
遺産相続
遺留分侵害額の計算方法|計算例や請求手続きも解説
2023.09.11
今まで仲良くしていた兄弟姉妹同士でも、いざ遺産相続の話し合いになるとトラブルになるケースは少なくありません。
しかし、揉めたくないからといって相手の言いなりになっていると、相続で大きな損をしてしまう可能性もあります。
この記事では、よくある遺産相続トラブルのケースを紹介し、その解決方法を解説します。また、遺産相続トラブルを未然に防ぐために今からできることもお伝えします。
既に相続が始まっている方や将来のトラブルを避けたい方も、ぜひ参考にしてみてください。
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家庭裁判所の統計によると、1年間で家庭裁判所が受け付けた遺産分割関係事件は、統計開始以来年々増加を続けていることがわかります。
1949年の受付総数が853件だったのに対し、1995年は8,165件、2005年には1万件を突破し、2021年は13,565件に上りました。
もはや、相続トラブルは他人事ではないといえるでしょう。
遺産相続トラブルは、お金持ちだけの問題ではなく、遺産の額が1,000万円以下でもトラブルが発生するケースもあります。
令和3年最高裁判所の司法統計年報によると、1年間に申し立てられた遺産分割関係事件の総数6,996件のうち、約30%にあたる2,279件が、総額1,000万円以下の遺産を争う事件でした。
また、5,000万円以下の遺産で争われたケースは、合計すると全体の約80%にも上ります。逆に遺産が1億円以上あるケースで争われることはまれで、521件と全体の10%にも満たない数値に留まっています。
遺産相続トラブルが起きてしまう原因は、上述のように遺産の過多ばかりではありません。
このように、さまざまな理由によって相続人同士で話し合いがこじれ、遺産相続トラブルが発生してしまいます。
ここでは、よくある8つの遺産相続トラブルを紹介し、その解決法についても解説します。
被相続人は、遺言書を遺すことで、自分の財産を誰に引き継ぐかをある程度自由に決められます。しかし、その内容が偏りのある不公平なものだった場合には、相続人のあいだでトラブルになりやすいでしょう。
偏った遺言書によるトラブルを解決するためには、以下のような解決法があります。
被相続人の親、子、配偶者などの近い親族には「遺留分」という制度があり、被相続人を失ったあとの生活保障として、最低限の相続割合が保障されています。
これにより遺留分権利者である相続人は、遺留分を侵害している者に対し、自分の遺留分を支払うよう請求できます。
たとえば、相続人が長男、次男、三男であるにも関わらず、遺言書で長男に全財産5,000万円を譲ると記されていた場合、次男と三男は遺留分権を主張し、約830万円ずつ長男に請求できます。
まずは任意で遺留分侵害額を請求し、折り合いがつかなければ遺留分侵害額請求調停を申し立てましょう。また、遺言書そのものに疑問がある場合は、遺言無効確認の調停を申し立てることもできます。
遺言書に関するトラブルが発生した場合には、専門家である弁護士に相談し、遺言書の有効性や裁判手続きのサポートを受けることをおすすめします。
相続人の一人が無断で被相続人の預貯金を使い込んでいたことが判明した場合、処分されてしまった財産の扱いについて問題になることがあるでしょう。
特に、被相続人の財産管理をしていた相続人が、被相続人の預貯金を使い込むケースはよくあります。
本人が使い込みを認めている場合や使い込みが明らかである場合、他の相続人が同意すれば、使い込んだ金額を遺産に加えた金額をもとに、遺産分割することが可能です(民法906条の2)。
つまり、使い込んだ相続人の相続分から、使い込み金額を差し引くということです。
また、本人が使い込みを認めない場合は、現存の遺産額で遺産分割をおこない、別途訴訟によって使い込みの責任を追及していくことになるでしょう。
遺産に不動産がある場合、以下のように相続人のあいだで争いになりやすいでしょう。トラブルの一例として、以下のようなものが挙げられます。
不動産が含まれる遺産の分割方法としては、以下の4つがあります。
不動産以外の相続財産が十分にあれば、不動産を売却せずに誰か一人に相続させ、そのほかの財産を残りの相続人で分割する現物分割ができるでしょう。
