ファクタリングは「償還請求権なし」が基本!ノンリコースでおすすめのサービス5選
ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡することで、支払期日が訪れる前に現金化するサービスです。
ファクタリングについて調べているなかで、償還請求権という言葉を目にしたことがあるかもしれません。
「償還請求権とはどのようなものなの?」「償還請求権があると、具体的にどのような対応が必要なの?」と疑問に思っている方も多いでしょう。
そこで本記事では、ファクタリングにおける償還請求権について詳しく解説します。
償還請求権なし(ノンリコース)で利用できるおすすめのファクタリングサービスも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
償還請求権とは?原則としてファクタリングはノンリコース
償還請求権(リコース)とは、債務者から金銭債権を回収できないときに、もともとの債権者にさかのぼって返還を請求できる権利のことです。
例えばファクタリングでは、売掛債権の譲渡後も支払い義務は売掛先の企業にあります。
しかし、なんらかの事情により、売掛先から債権を回収できなかったとしましょう。
その場合、償還請求権がある取引では、ファクタリング会社は債権の支払いを利用者にさかのぼって求めることができるのです。
なお、ファクタリングは原則ノンリコース、つまり償還請求権なしで取引します。
ただし、なかには償却請求権ありで取引をおこなう業者もあるため、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
償還請求権なしのファクタリングを利用する2つのメリット
償還請求権のないファクタリングサービスには、次の2つのメリットがあります。
- 売掛先が倒産しても請求されない
- 迅速に資金調達をおこなえる
それぞれについて詳しく説明しましょう。
1.売掛先が倒産しても請求されない
償還請求権がないことによる最大のメリットは、売掛先の倒産リスクを考慮せずに済む点です。
償還請求権のあるファクタリングでは、売掛金の支払期日までに取引先が倒産してしまった場合、利用者が費用を負担する必要があります。
そのため、せっかく資金調達に成功しても、万が一に備えて返還できる分の資金を保持しておかなければなりません。
これでは資金を積極的に活用できず、ファクタリングを利用するメリットが薄れてしまいます。
一方、償還請求権のない取引では、万が一売掛先から債権を回収できなかった場合でも、利用者が支払いを求められることはありません。
手数料以外の費用が発生する心配がないため、ファクタリングで得た資金を心置きなく活用できるでしょう。
2.迅速に資金調達をおこなえる
もう1つのメリットは、スピーディーな資金調達が可能な点です。
償還請求権のあるファクタリングでは、最終的に売掛金を回収できなかった場合の弁済責任は利用者が負います。
そのため、一般的なファクタリングとは異なり、売掛先だけではなく利用者の信用力もチェックされ、審査に時間がかかってしまうケースも少なくありません。
一方、償還請求権のないファクタリングなら、基本的に審査では売掛先の信用力のみが重視されます。
審査もスピーディーに完了するため、資金調達を急ぐ方にもぴったりです。
償還請求権なしで安心できるファクタリングサービス5選
ここからは、償却請求権なしで利用できるおすすめのファクタリングサービスを紹介します。
それぞれの特徴も解説しているので、ファクタリングサービスを選ぶ際はぜひ参考にしてください。
1.ビートレーディング
2012年創業のビートレーディングは、国内のファクタリングサービスにおけるパイオニア的な存在です。
東京・名古屋・大阪など日本各地に拠点を構え、対面契約や訪問契約にも対応しています。
オンラインで契約を完結させることもできるため、日本全国どこからでも利用可能です。
審査は最短30分で完了し、申し込みから最短2時間での入金が可能なので、資金調達を急ぐ方にもぴったりでしょう。
また、買取金額の制限がないため、少額から高額の取引まで幅広い売掛債権を現金化できます。
ファクタリング形態 | 2社間方式・3社間方式 |
