公式ホームページ https://yell-lpi.co.jp/

「弁護士費用保険コモン+」は、ライト+、レギュラー+、ステイタス+の3つから好きなプランを選べる弁護士保険です。

プランごとに補償限度額が変わるので、どれだけ補償を受けたいかというニーズに合わせて選択できます。

補償対象は、契約者本人と18歳未満の子どもです。

また「ファミリー特約」を付帯することで配偶者1名と30歳未満の未婚の子ども(5人まで)も補償対象にできます。

こちらも『弁護士直通ダイヤルや弁護士検索サポートを利用できるので、自分に合ったプランを選びたい、弁護士に気軽に相談したいといった方におすすめと言えます。

弁護士保険の加入がおすすめの方

弁護士保険がおすすめなのは、以下のような方です。

収入・経済面の懸念があり、弁護士費用を支払えない方

弁護士に相談・依頼する際の費用捻出が難しい方は、弁護士保険への加入がおすすめです。

弁護士保険で費用が補償されれば、弁護士に依頼できずに泣き寝入りすることを防げます。

公共交通機関で長時間の通学・通勤をする方

バスや電車などの公共交通機関をよく利用する方は、混み合った車内で痴漢冤罪などのトラブルに遭遇する可能性があります。

「ベンナビ弁護士保険」の痴漢冤罪特約や「弁護士費用保険コモン+」の痴漢冤罪ヘルプコールなどを利用すれば、万が一痴漢冤罪に巻き込まれても初動に必要な弁護士費用の補償が受けられます。

小・中・高生の子どもを持つ保護者の方

学校生活で子どもがいじめに遭う、部活で大怪我をするなどのトラブルがあった場合、学校や加害者側が問題を認めないといったケースも考えられます。

弁護士保険に加入していることで、弁護士に依頼しやすくなり、それによって学校や加害者側の法的責任を追求しやすくなります。

外出する機会が多い方

外出する機会が多いと、自動車事故や自転車事故などに巻き込まれる可能性があり、車を運転する場合は人身事故や物損事故を起こす可能性もあり得ます。

自動車事故や自転車事故は偶発事故に当てはまるので、基本的には弁護士保険に加入してからすぐに補償を受けられます。

弁護士保険に関するよくある質問

最後に弁護士保険に関するよくある質問に回答します。

Q1.弁護士保険は入っておいたほうが良いのでしょうか?

弁護士保険では、法律問題に遭ったときの弁護士費用が補償されます。

現代の法律問題は、親族問題や離婚問題、相続問題、近隣問題、労働問題・ハラスメント、医療過誤、インターネット被害、子どものいじめ、消費者トラブルなど多岐にわたります。

このような万が一のトラブルに備えておきたいという場合には、弁護士保険に加入することをおすすめします。

Q2.弁護士保険と同じような保険はありますか?

例えば、自動車保険に付帯できる弁護士特約があります。

ただし、自動車保険の弁護士特約の補償は原則、もらい事故などで相手方に損害賠償請求をおこなう場合に備える補償です。

そのため、以下のようなケースでは補償されない可能性が高いです。

このようなことへ備える場合は、弁護士特約ではなく、弁護士保険への加入をおすすめします。

Q3.弁護士保険を途中解約した場合、保険料は戻ってきますか?

弁護士保険は一般的に掛け捨てなので、途中解約した場合でも支払った保険料が戻ってくることはありません。

Q4.自分で選んだ弁護士でも補償対象になるのですか?

保険会社や保険商品にもよりますが、保険会社が提携している弁護士以外でも補償対象になる場合があります。

Q5.すでに起こっている問題の弁護士費用を節約することは可能ですか?

先に述べたように、契約前に起こったトラブルの弁護士費用は、弁護士保険では補償できません。

最後に

弁護士保険は、弁護士への相談費用を一部または全部補償してくれる保険です。

「ベンナビ弁護士保険」や「弁護士費用保険ミカタ」など、各種特約や付帯サービスを利用できる弁護士保険もあります。

法的問題を抱える可能性は誰にでもあるので、万が一の場合に泣き寝入りしたくない、家族を法的問題から守りたいといった方は、弁護士保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。

KL2022・OD・210

この記事の調査・編集者
みーさん
2017年にライターとしてアシロに入社し、主に交通事故とIT分野の執筆に携わる。2019年によりIT媒体の専任ディレクターになり、コンテンツの執筆・管理などを行っている。