もし不動産以外に十分な財産がない場合は、換価分割、代償分割、共有分割のいずれかで対処します。
ただし、共有分割で不動産を相続人同士の共有名義にしてしまうと、活用や売却の際に全員の同意や登記が必要になるというデメリットがあります。
相続人がそれぞれ離れて暮らしている場合は、遺産分割の話し合い自体が難しくなるでしょう。
また、長年連絡を取っていないため、居所もわからないことも考えられます。
しかし、相続人全員がそろわない遺産分割協議書は無効です。疎遠になっている相続人にも連絡を取り、遺産分割を進めなければなりません。
話し合いのために全員が集まらなくても、遺産分割協議書に全員が同意し、署名、押印すれば、正当な遺産分割協議は成立します。まずは遺産分割をする旨の連絡を取り、書面のやり取りなどで手続きを進めていきましょう。
協議は、手紙のやり取りやメール、電話でも可能です。最終的に、話し合いによってまとまった内容で遺産分割協議書を作成しましょう。
相続人の居場所がわからない場合や、相続人間で話がまとまらない場合は、弁護士などの専門家に依頼して手続きを進めることをおすすめします。
被相続人に前妻との間の子や認知した子がいる場合には、お互いに立場が違うため、争いになることも多いでしょう。
特に、相続手続きの際に初めて認知した子が判明した場合には、面識のない相続人が一人増えることになり、当然相続分も減ってしまいます。
なお、2017年9月5日以降に相続が開始するケースでは、被相続人の子のなかに婚内子と婚外子がいたとしても、相続分は平等です(民法900条4号)。
面識がない場合はまず、戸籍から住民票のある場所を特定し、相続の開始と相続人であることを伝え、遺産分割協議への参加を求めます。
意見が対立したり、連絡を無視されたりした場合には調停に発展する可能性も考慮し、弁護士などの専門家に依頼して話し合いを進めることを検討しましょう。
相続人の中に被相続人を扶養し、介護していた者がいる場合、当然「寄与分」として遺産を多めにもらえると考える方も多いかもしれません。
寄与分とは、被相続人の財産を増やすことに貢献したことに対して、上乗せして遺産を受領する権利のことです。
ただし、裁判で寄与分が認められるためには、被相続人の財産の維持・増加に対して「特別な寄与」が必要です。
相続人の一人が寄与分を主張し、話し合いでの解決が難しければ、調停や裁判上で解決することになるでしょう。ただし寄与分は、単に親の介護をしていたということでは認められにくく、「特別な寄与」といえるだけの証拠が必要です。
寄与分で揉めないためには、介護に貢献した相続人に対し、話し合いによって相続分に上乗せして支払うことも検討しましょう。
一部の相続人のみ被相続人から生前贈与を受けている場合も、相続人のあいだで不公平感を生みやすいでしょう。その場合、以下のように対処します。
このようなトラブルの場合、贈与された額を「特別受益」として相続財産に加算し、贈与額を含めた額で遺産分割をする方法があります。これを「特別受益の持戻し」といい、結果的に贈与額が贈与を受けた当人の相続額から差し引かれます。
ただし、贈与を受けた相続人が持ち戻し計算に同意しなければ、裁判手続きを利用することになるでしょう。
同族会社の経営者が遺言を残さずに死亡すると、いわゆる自社株の配分を遺産分割協議によって決めなければなりません。
後継者となる相続人が自社株をすべて相続すると、それ以外の相続人間で不平等になり、揉めごとが起こりやすいでしょう。
しかし、遺産分割協議が長引くと、会社の経営が頓挫してしまう可能性もあるため、早期に解決しなければなりません。
最もよい解決方法はやはり、被相続人が遺言で指定しておくことです。生前に遺言で自社株を後継者に引き継ぐことを決めておき、その他の相続人には自社株以外の財産を多めに振り分けるなど、各相続人に配慮した分配方法を記しておくことで、トラブルを未然に防げるでしょう。
遺言書がない場合は、自社株を相続した相続人が、他の相続人に対して代償金を支払うなどの対処をして、早期の問題解決を目指しましょう。
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以上のような遺産相続トラブルは、相続開始前に対処すれば、ある程度回避できます。
親が死亡したことを前提とした話をするのは、気が引けるかもしれません。しかし、以下のようにあらかじめ対策しておくことで、不要な争いや憎しみを避けられるでしょう。ここでは、遺産相続トラブルを避けるためにできることを解説します。