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手数料 | 2社間方式:4~12% 3社間方式:2~9% |
手調達可能額 | 制限なし |
対応スピード | 最短2時間 |
債権譲渡通知 | 3社間方式の場合は必要 |
債権譲渡登記 | 要問い合わせ |
営業時間 | 平日9時30分~18時00分 |
運営会社 | 株式会社ビートレーディング |
2.QuQuMo(ククモ)
QuQuMoは、最短2時間での入金が可能なオンラインファクタリングサービスです。
パソコンやスマートフォンを使って日本全国どこからでも利用でき、請求書・通帳の2点のみで気軽に申し込めます。
弁護士ドットコム監修のクラウドサインによって契約を締結するため、セキュリティー面での安全性も十分です。
買取金額の上限がなく、高額な資金調達が必要なシーンにも重宝するでしょう。
ファクタリング形態 | 2社間方式 |
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手数料 | 1%~ |
手調達可能額 | 上限なし |
対応スピード | 最短即日(申し込みから最短2時間) |
債権譲渡通知 | 不要 |
債権譲渡登記 | 不要 |
営業時間 | 10時00分~17時00分 |
運営会社 | 株式会社アクティブサポート |
3.ベストファクター
ベストファクターは、建設や物流、医療や介護など幅広い業界で選ばれているファクタリングサービスです。
年間相談件数は10,000件を超え、豊富な実績に基づき、専門スタッフがスピーディーに査定してくれます。
必要書類は身分証明書・請求書・入出金の通帳の3点だけなので、気軽に利用できるのもメリットです。
電話相談なら最短5分で買取額を把握できるため、「まずは金額だけ知りたい」という方にもおすすめです。
7つの項目に答えるだけで、30秒で手数料を確認できる簡易診断シミュレーターも用意されています。
ファクタリング形態 | 2社間方式・3社間方式 |
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手数料 | 2%~ |
手調達可能額 | 30万円~1億円 |
対応スピード | 最短24時間 |
債権譲渡通知 | 3社間方式の場合は必要 |
債権譲渡登記 | 登記なしも可能 |
営業時間 | 10時00分~19時00分 |
運営会社 | 株式会社アレシア |
4.labol(ラボル)
labolは、個人事業主やフリーランスに特化したファクタリングサービスです。
オンライン上で手軽に手続きを完了でき、最短30分での入金に対応しています。
独立直後や新規取引でも関係なく利用できるとうたっているため、個人事業主やフリーランスになりたての方にもおすすめです。
東証プライム上場企業の子会社が運営しているため、サービスとしての信頼性も高いといえるでしょう。
また、10,000円から利用できるので、少額から気軽に利用できるのもポイントです。
ファクタリング形態 | 2社間方式 |
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手数料 | 10% |
手調達可能額 | 10,000円~ |
対応スピード | 最短1時間 |
債権譲渡通知 | 不要 |
債権譲渡登記 | 要問い合わせ |
営業時間 | 24時間365日(振込のみ) |
運営会社 | 株式会社ラボル |
5.PAYTODAY(ペイトゥデイ)
PAYTODAYは、オンライン完結型のファクタリングサービスです。
AI審査を導入し、最短30分での即日振り込みを実現しています。
手数料も1%からと低めに設定されており、手元に残る資金を増やすことが可能です。
また、最大90日後までの請求書買取に対応しているのもポイントです。
支払期日が少し先の売掛債権も現金化できるため、より柔軟な資金調達が可能です。
ベンチャー企業・スタートアップや地方中小企業、個人事業主やフリーランスへの支援に力を入れているのも特徴で、開業直後でも問題なく利用できます。
ファクタリング形態 | 2社間方式 |
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手数料 | 1.0~9.5% |
手調達可能額 | 10万円~上限なし |
