相続放棄とは?具体的な手続と失敗しないための6つの注意点

相続放棄とは?具体的な手続と失敗しないための6つの注意点

被相続人に借金がある場合には、相続放棄をすれば借金の返済義務を免れます。

しかし同時に財産を引き継ぐこともできません。

借金がいくらあるかわからない場合には、相続放棄をためらうこともあるでしょう。

この記事では、相続放棄について詳しく解説し、相続放棄をすべきケース、すべきでないケースを紹介します。

相続放棄は基本的にやり直しができない手続です。

あとから後悔しないための注意点についても解説しますので、手続をおこなう前に、確認してみてください。

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この記事を監修した弁護士
三上 貴規弁護士(日暮里中央法律会計事務所)
早稲田大学法学部を卒業後、早稲田大学大学院法務研究科へ上位入学。第一東京弁護士会 所属。現在は日暮里中央法律会計事務所の代表弁護士を務める。
(※本コラムにおける、法理論に関する部分のみを監修)

相続放棄とは

相続放棄とは、被相続人の遺産を相続する権利を放棄することです。

放棄の対象となるのは、預貯金・不動産などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナス財産も含まれます。

そのため、被相続人に借金がある場合に相続放棄をすれば、借金返済義務を免れます。

相続放棄は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、必要書類を添付して申述書を提出し、これが受理されれば認められます。

相続放棄が認められると、最初から相続人ではなかったとみなされるため、子や孫への代襲相続も発生しません。

書類に不備があると相続放棄は受理されません。

また、相続放棄には期限があるため、期限内に確実に放棄をしたい場合には、弁護士に依頼することをおすすめします。

相続放棄を選択すべきケース

相続放棄すべきケースは、以下のようなパターンが考えられます。

  • 遺産に占める借金の割合が大きい
  • 相続争いに巻き込まれたくない
  • 特定の相続人に遺産を相続させたい

遺産に占める借金の割合が大きい

被相続人のプラスの財産とマイナスの財産を比較して、マイナスのほうが大きいときには、相続放棄が有効です。

たとえば、被相続人に借金があったとしても、それ以上の現預金があれば、相続をした現預金から借金を返済できるでしょう。

しかし、現預金よりも借金が多ければ、結果的に相続によって借金のみを引き継ぐことになってしまいます。

このような場合は相続放棄をすることで、借金の相続を避けられるというメリットがあります。

相続争いに巻き込まれたくない

相続人同士が対立している場合、自ら遺産を受け取る権利を放棄することで、相続争いから抜けられます。

相続放棄をすれば、最初から相続人でなかったとみなされるため、代襲相続が発生しません。

そのため、自分の子、孫などが次の相続人となり、相続争いに巻き込まれることも避けられます。

相続放棄をすると、自分の相続分が振り分けられ、ほかの相続人の相続できる割合が増えます。

また、当初相続人でなかった者の順位が繰り上がり、相続権を得ることもあるでしょう。

特定の相続人に遺産を相続させたい

特定の相続人に遺産を集中して相続させたい場合にも、相続放棄は有効な手段です。

たとえば、被相続人が事業を営んでおり後継者に遺産を集中して相続させたい場合が考えられます。

他の相続人が相続放棄をすることで、後継者は株式などを含めた財産を集中して相続できるでしょう。

相続放棄した者は最初から相続人でなかったとみなされるため、遺留分の請求権も発生しません。

このように、相続放棄によって、遺産の分散を防ぎ、特定の相続人に遺産を集中して相続させることができます。

相続放棄を選択しなくてもよいケース

借金を引き継ぎたくなければ相続放棄を検討すべきですが、相続放棄をすると、借金だけでなく被相続人のプラスの財産も一切受け取れなくなってしまうため、慎重に検討しなければなりません。