被相続人側で事前にできる遺言書の作成は、もっとも有効な遺産相続トラブル対策のひとつです。生前に、自分の財産をどのように配分するかを決めておき、遺言書に遺しておきましょう。
たとえば、不動産を配偶者に相続させる代わりに預貯金は全額子に相続させるなど、相続人間でなるべく不公平を感じないような配慮が必要です。
ただし、遺言書でも遺留分権を否定することはできません。遺留分侵害請求によって一部の財産は遺留分権利者に引き継がれます。
日ごろから相続について家族で話し合っておくことも重要です。できれば、親が認知症などにならず、元気なうちに以下のような内容を話し合っておきましょう。
話し合いをする際は、あくまでも被相続人となる者の希望に沿うかたちで進めましょう。
相続人それぞれが、法定相続分を理解しておきましょう。年配の方のなかには、旧民法の影響で、長男が全ての財産を引き継ぐのが当然、女性には相続権がない、などと勘違いしている方もいるでしょう。
たとえば、相続人が配偶者1人、子3人の場合の法定相続分は以下のとおりです。
家族法は、現代の家族関係の変化によって改正されています。法律に則った法定相続分を、あらかじめ把握しておきましょう。
法律上、誰が相続人に該当するのかを把握しておきましょう。
本人の死後、認知された子や前妻との間の子が相続人として名乗り出てくることもあるでしょう。相続開始と同時にその存在を知ると、お互いに感情的になり、トラブルに発展しやすくなります。
被相続人の生前から、自分が知らない兄弟姉妹がいないかを確認しておき、あらかじめ連絡を取っておくといいでしょう。
一部の相続人が親と同居して介護している場合には、財産の管理状況が他の相続人には見えにくく、疑心暗鬼になりがちです。
使い込みを疑われないために、財産管理を他の家族と情報共有しておきましょう。
また、家族で財産管理することが難しければ、家庭裁判所の審判により、成年後見人などを付けてもらい、財産管理を任せることも可能です。
特に本人が認知症になってしまうと、金銭管理が難しくなります。ブラックボックスにならないよう、目に見える形で財産を管理しておくことがトラブルを回避する有効な手段だといえるでしょう。
当事者同士の話し合いで解決できない場合は、弁護士に遺産分割を依頼しましょう。弁護士に依頼することで、以下のようなメリットが見込まれます。
弁護士に依頼すれば、相続関係の法律に則って手続きを進めてくれます。
どうしても取得したい財産があれば、法律に基づいてどのような対策をとれば取得できるかを教えてもらうことも可能です。
また、相手の相続人が立場上強い態度で理不尽な要求をしてきても、弁護士に自分の代理人として対等に対応してもらえます。
相続人同士の関係が悪いと、顔を見るだけで負担になるでしょう。顔を合わせれば感情的な言い合いになることもあります。
弁護士が代理人となって話し合うことで、お互い感情的にならず、冷静に協議を進めてもらえるでしょう。
相手と直接話をしなくても済み、精神的にも楽になるでしょう。
遺産分割事件を多く扱っている弁護士なら、交渉を有利に進められる可能性が高いといえます。相手の理不尽な要求を法律ではねのけることも可能でしょう。
また、特別受益や遺留分など、法律に詳しくないと知らずに受け入れてしまう不利益にも目が届き、公平に分割を進めてくれます。
話し合いでまとまらず、調停や訴訟などの裁判手続きに発展しても、引き続き同じ弁護士に依頼できます。
裁判手続きになると、揃えるべき書類も多く、立証方法も複雑です。弁護士に依頼すれば、調停や訴訟で主張すべきところを押さえ、有利に進められる可能性が高いでしょう。
たとえ正当な遺言書があったとしても、相続トラブルを避けられないことはよくあります。特に相続人同士が疎遠であったり関係性が悪かったりした場合、遺産分割協議が長期化し、なかなかまとまらないこともあるでしょう。
自分の主張は通したいけれど、相続トラブルの負担から解放されたいという方は、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に依頼すれば、代理人としてあなたの利益を第一に、他の相続人とのトラブルを解決してくれるでしょう。
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