対応スピード | 最短30分 |
債権譲渡通知 | 不要 |
債権譲渡登記 | 不要 |
営業時間 | 平日10時00分~17時00分 |
運営会社 | Dual Life Partners株式会社 |
償還請求権以外で注意すべきファクタリングの5つのポイント
ファクタリングサービスを選ぶ際は、次の5つをチェックするのがおすすめです。
- 手数料の高さ
- 審査・入金の速さ
- 債権譲渡通知の有無
- 債権譲渡登記の有無
- ファクタリングの形態
それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説していきます。
1.手数料の高さ
ファクタリングでは、請求書の金額から手数料を引かれた金額が入金されます。
そのため、手数料が低いファクタリングサービスを選べば、その分手元に残る金額を増やすことが可能です。
ファクタリングの手数料は業者によって異なりますが、2社間方式の場合は10~30%、3社間方式の場合は1~9%が相場とされています。
また、ファクタリングの手数料は、売掛先の信用力や売掛金の金額によっても左右されます。
ファクタリング会社にとっては、売掛先の信用力が高いほど未回収のリスクが低くなり、売掛金の金額が高いほど大きな利益を得やすいためです。
このように、実際の手数料は債権の評価によって異なるので、ファクタリングサービスで公開されている数値はあくまで目安と考えましょう。
2.審査・入金の速さ
ファクタリングサービスを選ぶ際のチェックポイントとしては、審査や入金の早さも重要です。
ファクタリングは、融資や出資など、そのほかの方法と比べてスピーディーな資金調達を実現できます。
このメリットを最大限に活かすためにも、審査にかかる時間や、入金までのスピードは事前に確認しておきたいポイントです。
審査や入金のスピードが早いほど、資金不足による機会損失のリスクを低減できるでしょう。
なかには、最短30分や1時間での入金が可能なサービスもあります。
資金調達を急ぐ方は必ずチェックしておきましょう。
3.債権譲渡通知の有無
ファクタリングでは、自社が保有する売掛債権をファクタリング会社に譲渡することで、支払期日が訪れる前に請求書を現金化します。
そのため、請求書を売却した時点で、売掛債権の債権者はファクタリング会社となるのです。
このとき、債権者の変更を売掛先に通知することを、債権譲渡通知といいます。
通常、利用者とファクタリング会社の間でのみ取引が成立する場合であれば、債権譲渡通知は不要です。
一方、売掛先を交えて取引する場合は、売掛債権を譲渡することを伝えるために債権譲渡通知をおこないます。
「経営状況が悪化していると思われたくない」といった理由から、取引先に売掛債権を譲渡したことを知られたくない場合は、債権譲渡通知が不要な方式を選ぶとよいでしょう。
4.債権譲渡登記の有無
債権譲渡登記とは、債権の譲渡がおこなわれたことを公的に証明する手続きです。
ファクタリングにおいては、売掛金に関する権利関係を明らかにし、複数のファクタリング会社に売掛債権を譲渡する「二重譲渡」を防ぐことを目的として登記するのが一般的です。
しかし、登記事項は誰でも自由に閲覧できるため、利用者にとっては、売掛先にファクタリングを利用したことを知られるリスクが高まります。
通常、売掛先を交えない方式では債権譲渡登記をおこないますが、なかには登記を必須としない業者もあります。
売掛先に知られるリスクをできるだけ低くしたい場合は、債権譲渡登記が不要なファクタリングサービスを選ぶとよいでしょう。
5.ファクタリングの形態
ファクタリングには、2社間方式と3社間方式という方法があります。
それぞれのメリット・デメリットをしっかりと把握し、自社に合う形態を選んでください。
2社間方式とは、利用者とファクタリング会社のみで取引が成立する形態のことです。
売掛先にファクタリングを利用したことを知られるリスクが少なく、手続きもスピーディーなので、迅速な資金調達を実現できます。
ただし、2社間方式は3社間方式と比べて、手数料が高くなりやすいので注意が必要です。
2社間方式では利用者とファクタリング会社の間で取引を完結させるため、売掛金も売掛先→利用者→ファクタリング会社の順に引き渡されます。
