
遺産相続
遺留分侵害額の計算方法|計算例や請求手続きも解説
2023.09.11
相続放棄は、プラスの財産もマイナスの財産も、一切相続しない方法です。
そのため、マイナスの財産が多い場合は、相続放棄は有効な手段になるでしょう。
相続放棄にかかる費用は、自分でおこなうと約3,000円程度で済みます。
しかし手続きに不備があると、相続放棄ができなくなる可能性があるため、専門家への依頼がおすすめです。
本記事では、 相続放棄にかかる費用相場を自分でおこなう場合と司法書士・弁護士に依頼する場合に分けて紹介します。
あわせて、相続放棄の費用を抑える方法も解説しますので、参考にしてください。
相続放棄を考えていても、手続きにかかる費用や自分で手続きするのと弁護士に依頼するのはどっちが安いのかわからず悩んでいませんか。
相続放棄でかかる費用は弁護士の無料相談で知ることが可能です。まずは相談してみることが、悩みの解決につながるでしょう。
弁護士へ相談することで、以下のようなメリットを得られます。
当サイトでは、相続問題を得意とする弁護士を地域別で検索することができます。
無料相談はもちろん、電話で相談が可能な弁護士も多数掲載していますので、まずはお気軽にご相談ください。
相続放棄の費用相場一覧は以下のとおりです。
相続放棄の手続き方法 | 費用相場 |
自分でおこなう | 約3,000円~5,000円 |
司法書士に依頼する | 約30,000円~50,000円 |
弁護士に依頼する | 約50,000円~100,000円 |
自分で相続放棄の手続きをおこなう場合、かかる費用は約3,000~5,000円程度です。
【費用内訳】
相続放棄に最低限必要な書類・備品 | 費用 |
相続放棄申述書に添付する印紙代 | 800円 |
郵便切手代 | 470円 (84円×5枚、10円×5枚) |
相続人の戸籍謄本(全部事項証明書) | 450円 |
被相続人の戸籍謄本(全部事項証明書) | 450円 |
被相続人の除籍謄本・改製原戸籍謄本 | 750円 |
被相続人の戸籍附票 または、住民票除票 | 300円 |
【参考】裁判所|相続放棄の添付書類一覧表
詳細な費用は、管轄の裁判所によって異なります。亡くなられた方が最後に住んでいた管轄裁判所の費用を確認しましょう。
また、内縁・離婚・転勤といった状況や手続き方法によっても費用は変わってきます。
たとえば、自分と亡くなられた方の住所地が異なる場合、それぞれの市役所に戸籍、住民票などの書類を取りに行くか、郵送してもらわなければなりません。
そのため、交通費が高くなったり、切手代が増えたりします。
また、自分と被相続人との相続関係によって、10枚以上書類が必要になるケースもあります。
ケースによっては、書類の収集だけで数千円の費用が掛かる可能性があることも覚えておきましょう。。
相続放棄は原則、再申請ができません。書類の不備や記入漏れがあると、認めてもらえなくなる可能性があるため、自分で相続放棄の手続きをおこなう際は、慎重に記入しましょう。
相続放棄を司法書士に依頼する際の費用相場は、約30,000円から50,000円程度です。
司法書士に依頼すると、戸籍謄本などの書類を集めてもらえるため、手間が省けます。
【費用内訳】
相談料 | 0~5,000円/60分 |
申述書作成の代理費用 | 3,000~6,000円 |
代理手数料 | 30,000~50,000円 |
相続放棄の手続きは書類が多く、うっかりミスや、記入漏れをしてしまいやすいです。
司法書士は、戸籍謄本の取得に慣れているため、スムーズに取り寄せて手続きをしてもらえます。
また、相続放棄申述書の作成も依頼できます。
金額は目安であり、事務所によって異なりますので、司法書士への依頼を検討している際には、事前に問い合わせてみましょう。
相続放棄を弁護士に依頼した場合の費用相場は、約50,000円~100,000円程度です。弁護士に依頼すると、相続放棄にかかる手続きを一任できます。
【費用内訳】
相談料 | 0~10,000円/60分 |
申述書作成の代理費用 | 5,000~10,000円 |
代理手数料 | 50,000~100,000円 |
たとえば司法書士は、相続放棄申述書は作成してもらえますが、代理人になれませんので、後日、家庭裁判所から郵送されてくる「回答書」の作成や提出は代理でおこなえません。
あくまでも、アドバイスや手続きのサポートです。
しかし、弁護士に依頼すると、「回答書」も代理で作成し提出してもらえます。
回答書は、内容によって相続放棄が認められないケースもあり得るほど、重要な役目のある書類です。
そのため、自分で作成すると「受理されるかな」「認められなかったらどうしよう」と心配になる方もいるでしょう。