たとえば、借金の額がはっきりわからない場合には、直ちにプラスの財産の相続権を失ってまで相続放棄すべきとはいえないでしょう。

そのような場合、「限定承認」という手続を選択することもできます。

限定承認とは、遺産の範囲内で被相続人の債務を弁済する手続です。

「限定承認」が有効なケースでは、相続放棄を選択する必要はありません。

ただし、限定承認には知っておくべき注意点もありますので、それらを考慮したうえで選択すべきかを検討しましょう。

限定承認のメリット

限定承認には、以下のようなメリットがあります。

  • 相続した財産の範囲内で被相続人の債務を弁済すればすむ
  • 不動産を確保できる可能性がある

限定承認は引き継いだ遺産の範囲内で借金を清算する手続なので、相続人は被相続人の借金を自分の財産から返済しなくても済みます。

これが最も大きなメリットでしょう。

実は他にも借金があったといった場合でも、引き継いだ遺産の範囲内で清算することになります。

また、不動産だけは確保したいという場合にも有効です。

限定承認は、裁判所の手続で借金をプラスの財産で清算します。

プラスの財産として預貯金と不動産があった場合、預貯金による清算ができなければ不動産を売却して清算することになるでしょう。

しかし、家庭裁判所に対して、鑑定人の選任を申し立て、鑑定人の評価に従った金額を支払うことで、不動産を取得することができます。

相続人の資力にもよりますが、限定承認なら、相続放棄を選択すれば手放さなければならなかった不動産を守れる可能性があります。

限定承認の注意点

限定承認にはメリットもありますが、デメリットもあり、現実にはあまり利用されていません。

限定承認を選択する際には特に以下の点に注意が必要です。

  • 相続人全員でしなければならない
  • 手続が煩雑
  • 期限がある
  • 相続税の減税制度が受けられない
  • みなし譲渡所得税が発生する

限定相続は、手続上相続人全員で裁判所に申述をしなければなりません。

相続人のうち、一人でも反対している場合には選択できない手続です。

また、限定承認の手続は非常に手間がかかります。

財産目録などの書類をそろえ、裁判所に申述し、相続財産の管理・清算手続を進めなければなりません。

遺産の全てを相続する単純承認や全てを放棄する相続放棄とくらべて手続が煩雑で、時間もかかるでしょう。

そのうえ、限定承認にも相続放棄と同じく、期間制限があります。

税法上のデメリットもあります。

限定承認をすると、資産を時価で譲渡したものとみなされ、譲渡所得税が課税されてしまいます。

また、相続税の減税制度が受けられないこともデメリットとなります。

相続放棄しても受け取れる財産

相続放棄をすると、被相続人の「相続財産」は受け取れません。

しかし、以下のものは相続財産ではないため、相続放棄をした後でも受領できます。

  • 遺族を受取人とする死亡保険金
  • 死亡退職金
  • 健康保険からの葬祭費・埋葬料
  • 遺族年金・未支給年金
  • 葬式の香典

遺族を受取人として指定した保険金は、受取人の固有の財産です。

また、遺族年金、未支給年金なども受給権は遺族にあります。

死亡退職金も遺族固有の財産となると考えられており、相続放棄をしても受領できます。

さらに、健康保険から支給される葬祭費や埋葬料、葬式の香典も相続財産には含まれません。

相続放棄の手続

以上を踏まえたうえで相続放棄を選択する場合、具体的な手続の流れは以下のとおりです。

  • 必要書類を揃える
  • 家庭裁判所へ相続放棄の申述書提出
  • 家庭裁判所が書類の不備をチェック
  • 家庭裁判所による相続放棄の申述を受理する旨の審判
  • 家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届く
  • 必要に応じて「相続放棄申述受理証明書」を取得

相続放棄は、相続人もしくは相続人の代理人が被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、必要書類を添えて申述書を提出することでおこないます。

家庭裁判所によって相続放棄の申述を受理する旨の審判がなされた時点で相続放棄が成立します。

相続放棄の申述は、不備がなければ基本的には受理されます。

必要に応じて「相続放棄申述受理証明書」を家庭裁判所から取得しておきましょう。

相続放棄申述受理証明書が必要なケース

相続放棄申述書を提出して、書類に不備がなければ、相続放棄を受理した旨の通知書が家庭裁判所から届きます。

多くの場合はこの相続放棄申述受理「通知書」を相続放棄したことの証明に使うことができます。

ただし、不動産の登記を伴う場合や、被相続人の債権者に求められた場合は、家庭裁判所に申請して相続放棄申述受理「証明書」を取得しておく必要があるでしょう。

相続放棄の必要書類

この章では、実際の相続放棄の申請で必要となる書類を解説します。

申立ての際に必要となる書類は以下のとおりです。

【相続放棄で必要な書類】

  • 相続放棄申述書
  • 申立添付書類

相続放棄申述書の記載方法は、申述人が成人か、未成年かによって若干異なります。

以下の記載例を参考に作成してみてください。

【参考】

成人の場合:相続放棄受理証明書交付申請書 記入例

未成年の場合:相続放棄受理証明書交付申請書 記入例

また、申立ての際に添付しなければならない書類があります。

【添付書類(共通)】

  1. 被相続人の住民票除票又は戸籍の附票
  2. 申述人の戸籍謄本

以上は全ての申述人に共通する添付書類です。

ただし、被相続人と申述人との関係によっては追加で提出しなければならない書類があります。

基本的には、被相続人との関係がわかる戸籍類が必要となります。

ただし、共通の添付書類のなかに既に同じ戸籍がある場合、追加提出する必要はありません。

申述人が被相続人の配偶者の場合

  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本

申述人が被相続人の子・孫の場合

  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
  • 申述人が代襲相続人の場合、被代襲者の死亡の記載のある戸籍謄本