ファクタリング会社としては、売掛先から直接的に代金を受け取らない分、未回収のリスクが高まることから、手数料を高めに設定する場合が多いのです。
一方、3社間方式では、利用者とファクタリング会社に売掛先を加えた3社間で取引をおこないます。
ファクタリング会社が売掛先から直接代金を回収するため、2社間方式と比べて未回収のリスクが低く、手数料は低めに設定される場合が多くあります。
売掛先に債権譲渡を通知したうえで取引するので、審査に通りやすいのもメリットでしょう。
ただし、3社間方式では債権譲渡通知や承諾を得るための手続きが必要で、2社間方式と比べて審査に時間がかかる傾向があります。
今すぐにでも資金調達が必要な場合は、2社間方式を選択したほうが無難です。
【ケース別】取引先から売掛金が支払われなかった場合の対応
ここからは、取引先から売掛金が支払われなかった場合に、利用者がとるべき対応について見ていきましょう。
2社間ファクタリングの場合|ファクタリング会社へ連絡する
2社間方式のファクタリングでは、利用者が売掛先から受け取った代金をファクタリング会社に支払う必要があります。
万が一、売掛先が期日通りに代金を支払わなかった場合は、速やかにファクタリング会社に連絡してください。
そのあとは、ファクタリング会社が売掛先に対して直接代金を請求します。
利用者が代金を回収する必要はありませんが、ファクタリングを利用したことは売掛先に知られてしまいます。
こうしたリスクを回避するためにも、ファクタリングでは、できるだけ信用力の高い取引先の売掛金を選ぶことが大切です。
3社間ファクタリングの場合|基本的に何もしないで問題ない
3社方式のファクタリングでは、ファクタリング会社が売掛先から直接代金を回収します。
利用者はファクタリング後のお金の流れには関与しないため、売掛金が支払われなかった場合でも基本的に対応する必要ありません。
ただし、これはあくまで償還請求権がない場合の話です。
ファクタリングは原則、償還請求権なしですが、業者によっては償還請求権ありでの契約を求められる場合もあります。
契約時には、償還請求権の有無をしっかり確認しておきましょう。
ファクタリングの償還請求権に関するよくある質問
ここからは、ファクタリングの償還請求権に関するよくある質問に答えていきます。
Q.償還請求権があるかどうかはいつわかる?
償還請求権の有無は、ファクタリングサービスの公式サイトから確認できる場合が多いでしょう。
情報が見つからない場合は、事前に問い合わせておくと安心です。
また、償還請求権については契約書にも記載されるので、締結前に必ず確認してください。
Q.償還請求権ありで契約した場合のデメリットは?
償還請求権のあるファクタリングでは、万が一売掛金を回収できなかった場合、利用者に補填を求められます。
そのため、審査時には利用者の信用力もチェックされ、資金調達に時間がかかってしまう場合が多いでしょう。
資金調達を急ぐ必要がある場合は、償還請求権なしのファクタリングサービスを選ぶのがおすすめです。
Q.償還請求権ありのファクタリング会社は違法業者なの?
ファクタリングは通常、償還請求権なしで取引します。
ただし、銀行や貸金業者がおこなうファクタリングでは、償還請求権ありの契約を結ぶケースもあります。
その場合は融資とみなされ、手数料も利息として扱われる可能性が高いでしょう。
なお、貸金業者登録をしていない業者は、償還請求権ありのファクタリングを取り扱えません。
貸金業者以外の会社が償還請求権ありの契約を求めるのは違法行為なので、万が一、話を持ちかけられた場合は応じないよう注意してください。
さいごに|償還請求権なしのファクタリング会社と契約しよう
償還請求権とは、債務者から債権を回収できなかった場合に、もともとの債権者にさかのぼって補填を求める権利のことです。
償還請求権ありのファクタリングでは、売掛先から売掛金を回収できなかった場合、利用者が代金を支払う必要があります。
通常、ファクタリングは償還請求権なしでおこなわれますが、銀行や貸金業者のなかには償還請求権ありのファクタリングを取り扱っている場合もあるので、必ず確認してください。
ファクタリング取引において、償還請求権の有無は利用者のリスクを大きく左右します。
そのほかのポイントも含めて総合的に判断し、自身に合うファクタリング会社を選びましょう。