費用はかかりますが、弁護士に依頼すると、書類作成含め手続き全般を代行してもらえるため、相続放棄が認められる確率は高く、安心ではないでしょうか。
なお、裁判所や相続放棄の事案の内容に応じて、「回答書」が直接ご本人のご自宅に裁判所から郵送されてきて、自分自身で回答書を作成して提出するように求められることがあります。
このような場合でも弁護士に回答書の内容の記載方法を教えてもらって、提出すれば安心ですね。
以下のようなケースでは、相続放棄の費用が高くなる可能性があります。
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相続放棄の期限を過ぎている場合は、費用が加算されます。
なぜなら、期限を過ぎてしまった事情を説明する「上申書」を添付する必要があるからです。
相続放棄の期限は、「相続開始があったことを知ったときから3ヵ月以内」と定められていますが、上申書を添付することで、例外的に認めてもらえるケースがあります。
相続放棄の手続きに加えて、相続財産の調査も含めて依頼したい場合も、追加費用がかかります。
たとえば、相続放棄を検討するにあたり、預貯金や有価証券、不動産などの相続財産を把握したいこともあるでしょう。
相続放棄の手続きのほか、相続財産の調査も追加すると、費用が加算されます。
相続放棄手続きにかかる費用が心配な場合は、以下の方法を検討しましょう。
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相続放棄は、同じ相続順位の相続人であれば同時に手続きをすることが可能です。
専門家によっても異なりますが、兄弟姉妹の全員が相続放棄を考えている場合は、別々に依頼するよりも、まとめて依頼したほうが費用は安くなる可能性が高いでしょう。
法テラスとは、国が設立した法的トラブル解決の総合案内所です。
法テラスの民事法律扶助業務を利用すると、弁護士・司法書士の依頼費用を立て替えてもらえます。
法テラスでは、経済的にお困りの方が、費用負担ができないために相談ができないということのないよう、民事法律扶助をおこなっています。
民事法律扶助では、民事裁判等手続きに関する援助として、無料で法律相談をおこない(「法律相談援助」)、裁判費用や弁護士・司法書士の費用の立替えをおこないます(「代理援助」「書類作成援助」)。
引用元:法テラス公式サイト|民事法律扶助
ただし、利用には条件がありますので、検討する際は公式ホームページで確認しましょう。
万が一に備えて、弁護士保険に加入しておくのも、1つの方法です。
弁護士保険とは、弁護士に相談・依頼する際に必要となる弁護士費用を補償する保険を指します。
弁護士に相談すると、着手金の支払いがあり、まとまった金額が必要になるケースも珍しくありません。
弁護士保険に加入していると、着手金も保険から支払ってもらえるため、安心して依頼ができます。
また、弁護士保険は月額支払いになっており、加入するハードルが低いところも利点です。
相続トラブルのほか、離婚や近隣トラブル、子どものいじめ問題など、さまざまなシーンで利用できるので、加入して損はないでしょう。
相続放棄の費用は、依頼主が支払うのが基本です。
仮に、長男が兄弟分の相続放棄をまとめて依頼した場合でも、費用を負担するのは長男になります。
「弁護士と司法書士、どっちに依頼したほうがいいの?」と悩む方もいるかもしれません。
相続放棄の手続きは、司法書士の業務範囲に制限がかかっています。
【相続放棄における弁護士と司法書士の業務範囲の違い】
弁護士 | 司法書士 | |
相続放棄の相談 | できる | できる |
相続放棄申述書の作成 | できる | できる |
添付書類の収集 | できる | できる |
相続放棄の代理 | できる | アドバイスは可能 代理提出は不可 |
照会書・回答書の郵送先 | 弁護士宛に送られ、弁護士が回答・返送してもらえる | 自分宛に送られ、自分で回答して返送する |
相続人同士の関係がよい場合や、相続財産がシンプルな場合など、円満解決が見込めそうなときは、司法書士が有効な選択肢となるでしょう。
一方、相続手続きに少しでも不安がある方や、手間を省きたい方、相続トラブルが起きる可能性がある方は、弁護士への依頼がおすすめです。
【関連記事】相続放棄は弁護士に無料相談すべき?相談先ごとの費用や注意点を解説
相続放棄は、1度してしまうと撤回ができなくなります。そのため、相続放棄をする前に注意点を知っておくことが重要です。
以下の項目を確認したうえで、相続放棄をおこなうか判断しましょう。
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民法によって、相続放棄の期限は「相続の開始を知ったときから3ヵ月以内」と定められています。