たとえば、被相続人の子がすでに死亡しており、その孫が代襲相続人となる場合、子の死亡の記載のある戸籍謄本が必要となります。

申述人が被相続人の父母・祖父母の場合

申述人が父母や祖父母などの直系尊属の場合、先順位の相続人にあたる子やその代襲者がいないことを証明するため、以下の書類が必要です。

  • 被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍謄本
  • 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までの全ての戸籍謄本
  • 被相続人の直系尊属に死亡している方(相続人より下の代の直系尊属に限る)がいる場合、その直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本

たとえば、被相続人の父母がすでに死亡しており、その祖父母が相続人となる場合、父母の死亡の記載のある戸籍謄本が必要となります。

申述人が被相続人の兄弟姉妹・甥、姪の場合

申述人が兄弟姉妹、甥、姪の場合、先順位の相続人がいないことを証明する戸籍謄本が必要です。

  • 被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍謄本
  • 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までの全ての戸籍謄本
  • 被相続人の直系尊属の死亡の記載がある戸籍謄本
  • 申述人が代襲相続人(甥、姪)の場合、被代襲者の死亡の記載のある戸籍謄本

参考:相続の放棄の申述|裁判所

相続放棄申述書の書き方

相続放棄申述書の作成はそれほど難しくはないため、自分で作成して提出することもできるでしょう。

裁判所のホームページに書式と記入例が掲載されているため、それらを活用するとよいでしょう。

相続放棄申述書には以下のような事柄を記載します。

  • 申述人の本籍、住所、電話番号、氏名、生年月日、職業、被相続人との関係
  • 被相続人の本籍、最後の住所、氏名、職業、死亡日
  • 相続の開始を知った日
  • 相続放棄の理由
  • 相続財産の概略(資産・負債)

このうち特に重要なのは、相続の開始を知った日です。

また、申述人が未成年の場合には、親権者法定代理人もしくは特別代理人が記載して提出しなければなりません。

【参考】

成人の場合:相続放棄受理証明書交付申請書 記入例

未成年の場合:相続放棄受理証明書交付申請書 記入例

相続放棄にかかる費用

相続財産放棄受理申述書の提出する際には、手数料も必要です。

  • 収入印紙:800円分
  • 切手:裁判所によって違う

手数料800円は、収入印紙で購入し、申立書の所定の箇所に貼付して提出します。

また、切手は家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書を申述人に送る際に必要です。

切手の金額は提出する裁判所に確認しましょう。
>相続放棄の費用について詳しく知る

参考:各地の裁判所一覧|裁判所

相続放棄の手続期限

相続放棄の手続には、3ヵ月という期限があります。

3ヵ月の起算日は、自己のために相続の開始があったことを知った時からです(民法第915条)。

つまり、被相続人が死亡したことを知り、かつ、自分が相続人になったことを知った日から3ヵ月以内に相続放棄の手続をしなければ原則として放棄ができなくなってしまいます。

ただし、3ヵ月経過後の相続放棄の申述が認められる場合もありますので、以下で解説します。

相続放棄の手続期限を過ぎるとどうなる?

相続放棄は自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に申述しなければなりません。

この期間を「熟慮期間」といい、熟慮期間経過後は、原則相続放棄は認められません。

特別な事情があったケースで、熟慮期間を過ぎた相続放棄を認めた裁判例もありますが、稀なケースなので、期限内に手続を済ませるようにしましょう。

なお、家庭裁判所に請求することで、熟慮期間を延長してもらえる場合もあります。

相続放棄は弁護士に依頼するとスムーズな手続が望めます。

期限内の手続に自信がない方は弁護士への依頼も検討しましょう。

相続放棄の6つの注意点

相続放棄は、書類に不備さえなければ比較的簡単に認められる手続です。

しかし、いくつかの注意点があります。

期限後の相続放棄は原則認められない

相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時ら3ヵ月以内に、管轄の家庭裁判所へ申述しなければなりません。

期限内に相続放棄の手続をとらなければ、単純承認をしたものとみなされます。

3ヵ月の熟慮期間内に財産の全容が判明しない場合などには、理由と延長期間を添えて家庭裁判所に「相続放棄の期間の伸長」の申立てをおこなうことで、期限を延ばすことも可能です。