第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
引用元:e-Gov法令|相続の承認及び放棄
通常、配偶者や子どもが相続人であれば、「被相続人が亡くなった日 = 相続の開始があったことを知ったとき」となるケースが多いです。
したがって、「相続が開始した」と知ったときから3ヵ月以内に手続きをおこなわなければなりません。
期限を過ぎると、相続放棄ができなくなる可能性があるので注意しましょう。
相続放棄をすると、相続財産を一切相続できなくなります。
たとえば、「借入金だけ放棄して預貯金は相続したい」は、できません。
とはいえ、「自宅だけ相続したい」「家宝だけ相続したい」ケースも考えられるでしょう。
マイナス財産がどれくらいか不明な場合には、相続放棄ではなく「限定承認」を選択する方法もあります。
【限定承認とは】 被相続人から受け継ぐプラスの財産の範囲内で借入などのマイナス財産を返済し、それを超える負債分は責任を負わない方法 |
明らかにマイナス財産が多い場合は、相続放棄が有効ですが、マイナス財産でも今後の収益が見込める住宅ローンなどは、受け継いだほうがいいケースもあるので検討してみましょう。
「念のために、早めに相続放棄の手続きをしておこう」と思う方もいるかもしれませんが、被相続人の生前に相続放棄をすることはできません。
なぜなら、家庭裁判所が生前の相続放棄を受け付けていないからです。
相続人が、被相続人の生前に「相続を放棄します」といった内容の誓約書を作成していても、書面に法的な効力は生じません。
繰り返しになりますが、相続放棄は、被相続人が亡くなり「相続の開始があったことを知ったときから3ヵ月以内」に手続きをしましょう。
相続人が相続を放棄した場合は、その子どもも相続できなくなる点にも注意が必要です。
民法では、相続放棄をした人は初めから相続人にならなかった、とみなされます。
そのため、相続人の子どもも相続ができなくなります。
第九百三十九条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。
引用元:e-Gov法令|相続の放棄
たとえば、会社員Aさんの実父が他界したとしましょう。
Aさんが仮に、相続放棄をするとAさんの子どもも、実父の相続ができません。
「子どもに引き継がせたい」と考える方もいるかもしれませんが、相続放棄をすると、Aさんを通り過ぎる形で、祖父から孫へと相続が引き継がれることはできないので注意しましょう。
相続放棄は、基本的に取り消せません。
「相続放棄したあとから財産が出てくる」ケースも否定できませんが、後日「やっぱり相続放棄やめたい!」となっても、認められないのです。
したがって、相続放棄は財産の調査をしっかりおこない、明確にしてから判断するのがおすすめです。
相続放棄の取り消しが認められているのは、以下のようなケースです。
【例】
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取り消し手続きも容易ではないため、後悔しないよう、よく考えてから判断しましょう。
相続放棄の手続きは、弁護士に依頼するのがおすすめです。
相続放棄により、自分はマイナスの財産を背負わずに済みますが、代わりに誰かが相続することになります。
たとえば、被相続人の子どもが全員相続放棄した場合には、被相続人の父母や、被相続人の兄弟(子どもから見るとおじ・おば)が法定相続人として登場します。
そのため、予期せぬ相続関係は発生し、話がこじれて相続トラブルに発展するケースも少なくありません。
相続トラブルが起きた際、対応できるのは弁護士です。
弁護士であれば、相続放棄の正当性を法的な観点から主張してもらえます。
費用はかかりますが、時間や労力、手間が省けるうえ、万が一の相続トラブルにも対応してもらえる安心感を得られるのは、大きなメリットといえるでしょう。
【関連記事】相続の相談はどこにするのがいい?相談内容ごとの相談先の選び方や相談窓口を紹介
相続放棄にかかる費用は、自分でおこなうと約3,000円程度です。
しかし、1度放棄してしまうと原則撤回できないため、条件や注意点をしっかり確認したうえで手続きを進めることが重要です。
弁護士へ相談すると、相続放棄をするべきか否かの相談から、手続きまで一任できます。
「こんなときは、どうしたらいい?」「手続きの仕方がわからない」と困ることがなく、安心できるのではないでしょうか。
無料相談をおこなっているところもあるので、利用してみましょう。
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