「被相続人との関係が疎遠であり、期間内に相続財産を把握することが難しいため」といった理由であれば比較的延長が認められやすいでしょう。

ただし、相続放棄の期間の伸長の申立ては、熟慮期間が経過する前におこなわなければなりません。

一度相続放棄をすると原則撤回できない

相続放棄は、一度家庭裁判所に受理されると、原則撤回はできません。

被相続人には借金ばかりで財産がないとして相続放棄の申述をし、受理されてから隠れた遺産が発見されたとしても、既に相続放棄をしていれば、相続権はありません。

原則撤回できないことを踏まえ、相続放棄するか、単純承認もしくは限定承認をするか、熟慮期間内によく検討しましょう。

遺産を使ってしまったあとは相続放棄ができない

被相続人に借金があったことを知らずに遺産を処分してしまった場合、単純承認したものとみなされ、相続放棄ができなくなってしまう可能性があります。

ただし、遺産を使う行為全てが処分行為とみなされるわけではありません。

【相続財産の処分行為】

  • 家屋の取り壊し
  • 遺産分割協議
  • 遺産の譲渡
  • 賃貸物件の解約 など

【相続財産の処分行為にあたらないもの】

  • 社会的に相当な範囲内の葬儀費用の支払い
  • 遺族を受取人とする生命保険金の受領
  • 経済的価値のない物の形見分け  など

以上は一つの目安に過ぎず、ケースバイケースで判断する必要があるため、弁護士に相談してみるとよいでしょう。

子や孫に代襲相続はされない

相続放棄をすると、初めから相続人ではなかったとみなされます。

そのため、相続放棄をした場合には、代襲相続は発生しません。

代襲相続とは、本来相続人となるはずの者が被相続人より先に死亡していたり、相続権を失っていたりする場合に、その相続人の子などが代わりに相続権を得ることをいいます。

代襲相続が発生する原因は、相続開始以前の死亡、相続欠格、相続廃除であり、相続放棄は含まれません。

相続開始前には相続放棄はできない

相続放棄は相続が開始される前に申述しておくことはできません。

相続争いが目に見えているからといって、被相続人死亡前の相続放棄申述は受け付けられません。

ただし、遺留分の放棄は生前でも認められます。

確実に相続財産を一人の相続人に集中させたいなどの希望がある場合には、あらかじめ被相続人は全財産を一人に相続させる旨の遺言書を作成しておきます。

同時に遺留分をもつその他の相続人は生前の遺留分放棄を家庭裁判所に申し立てて許可を得ておけば、相続開始後はスムーズに遺言で指定された相続人に財産を相続させられます。

被相続人本人を受取人とした保険金を受け取ると相続放棄できなくなることも

原則として、受取人に相続人が指定されている生命保険金は、指定された相続人の固有の財産とされ、相続財産には含まれません。

しかし、被相続人本人を受取人にしている場合には、保険金も相続財産に含まれるため、注意が必要です。

たとえば、被相続人が積み立て式の生命保険を契約していた場合、死亡に伴い保険契約が解約され、解約返戻金が発生することがあります。

この解約返戻金は、被相続人の財産として、相続財産に含まれると考えられます。

このような解約返戻金を受領して使用してしまうと、相続財産の処分行為とされ、相続放棄ができなくなるおそれがあります。

未成年者の相続放棄は特別代理人が必要になることも

相続人が未成年者の場合は、通常であれば、親権者が法定代理人となり、未成年者の代わりに相続放棄の手続をおこないます。

しかし、親権者と未成年者の間に利益相反関係がある場合などには、特別代理人を立てなければなりません。

たとえば、被相続人が父、相続人が母と子である場合、母と子両方が同時に相続放棄をするなら、母は法定代理人として子の相続放棄を申述できます。

しかし、母が財産を相続し、子が相続放棄をする場合には、両者に利益相反関係が認められます。

母の相続分を増やすために子に相続放棄をさせることも考えられるからです。

この場合は、家庭裁判所に対し、特別代理人選任申立てをおこない、選任された特別代理人が子を代理して相続放棄の手続をおこなうことになります。

相続財産清算人が必要なケースもある

推定相続人全員が相続放棄をすると、被相続人の財産を管理・清算する者が誰もいなくなってしまいます。

その場合、利害関係者が家庭裁判所に申し立てることで相続財産清算人を選任し、以後相続財産を管理・清算していきます。

利害関係者には、被相続人の債権者や、特別縁故者などが該当します。

相続放棄をした相続人には、相続財産清算人を選任する義務はありません。

ただし、相続放棄した不動産に居住しているなど、財産を占有している相続人には、相続財産清算人に対して財産を引き渡すまでは、自己の財産と同程度の注意によって相続財産を保存する義務があります(民法第940条)。

まとめ|相続放棄で悩んだら弁護士に相談を

相続放棄は、申述書を作成したうえで必要書類を添付して家庭裁判所へ提出すれば足ります。

それほど難しい手続ではないので、自力でおこなうこともできるでしょう。

しかし、相続放棄をする際には注意すべき点があり、それも状況によって異なります。

場合によっては相続放棄をすべきでないケースもあるでしょう。

相続放棄の手続に不安を感じたら、一度弁護士に相談してみましょう。

弁護士であれば、本当に相続放棄がベストな選択かを見極めたうえ、期限内に確実に手続をおこなうことができるでしょう。

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この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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